蔵王温泉・川原湯共同浴場
今日もお天気。蔵王温泉の朝は清々しくちょっと肌寒いくらいです。この温泉街には三つの共同浴場があります。いずれも小さな浴場ですが、結構な人気のよう。
そのうちの一つ、川原湯に行ってみました。宿屋の裏手にひっそりと小さな小屋があります。これが川原湯です。
川原湯の内部
ここの共同浴場は入場時間の制限があり、朝は6時から。この制限を知らずに5時半過ぎに着いてしました。しばらくすると、同じく時間の制限を知らない人が一人、二人とやってきました。
『6時からだそうです。』 というと、皆一様に
『え~、知らんかった~』
これらの方々とおしゃべりしつつ6時になるのを待ちます。しかし6時になってもドアは開きません。電気式の自動開錠なのですが、タイマーが少々狂っているみたい。5分ほど経つと、カチャリと音が。入場料箱に200円投入して中に入ります。
お待ちかねの温泉タイムです。ここの湯船はちょっと変わっていて、底と横が簀の子になっています。そこからお湯がどんどん湧いてきます。硫黄臭が強く、強酸性です。温度は大露天風呂同様にちょっと高めで長くはつかっていられません。それでも
『プハー、あ~、お~、い~~』
ジャンボタクシーで
今日は蔵王のお釜散策から。蔵王ハイラインは自動車専用道で自転車は通行できないため、ジャンボタクシーをチャーターしました。
まずはうねうねと蔵王ラインを行き、蔵王エコーラインをひた上ります。西にはなが~い朝日連峰が見事な姿を見せ、行く手の蔵王の山々はどんどん大きくなってきます。
雪壁の中を上る
自転車では蔵王ハイラインを下りてこられないので、刈田のリフト乗場に寄ってもらい、そこに駐輪させてもらいました。
『今日はすばらしいお天気ですね。こんなに山が良く見える日は年に数日しかありませんよ。』 と運転手さん。どうやら今日は当たりらしい。
自転車を下ろしたあと、タクシーは蔵王ハイラインをうねうねと上ります。そこの雪壁は人の高さを遥かに超えています。
凍りついたお釜
タクシーを蔵王ハイラインの終点で下り、歩くこと2~3分。意外とあっさりお釜に到着です。しかしそこで目にしたものは。。
『お、お釜が凍っている!』 なんとお釜の池はあのエメラルドではなく、真っ白だったのです。これには全員びっくり仰天。しかし考えてみれば池はただの水なんだから、寒ければ凍るのは当たり前ですね。
刈田岳山頂
お釜の南には刈田岳の山頂があり、神社がありました。雪を踏みしめながら、えっこらえっこと上ります。
山頂でハイ、ポーズはおとぼけジークとサイダー。
刈田岳より南を望む
山頂付近はもの凄い風で吹き飛ばされそうです。そしてとにかく寒い寒い。しかしここからの眺めを楽しまなければと、神社の脇に廻ります。下にハイライン、そしてその向こうには延々とごま塩頭の山々が続いています。
これは絶景!
スノーボードの人々
お釜と山の眺望を充分楽しんだので、リフト乗場に向かいます。途中、スノーボードを担いだ人々と一緒になりました。この先の雪面を滑り降り、お釜の底近くから雁木で上るのだそうです。これもなかなか楽しそうですね。
リフトからの眺め
リフトで下りる途中の風景です。近くにはまだたっぷりとした雪。遠方の山並みは迫力があります。このリフト、今では珍しくなったオープンエアの一人乗りでした。
蔵王刈田リフト乗場をスタート
5分ほどで自転車を置いてあるリフト乗場に到着です。まだ背丈ほどに積もっている雪は道路際はきれいに削り取られていて、ちょっとした雪壁になっています。
いよいよここから大ダウンヒルの始まりです。
『いざ、しゅっぱ~つ!』 と元気にスタートを切るサリーナ。
どんどん下る
ケロガメ、ジーク、そしてサイダーと続き、どんどん下ります。森は上の方は針葉樹が多く、やがて芽吹きを待つ広葉樹となります。前方の遥か彼方にはあの朝日連峰がうっすらと見えています。
まだまだ雪の中を下る
スピードが出過ぎないようにブレーキをかけつつも、豪快な下りが続きます。
朝日連峰
いくつもいくつもヘアピンカーブを抜けるうちに、徐々に周囲の雪嵩が減り、ほとんどなくなってきました。右手の視界がちょっと開けると坊平高原です。
朝方ははっきり見えた朝日連峰ですが、空気がもやってきたのか、ここではぼーっとした雲のように見えます。
唐松林を抜ける
スキー場を抜け、牧場を抜けると、ついに周囲に雪がまったくなくなりました。今度は唐松林の中を抜けて行きます。
抜ける視界
左手が大きく落ち込んだカーブに差し掛かると、前方への視界がスーと抜けて行きます。そこには例の朝日連峰が続いています。
山川牧場
川筋の谷に落ち込んだ道がここまでなかった上りに転じると、そこの道脇にあるのは山川牧場です。アイスクリームがおいしいというので立ち寄ってみました。
ん~ん、癖がなくとってもおいしいアイスクリームです。
カントリーロードを行く
山川牧場からは蔵王エコーラインを離れ南へ向かいます。入った道は田舎道といった雰囲気でいい感じ。ここもしばらくは下りが続きます。
蔵王の山々を後ろに
周囲には狭いものの畑が広がり、その後ろにさっきまでいた蔵王の山々が裾野を広げています。あっという間にあのてっぺんから、もうここまで下りてきたのですね。
さくらんぼの花
山形名産といえばサクランボ。甘酸っぱくて好きな果物です。
さくらんぼは桜の実なのは知っていたけれど、どういうふうに栽培されているのかは知りませんでした。このあたりではそのサクランボの栽培が盛んなようで、まるで梅の木のような形の木が、畑ごとネットに守られています。
この畑の桜の木はネットが架けられていないのでその姿が良くわかります。サクランボの花はほとんど真っ白でした。
さくらんぼの木の間を行く
お昼時にはちょっと早いけれど、このあたりに食堂は少ない。通りがかった原口というところにあるそば屋はごく普通の民家のような体裁。しかし店に入ってびっくり。結構な席数がありますが、まだ昼前だというのに満員です。
山形の食といえばそばというくらいそばは有名ですが、こんな辺鄙なところにあるそば屋が昼前から満員というのは驚くほかありません。どうやらこの店、このあたりでは有名なようです。ん~ん、確かにおいしい。
金山川を渡る橋
しっかりした田舎そばを堪能したあと、小さな川に出るとそこには由緒ありそうな石の橋が架かっています。地図にはこの先は奥州街道楢下(ならげ)宿とあります。
楢下宿
その昔、ここは山形へ抜ける街道だったようです。この筋には歴史を感じる建物がいくつか残っていました。茅葺き屋根のいくつかの建物にはちょっとした解説が掲げられており、見学できるようになっていました。
そんな民家を横目にポタポタと進みます。
蔵王を背後に
楢下宿を出ると再び蔵王が背後に現れます。どこからでも望める山というのはやっぱり存在感があります。
お愛想でにっこり顔のケロガメですが、実はこのあたりから道は上りに。
小さな峠へ向かう
周囲が小高い山に囲まれるようになると、勾配は緩いものの、道ははっきりと上りになります。ここから小さな峠を越えるのです。
快晴とあって標高が下がったこのあたりは暑い暑い! 蔵王山頂との気温差に戸惑いながら、ちょっとだけえっこらします。
屋代川
短いトンネルの柏木峠を越すとR113までは快適な下りです。屋代川沿いを西へ向かうと、赤い大きな鳥居に出ました。鳥居には八幡宮とあります。どうやらこの鳥居の先に神社がありそうなので休憩を兼ねて寄ってみることにしました。
安久津八幡宮前の三重塔
R113の北側にその八幡様はありました。しかし最初に目に付くのはこの三重塔です。塔は寺院建築ですから、いつごろか神仏習合の考えから、八幡様とこの塔を持つお寺がここにいっしょに建てられたようです。
その塔の前には満開の菜の花。そして桜も満開。この横は古墳や古代の住居などの公園になっており、こいのぼりが泳いでいました。
まほろばの緑道
安久津八幡宮から西へ2kmほど行ったところから『まほろばの緑道』が始まります。これは廃線になった高畠鉄道・山形交通高畠線の跡地を整備したもので、高畠駅まで続き、6kmほどの沿線に700本といわれる桜が植えられています。
この桜のトンネルはみごと!
高畠駅から最上川へ向かう
まほろばの緑道が高畠駅で終わるも、自転車道は先へと続きます。最上川の支流、砂川の土手も桜が満開。土手上にはサイクリングロードが延びています。
最上川沿いを行く
最上川沿いにもサイクリングロードがあり、これは米沢市内まで続いています。安心・快適なこのサイクリングロードをどんどこ行くと、前方に山が見えてきました。福島県との境にある吾妻山でしょう。
最上川とケロガメ、ジーク、サリーナ
最上川は上流に行くにつれ幾筋かに別れますが、本流の左岸を行けばずっとサイクリングロードです。
学生時代を米沢で過ごしたケロガメは、はやる心を押えられずに先頭を牽きます。
上杉祭りの帰り姿
米沢市内でサイクリングロードが途切れたところから、街の中央部まではすぐでした。
この日は上杉祭りの川中島合戦が近くの河原で行われたのでその帰りでしょうか、勇ましい姿の武士が街中を歩いています。
米沢城のお堀
米沢の見どころといえばまずは上杉神社でしょうか。米沢城の中央にあるこの神社は上杉祭りの影響でか、この日は大入り満員でした。
写真はその上杉神社がある米沢城のお堀です。ここも満開の桜。今回のツアーはどうやら桜巡りといった傾向が強くなりました。
上杉記念館(上杉伯爵邸)
こちらはそのお城のすぐ脇にある上杉家の館で、明治時代に建てられたものを大正年間に再建したものだそうです。現在はどうやらレストランとして使われているようで、中ではお茶が飲め、会食ができます。
小野川温泉へ向かう
米沢城付近を散策したのちは、10kmほど郊外にある小野川温泉へと向かいます。
混雑した国道からr233へ入ると周囲は小さな田畑になり、前方にぽこぽこした山並みが見え出します。最後にちょっとした上りがあり、米沢の奥座敷・小野川温泉に到着です。
小野川温泉・尼湯
『やった~、これで美人になれる~』 とサリーナ。(笑)
なんでもこの温泉は小野小町に発見されたとの言い伝えがあり、最近は『美人の湯』として人気があるとか。街中に二つの共同浴場があり、外れのほたる公園には露天風呂があります。ここは蛍でも有名でもう少しすると蛍が飛び交うそうです。
宿のおかみによれば、街の真ん真ん中に鎮座する尼湯はとってもとっても熱いんだそうです。宿の風呂でさえ熱いと感じる私たちは全員パスしてしまいましたが、ちょとだけ浸かればよかったかな。。