2002-2

千倉林道・畑林道

早春の房総 '20 二日目

開催日 2020年01月12日(日)晴れのち曇り
参加者 クッキー/シロスキー/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
累積高度 500m
走行距離 51km
地域 関東
千葉県

高鶴山荘上の丘の小道で
高鶴山荘上の丘の小道で

コース紹介

高鶴山の麓から水仙の咲く田舎道やサーファーの集う海辺を走り、竹林や千両の畑のある千倉林道を過ぎ、畑林道を地層が浮き出た幻想的な素掘りトンネルに向かうも、倒木と泥に阻まれて通行を断念。再び通れる日が来ることを願います。

動画(07'45" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
高鶴山荘 START 発07:50 一般道
布野林道入口 6km 着08:55
発09:00


和田町黒岩 9km 着09:20
発09:20
r186、一般道
和田サーフ橋 14km 着09:45
発09:50
自転車道
ローズマリー公園 17km 着10:15
発10:20
一般道
千倉駅 23km 着10:45
発10:50
一般道
千倉林道入口 26km 着11:10
発11:10
千倉林道
小さな集落終点 33km 着12:00
発12:05
畑林道 白浜ダムへ行く道を覗く
地層トンネル 36km 着12:55
発13:30
畑林道、安房グリーンライン、一般道 畑林道のトンネル南は通行できず戻る
塩浦 40km 着14:25
発14:25
海岸道
潮風王国
 昼食
45km 着15:00
発16:15
海岸道 昼食:はな房
千倉駅 51km 着16:40
千倉16:56→18:18君津18:25
→19:48錦糸町19:53→20:04水道橋/2,310円
日の入り16:49

高鶴山荘高鶴山荘

高鶴山荘の朝は快晴で、とてもいい気持ち。

でも今日の天気は夕方頃から怪しそうなので、少し早めに8時前に宿を出発。

上り道の水仙上り道の水仙

宿からまずは高鶴山の方面への上りです。

この小道はすぐにダートの激坂となって早くも押しに入るジオポタの面々ですが、周囲は水仙が咲くのどかな雰囲気です。

水仙とあざみ水仙とあざみ

ほぼ上り終わったところは水仙が満開。あざみも加わって、とてもいい感じの小道となっていました。

今年の房総は、水仙の開花が遅れているのかどこも今ひとつ寂しい感じでしたが、ここは美しく咲いています。

水仙とサイダー水仙とサイダー

というわけで、水仙と一緒にポーズ!(TOP写真も)

サリーナとクッキー、シロスキーサリーナとクッキー、シロスキー

日差しも暖かく、着込んでいた上着を脱いで出発です。

両側に水仙が続く道を楽しく走っていきます。

農家の脇を抜ける農家の脇を抜ける

農家の脇を抜けたところで、朝の作業に取りかかっていた女性からエールを送られます。『あら大学生? 頑張って~!』

ジオポタ若づくり集団が行く。

菜の花畑菜の花畑

小道は少し大きめの道路に合流。左手には菜の花畑が広がっています。

そういえば、今年は菜の花もあまり見かけませんでした。やっぱり台風の影響でしょうか?

熊野神社熊野神社

しばらく走ると右手に真っ赤な鳥居が見えてきました。熊野神社です。

丘陵地の田んぼ丘陵地の田んぼ

車の少ない道路をさらに西へと進みます。丘陵地に広がる田んぼが山里のいい雰囲気を見せています。

クッキーが飛ばすクッキーが飛ばす

『今日は暖かくて快調ですね~』とゴキゲンなクッキーが飛ばします。

布野林道入口布野林道入口

ほどなく、布野林道の入り口に着きました。

ここは、春は桜、夏はアジサイ、秋は紅葉を楽しめるハイキングコースになっています。1月初めの今は、さすがに桜はまだですね~

薄暗い林道を走る薄暗い林道を走る

両側に木が生い茂り、苔むした岩場が迫る静かで薄暗い林道を走っていくと、

お地蔵様お地蔵様

岩に穿たれた穴に、ひっそりとお地蔵様が祀られていました。

杉林の間を進む杉林の間を進む

杉林の間を黙々と進むシロスキー。

林道の脇には、台風で倒れた木々を伐採した太い幹の丸太や木の枝が積まれていました。

和田町黒岩和田町黒岩

林道の終点の和田町黒岩に着きました。広めの道に入り、三原川に沿って海岸を目指します。

みんなを引くシロスキー。空には薄い雲がかかってきました。

脇道を行くクッキー脇道を行くクッキー

広い道を行くのは許さん、といつものサイダーがすぐに脇道に入ります。そしてありゃ、行き止まりという道も。

『サイダーさん、今日のコースミス1回目ですよ!』と、サイダーの迷走を厳しく数えているクッキー。

水仙と蘇鉄の道水仙と蘇鉄の道

ひなびた道は水仙が咲き、蘇鉄も植わっています。

このあたりでは蘇鉄の畑もよく見られます。

白渚の海が見えた白渚の海が見えた

そして、激坂を上るとついに海が見えました。白渚というところです。前の内房線の線路をちょうど列車が横切っていきました。

海辺に白い斜張橋が見えます。これからあの橋を目指して下りていきます。

和田サーフ橋和田サーフ橋

海辺に到着し、三原川にかかる斜張橋を渡ります。

橋の名前は「和田サーフ橋」。サーファーが多いからってことでしょう。

三原川河口と海三原川河口と海

橋から海側を見ると、静かな河口付近にはカモメがたくさん休んでいます。

そしてその先の海辺は白い波しぶきがあがっています。

サーファーサーファー

白い波の間には、いたいた。サーファーが大勢波と戯れています。

くるくると器用に波に乗る姿にしばらく見とれてるジオポタでした。

海岸沿いを走る海岸沿いを走る

ここからしばらく海岸沿いの自転車歩行者道をまっすぐ進みます。

サーファーのエリアがしばらく続き、その後釣りの人々が現れます。エリアがちゃんと分かれていますね。

房総フラワーライン房総フラワーライン

丸山川の手前で海辺の道は終わり、房総フラワーライン(r297)に入って川を渡ります。

ローズマリー公園のはなまる市場ローズマリー公園のはなまる市場

すぐにローズマリー公園に到着し、ここでトイレ休憩。

ここには農産物直売所があります。目を引くのは、ずらりと並べられた花の苗。さすがフラワーラインですね。

B.B.BASE の列車B.B.BASE の列車

ローズマリー公園から少し走って内房線の線路を渡ると、しばらく線路沿いの道を走ります。そこをちょうどすれ違った列車の車体には、自転車の絵と B.B.BASE という文字が書かれています。

『何だろう、この列車』とクッキー。これは、BOSO BICYCLE BASE というサイクリスト用列車です。自転車をそのまま乗せてラックに固定して運べるもので、週末や祝日に運行されています。

竹林トンネルを抜ける竹林トンネルを抜ける

線路沿いの道を離れ、また脇道に入っていきます。

竹林のトンネルを抜けて颯爽と進むシロスキー。

千倉駅千倉駅

小さな踏切で再び内房線の線路を渡ると、千倉駅に到着しました。

今日はここからがいよいよメイン。ここ千倉駅から南へ林道をつないでぐるっと一周したら、千倉駅に戻って帰路に着くという行程です。

田んぼの中を行く田んぼの中を行く

幹線道路を離れ、田んぼの中の道を進みます。

広い空は雲に覆われていますが、当面雨の心配はなさそう。

高家神社高家神社

このあたりには神社がいくつか集まっています。こちらは高家(たかべ)神社。

料理の神様が祀られており、毎年5月、10月、11月には「庖丁式」が執り行われ、庖丁とまな箸で古式に則り魚を調理するのだそう。

千両の赤い実千両の赤い実

そろそろこのあたりの特徴的な風景の「千両の畑」があるはずと思っていると、ありました。

けれど、細く割った竹を組んで覆われているはずの畑は秋の台風の被害を受けて、屋根の一部が壊れていました。それでも、可憐な赤い実をつけた千両を見ることができました。

千倉林道入口千倉林道入口

さて、しばらく行くとその先に二股の分かれ道がありました。この左手の道が千倉林道です。

サリーナ、クッキーが林道に入っていきます。

ワクワクのクッキーワクワクのクッキー

『いよいよ林道ですね! 噂の『地層の浮き出たトンネル』ってどんなのかな。楽しみ〜』とワクワクのクッキー。

噂のトンネルはまだ先の畑林道ですが、千倉林道にもいくつかトンネルがあります。

最初のトンネル最初のトンネル

まず最初のトンネル。こちらは素掘りではなくコンクリートで固められています。

でも、林道に設けられた小さなトンネルは何とも言えない雰囲気を持っています。

川沿いを上る川沿いを上る

千倉林道は川尻川に沿って、蛇行しながら南西へと上っていきます。

小さな滝小さな滝

その川で、小さな滝を見つけました。

ここは何度か通っているのですが、これまで気がつきませんでした。

さらに上るさらに上る

落ち葉を踏みしめながらさらに上っていくと、

2番目のトンネル2番目のトンネル

また小さなトンネルです。コンクリートで固められていますが、手づくり感がありますね。

『これが噂のトンネルですか〜』とクッキー。『まだ先だよ〜』とサイダー。

竹林竹林

そして、道の周囲は竹林に囲まれるようになり、

千両の畑千両の畑

視界が開けると、畑の集落に出てきました。

竹の柵と屋根に覆われた千両の畑がつくられています。

養蜂の木箱養蜂の木箱

さらに進むと、木の根元に木箱が置かれているのを発見。養蜂です。

千両の畑と古民家千両の畑と古民家

千両の畑と古民家の道をどんどん行きます。

農作業中の方が、『この先は行き止まりだよ』と声をかけてくれました。

つきあたりのダートつきあたりのダート

そうなんです。道のつきあたりにはダートの激坂があるだけ。でも、雰囲気のいい道なのでダートのところまで走って小休止。

『この先は細い道だけど、上をぐるっと回って戻れますよ』と、自転車で通りかかった地元の女性が教えてくれました。『じゃあ、次からはそっちを通ろうかな』と、新たなサイダー道情報に嬉しそうなサイダー。

畑林道入口畑林道入口

少し引き返したら、細い分かれ道に出ました。

いよいよ、ここから畑林道に入ります。

少々荒れた畑林道少々荒れた畑林道

畑林道に入ると、路上に枯れ葉や小枝、小石が散乱してこれまでとはちょっと様相が違います。

そんな障害物を避けながら、慎重に前へと進みます。

畑林道の最初のトンネル畑林道の最初のトンネル

小さなトンネルが現れました。削った壁面には地層が見えます。

『これが例の噂のトンネルですか?』とクッキー。これもまだ違います。

トンネル内に見える地層トンネル内に見える地層

でも、これもよく見ると素掘りで削った跡が壁や天井に残っています。

そして、大胆な地層の縞模様が斜めに走り、このトンネルもなかなか凄い。

安房グリーンライン安房グリーンライン

畑林道は、トンネルを抜けるとすぐに新しくつくられた道路「安房グリーンライン」にいったん合流。

30mほどで安房グリーンラインを離れ、再び林道に入ります。

荒れた道を進む荒れた道を進む

そこからは、先ほどよりさらに路面が荒れています。

それでも、最初のうちは自転車に乗って進むことができたのですが、

自転車を押して進む自転車を押して進む

しばらくすると枯れ葉や枝で路面がすべて埋まってしまい、もはや自転車に乗ることができません。

自転車を押して進むシロスキー、サリーナ、クッキー。

倒木の山を乗り越える倒木の山を乗り越える

すると、今度は道に根こそぎ倒れてきた木と土が覆いかぶさり、ついに行く手を阻まれてしまいました。

上ってみたサイダー、『何とか行けそうだ』と宣言。そんなわけで、自転車を担いで木をまたぎ、さらに進みます。

地層トンネルが見えた地層トンネルが見えた

路面には次第にさらに大きな枝や石が積もり、その下はぐちゃぐちゃの泥だらけ。『ほんとにまだ行くの〜』とかなりイヤそうなサリーナです。

担いで押して、担いで押して。その先に、やっと噂の「地層の浮き出たトンネル」が姿を見せてきました。

地層の浮き出たトンネル地層の浮き出たトンネル

『うわ〜、これが地層トンネル。凄い!』と、足元を泥だらけにしながら盛り上がるクッキー。確かに凄い存在感ですが、入口は深い泥に埋まっています。

最初にトンネルに足を踏み入れたシロスキー、『泥に埋まって足が抜けなくなった〜』とあわてています。

トンネルに入るトンネルに入る

そこでサイダー、『まずワシが偵察に行ってくる』と自転車を置き、ライトを持ってトンネルに入ります。

トンネルの反対側まで行ってみたサイダー。入口の近くは泥が深いところもあるけど、中に入れば障害物はなく通れるということで、みんな自転車を持ってトンネルの中へ。『ぎゃあ、埋まる〜』などと叫びつつ進む。

木の枝で埋まった路面木の枝で埋まった路面

トンネルの中は確かに大丈夫でした。

トンネルを抜けてみると、こちら側の路面も大きな木の枝に覆われています。

倒木が道を覆う倒木が道を覆う

そして、その先に見えたものは。。

この地層トンネルを抜けたあとは、以前は両側の急斜面から斜めに伸びる木々に覆われて、幻想的な雰囲気の中を走れるステキな道でした。

しかし、その両側の急斜面の木々がかなり倒れており、道に覆いかぶさっています。これではとても通れません。先の偵察に行ったサイダーも、さすがに『撤収〜』。

来た道を引き返す来た道を引き返す

泥まみれになり、木の枝をまたぎながら、来た道を引き返します。

自転車を担ぎ、押し、担ぎ、押しでみんなへとへと。すでに時刻は13時を過ぎてお腹もぺこぺこです。

安房白浜トンネル安房白浜トンネル

何とか安房グリーンラインまでやってきました。そして1.1kmほどの安房白浜トンネルを抜ければ、海辺の白浜に行くことができます。

キンセンカキンセンカ

白浜に入ると、一面に花畑が広がっています。緑の葉っぱの間から、オレンジ色のキンセンカがちらほら。

そして、途中の自販機で飲み物を買っていたところで商店の店先に水道蛇口とホースを発見。お店の方にお願いして、泥まみれの自転車をざっと洗わせていただきました。本当に助かりました。

塩浦塩浦

快適になった自転車で、塩浦に到着。砂浜が弧を描いて広がっています。

ここからは、お昼処を目指して海辺をひた走ります。すでに午後2時半。お昼といってもかなり遅くなりそう。

安房白浜港安房白浜港

『早くお昼ご飯が食べたいよ〜』と言いつつ安房白浜港を過ぎるクッキー。

白浜海岸の岩礁白浜海岸の岩礁

このあたりの白浜海岸は、岩礁が続き荒々しい景観を見せています。岩肌には斜めに入った地層も見えます。海女さんもいるようで、道路沿いには「海女のとった魚介料理の店」といった看板も見られます。

サリーナとクッキーサリーナとクッキー

そんな海辺の景色を眺めながら走るサリーナとクッキー。

潮風王国潮風王国

岩場の向こうにレンガ色の建物が見えてきました。ようやく「潮風王国」に到着です。

ここは道の駅で、魚介や野菜など地元の食材やお土産が購入できるほか、カフェやレストランがあります。

はな房はな房

私たちは海鮮料理のお店「はな房」へ。午後3時、ようやくお昼にありつきました。

海辺の見える窓際の席で、大盛りの海の幸を『いただきま〜す!』

海鮮丼海鮮丼

海鮮丼は、いろんな種類の厚切りのお刺身が山盛りです。

穴子天丼穴子天丼

こちらは穴子天丼。大きな穴子天が器からあふれています。どれも大満足でゆっくり食事を終えたあとは、6kmほど走って千倉駅に到着し、房総の旅のフィニッシュです。

今日は何とかお天気ももって、少しだけ春の気配も感じながら房総を走ることができました。走る先々に昨年秋の台風の爪痕が残り、私たちのイチオシだった地層のトンネルは倒木と泥に埋もれていました。房総の復興、そして再び地層のトンネルを通れることを願って帰路につきました。


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