027 パレストリーナ/聖母被昇天ミサ/タリス・スコラーズ

アルバムの写真ドイツ・バロックが続きました。 その前は中世でしたからここはルネッサンスにしてみましょう。 そういえば、まだイタリア・ルネッサンスを紹介していませんでした。 ここではそれを取り上げてみます。

実はルネッサンスの少なくとも前半は、音楽の世界ではイタリアよりフランドル(現在の北フランスから南ベルギーあたり)がリードしていました。 彼らはフランドル楽派またはネーデルランド楽派と呼ばれていました。 そしてそこにイタリアの天才が出現する。 このジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ(1525?-1594)です。 この人はマドリガルも書いたけれど、やはり教会音楽でしょう。

彼の前のフランドル楽派としては以前に揚げたオケゲムがいます。 そしてその裏面のジョスカン・デ・プレと、ガブリエリの裏面のラッソー。 これらの人々の厳格ともいえる骨組みに、パレストリーナはイタリアの『艶』、もう少し具体的に表現するなら、美しい旋律と色彩を加えたと感じます。 さらにこの人には清澄で透明な放香と、微妙なニュアンスに満ちた明暗があると思う。

このレコードについて

僕にとっては新しい団体であるフィリップ+タリス・スコラーズのを揚げます。 僕はこれではじめてパレストリーナの音楽を知ったように思いました。 それまでこの人の曲は、ウィルコックスやターナー、シュミットガーデンのくらいしか知りませんでした。 そこにはこの作曲家の持つ、透明な放香と微妙なニュアンスに満ちた明暗が少し欠けていたように思う。 これらはこの録音ではじめて感じたものです。 全体としてはさらなる求心力もほしいけれど、この人のもう一つの特性、何と表現したらいいかな、一種のマニエリズムともいえるような独特のポリフォニーもここに感じ取れる。 しばらくはこれでいいかな。

レーベル:Gimell

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uploaded:2004