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笠置山~柳生~布目ダム~名張川~名張

新緑の飛鳥・奈良 初日

開催日 2009年04月29日(水)晴れ 少々暑い
参加者 ジーク/ムカエル/ケン・ボーズ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 43km
地域 近畿

笠置寺から
笠置寺から

コース紹介

京都府の南東の端にある笠置山から奈良県に入り、柳生の里を抜け、布目ダム、名張川と水辺を繋いで名張まで。新緑から万緑に変わりつつあるいろいろな緑が織りなす山と、穏やかなダム湖の水面、名張川の渓流と春ならではの風景を楽しみます。しょっぱなの笠置寺までは激坂、そのあともそこそこのアップダウンが楽しめます。車がほとんど通らない快適コース、渓流巡りの第一弾です。

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
笠置駅 START 発12:35 r325 店少々あり
笠置寺 2km 着13:15
発13:35
東海自然歩道など
柳生
 家老屋敷
5km 着13:55
発14:10
r4
r25
近くに十兵衛杉、芳徳寺
布目ダム 14km 着14:50
発15:00
r25
広域農道

八幡橋 23km 着15:50
発15:50
遊歩道 茶店あり
月ヶ瀬橋 25km 着16:07
発16:07
r4
r785

広瀬橋 33km 着16:50
発16:50
r785など
名張 43km 着18:00
泊:名張プラザホテル★/0595-65-0700/5,000円/二食付 
東京08:40(のぞみ213)→11:01京都11:19(JRみやこ路快速)→11:56木津12:02(JR大和路快速)→12:08加茂12:11→12:19笠置

笠置駅笠置駅

新緑を楽しむこの企画のスタート地点は京都府の南東の端、奈良県との県境にある笠置駅です。京都からの電車でまずは木津、つぎに加茂で乗換え、降り立った笠置駅は、北に木津川の流れ、その向こうに小高い山がある鄙びたところです。

笠置山に向かう笠置山に向かう

笠置駅を出るとすぐ目の前に笠置山が現れました。500mほど進むと笠置山への上り道の分岐がありました。その道は路面に○○印のある激坂です。笠置寺はこの上にあるのですがここから標高差200m、距離1.5kmで平均斜度13%超えと、とんでもないものです。

『こっちの激坂を行けば笠置寺に出られるけど、このまままっすぐ行けば勾配は緩いけれど笠置寺にはいけへん。どっちにしましょう?』 と企て人のジーク。

『おんなじところに行くんなら最初きつくても、あとが楽な方がええですわ。』 と久々に登場のケン・ボーズが言えば、

『お寺、観たいかも・・・』 とは、はるばる関東からやってきたムカエル。

激坂は即押し!激坂は即押し!

ということで、ここは激坂で笠置寺に向かうことになったのですが、案の定、20mも行かないうちから押しです。よいしょ、ヨイショと押し上げますが、それもきついくらいの坂が延々と続きます。

『こ、こんなんだったら緩い方行けばよかったぁ~』 と即嘆き節は、なんちゃって体育会系のムカエルです。

激坂からの眺め激坂からの眺め

へろへろ~、と押して押して押し上げると、ついに頂上近くまでやってきました。そこからは下には出発点の笠置駅、その向こうには木津川を挟んで対岸の小高い山並みが見渡せます。しかし、道はここで行き止まり!

松本亭という旅館の前で道はなくなっています。あるのは右手に向かう石の階段のみ。

『この階段をちょっと上ったら笠置寺やー』 とジーク。

激坂でヘロヘロの私たちはこの階段を進むのもままならず、ケン・ボーズは階段の途中から転げ落ちてしまうのでした。ありゃ、ま、だいじょうぶ?

笠置寺笠置寺

よろよろしながら辿り着いたのは笠置寺の裏門のようなところで、塀と小さな門があるだけであまりお寺らしく見えず、境内に入っても山の上にあるためか、一般的なお寺の伽藍配置のようなものがまったく見えてきません。

奥に進むと見えてきたのがこちらの今にも転げ落ちそうなでっかい岩。さらに奥にはこれも巨大な岩があり、そこにはうっすらと仏様らしき像が刻まれています。この磨崖仏は700年ごろ作られたらしく、お寺としては鎌倉時代に全盛を極めたそうですが、その後はかなり荒廃していたようです。

東海自然歩道東海自然歩道

笠置寺は周囲をぐるっと一廻りできて、高いところからの眺めはなかなかよろしく、初々しいモミジなどの木々が素晴らしいところでした。笠置寺からは『東海自然歩道』という林のなかを抜ける道を進みます。少し前までは地道でしたが現在はかなり手入れされていて舗装部分もありました。

柳生の里へ柳生の里へ

『東海自然歩道』は1kmほどで終わり、ほどなく柳生に入ります。柳生は江戸時代の時代劇にはかならず登場する徳川家の裏方、おなじみ柳生一族の里です。山間にポツポツと民家が点在する程度のひっそりとした静かなところです。

カントリーロードを行くカントリーロードを行く

木々の合間ではうぐいすが鳴き、田んぼでは蛙がゲコゲコ詠う中、のんびりカントリーロードを進みます。

『トレンクル、多段化したんでみんなについてけるぬぁわっはっは~』 と先頭の企て人ジーク。

柳生の家老屋敷柳生の家老屋敷

今は落雷で枯れてしまった大きな十兵衛杉をちらっと見て『家老屋敷』にやってきました。奈良県には武家屋敷はほとんど残っていないらしく、これは貴重な遺構とのこと。柳生藩は時代劇から想像するのとだいぶ違い、一万石ほどの石高しかなく、その家老の屋敷もさほど立派には見えないものでしたな。。

しかし、ちょっと面白いことがパンフレットに書いてあります。ここは山岡荘八が50代中半に買い取ったもので、その後遺族から奈良市に寄贈されたとあります。山岡荘八は文化財的な価値を残すために買い取ったのか、それとも単なる趣味趣向で買い取ったのか、ちょっと興味が湧きますね。

田んぼと緑田んぼと緑

『家老屋敷』からは布目川に沿って布目ダムへと向かいます。周辺の田んぼには水が張られ、早いところではもう田植えが行われていました。森の緑は針葉樹の濃い色の中に広葉樹の若葉の鮮やかな色が映えています。ところどころにある桐の花の薄紫もきれいです。

布目ダム布目ダム

県道25号線に入ると上りです。ダムはどこでも高いところにあるので、少しえっちらおっちらしなければなりませんが、ここは1kmほどで勾配もさほどきつくはありません。

ダムを廻り込むとそこは布目湖で、たっぷり蓄えられた水面に写る空と緑がきれい。

布目湖の湖畔の道を行く布目湖の湖畔の道を行く

布目湖の西側をぐるっと廻り、南にある橋に向かいます。この湖畔は『TOUR OF JAPAN』という自転車レースの奈良ステージのコースになっているそうです。横目に湖を見ながらどんどん行きます。

激坂激坂

橋を渡ると道は山道風です。脇の小さな棚田では今まさに田植えの最中。ここで本日2度目の押し。よっこらよっこら。。

同じく小さな畑の周囲にはなにやら電線のようなものが張り巡らされています。『感電注意!』の札が。いったいなにかあなと思って農家の方に聞けば、

『いのしし除けですよ~』

茶畑茶畑

押したり引いたりしながらなんとか自転車を持ち上げると広域農道に出ました。たいていの広域農道は立派な道で勾配がきついのが特徴ですが、ここもその例外ではありません。ダイナミックな上りと下りの道の脇は茶畑。お茶も新芽がきれいです。

『昔のお茶の木は丸かったとおもうたけどな~』 とジークが言えば

『昔は葉っぱを手で摘いだから丸かったのですが、最近は機械で直線的に摘むので幅1mほどの帯状で上も平に栽培されるんですわ。』 とケン・ボーズ。ふ~ん、そうだったんだ。

八幡橋八幡橋

茶畑を横目に見ながら豪快に下ると名張川の八幡橋に到着です。

名張川名張川

名張川は高山ダムが作り出す川で、布目川同様に木津川に注ぎ込みますが、ここはダムより上流でたっぷりした水量があり、湖とも川ともつかないようなものになっています。

遊歩道を行く遊歩道を行く

八幡橋を渡り北側の道を少し上ると、河岸に下りる遊歩道がありました。

『行けるかどうかわからんけど、ここいってみよか?』 とジーク。

駐車場の脇から滑るようにして下りると、木々の合間から川が覗けるなかなか快適な道になりました。手入れはあまりされておらず、路面には木の枝や落ち葉が積もっていますが、通るのには問題ないようなのでここを進みます。

渓流風の名張川渓流風の名張川

1kmほどでこの遊歩道は終わり、赤いアーチの月ヶ瀬橋が見えてきました。月ヶ瀬橋を渡らずにまっすぐ進むと月ヶ瀬梅林ですが、ここは橋を渡り南側に出ます。周囲には月ヶ瀬梅林にちなんでか、梅の木がたくさん植えられていました。

このあたりから川幅は狭まり、名阪国道を越すと道幅は狭まり、川の流れも渓流風になってきます。鴨の群れがザワザワザワッと音を立てて離水して飛び立って行きます。

広瀬橋から広瀬橋から

細かいアップダウンを繰り返し、山道風の細道から広い道に出るとなぜか川の水量も増え、広瀬橋に到着です。

最後の上り?最後の上り?

広瀬橋からは進路を変え、一山越えて本日の終着地名張を目指します。山間に小さな田んぼや畑があるのどかな道を上り出します。山の桜はこのあたりではまだ最後の花を咲かせていて目を楽しませてくれました。

えっちらおっちらと上り、上り終えてこれでもう下りだけと思ったら、さにあらず。一旦下ったあとは極端に狭くなった道になり、また上り。。へろへろ~ と再び上って、今度は本当の最後のダウンヒル。

名張の夕陽名張の夕陽

100mほど下ると視界が開け、名張の街に入りました。傾きつつある夕陽が田んぼに映る道の中をのんびり進みます。

『宿はあの辺です。もう一踏ん張りですよ~』 と声を掛けて進む先頭ジークです。大通りに出ると突然目の前に本日の宿が出現。こんなところにどうしてホテルがあるんだろう? というようなところですが、まだずいぶん先だろうと思っていたのでなにか得した気分になりました。

半日のこのコースは、まずは激坂、新緑のモミジが麗しい笠置山に始まり、武家屋敷にダム湖、渓流にアップダウンと見どころもコースの変化も楽しいコースでした。様々な色合いの新緑も目に痛いくらいの素晴らしさでした。

明日はさらにグレードアップした渓流第二弾とのことで、増々期待が膨らみます。

ひとこと by ムカエル

昨年秋に職場が変わって休みが取り易くなった関係で、今年のジオポタはフル参戦状態のムカエルです。ジオポタのメインイベントは何と言ってもGW企画。サリーナの山口企画に「ハーイ!」って手を上げたところ、「山口に行く前に奈良もぶらつかない?」ってお誘いが。一瞬家族の事が頭をよぎったのですが、「ハーイ、行きまーす!」と条件反射。愛する家族から笑顔(?)で見送られて連休初日の4/29早朝に我が家を旅立ったのでした。

奈良と言えば高校時代に修学旅行で訪れた事があるだけで、覚えている事と言ったら奈良公園で鹿に餌をやった事位。どんな所なのか、十何年振りに乗る東海道新幹線の中ではしゃぎながらワクワクドキドキ。ツアーの始まりはのっけから笠置寺に向かう激坂で即押しと異例な幕開けで始まったのでした。幸い3日間とも素晴らしい天気に恵まれ、ジークの練りに練ってくれたルートを十分堪能する事が出来ました。旅の記憶はすべてが素晴らしいものですが、その中でのマイベスト3を敢えてあげると次の通り。
初日:笠置寺(激坂+階段担ぎ上げ付きでつらかった)
二日目:香落渓(見事な渓谷でした)
三日目:天理教本山(何と言ったら良いのか、、、宗教の力を感じました)
ジーク、素晴らしい企画をどうもありがとう。

ところで旅の記憶は必ずしも名所旧跡に限った訳ではありません。番外編として是非挙げておきたいのが初日に泊まった名張プラザホテル。典型的なビジネスホテルですが、一泊二食付きで5,000円とは激安。部屋も広くて清潔だし、夕食も十分満足出来るレベル。朝食は無くなり次第終了との条件付ながらおにぎり、お味噌汁、お茶、コーヒーが用意されています。(因みにサイダーはここでおにぎり四個とお味噌汁三杯も食べていた!!!) 次回名張方面に出かける機会があれば又泊まりたいものです。

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uploaded:2009-05-09