恒例の房総で水仙を楽しむ企画です。
都心から二時間半掛けてやってきたのは、JR内房線の保田(ほた)駅。
予報では晴れでしたが、空には重めの雲がかかっています
保田駅からすぐのところに保田中央海岸があるので、まず海を見に向かいました。
空と同じに海の色もどんよりしていますが、やっぱり海は気持ちいい。
ここでいつものばらばらジャンプは、サリーナ、シロスキー、クッキー。
この雲では見えないだろうなと思ったのですが、富士山はなんとか頭を見せてくれていました。
富士山の下に見えるのは三浦半島です。こうして見ると房総半島と三浦半島はかなり近いですね。
ちょっとだけ海岸を走って、保田川と内房線の線路を渡ると、目の前にポッコリした山が。
この近くには曲亭馬琴の南総里見八犬伝の重要な舞台の富山がありますが、そんな形の山がそこら中に見られます。
この山を眺めながら進んで行くとすぐに江月(えづき)水仙ロードに入ります。
嬉しそうなサリーナの目線の先には、
こんな水仙が。
房総は海辺を離れると、どこもかしこも坂だらけです。
この江月水仙ロードも穏やかな上りが続いています。
ちょっと走って気付いたのですが、今年の水仙は花の数がとても少ないです。
いつもなら、こんな土手は花で覆い尽くされ、真っ白になるのですが。
『花が少ないのは台風のせいかな?』 と、サイダー。
『台風はだいぶ前だから原因は他にあるんじゃないの。』 と、サリーナ。
地元の方によると、どうやら夏の気候が影響しているらしいのですが、あまり良くはわからないそうです。
この一帯に咲く水仙は日本に古来より自生していたニホンスイセンで、真っ白な花弁に小ぶりの黄色い副花冠が特徴です。
ほんのりいい匂いも。
ここ鋸南町は日本三大水仙群生地(越前、淡路島)の一つで、その水仙は江戸時代には元名(もとな)水仙と呼ばれ、かつては船で江戸に運ばれていたそうです。
元名はこのあたりでもっとも多く水仙が栽培されていた鋸山の麓の村名だそうです。
道が二手に別れたところを左に入ると、幅員はとても狭くなります。
ここは激坂でもあり、みんな押し歩きます。
今日は気温はあまり上がらない予報なのですが、さすがに房総だけあり日が射すととたんに暖かくなり、さらに上りが多いのでずっと発熱しっぱなしですから、暑くなりました。
みんな中着を脱いで身支度を整え直します、
水仙と同様に今年は菜の花もあまり咲いていませんが、赤い椿はあちこちで見られます。
地蔵堂に出て広い道に復帰。しかしここからもしばらく上りが続きます。
小山に囲まれた中に小さな畑があるこの景色、房総ですね。
こんな景色が延々と続きます。つまり、上りだらけ!
そんな中を行く、我らがロートルのシロスキー。
シロスキーは上着も脱いでTシャツ一枚に。がんばるね〜
地蔵堂からちょっと上ると道が分岐し、ここで水仙ロードは終わります。
これを右手に行くと木々の合間から遠くの景色が見え出します。江月の上の丘越えのピーク点に近づいたのです。
木々が途切れ東の視界が開くと、そこにはこれぞ房総という、どこまでも低い山並みが続く景色が現れます。
中央の一際高い山は御殿山(364m)でしょうか。
江月上のピークからガーっと中佐久間に下ってきました。
ここからは鄙びたカントリーロードを行きます。
このあたりに来たらいつも立ち寄る茅葺きの民家が見えてきました。
秋の台風を乗り越えて、まだ健在です。
茅葺きの屋根を眺めたら、軒下に薪が置いてあるちょっと変わった長屋門の前を通り、佐久間川沿いを行きます。
ここは道が川にとても近くて面白いところなのですが、横の民家の犬たちがいつも吠えまくるので、ちょっと怖い。
犬から逃げるようにして川沿いを脱出し、田んぼの中を行きます。
この道端にも水仙が咲いていました。
田んぼを出たら佐久間ダムに向かいます。
直線基調の上り坂の横には早咲きの桜が咲いていました。
佐久間ダム湖の金銅橋に到着。
いつもならここは豊富に水を蓄えているのですが、この時はどうしたわけかほとんど水はなく、干上がっていました。
金銅橋を渡り、奥まで進んで一休み。
ここで、途中で拾った夏みかんのようなものをいただきました。酸っぱい〜
この辺りの水仙も例年に比べるととても少ないのですが、なんとか花を入れて記念の一枚。
水仙、数は少ないですが咲きぶりはちょうどいい頃合いで、萎れたものがなく、どの花も可憐。
佐久間ダム湖親水公園には結構、人が集まっていました。
そこは水仙祭りの会場のようで、どうやら餅つきが行われたようです。
佐久間ダム湖親水公園からは激坂上りが始まります。
この辺り、いつも見られる梅の花は今年はほとんど咲いていませんでしたが、ロウバイがいい頃です。
この日は体育会系のメンバーがいないので、全員押しでのんびり『をくづれ水仙郷』へ上って行きます。
をくづれ水仙郷の入口付近の民家の庭先では、いつものように水仙が売られていました。
水仙は持って帰れないので、赤しそで作った『ゆかり』を買おうと思ったら、これはおまけなのでくださると言います。申し訳ないので、みかんを一袋頂きました。
この販売所からちょっと上ると八雲神社があります。その前の水仙畑はまあまあ花がありましたが、葉っぱの先っちょが茶色くなったものが多かったです。
八雲神社は道路から一段上がったところにあり、大きな幟が二本立っています。
この境内にはお寺もありますが、その銅板葺の屋根は秋の台風で飛ばされてしまったそうで、残念な姿をしていました。
八雲神社から下を見ると、きれいな水仙と美女が一人。
おっと、上にも!(笑)
八雲神社からは道端の水仙を眺めながら東に向かいます。
ここも上りです。
えっこらよっこら上って行くと前方の視界が開きました。ここにもどこまでも続く房総の山並みがあります。
下には法名の棚田が見えます。
そしてここにも桜が咲いていました。
やっぱり房総の春は早い。
このピークからぐわんと下って法名の棚田の下へ。
棚田の縁にある水仙はほとんど咲いていませんでしたが、屋根を覆っていたブルーシートがめくれて、ちょっと痛々しい姿の民家の庭先には、オレンジ色の柑橘類がたわわに実り、水仙が咲いていました。
この民家の横を通ってちょっと上ると、
大屋根の民家の上に出ます。
ここから法名方面を見返ると、上から眺めた小さなピーク点とその下の棚田がよく見えます。
そして足下には整った姿の水仙が。
このすぐ横で、真っ赤な小さな赤い実のヘビ苺を一つ見つけました。これ、子供の時に毒があると聞いたように思うのですが、無毒で食べても害はないそうです。
奥へ進んで行くと、やはり秋の台風の爪痕が残っていました。
ここには倒れてしまった大木が何本かあり、さらに先にはちょっとした崖崩れも見られました。
またまたちょっと上ってもう一つのピークに到着。
目の前に見えるポッコリとした山は大山不動尊があるので大山と言うのでしょうか。このあとはあそこの裾にある千枚田に向かいます。
ドーっと下って山田の小さな集落を抜け、
平塚の韓国料理屋さんで昼食です。
このあたりはレストランがほとんどないので、営業しているかどうか聞いてから来たのですが、店先には『準備中』の札が下がってします。えっ、と思って扉を開けると、おかみさんが、『どうぞ。』と。混雑するのがいやなので、いつも準備中なんだそうです。(笑)
石焼ビビンパ、とってもおいしかったです。
さて、おいしい昼食のあとは平塚の田んぼの中をどんどこ。
ここは一見平らそうですが、意外とアップダウンがあってへーこら。
この時期はまだほとんどの田んぼに水は入っていませんが、ここには入っていました。
陽の光が反射してきれい。
大山千枚田に到着しました。
この田んぼはオーナー制で運営されていて、天水のみによって作られているようです。
それでか、この田んぼには水が入っているところと入っていないところがあります。
入っているところは天水が溜まっているということでしょうか。
大山千枚田の南には千葉県最高峰の愛宕山(408.2m)が見えています。
ここからはあの愛宕山の向こう側にある嶺岡中央林道に向かうのですが、北東の松尾寺まで下ってR410を使うか、愛宕山に上るかちょっと迷いました。結局R410はあまり走りたくないので、ここは愛宕山へ。
この愛宕山への道は最初は穏やかでしたが途中からかなりの勾配になり、へーこら。T字路にぶつかったのでそこがピークかと思ったら、それはほぼ中間点でがっくし。
えっこらよっこらと上って行くと再びT字路で、『左二ツ山』の標識があり、ここでほぼ上りは終わりました。二ツ山(376m)はこのT字路のすぐ東にある山で、ハイキングルートがあるようです。
このT字路からはほぼ平坦となり、二ツ山の南側をぐるりと廻るようにして進んで行きます。
シロスキーとクッキーもなんとか上って来ました。だいぶ押したけどね。
ちょっと下って上り返しがあり、本日の最高標高地点(363m)に到達。このあと千葉県最高峰の愛宕山(408.2m)山頂のすぐ北を通って、東に進んで行きます。ちなみに愛宕山山頂には航空自衛隊の基地があり、事前に許可を得ないと立ち入れません。
山頂を過ぎたあたりから道は下り出し、僅かに進んだ所で北の眺望が開きました。r34長狭街道の向こう側の山並みがきれいに揃って見えます。
この眺望点からは一気にR410に下ります。
愛宕山から下ったら嶺岡中央林道で鴨川に向かうつもりでしたが、時間切れです。このままR410を南下し、r89鴨川富山線で高鶴山を目指すことにしました。
鴨川富山線の最初のピークでやってきた側を見返ると、頭が割れたちょっと変わった山を発見。
鴨川富山線は予想より車が少なく、その点は問題ありませんでしたが、意外とアップダウンがあってちょっとヒーコラ。
鴨川富山線の二番目のピークに辿り着いたとき、空は厚い雲に覆われていましたが、山並みの間からほんのちょっと夕焼けが見えました。
ショートカットしたお蔭で、高鶴山の麓にある高鶴山荘には予定時刻の17時ぴったりに到着。よかった〜
宿の温泉に浸かってちょっとまったりしたら、これも恒例のスペイン料理店パエジェーラで鶏肉と兎肉のバレンシア風パエリャを。前回は宿に着くまでにヘロヘロになってしまい、この素敵なスペイン料理を食べられない人が続出でしたが、今回は充分に堪能できました。やっぱり走りはそこそこに、がジオポタらしいでしょうか。(笑)