三年ぶりの都心の紅葉狩り。
出発は東京の玄関口である東京駅の丸の口側で、正面の両側には超高層の丸ビルと新丸ビルが建っています。
それらの間を通るのは皇居前の和田倉門交差点まで続く行幸通りで、真ん中には広い遊歩道が整備されています。
この遊歩道の両側はイチョウ並木で、だいぶ葉を落としたものもありますが、ちょうどいい色のも、また、まだ青いのも混じっています。
日比谷通りを過ぎると道の両側にお堀が現れ、その中で白鳥が優雅に泳いでいる姿が見られます。
和田倉門の交差点までやってくると、その角に和田倉噴水公園があります。この公園の周りには大きなケヤキが並んでいます。これらはほとんど葉を落とす寸前ですが、若干まだ赤を残したものも。
内堀通りに入り皇居の森を左手に見ながら進めば、柳は優雅に枝を垂らし、寒椿は赤い花を付けています。
その先で桜の木が並ぶようになりますが、これは僅かな残照といったところ。
内堀通りが大きな弧を描き平川門を過ぎると、街路樹はケヤキに。
ここはまだかなり葉っぱが残っていて、きれい。
北詰橋門で内堀通りを離れ北の丸公園に入ると、その中にある科学技術館の前の大イチョウは、今がちょうど見頃。
この大イチョウから西にある広葉樹林に入ると、あちこちから赤や黄といった鮮やかな色が目に飛び込んできます。
『お〜、ここはいいね〜』 と頭の上を見回すシロスキー。
ここは明るい森で、ヤマモミジ、ケヤキ、コナラ、クヌギなど、様々な種類の木が植えられています。
オレンジ色はケヤキ、黄色はなんだったかな。
森を抜けるとちょっとした芝生広場に出ます。
その先には池があり、鴨が戯れている姿を見ることができます。
鴨の様子を眺めたら、小さな橋を渡ってさらに西にある道に出ます。
するとそこは真っ赤! カエデの林です。その足元は落ち葉がびっしりで、木漏れ日が微妙な色合いを演出しています。
上では黄色、オレンジ色、赤色の絶妙なハーモニー。
陽の光を透かした葉の色はまた違ったニュアンスで、ため息が出てしまいます。
『いや〜、日本ていいねぇ〜』 と、今年日本に帰ってきたムカエル。
この林の中には先の池へと続く小川が流れ、その周辺では緑からオレンジに変わろうとするモミジが見られます。
真っ赤なモミジはもちろんいいけれど、この薄い緑のモミジも味わいがあります。
モミジの林を堪能したら武道館の前に出ます。武道館ではなにかイベントがあるらしく、大勢の人が行列を作っています。
その前には大きなイチョウの木が数本。
田安門を出て千鳥ヶ淵に出ます。
千鳥ヶ淵といえば春の花見、ということで、ここは桜。
ほとんど葉を落としたものが多いのですが、私たちのためにまだがんばっているものも。
千鳥ヶ淵から半蔵濠へ出、さらに桜田濠へと進みます。皇居の周りはいつもランナーでいっぱいで、この日もたくさんの方が走っていました。そのランナーに混じって私たちも桜田門へ下ります。
ここに並んでいる大きな木はユリノキです。
国会前の交差点まで下って方向転換すると、正面には頭にピラミッドを載せた国会議事堂がバ〜ン。
そのアプローチ道の両側はまっ黄色のイチョウ並木。
このイチョウの木の下は落ち葉がびっしりで、まるで黄色い絨毯を敷き詰めたよう。
光を透かした黄色がいいですね。
国会図書館の横を通り、赤坂見附の交差点へ下ります。国会議事堂からここまでは、ずっとイチョウ並木が続いています。
弁慶堀に架かる弁慶橋を渡り、ホテルニューオータニの横を進めば、清水谷公園の大きなイチョウが目に飛び込んできます。
その足元はカエデで、これは陽当たりがいいところはすでに茶色くなっていますが、池周辺の木陰になるところでは、まだかなり赤が残っています。
桜の真田堀から四谷と進んで、ユリノキの外堀通りで赤坂迎賓館の前までやってきました。
残念ながらこの桜とユリノキはほとんど葉っぱが残っていませんでしたが、迎賓館前の公園では少し色の付いた木々を見ることができます。
四谷方面から外堀通りをやってくると、正面にこの迎賓館が現れます。三角の公園に挟まれたここは、国賓が来た時のみ使われる道で、両側にはどこかの国の旗が掲げられています。
『この旗、僕の国の国旗だよ。』と、デニちゃん。ちょうど今、シンガポールの大統領が来日しているのです。
迎賓館からは東宮御所の横を通り、権田原へ抜けます。この間、街路樹はユリノキからトチノキへと変わりますが、残念ながらここも、もう葉っぱはなし。
しかし権田原では、きれいなイチョウ並木を見ることができます。
権田原からは外苑東通りに入り、さらに青山霊園に。
青山霊園も花見で有名なところですが、ここの桜もやっぱり終わりでした。しかし、所々にあるカエデと足元のドウダンツツジはいい感じです。
青山霊園の先は神宮外苑です。外苑といえばもちろん、このイチョウ並木。
外側の木はまだ緑なのに、
中には完全に葉を落としている木もあります。陽当たりなどでこれだけの違いがあるんですね。
このイチョウ並木の先には聖徳記念絵画館が建ちます。これは明治天皇の業績を讃える絵画の展示施設で、神宮外苑はこの建物を中心に計画されたそうです。
ここはこの時期はいつも満員電車並みの混雑で、この日も大変な人出です。イチョウも凄いが人も凄い。
時は正午過ぎ。ちょっとお腹が空いた、ということで、キルピコンナとクッキーはここで焼き芋をGET。みんなお芋さんのお裾分けにあずかりました。ほかほか甘甘でおいしゅうございました。ごちそうさんです。
焼き芋で小腹を満たしたあとは、この1日にようやく着工した新国立競技場の建設現場をかすめ、千駄ヶ谷へ。
千駄ヶ谷の首都高速沿いの道は、どこまでもイチョウ並木。
このイチョウ並木の中をどんどこ行くと、山手線の線路の向こうにこんもりした森が見え出します。あれが明治神宮の森です。
ここでシロスキーとデニちゃんがいないのに気付きました。どうやら外苑の人ごみで迷子になってしまったらしいのです。しばし二人を待って明治神宮へ。
明治神宮の主な入口は原宿駅の側にある南参道ですが、私たちは北参道から入ります。
そこには大きな黄色いイチョウが。
南参道は原宿駅と代々木公園の入口が近いのでかなり混雑しますが、こちらの北参道はずっと静かで、私たちの目的地の宝物館に近いのです。
この森は都心では最大規模で、意外に広葉樹も多い。
私たちが宝物館側に来たのは、こちらには開けたスペースがあり、外から森の木々を眺められるからです。
ちょっとした池があり、その周りに黄色やオレンジ色が見られます。
なによりここがいいのは、静かな上にこんなふうにゴロンとできる広場があるから。隣の代々木公園にも広いスペースがありますが、あちらはちょっと騒々しい。
思い思いの格好でしばし休憩です。
良い気持ちになってきたころ、ルルルルと目覚ましのベル。マリちゃんが南参道で待っているって。
ということで昼寝を切り上げ、南参道へ。北参道から南参道へは神社内の道を通らせてもらえないので、原宿駅前を通らなければならないのがちょっと難点です。
南参道でマリちゃんとなんとか合流し、代々木公園へ。
代々木公園の原宿門は混雑するので渋谷門から入りたかったのですが、南参道に寄ってしまったので、やむなく原宿門から突入。
この公園はいつ来ても人が多いですね。しかしその人ごみを通っても、人々はこの公園を利用したいと思っているわけです。
かく言うわたしたちも、今回は紅葉目当てに。
ここはケヤキはもうおしまいですが、カエデはまだがんばっています。
そんな木々を眺めつつ、中央広場にやってきました。
そこは芝生の広いスペースで、家族連れで賑わっています。これぞ代々木公園という風景。
同じ芝生でも、先ほどの宝物館前とはまるで異なる空気が流れています。
中央広場の周りを廻っていると、こんな見事なグラデーションが。
代々木公園を出たら表参道へ。ここの街路樹はケヤキ。
まだ青が残っているものもあれば、赤を通り越して茶色になってしまっているものもありますが、全体としてはまだ見られる状態です。この葉っぱが散ると、いよいよクリスマスのイルミネーションが始まります。
表参道はすっかり若者の街になってしまったので、最近はほとんど来ることがなくなったユッキー。
若者ぶって、わざわざ表参道の交差点から合流したは、マサキン。
R246青山通りを過ぎると道の様子が一変します。幅員が狭まり、街路樹はケヤキから別のものへ。
ここの木は落葉樹のようですが、まだ真っ青。
青山からは六本木へ。東京ミッドタウンの巨大ビル群の足元は、ミッドタウンガーデンとして開かれていて、いい感じの遊歩道があります。
三年前ここに来た時には大きなイチョウが良い色だったのですが、今回それはほとんど散ってしまっています。
しかし、その奥のイルミネーション用のカバーが付いた木や、21_21 DESIGN SIGHT の先のナンテンなどは、ちょうどいい感じに紅葉しています。
檜町公園の横の激坂を下って、同じくらいきつい坂を上り、赤坂氷川神社横の道を抜けていきます。
そんなところのマンションの前にも、良い感じの紅葉が。
外堀通りに出ると首相官邸が見えます。
その建物の上は色とりどり。
官邸の横に入れば、直線のもの凄い激坂が続いています。ここはへ〜こら。
この道の脇には竹が植わっています。よく手入れされた竹はまだ青く、とてもきれいです。
霞ヶ関のイチョウとケヤキの並木の間を下って、本日の終着地日比谷公園に到着。
その入口にある噴水のうしろは、緑から赤までのグラデーションが見事。
日比谷公園内に入ると、こちらもなかなかいい紅葉が残っています。最後はこの紅葉を眺めながら、松本楼の気持ちいいテラスで遅いランチです。
今年の都心は寒くなるのが早かったのか、例年より紅葉が早かったようで、この日は全体としてみればだいぶ紅葉のピークを過ぎていましたが、なんとか最後の一踏ん張りに間に合ったようです。でも来年からは、少なくとももう一週間は早めに開催したほうが良さそうです。