014 モンテヴェルディ/聖母マリアの夕べの祈り/コルボ

アルバムの写真イタリアのついでにもう一つ。

前回のジョヴァンニ・ガブリエリとほぼ同時代のクラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)。 彼もサン・マルコ寺院と多いに関係のあった人物で、そこの楽長を務めた人だったようです。 彼はルネッサンスからバロックへと変遷するまっただ中の中心人物として音楽史のなかでは捕らえられているでしょう。 僕の中でも絶対に外せない一人です。

モンテヴェルディの作品にはマドリガーレ、宗教曲、そしてオペラさえあります。 そのなかで一つだけ取り上げるとすれば、僕はこれかな、『聖母マリアの夕べの祈り』。

このレコードについて

一時期すごく『ほれた』のがミシェル・コルボのもの。 彼のでは、同じ作曲者の『倫理的宗教的森』も『マドリガーレ集』もずいぶん聴いた。 だからここで揚げておく。 だけど僕にはこの曲の本当のスタンダードが今のところない。

コルボのものは、僕は好きだった。 透明で柔らかで清らかな流れのような演奏だった。 だけれど人は変わってゆく。 いつか僕はこれでは満足できなくなったんだな、きっと。 一つに考えられるのは古楽の普及。 自分の中に古い音楽の音のイメージが芽生えたとき、コルボのもの(現代の楽器による)ではない何か別のものを求めることになったのではないかと思う。

コルボのものには新旧2つの録音がある。 新しい方も悪くはないと思うけれど、僕は聴き慣れた古い方(録音:1966年頃)を取る。

レーベル:ERATO


アルバムの写真2古楽器によるものでは、古くはハンスマルティン・シュナイトのものを少しだけ聴いた。 声に好きで無いところもあったけれど、彼らのは古楽器による演奏だったし、コルボの流麗さとは全然ちがう音楽なのが面白いと感じた。

そしてジョン・エリオット・ガーディナーのアルバムが出た。 いつしか古楽器によるものではシュナイトのよりこちらをより多く聴くようになったので、ついでにそれをあげておく。 こちらも新旧2つの録音があるけれど、僕はどちらでもいい。 音楽の完成度からいえば旧盤かもしれないが、サン・マルコ寺院でライヴ録音された新盤にはライヴ特有の熱がある。 ここでは新盤(録音:1989年)にしておきましょう。

レーベル:ARCHIV


アルバムの写真3やはりミシェル・コルボのもので、『マドリガーレ集』も紹介しておきます。 もはやオーセンティックな演奏とは呼べないのだろうけれど、僕は好きだ。

レーベル:ERATO

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uploaded:2004