朝の露天風呂に浸かり、昨夜の食べ放題飲み放題で疲れた胃と体をリフレッシュ。
この日は鬼怒川に沿って宇都宮まで下ります。総じて下りの上、鬼怒川自転車道があるのでかなり楽なコースのはずです。しかしこの鬼怒川自転車道、氏家あたりからあるのはわかっているのですが、さらに上流はいったいどこから始まるのか、実はよく分からないのです。
宿の前で
ともかくおいしい朝ご飯を頂いて、いざ出発、と宿の前で温泉専門班も交えて記念撮影。
お天気は回復基調ではあるものの、空からはパラパラと冷たいものが僅かですが降ってきています。
『走ろうかな~、どうしようかな~』 と悩んだ末、せっかく自転車を持ってきたのだからと、ビジターのニコちゃんも走行を決意。
立場の松の脇を行く
宿からはまず、東武鬼怒川線の西を通る会津西街道の旧道を行きます。
宿を出たすぐのところに『たてばの松 』という推定樹齢450年という古木があります。かつてはこうした松が一定の間隔で植えられ、これを目安に街道を行く籠屋の運賃が決められていたそうです。今のタクシーのメーター代わりといったところでしょうか。
『うちの近くに「たてば」って通称の雑貨屋があったけれど、あれもこの「たてば」からきているんだね、きっと。』 と、昔を懐かしむはサイダーでした。
地方道r77
この会津西街道の旧道は1km少々でおしまいになり、現会津西街道のR121に出ます。この国道は狭い上に交通量がそこそこあるので注意して進みます。しかしその国道を走るのはわずか1kmほどです。
R121から地方道r77に入ると交通量はぐっと減り、安心して走れるようになります。このあたりで雨も上がりました。
地方道r77その2
右手は大きく落ち込んだ谷で、鬼怒川はその底を流れています。
しかし残念ながら道の反対側からその姿は臨めません。
鬼怒川温泉近くの鬼怒川
このころ温泉専門班は小佐越の宿を出、鬼怒川の上流を散策していました。
その鬼怒川の両岸は切り立った崖。
鬼怒川温泉近くの鬼怒川その2
川は渓流といっていい流れです。
鬼怒川温泉の入口近くには歩行者専用の吊橋があって、気分よくこの鬼怒川を渡れるそうです。
鬼怒川沿いのカントリーロード
一方の自転車隊は大渡橋までやってきました。ここから鬼怒川のどちら側を行くかは思案のしどころ。両岸ともまだ自転車道はなく、左岸の方が川からあまり離れずに進めるようなので、このまま左岸を進むことにします。
大渡橋からは川沿いに細道があるのですが、どうやらこれはダートのようなので、東に1kmほど進んだところでR461を離れ、舗装路のカントリーロードを行くことにします。この道は鬼怒川沿いの立派な道に続いていました。
左手に富士山
行く手には小高い山が二つ。左手のは標高365mの富士山。
『こんないい道が家の近くあったらいいですねぇ。ここは力いっぱいもがきたくなるような道ですねぇ~』 と、プサンはこのカントリーロードが気に入ったよう。道は立派ですが、ジオポタ貸し切りなのです、ここは。
小高い富士山を超えたところで道は細くなり、一方は砂利道に。
試練の砂利道
当然ながらここは砂利道を楽しみましょう。って、舗装路を行ってもたいして距離は違わなかったのようなのですが。。
『え~、ダート行くの~、ダ~トはきらい~』 とは、もっとも小さなタイヤのケロガメ。タイヤが小さいほど砂利道は苦手なのです。
でもこの砂利道、わずか500mほどですから、許してね。
佐貫石仏付近の鬼怒川
砂利道から舗装路に出ると鬼怒川の流れに出合います。
このあたりの鬼怒川は上流とは違い、水かさは少なく、もう普通の川といった趣です。
ちょっと森
このまま川縁を進むのかと思いきや、道はちょっとした森を抜けて行きます。
実はここも川縁ではあるのですが、先の富士山の先に見えていた小高い山の裾野なのです。
佐貫石仏
森を抜けると鬼怒川から分水した流れがあり、その先に佐貫石仏が現れます。
ここには観音岩と呼ばれる高さ64mの大岩があり、その正面には巨大な磨崖仏、高さ60尺(18m)の大日如来座像が彫られています。佐貫石仏とはこの磨崖仏のことのようです。しかしこの像の劣化は激しく、線状に彫られたその姿はほとんどはっきりしませんが、巨大石仏の一つとして国の史跡に指定されています。磨崖仏の下には洞窟があり、かつてそこには観音菩薩像が納められていたとか。観音岩の観音様は巨大な磨崖仏ではなく、ここにかつてあった観音様を指しているようです。
観音橋から見る鬼怒川
佐貫石仏のすぐ先にあるのが観音橋。この観音橋の名は先の観音岩から来ているに違いありませんね。
橋から鬼怒川の下流を覗くと、そこにはゴツゴツとしたまるでコンクリートを固めたような岩が。
田んぼの中を行く
観音橋から500mほど東に行ったところで鬼怒川沿いの細道に続く道があるのですが、この細道はダートのようなので、r77から分岐した道で田んぼの中を進んで行きます。
小林橋付近
大渡橋以降のカントリーロードはほとんど車が通らず、快適快適、と飛ばすプサン。
小高い山をぐるりと廻り、小林橋へ。
工事中のダート道
小林橋を横目に進むと、すぐ先で道は二本に分れます。一方は新しく造っている工事中の道でダート。鬼怒川自転車道はこの工事中の道の先にありそうなので、あえて舗装路を行かず工事中の道を行ってみることにしました。果たして道は繋がっているのか?
最初の方は固く締まった砂利道でしたが、ほどなくその砂利は土に変わり、あちこちに水たまりが。この水たまりに嵌ったニコちゃんの靴はどろんこに。あげくの果て、道は行き止まりだったのでした。
小林橋から上平橋へ向かう
仕方なく元に戻ってやり直し。舗装路を上平橋へと向かいます。
ここはちょっと上りで、森の中を行く気分のいい道でした。
鬼怒川自転車道へ向かう
森を抜けたところでこの道から離脱し、鬼怒川自転車道を探しに鬼怒川へ向かいます。
ここも田んぼの中で、辺りにはな~んにもなし。
小さな橋を渡る
先に土手が見えてきました。きっとあの上に鬼怒川自転車道が走っているに違いないと、その土手を目掛けてまっしぐら。
ところが道は小川に突き当たっておしまい。その先は田んぼのあぜ道を行き、小さな橋を渡ってやっと土手にたどり着きました。
鬼怒川自転車道の起点付近
土手をよじり登ると、そこには目当ての鬼怒川自転車道が。左岸の鬼怒川自転車道の上流側の起点はどうやらここから少し先にあるようです。
『やっとたどりつきましたね~』 と、Vサインのニコちゃん。
101km地点
すぐ近くのサインには『鬼怒川101km』とあります。この距離は利根川との合流点からの距離のようです。
ここからはやっとこ辿り着いたこの自転車道を使い、鬼怒川に沿って下ります。
鬼怒川自転車道で鬼怒川を下る
プサンが牽き、ケロガメ、ニコちゃんと続きます。
上平橋付近の鬼怒川
上平橋の袂で一服し、鬼怒川を眺めます。
このあたりの鬼怒川は、川幅がずいぶん広くなり、静かな流れです。
後ろに鬼怒川橋
東北自動車道が通る鬼怒川橋を潜り、新幹線の高架の下を潜り、快調に自転車道を進みます。
出発時には走るか走るまいか迷っていたニコちゃんですが、
『お日様も出てきて、走ってよかったです~』 と、ここまで快調です。
土手下はダート
そのうち土手下の河川敷に自転車道に平行してダート道が走るようになります。
パワーを持て余しているプサンはさっそくこのダートにトライ。ダートであるにもかかわらず、舗装路を行く他のメンバーにぴったり付いてきます。いえいえ、もっと速いくらいだから驚きです。
後ろに鬼怒川運動公園
この鬼怒川自転車道は鬼怒川運動公園で一旦おしまいになります。ここで別の土手に乗り換えるのですが、そのルートがわからずちょっとうろうろ。しかしなんとか見つけることができ、乗換えに成功。
新しい土手を先に進めば、ほどなく氏家橋(うじいえばし)に到着です。氏家はJR東北本線の氏家駅がある、このあたりでは大きな町なのでここで昼食にします。
右岸の鬼怒川自転車道
さて午後の部の始まりです。
ここからコンタが参入し、場合によっては氏家であがりというニコちゃんも宇都宮まで走ることになったので、総勢5人で進みます。
氏家側の自転車道には少しダート区間があるようなので、氏家橋を渡り鬼怒川の右岸、宇都宮側を走ることにします。
桁だけの橋を渡る
ところがこの宇都宮側の鬼怒川自転車道の土手はうまく続いておらず途切れ途切れで、あっちへ行ったりそっちへ行ったりと、ちょっとうろうろすることになるのでした。こうした場所は地図でルートがうねっとしているところです。
ここはそんなところの一つで、後ろに見える土手から床板のない橋を渡って手前の土手に乗り換えるところです。
パワー全開でコンタが牽く
午前中にはほとんどなかった風が出てきました。それも向かい風です。こうなると風よけのない土手の上を走るのはきつい。パワフルなプサンと、走り始めで元気なコンタに風よけになってもらい、みんなはその後ろに付いて進みます。
『鬼怒川の土手はさっきみたいに途切れているところがよくあるんですよ~』 とは、地元のコンタ。あんなんじゃあ土手の役目をしないと思うのですがねぇ。
辺りは田園風景で空は広く、とても気持ち良く進みます。しかし、
田んぼの畦を行く
『お~っとっと、また道がなくなった~』
調子良く進んでいたかと思うと、すぐにまたこんな具合になってしまうのでした。
田んぼ?
周囲は田んぼでこの時期はなんにも見られません。
しかし時々青々としたところも。いったい何を作っているのでしょう?
鬼怒グリーンパーク白沢
鬼怒グリーンパーク白沢という運動公園でまたまた土手がなくなります。
土手の突き当たりで自転車を担ぎ下ろし、Uターンするように公園の中を戻ります。
西鬼怒川と鬼怒川の合流点付近
一般道で西鬼怒川を渡り、その西にある土手に乗り換えます。
西鬼怒川が鬼怒川に合流すると、鬼怒川の河川敷は増々広くなったように見えます。
新鬼怒川橋付近
JR東北本線の架橋に突き当たったところでも自転車道は途切れます。
ここもちょっとうろうろしますが新鬼怒川橋の先で、無事土手に復帰。
なんとか土手に復帰はしたものの、風の勢いは増々増すばかりで結構きつい。
先に板戸大橋
『おしりが痛くなってきましたぁ~』 と、まだ長距離を乗り馴れないニコちゃん。
『それは、だれでも経験する試練ですよ~』 とプサン。
『そのうち鉄しりになって感じなくなるよ!』 とサイダー。
『やー、そうなるのも怖いです~』 と、早く慣れたいけれど鉄しりになるのも怖いニコちゃんでした。
ちょっとした木々が風よけになるところで休憩です。いつの間にゲットしたのか、ケロガメは鬼怒川温泉のお饅頭を配り出しました。ちょっと疲れた時に甘いものは元気が出ますね。
柳田大橋から鬼怒川を臨む
自転車道のいいところは、車が通らないので安全だということでしょう。しかし小さなデメリットもあります。それは特にここのような川沿いの自転車道はただ土手の上を走るだけで、周囲には何もなく、単調だということです。
ちょっと飽きてきたかな~、と思う頃、柳田大橋に到着。柳田大橋以南の自転車道は以前走ったことがあり、これで私たちの鬼怒川自転車道は、北は小林橋付近から南は下妻のきぬがわ橋まで繋がりました。いつか下妻から南も走ってみたいと思います。
柳田大橋からは幹線を避け、裏道を使って宇都宮駅に向かいます。もちろん最後はおいしい餃子で締めくくりです。