コース紹介
エオリア諸島最大の島リパリ島で、アラブ的な建物やカテドラーレを眺め、ビーチリゾートを。島を一周したのちシチリア島に戻り、サンタンブロージョのビーチでくつろぎます。そしてアラブ色が強いロマネスクのカテドラーレがある、チェファルへ。
2000.08.25(金)晴れ リパリ島
発着地 | 発着時刻 | 移動 | 備考 |
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Lipariの宿 | 発09:30 | ホテルバス | 07:30起床、08:15朝食 Gottopard Park Hotel発 |
コーラルビーチ | 着10:00 発16:30 |
ホテルバス | ビーチパラソル:21,500L/2人、泳いで魚を見る 昼食:ただ1軒開いてたバル/タパスあり/蛸マリネ、オムレツ、 ピーマン肉詰め、白ワイン、コーヒー |
港 | 着17:00 発17:45 |
徒歩 | SNAV船:パレルモ行き売り切れでミラッツォ行きを買う バル:ビール、グラニータ |
Lipariの宿 | 着18:00 | 夕食:ホテルのR/21:00-/鰯、野菜リゾット、魚カツレツ、 鱒?のグリル、グリーンサラダ、李、白ワイン |
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L (リラ)= 0.055円 |
リパリ島はシチリア島の北方30kmほどのところにあるエオリア諸島最大の島で、メッシーナから高速艇で二時間。
私たちはこの時、この地方のお祭り『聖バルトロメオ祭』の最中だとは知らずに宿探しに苦労したが、なんとかその宿が確保でき、翌日は丸一日海岸でリゾートと決めた。
デッキチェアで昼寝したり、時々海に入って魚を見たり。騒がしい音楽もなく、物売りもなく、ゆったりとした時間が過ぎて行く。昼食を食べるレストラン探しにも苦労した(開いていたのは浜辺中で1軒のみ!)ほどの、のんびりリゾート。
海はとにかく深いブルー。
2000.08.26(土)晴れ リパリ→ミラッツォ→チェファル〜S.アンブロージオ
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | 備考 |
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Lipari | START | 発06:00 | Gottopard Park Hotel発 反時計廻りに一周 |
Lipari | 26km フェリー |
着08:20 発13:30 |
09:00朝食、09:40観光、11:30港のバル/ビール6,000L フェリー:21,500L+bike8,000L/一時間遅れ |
Milazzo | 28km 列車 |
着14:20 発15:20 |
列車:11,500L+bike7,000L 地図の駅は旧駅で新駅は東南2kmの地点に移動していた |
S.Agata | 列車 | 着17:00 発18:00 |
乗り換え バル:ビールとジェラート4,000L |
Cefalu | 36km | 着19:15 | 宿見つからず美容院紹介の隣村のペンションへ、暗闇の中を走る |
S.Ambrogio | 45km | 着21:15 | 泊:Claudio/100,000L 22:00バル/ビール、23:00レストラン/ボンゴレ、魚介スパゲティ、 グリル(カジキ鮪、黒鯛)、白ワイン、コーヒー/82,000L |
L (リラ)= 0.055円 |
Lipari
翌8/26、リゾート気分のままのサリーナは朝寝を選択。サイダーのみが早起きしてリパリ島一周に挑戦。サリーナ島を背景にした自分(サリーナ)の写真を撮れなかったことは、ちょっと心残り。
サイダー「このコース、距離はさほどないのだけれど、常に上り坂(もちろん下りもあったはずだけれど!)という感じ。美しい風景の中、人気はほとんどなく、不思議でちょっと不安な気分。」
サイダーが帰ってきてから朝食をとり、リパリ島の観光へ。カテドラルや博物館を見学。
他のシチリアの街同様、ここにも幾多の歴史の積層が見られる。リパリ島の中心は港の南にある城塞地区で、ここは紀元前5世紀のギリシャ時代にはアクロポリスであり、古代ローマ時代には町の中心でもあったところだ。海に突き出した自然の要塞なのだ。
現在の城塞は16世紀のスペイン時代に、より堅牢に造り直されたもの。
この中に立つカテドラルは15世紀にバロック様式に改装されたが、12世紀前半にノルマンが建立したドリス式の柱頭を持つ回廊が残っている。
同じ地区にはアラブ的なドームを持つêπÉ}ÉäÉAã≥âÔ(Chiesa della Madonna delle Grazie)も立っている。
観光を終えてから港に向かい、船でミラッツォへ。実はチェファルかパレルモへ直接行きたかったのだが、チェファル行きは週3便のみ(今日はない)、パレルモ行きは満席。しかもミラッツォ行きは1時間以上遅れて港に到着。今日の旅に一抹の不安を感じる。
ミラッツォ港からは少し離れた場所にある鉄道駅まで移動し、列車で今日の宿泊予定地のチェファルへ向かう。
Cefalu
ミラッツォからチェファルは、そんなに距離はないはずだが、時間帯のせいかローカル線を乗り継ぎしなければならなかった。しかも各駅の停車時間の長いこと!(なんで15分も止まるの!?) 単線で、常に待つ側だから。日没に近い午後7時過ぎにようやくチェファルに到着。
チェファル駅から自転車で、とにかく目につくホテルというホテルをあたるが、満室、満室、満室… 8時過ぎ、あたりは暗くなってきて、困り果てた末にガリバルディ広場近くの1軒の美容院に飛び込んだ。『このあたりにホテルありませんか?』 気のいいお兄さん(クラウディオ)は何軒かのホテルに電話してくれたが、すべて満室。でも、見ず知らずの私たちのために電話してくれたのがうれしくて、お礼を言ってと去ろうとした。すると、もし8kmほど離れた場所(サンタンブロージョ)でよければ、弟がペンションをやっているがどうかという。それは願ってもないこと! 8kmなら自転車でもOK、と大体のルートを聞いて出発する。
大した距離ではないはずだが、街を出ると全くの暗闇となってしまった。月明かりもない中、ミニマグライトのか細い明かりだけが頼り。遠近感、速度感が全く持てず、こわごわ、のろのろ走り続けた。途中で美容院のお兄さんの車に追い付かれ、ほっとする。ペンションは自宅の空室を貸しているものらしいが、2室とバス付の快適な部屋だった。ここ数日の宿探し難に懲りたこと、そしてサンタンブロージョが感じのいい村だったことから、ここにゆっくり2泊することに決めた。
2000.08.27(日)晴れ S.アンブロージオ
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | 備考 |
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S.Ambrogioの宿 | START | 発08:50 | 06:00起床、09:00町で一軒だけのバルで朝食 |
ビーチ | 2km | 着10:00 発17:30 |
12:45キャンプ場のバル/ビール、13:15昼食/前菜、 ボンゴレ、鱸グリル、ミックスサラダ、白ワイン/40,000L |
S.Ambrogioの宿 | 4km | 着18:00 | 泊:Claudio/100,000L、20:30夕食/前菜、ラザニア、 サラダ、スイカ、ワイン、水、コーヒー/33,000L |
L (リラ)= 0.055円 |
今日も雲一つない快晴。
私たちの部屋からはティレニア海がよく見え、眺めが素晴らしい。
今日は地元の海水浴の人々に混じって、の〜んびり。
地元のおじさんたちはいつもバルにたむろしている。大抵、屋外のテーブルでカードゲームを何時間も続けているのだが、彼らが飲み物を注文する姿を見たことが無い。バルはどうやって稼いでいるのか。
2000.08.28(月)晴れ S.アンブロージオ〜チェファル→パレルモ
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | 備考 |
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S.Ambrogio | START | 発09:00 | Claudio発 |
Cefalu | 8km |
着09:30 発12:50 |
ドゥオモ広場のバル/ビール、グラニッタ |
Cefalu駅 | 8km 列車 |
着13:00 発14:00 |
列車:7,000L+bike5,000L |
Palermo | 8km | 着15:15 | 泊:Sausele/人145,000L/朝付 |
L (リラ)= 0.055円 |
S.Ambrogio
さて、今回の旅もそろそろおしまいだ。サンタンブロージョでちょっとのんびりしたあとはチェファルへ向かい、列車でパレルモに戻る。
チェファルからサンタンブロージョに来るときは真っ暗だったが、逆はすばらしい青い海の脇を通る快適な道だ。海岸線の先に見えるゴロンとした山が、チェファルの街の東側にあるその名ずばりのラ・ロッカ(岩山)だ。
Cefalu
ティレニア海に突き出した小高い岬のラ・ロッカを廻ってチェファルに到着。
背後に山が迫るこの街の海もきれいだ。
チェファルはロマネスクのドゥオモが有名で、パレルモのパラティーナ礼拝堂同様の、黄金のモザイクできたビザンチン様式の『全能の神キリスト』が後陣にある。
ドゥオモの裏手には列車から見えた、あのゴロンとしたラ・ロッカが聳える。
木造の屋根で、アラブ色が強い建築だ。
この奥には12世紀のノルマン時代のロマネスク様式によるすばらしい回廊がある。
ドゥオモの横には16世紀末に設置された司教宮殿とセミナリオが立つ
狭い路地からはドゥオモの塔が片方だけ見える。
ドゥオモの前を南北に通るのが目抜き通りのルジェーロ通り(Corso Ruggero)だ。
この街の道は狭いので、かわいらしい三輪車が荷物運びに活躍している。
横丁を覗けば、突き当たりにはあのラ・ロッカ。
ドゥオモからルジェーロ通りを南に進むとガルバルディ広場(Piazza Garibaldi)に出る。
ここは旧市街と新市街の境で、ちょっとした賑わいがある。
このガルバルディ広場に面して、黄色い凝灰岩のファサードのマリア・サンティッシマ・デッラ・カテナ教会(Chiesa di Maria Santissima della Catena)が立っている。
18世紀の終わり頃の建築で、二対の柱に支えられたアーチを持つロッジアが珍しい。ここには二本の鐘楼があったそうだが今は無く、それがあった一方の場所に19世紀末に時計が設置された。この時計はよく目立つ。
ガルバルディ広場からサルヴァトーレ・スピヌッツァ通りに入ってみる。
シチリアの街はみんな通りが狭いので、どこでもモーターバイクがたくさん。
穏やかな坂道を下って行くとヴィットリオ・エマヌエレ通りに出る。この道沿いにはひっそりと中世の洗濯場がある。
門があり階段を降りるとその洗濯場に出る。この施設は16世紀の初頭に別の場所からここに移されたとのことなので、洗濯場そのものはもっとずっと前からあったのだろう。周囲を取り囲む建物はどこかアラブ的だ。現在でも冷たい水が豊富に流れている。
ある穏やかな坂道を下って行くと海が見えた。碧く清々しい色だ。
チェファルに別れを告げ、シチリアの旅の出発地であり終着地でもあるパレルモへ向かう。
振り向けばチェファルのドゥオモとラ・ロッカが湾の向こうに見える。