田園を行く
今日は曇りで、小野川温泉の朝は少々肌寒く感じられました。
今日のコースは小さいながらも二つの峠を越え、距離も90kmと少々長いので、ジークとケロガメは手ノ子まで輪行することにし、サリーナとサイダーが小さな峠へと向かいます。
飯森山?
温泉街を出のんびりした田舎道を行くと、南西に白い山が現れました。福島県との境にある飯森山あたりでしょうか。
『きれいな山~』 とその山に向かってどんどこと進みます。
サイダーが行く
今日の前半は幹線道をほとんど通らない、快適なカントリーロードが続きます。
『これなら快調に行けるね~』 とサイダーが飛ばします。
怪し気な道に
国道121号会津街道に沿う細い道に入りました。この道、あまり使われていないようで、落ち葉や木の枝が路上に散乱していました。ん~、ちょっと怪し気な道ですね。
こんなところに雪?
その道をどんどこ行くと、なんと妙なところに雪が溜まっているではありませんか。上に国道が走っているので、日影になって解けない? ちょっと理由はわかりませんが、なんとも妙な残り方です。
ここは、エイヤー、とちょっと押して乗り越えます。
国道121号会津街道
国道に出ると行く手には山が。烏帽子山あたりでしょうか。私たちはあの山の手前を右折し、北へ向かいます。
ぼちぼち上り
国道を離れ川西小国線に入るとぼちぼち上りがやってきました。山間の道をえっこらえっこらと上り始めます。最初の峠はほどなくやってきました。国道から1kmほどで峠に着いてしまったのです。ここは峠というよりちょっと坂道を上ったという感じでした。
この峠からは5kmほど下りが続きます。ほとんど車が通らない田舎道のダウンヒルは気持ちがいい!
二つ目の峠へ向かう
小さな村の十字路を左折すると、再び上りが始まります。左手の田んぼがなくなると、そちらは大きく落ち込んだ谷となり、うねうねした本格的な上りがはじまりました。
えっこらえっこ上り、標高が490mになると峠に到着です。道の雰囲気はいいものの、峠からの見晴らしはないので、さっさと下り始めます。
白川湖への下り
いつしか道が広がり、左手には小さな川の流れが見え出します。
峠から手ノ子までの20kmほどは、ずっと下り続けます。
雪解けの山
周囲の山にはまだ少し雪が残っていますが、あらかた解けていて、春はもうすぐといった雰囲気。木々も新芽の準備で、ほのかなピンク色です。
白川湖
進むにつれ川幅が徐々に広くなります。この白川湖は白川ダムによって塞き止められたダム湖で、湖というより広い川といったほうがいいような形をしています。
湖面は静かで、物音一つしません。
まだまだ下る
白川湖の出口にある公園風のところでちょっと一休みし、ジーク・ケロガメ班と連絡を取ります。
ここから手ノ子までは10kmほど。下り基調なので30分ほどで到着しそうです。ジークたちは手ノ子まであと一時間ほど掛かりそうだというので、サイダー・サリーナ班はゆっくりぶらぶら行くことにします。
赤岩薬師堂
地図を見ると手ノ子の手前に赤岩薬師堂という記載があるので、寄って見ることにしました。
米沢飯豊線を離れ、のんびりした景色の白川の東岸を進みます。小さな薬師堂の標識を折れるとちょっとした上りです。その坂の上にひっそりと赤岩薬師堂は建っていました。
きれいなしだれ桜が満開。
手ノ子から揃って
手ノ子駅前の食堂に全員揃い、お昼です。ここからは4人揃って50km先の高瀬温泉を目指します。
米坂線に沿って
国道113号米沢街道はこのあたりの幹線道で交通量が結構あり、走りにくいので出来る限り通らないようにします。
米坂線の線路の北側に良さそうな道が走っているので、まずこれを行きます。前半輪行で力が余っているジークがガシガシ行きます。逆にサリーナは前半で力を使い果たしたのか、てれてれモード。
雰囲気のいい道をちょっと上る
左手下に線路と川を見ながら最初はちょっと上りです。このあたりは新宇津トンネルが分水嶺なので、そこまでは上りなのです。
水仙と松
小さな上りが終わると足下には黄色い水仙が咲き、ちょうど頂上のあたりに形の良い松が生えています。もしかすると昔はこちらが街道で、この松は小さな峠の目印だったのかもしれません。
国道に出るとすぐに新宇津トンネルです。これは長さ1.3kmほどもあり、できれば迂回したかったのですが、旧道のトンネルは通行不可能なので止むなく通行します。しかしここには2mほどの歩道が設けられていたので助かりました。
小さな下り
こちらは羽前沼沢近くの迂回路。小さなアップダウンがありますが、下りならまかしておいて! とサリーナがどんどこ行く。
明沢川の小さな見所
伊佐領の手前のトンネルとトンネルの間にある橋からの眺めです。なかなか良さそうな沢が流れており、真下にはどこからやってきたのか、巨大な丸い岩がころがっていました。
この沢、ここより下流では横川といい、さらに下流では荒川と呼ばれる流れで、このあたりの地図の表記は明沢川となっています。この上流ではまた異なる名が付いているので、とてもややこしい。
旧道を行く
伊佐領を過ぎ羽前松岡の手前で国道を離れ、大きく北を廻る旧道に入ります。まったく交通のないこの道はジオポタの独占です。
『お~、ここはい~ね~ぇ』 とケロガメが行く。
山と川が気持ちいい
右手には小高い山が迫り、左手には横川の流れを見ながら快調に行きます。こんなところに入ると、すぐ側を喧噪の国道が通っていることを忘れそうになります。
横川沿いを行く
羽前松岡の先で今度は南に進路を取り、山の麓を大きく廻ります。そこにあるのは山と畑、そして時々横川の川面です。
赤芝峽に入る
小国の街を過ぎ国道沿いの道の駅を過ぎると、横川は荒川に合流します。するとほどなく赤芝峽です。ここに来て山々には緑が現れました。標高がぐ~んと下がったのです。
新緑の山はやっぱり魅力的ですね。
小さな流れ
赤芝峽沿いの道はほとんど使われていないようで、倒れた木の枝が路上にころがっていたりします。そんな道の山側にはいくつも小さな流れがあります。
新緑ときれいな水の流れはとても清々しく感じます。
ぐるっと廻る
赤芝峽の流れは半径300mほどの円弧を描いて優雅に回り込んで行きます。ぐるっと廻ってちょうど半円を成しています。
ちっちゃい滝
豪快なものはないけれど、このような清らかな流れがあちこちに落ちています。
赤芝峽の記念写真
のどかな赤芝峡ももう終わり。並んだのは、左からアエイオウをやりながら走るジーク、紅一点サリーナ、かわいらしいお買い物かごはケロガメでした。
荒川と山
今日の行程もいよいよ終盤です。いつの間にか新潟県に入り、脇を流れる荒川は越後金丸を過ぎたところで幅が広がります。この先には岩船発電所があるのでそこで塞き止められているのでしょうか。たっぷりとした水量です。
荒川を渡る
そこにはオレンジ色の国道、青い米坂線、そして私たちが通った赤い橋と3つのカラフルな橋が架かっています。
一旦国道に出たあと最後の迂回路、越後片貝の先の万木山森林公園の廻りを回る道に入ります。この道もほとんど使われていないようで、公園は荒れ放題のようですが、誰もいない道は自転車では快適です。
吊り橋
こちらは万木山森林公園の少し先、荒川に架かるかなり長い吊り橋で、対岸は鷹の巣温泉。歩くとちょっとゆらゆらして怖い。
丸山大橋から西を望む
この吊り橋から先にあるお野点公園の桜はほぼ散っていました。昨日まで山に緑はなく、桜が満開だったのが、ここにきて山には新緑、そして桜は終わりとなったのです。
お野点公園の先の丸山大橋からの眺めは味わいのあるものでした。川の向こうには水が張られた田んぼが広がり、その先には日本海が見えないように立ちふさがる山々です。その山のくびれたところが荒川の出口で、明日はいよいよそこを通り、日本海に出ます。
本日の終着地高瀬温泉は、写真左端の土手の内側です。ここから一漕ぎして温泉にざぶ~ん。
ひとこと by サリーナ
今年のGWは「みちのく横断」、タイトルからしてスゴそうだ! 『GW期間の東北って寒くないの? まさか雪があったりして?』と冗談のつもりで言いながら、いざ出発。
行ってみたらやっぱりあったのね、雪。それに加えて満開の桜あり、新緑あり、汗ばむ陽気ありで、冬から初夏までの季節を早送りで堪能したような5日間でした。
ハイライトはやはり蔵王、雪壁の中の豪快なダウンヒル! 晴天に白い山々が連なる絶景の中を下りだけ楽しめるとは おいしい企画を考えたサイダーに拍手です。それにしても初日の笹谷峠「通行止め」看板を見たときにはどうなることかと思いましたが、連日の温泉に、山寺や上杉神社など見所もたくさんで、日本海が見えたときには達成感でいっぱいでした。
ところで帰ってみたら、結構走ったというのに体重3kg増。牛すき、芋煮、そば、山菜、刺身にごはん、とにかく連日おいしかったですからね。。