坂戸駅
関東地方にもついに冬がやってきたようで、10日ほど前からかなり冷え込んできました。師走に入ったこの日の朝の気温は6°Cと寒く、ダウンジャケットのお出まし。しかし日中は16°Cまで上がるといい、しかも快晴で風もなく、絶好のサイクリング日和となりました。
こんなお天気の中、坂戸駅前に降り立ったのはなんとクッキーとサイダーの二人のみ。山はジオポタでは相変わらず人気がないのです。
高麗川自転車道
今日はまず桂木観音に上り、メインディッシュとして笠山峠を用意しました。桂木観音は毛呂からアプローチするので毛呂駅集合でも良かったのですが、それだと上りに入るまでに身体が温まらないので、坂戸から毛呂までの準備運動区間を設けたのです。
坂戸駅からすぐ高麗川の土手に上ります。この土手には短い区間ですが自転車道が整備されていて、快適に走れます。
高麗川から見る富士山
そしてこの自転車道からは富士山が。
どこから見ても富士山はいいものですね。
高麗川
高麗川にはいくつも沈下橋が架かっており、この日は若宮橋を渡る予定でしたが、その若宮橋は架け替えの工事中だったので、次のr114の橋を渡って進みます。
毛呂山の畑
r114は交通量が多いので裏道に廻れば、そこは畑の中で、日影には霜が降りています。
葛川沿い
ほどなく道は用水路のような細い葛川沿いとなります。
こうした道は車はもちろん、モーターバイクもロードバイクも通らず快適です。
ちょっと森の中
東武越生線を越え、八高線の手前で枝道に入れば、そこは小さな森を抜け、畑の中を行く砂利道になったのでした。
このあたりは紅葉がちょうどいい頃で、積もった落ち葉がカサコソいう音も気持ちいい。
毛呂駅付近
八高線にぶつかるともうすぐ毛呂駅です。道はもう何も残っていない田んぼの中を行きます。
毛呂駅
八高線のかわいらしい毛呂駅に到着。
身体がようやく暖まってきたので、ここでダウンジャケットを脱ぎ、身支度を整えます。
山が見えてくる
毛呂駅を出るとすぐ、行く手に小高い山が見えてきます。
あの山の上に桂木観音は建っています。
柚子畑の横を上る
民家がまばらになってくると、周囲は柚子の畑になります。このあたりは毛呂山柚子の産地なのです。その柚子は今が出荷の最盛期で、あちこちの畑で農家の方が柚子をもぎ取っています。
あたりに漂う香りがあまりに良かったので、近くにいた農家の方に少し譲ってくださいとお願いすると、快く承諾してくれました。採ったばかりの特大柚子6~7個で100円也。
いよいよ上り
柚子畑が終わり、道脇に『桂木川』の表示が見えるようになると、いよいよ本格的な上りになります。
10%超え
穏やかなカーブがヘアピンカーブに変わると、勾配も一気に上昇、軽く10%を超えるようになります。
その坂をヘコヘコと上り詰めるクッキー。
柚子とみかん、100円也
この坂道の途中に何箇所か柚子を売っているところがありました。どれも一袋100円也。
私たちが先ほどいただいたのは、この柚子の1.5倍ほどの特大サイズですよ~
柚子と紅葉
この無人販売所で足を着いたが最後、上り出せずにその後は押しに。
柚子と真っ赤になったもみじを眺めつつ、よろよろと自転車を押し上げます。
桂木観音
最後は20%はあるんじゃあないかと思われるような超激坂を押し上げて、なんとか桂木観音に到着です。
桂木観音前にて
桂木観音の山は桂木山というようで、これは『行基菩薩が東国行脚をした時、大和の葛城山に似ているところからカツラキと名付けた』(毛呂山町資料より)そうです。
その桂木観音からは関東平野が一望にできます。空を突き抜けるスカイツリーの姿も。
桂木観音からの下り
桂木観音からは一気に下り、と思ったら、これがそうでもなく、その後上り返しと小さなアップダウンが2kmほど続き、ようやく下りになるのでした。
この下り、やっぱり寒い!
大満
越辺川(おっぺがわ)の谷筋に下るとそこにはr61が通っていますが、私たちはしばらく右岸の細道を行きます。
カントリーロードを行くクッキー
その道が途絶えたところで今度は左岸に渡り、r61の向こう側に延びる細道に。
このあたりはもう越生に入ったようで、道脇には梅の木がたくさん。
越生の山
のんびりしたカントリーロードの先には小高い山が見えています。
この先はあの山の向こう側に廻り込み、上谷の大クスノキまで上り詰めます。
山の紅葉
越生梅林の手前で西に向かうと、てっぺんが紅葉している山が見えてきます。
上るロードバイカー
道は徐々に細くなり、ついに山道に。その山道をロードバイクに跨がる人々が駆け上っていきます。
私たちはその後ろ姿を眺めながら、ゆっくり上り詰めます。
上谷の大クスノキ前
もうすぐ上谷というところで激坂登場。今日何度目かの押しに入るクッキーでした。
上谷の大クスノキ
この道が大きくUターンするところの奥に、大クスノキは立っています。
幹周り15m、高さ30m、樹齢は1,000年以上と推定される巨木で、その根本まで近付けば圧倒的迫力が感じられます。
大附への上り
上谷の大クスノキからエネルギーをもらって弓立山の麓まで下ると、そこから再び山道の上りが始まります。
大附のみかん農園
上った先は大附。
毛呂山が柚子ならこちらはみかんの産地として有名で、あちこちにみかん狩りの幟が立っています。
大附からの眺め
弓立山の南斜面になるここはぽっかぽかで眺めも良く、快適です。
それにしても今日のコースは気温差が激しい。山の中の日影はおそらく5°Cを下回っており凍えるようですが、このあたりは20°C近くになっているでしょう。
大附からの上り
大附からは弓立山を廻るようにしてゆっくり上り、ゴルフ場のクラブハウスから都幾川の筋に下ります。
都幾山あたり
いい色になっている都幾山を背にした宿の集落が見えてきました。
とき庵
その中のそば屋でお昼に。ここの蕎麦はかなり黒い色をしていて、標準は九割だそうですが十割そばもあります。
クッキーは地野菜の天もりそば、サイダーは冷たい鴨汁そばを。とってもおいしいです。
宿の集落
昼食後は都幾川に沿うr172大野東松山線をしばらく西へ。
紅葉のもみじ
道脇のもみじが真っ赤。
七重への上り口
道が都幾川を離れ七重川に沿うようにして大きくカーブすると、その先に七重に上る細道の入口が見えてきます。この細道は序盤からきつそうな雰囲気。
『え~、あの道ですかぁ~。。いきなり挫けるぅ~』と、上り出す前から戦意喪失のクッキーなのでした。
紅葉の中を押し上げる
七重に上る道はこの先にもう一本あり、そちらの方が楽そうではあったのですが、1kmほど余計にr172を走らなければならないので、この道に突入。
そして、あっけなく即押しという結末に。ありゃりゃ。。
気を取り直して上るクッキー
序盤の急斜度のところを過ぎるとやや勾配が落ち着き、気を取り直して乗り出します。
えっこらよっこら、のろのろと進んで七重の分岐に到着。
林道栗山七重線入口
ここのすぐ東にはハイカーのための休憩所があり、時々お世話になるのですが、今回はそこまで上るのも面倒ということで、道横の畑の端っこで一休み。
さて、ここからいよいよ最後の試練、林道栗山七重線に入ります。
林道栗山七重線からの眺め
林道栗山七重線を上り出すとすぐ、南東の視界が開け、重なる山並みが見えます。
気持ちいい~
戦意喪失で押しに
この眺望を横目にさらに上り続けますが、
『わ、わたし、もうダメですぅ~』と、押しに入るクッキー。
ま、ここまで来ればあと全部押しても問題ない距離です。
切り出された針葉樹
しばらく押しているうちに勾配が落ち着き、なんとか自転車に乗って上り出します。
所々に山から切り出された針葉樹が横たわっています。このあたりの林業はまだ多少なりとも活力が残っているようです。
北東の眺望
腰越でいったんピークを迎えた道は北東に視界が開け、少し下ってまた上りに入ります。
先には笠山の姿がはっきり見え出し、本日の到達点の『笠山峠→』の表示も現れます。
笠山とV字坂
しかしその笠山にはVの字で上って行く道が。
『え~、まさかあれをいくんじゃあないですよね。。』 と、クッキーが叫ぶ。
いえいえ、あれ、行くのよね。
笠山に向かうクッキー
暗い森を抜け、一気に明るい日差しの中に出て、ちょっとやる気が出てきたクッキーが笠山を目指して進む。しかしクッキーの自転車からは妙なミシミシという音が。
『クッキー、ギア、ちょっと変なんじゃない?』と、サイダー。
『えっ、あっ、あれ~』と、クッキー。
ことの顛末はあとで。
林道栗山線
あのV字の下の道を上ってその折り返し点に辿り着くと、そこが林道栗山七重線の終点です。ここからは林道栗山線となり、V字を折り返して笠山峠に向かいます。
この林道栗山線に入ると笠山峠まではすぐなのですが、これがかなりきつい。
笠山峠
よろよろ~っと、笠山峠到着。この峠の名はいくつかの資料には笠山峠と記されていますが、現地の林道の案内板には七重峠とありますから、七重峠とも呼ばれるのでしょう。ここから北には砂利道の林道萩平笠山線が延びています。
峠では切り出された針葉樹があっちからこっちに移動され、積み上げられている最中でした。この道がれっきとした林道であることを改めて感じさせられます。
笠山峠から関東平野を望む
林道萩平笠山線が分岐する地点から100mほど西に、関東平野が一望できるところがあります。
ここは絶景!
笠山峠から白石への下り
関東平野を眺め、切り出された針葉樹の移動作業を眺めつつ休憩したら、白石に下ります。
この下りは豪快。
燃える山
下っていく途中、向かいの山が見事に紅葉している姿が目に飛び込んできます。
このあたりはもう落葉しているかと思っていたのですが、最後の紅葉に間に合ったようです。
槻川沿いの山
白石からはr11をまっしぐら。
道沿いの山もいい色です。
r11
槻川に沿うr11は、白石のあたりはかつての風情を留めていますが、少し下ると二車線に拡幅されており、かなり開けた印象になってきます。
そのためかこの道はかつてより交通量が多くなり、特にモーターバイクの往来が激しくなったような気がします。
落合の紅葉
ぐわーっと下って、落合の交差点までやってきました。
向かいの山もいい色です。
槻川と山
落合からもしばらくはr11を行きますが、東秩父村役場のところで槻川に架かる小さな流れ橋を渡り、対岸へ。
傾いてきた陽の光を受けた山がいい感じです。
田んぼの中のカントリーロード
そこからはr11に沿って延びるカントリーロードを進みます。
もう何も残っていない田んぼの片隅では、なにやらたき火が行われています。
つると塩羊羹
安戸の集落に入り、和菓子の小松屋本店で一服。寛政三年(1791年)の創業以来、今日まで味と伝統を守り抜いてきたという素朴な『つる』と塩羊羹をいただきました。
上りで失ったエネルギーが充填される感じです。
安戸付近の槻川
ここの槻川は細く、穏やかな流れ。
槻川沿いの細道
その槻川に沿って進み、
矢岸歩道橋
いったんr11に出て、腰越でちょっとレトロな矢岸歩道橋を渡り、カントリーロードで小川町へ。
快晴で暖かなこの日のサイクリングはとても気持ち良く、何度か見えた関東平野の眺望も素晴らしかったです。山道は何度も押して上ったけれど、押しても引いても、とにかく頂上まで辿り着ければいいのです。
でもクッキー、アウターギアじゃあいくらがんばっても上れないよ。(笑)