海と並行する道を行く
房総の朝は雲一つない快晴です。
一宮の宿を出発し、レイナの案内でまずは海沿いを南下します。海沿いといっても、海側には防砂林・公園があって海はほとんど見えませんが、サイクリングロードがあって安全に走れます。
しばらくすると『外房黒潮ライン』に合流。ここは車が多く走りにくいので、1kmほど南下したところで海側の道路に入ります。
海辺の道をレイナが引く
500mほど走ると海辺に着きました。
釣り人が集う青い海と空を左手に眺めながら、緩い上りを上っていくと、どんどんと見晴らしがよくなります。
海辺のトンネルを抜ける
上り切ったところにトンネルが。トンネルを抜けるとさらに絶景です(TOP写真)。
ここをしばらく行ったところに大東崎灯台があるはずです。『こっち、こっち~』とサイダーが引き始める。
企て人レイナが引く
『サイダーさん、そこは行けないはずですよ』 とレイナが注意するも、どんどん引くサイダー。
そしてやっぱり、道は行き止まりになりました。まあ、快適な道だったのでお咎めなし。
大東崎灯台
少し戻って、池の間を抜けると上り坂が始まります。
わっせわっせと上ったところが大東崎灯台です。
大東崎灯台の見晴し台からの眺め
見晴し台からは、浜辺が弧を描いて八幡岬まで続き、その途中を夷隅川が海に注いでいます。水を張った田んぼや丘陵地の緑が輝いて見えます。
すばらしい景色を楽しんだあと、ムカエルとポチちゃんは売店でソフトクリーム、サイダーはサイダーで一服。『サイダーとラムネの違いって何だっけ?』 とお店のおじさんたちも交えて盛り上がる。ちなみに『サイダー』はりんごの『シードル』が語源、『ラムネ』は『レモネード』が語源だとか。
田んぼの中の道を行く
大東崎灯台をがーっと下ったあとは、田んぼの中の道をポタポタ走ります。
田んぼの水が青空を映して光ります。
夷隅川沿いのサイクリングロード
先ほどの見晴し台から見えた夷隅川にかかる橋を渡り、川辺のサイクリングロードを海の方向に向かいます。
先頭を引くのは、ヘルメットに無線をつけたアトムちゃん。
和泉浦
夷隅川の河口は和泉浦。
ここからは海沿いに自転車道があるのですが、それは砂に埋もれていてとても走りにくいということなので、一本内陸の道を進むことにします。
住宅地の中を快適な道が続く
車の多い外房黒潮ラインと砂に埋もれた自転車道のちょうど間を行くこの道は、雰囲気のいい住宅地の中をどんどん行きます。
生け垣が美しい家々の間に一本道がずっと続き、ここは快適、快適。
大原漁港
和泉浦から4kmほど行ったところに大原漁港がありました。
漁船がたくさんで、ちょうど戻ってくる釣り船もありました。釣りから帰った人の保冷箱には大きな魚が。お昼時にもさしかかっており、それを見るとお腹が鳴ってきました。
地元の方にこの近くに食堂はないかと聞くと、『「いさばや」っていうところがあるわよ』 と教えてくれました。
夷隅東部漁協直営の店「いさばや」
「いさばや」は漁港の荷捌所に併設されている食堂でした。
まず食堂隣のレジ&水槽に行って注文し、お好みの調理法で調理してもらって食堂で食べるというシステムです。
伊勢エビを水槽から取り出す
こちらが食堂隣のレジ&水槽。水槽には大きな伊勢エビがたくさん入ってもぞもぞしています。
ここ外房・大原は、何と伊勢エビ水揚げ日本一!だそうです。それを聞いては食べなくちゃあ、と奮発して伊勢エビの刺身、鯛とタコの刺身、タコの唐揚げ、伊勢エビのみそ汁とごはんの豪華昼食となりました。弾力のある伊勢エビの甘いお刺身、出汁のよくきいたみそ汁、たまりません~。
大原漁港を出発
おいしかったね~、と満足げに大原漁港をあとにするニコちゃん、サリーナ、そしてジオポタの面々。
ここからも海と外房黒潮ラインの間を並行する道を行きます。
丘の間の道を行く
田んぼと丘と、時々住宅に挟まれた道を飛ばすアトムちゃん。車は少なく快適な道です。
丘に挟まれた道を行く
道の両側の丘が次第に迫ってきて、民家がなくなってきました。丘と田畑と一本道の景色には、何となく懐かしさを感じます。
レイが引き、ニコちゃんが続く
『日本昔話のような景色ですね~』とニコちゃん。その前をひょうひょうと引くのはレイ。
ちょっと山の雰囲気に
そのうち田んぼもなくなり、道の両側には木が生い茂る山の雰囲気になってきました。ということで、上りです。
『ブロンプトンではちときつい~』とつぶやきつつも、バリバリ上るはニコちゃん。負けじとアトムちゃんが後ろをマーク。
先頭を引き始めるポチちゃん
そんな中、『フロント3枚なのでラクチンです!』とスイスイと上っていくのはポチちゃん。新車でどんどん上ります。
海が見えた
そして上り終えた道からは海の景色が広がります。『上ったかいがあったね!』とレイナ、ポチちゃんが行く。
丘の上のメキシコ記念塔
しかしジオポタ企画はそう甘くはない。
『ホラ、あの丘の上がメキシコ記念塔ですよ』 と企て人レイナ。
え、まだ上るの。。と他の面々は絶句。
メキシコ記念塔
メキシコ記念塔の入口からは激坂でちょっとへろへろしますが、距離にして200mほどで記念塔に着きます。
このメキシコ記念塔は、1609年にこの地の沖で、時のフィリピン諸島長官ドン・ロドリゴ総督を乗せたイスパニア船・サンフランシスコ号が難破した際に、岩和田の人たちが全力で救助にあたり300人以上の人たちを助けたことから、日本とメキシコとスペインと三国の交通が始まり、このことを記念して、御宿町の東、岩和田の山の上に、1928年(昭和3年)に建てられたのだそうです。
メキシコ記念塔の見晴し台
見晴し台からは、岩和田漁港、網代湾、そして勝浦あたりまでがよく見渡せます。
上ってよかったね~とくつろぐ面々。
岩和田海水浴場
メキシコ記念塔からさあーっと下ると、そこは岩和田海水浴場で、白い砂の海岸が広がっています。
道沿いにはヤシの木が並び、南国ムードの中をケンちゃんが引きます。
御宿海水浴場へ向かう
そして細い川を渡り、川沿いを河口に向かって御宿海水浴場に向かって進みます。
月の沙漠記念像
御宿海岸の砂丘の中ほどに、らくだに乗った王子様とお姫様、そして月。。
これは、詩人の加藤まさを氏が童謡『月の沙漠』を御宿の砂丘でつくったことから、この歌を記念して昭和44年に建てられたものです。
駱駝に乗る王子様、お姫様と共に
というわけで、月の沙漠をはるばると行く二人と共に、ポーズ。
川沿いのダート
さあ、あとは御宿駅まですぐだ、と走り出したらその間にもダート道があったりして、油断のならないジオポタなのでした。
御宿駅
ともかく無事、御宿駅に到着。青空の下、住宅地の中を抜けたり、海の見晴らしや、ちょっとした上りを気軽に楽しめるいいコースでした。