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台湾 3

街歩き編1/台北・台南

概要

台北と台南の街歩きを。台北は現代的なビルが立ち並ぶ表通りから一歩中に入れば、すべてがごちゃまぜになったアジア特有の雰囲気がいっぱい。名物機車軍団も。古都台南にはお寺が多く、オランダや日本が占領していた時代の建築が残る。

台北

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中華路の西門站付近中華路の西門站付近

台北は大都市。

表通りには現代的なビルが建ち並ぶ。

西寧南路と貴陽街二段の交差点付近西寧南路と貴陽街二段の交差点付近

しかしそこから一歩中に入れば、アジア特有の雰囲気がいっぱい。

ごちゃまぜの台北の通りごちゃまぜの台北の通り

頭上には赤、青、黄色のカラフルな看板が突き出し、古い2〜3階建の建物と高層建築がごちゃまぜになっている。

その足元にはいくら見ても見飽きないほどの多種多様な露店が開かれている。ここは匂いもアジアだ。

機車軍団/中華路と武昌街の交差点機車軍団/中華路と武昌街の交差点

名物『機車軍団』。機車はオートバイのこと。とにかくこれは数がすごい。

交差点では一番前に陣取り、信号が変わると猛然とダッシュ。しかもまっすぐに走らないところがさらに凄い。みんなが我先にと、くねくねと僅かな隙間めがけて突進するのだっ!

なんど牽かれそうになったことか…

夜の機車軍団夜の機車軍団

この機車軍団は夜にはさらにパワーアップ。目玉のライトがカーッとこちらを睨んで照らす。

この前を横断する時はドキドキものだ。

3人乗りのオートバイ3人乗りのオートバイ

オートバイには定員というものがないのか、二人乗りは当たり前、三人乗り、時には四人乗りなんてことも!

そうそう、このオートバイ、型式からすると比較的新しく見えるが、排気ガスが凄い。やはり似ていても日本製とは少し異なるようだ。

孔子廟孔子廟

台湾は言わずと知れた仏教の国で無数のお寺がある。これらには寺、廟、宮、堂、壇、祠と様々な名前が付いているが、どれもお寺だ。台湾のお寺は屋根の反りが日本のものよりきつく、装飾、形態、色彩共に華やか。

台湾にはたくさん孔子廟があるが、それらの中でも台北のものは政府が管理する唯一のものであり、もっとも立派。孔子は学問の神様とされており、特に受験シーズンにはここは参拝者で溢れ返るそうだ。

大龍眈ア」ーイ宮大龍峒保安宮

孔子廟の隣にあるのは医学の神様とされる保生大帝の廟、大龍峒保安宮。

保生大帝は宋代に実在した医者であり、その誕生祭は台北三大祭りの一つとなっているという。

龍山寺龍山寺

龍山寺は1738年建立で台北最古の寺。

龍山寺その2龍山寺その2

極彩色の本堂は特に夜景が金色に輝き美しい。

このお寺は名前に龍と付くように、たくさんの龍の彫り物がある。入り口の両側にある龍柱は台湾では唯一の鋳銅製のものだそう。

龍の柱龍の柱

ここは内部も龍だらけ。

龍山寺内部龍山寺内部

そして外部と同様に色鮮やかで、観音菩薩を中心に文殊菩薩、普賢菩薩など、なじみの仏神が祀られている。

現在では道教や儒教など様々な宗教と習合しており、後殿(奥の院)には孔子や関帝などが祀られている。

お供えお供え

ここはいつも人でいっぱいで、お供えもテーブルの上にわんさか。そして、みんな長い線香を7本持ってお参りに向かう。

線香が7本なのは7箇所拝むところがあるからで、拝み終わると香炉に一本刺して次の場所へ行く。拝観はもちろん、線香もおみくじも無料なのに驚く。その代わりにみんなお供えをするということだろうか。

半月形のおみくじ半月形のおみくじ

筊杯(ジャオベイ)と呼ばれるおみくじがおもしろい。

まず、みかんを切ったような半月形の神杯を2つ持ち、お祈りして落とす。表と裏が同時に出たらOKだが、この組み合わせが出なかったら出るまで繰り返す。そして日本の神社のおみくじに似ている竹の棒のようなものを引き、その番号の札をもらう。

やってみました。『中吉』でした。これって一番よくあるやつだよね〜(笑)

彫刻室彫刻室

龍山寺には彫刻の工房がある。

あの複雑な彫刻はここで作られているようだ。精緻な彫刻を作る作業は気の遠くなるような時間が掛かるものであることが、これを見ると良くわかる。

街中のお寺街中のお寺

台北では上の孔子廟や龍山寺のような有名なお寺以外にも、名の知れぬ小さな寺が街中に無数にある。

台湾の方は信心深いので、そうしたところにもお参りに来る人が絶えない。

迪化街迪化街

台北にはかつて繁栄した時代の雰囲気を残す街がいくつか残っている。

迪化街は清朝末に繁栄した街で、現在まで当時の建物が残り、漢方薬や乾物などを始めとする問屋と商店が建ち並んでいる。

迪化街の漢方薬迪化街の漢方薬

ここは漢方薬の材料で埋め尽くされているが、私たちに分かるのは左上に見える高麗人参くらいだ。旧正月が近づくとその準備のための食材を求めに台北中からここに買い物客が押し寄せるという。

これは漢方ではないと思うが、日本人に好まれそうなものとしては『からすみ』が売られている。

按摩を受けるサリーナ按摩を受けるサリーナ

龍山寺の門前には路上按摩が。30分400元(1,500円)也。10人ほどの按摩師がずらりと並んでいて、結構客がいる。上半身だけだけれど、これがかなり気持ちいいらしい。

どれどれ、じゃあ私たちも。『アイテテテ〜』と呻くはサイダー。『ああ、気持ちイイ〜』とはサリーナでした。

華西街の屋台風の店で華西街の屋台風の店で

台湾といえば屋台。龍山寺近くの華西街は夜市の屋台で有名なところだ。

私たちが腰を据えたのは建物内の店だったが、台湾では多くの街に本物の屋台が沢山出ている。

華西街の蟹としじみ華西街の蟹としじみ

食べ物はなんでもあり。牛、豚、羊、鶏などの肉はもちろん、各部の内臓も。肉類は煮込みが多く、腸詰もある。

海鮮も豊富だ。日本でも有名なしじみを醤油と酒に漬けたものを始め、蟹、海老、いか、あさり、その他の見たことのないような貝や魚と数えきれない。

麺や麺や

点心や麺類はもちろん、野菜も豊富だ。というわけでここは何を食べてもすごくうまい。

またヘビ料理の店がたくさんあり、その店頭には生きたヘビが陳列してある。これはちょっと気持ち悪い!

アジアだね〜

包子屋が並ぶ通り包子屋が並ぶ通り

包子(パオズ)と饅頭は兄弟のようなものだ。

小籠包のように中身があるものが包子で、中身が入っていないのが饅頭らしい。そうすると日本の肉まんは包子ってことになるかな。写真右手の店は水餃子やさん。

小皿料理屋小皿料理屋

台湾には小皿料理がある。これは屋台の延長のようなもので、こうしたものを扱っている店を小菜屋とも呼ぶようだ。

通常のレストランより一品の量が少なく、たくさんの種類を食べることができる。写真の赤い看板の店では日本でも比較的ポピュラーな酔蟹や臭豆腐などの他に、江蘇省と浙江省の料理を出す。

お粥やさんの総菜お粥やさんの総菜

台湾の朝飯はたいてい『お粥』。中にはごはんに『きび』かな? なんかが入っているのもある。それに写真のような『おかず』をお好みで選んで食べるのだ。

ここでは『お粥』12元(50円)、小皿20元(75円)。

餡餅餡餅

おやつ? 餡餅は牛や豚のひき肉と野菜を混ぜた具がたっぷりの点心。点心と言うよりパイと言った方が分かりやすいか。外側の皮は小麦粉を練って作ったもので、中身はこれら以外にもいろいろある。

牛肉餡餅を食べてみた。ぎっしり詰った中身からうまい熱い汁がジュワッとこぼれ出る。ウ、ウマッ〜! 20元(75円)也。

台南

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民族路二段民族路二段

喧噪の台北を離れ、台南へ。

ここは北回帰線より以南、熱帯性気候の南国だ。しかし街の様子は台北とさして変わらないように見える。

台南の機車軍団台南の機車軍団

台北よりはずっと少ないものの、ここも機車(オートバイ)天国だ。

中正路と忠義路の交差点中正路と忠義路の交差点

オートバイは台北もここも、ほぼ100%がスクーター形だ。

台南の交差点台南の交差点

そんな道を、屋台を押しながらおじいさんがテクテク横断して行くのにハラハラドキドキ。

そうそう、今は冬だ。当地の人々は短い冬を楽しもうとするかのように結構厚着をしている。私たちには薄手の長袖で充分なのだが。

祀典武廟祀典武廟

台南は古都。清代に台湾鎮守府が置かれたいわば当時の首都で、お寺の街でもある。しかしこじんまりしたものが多く、参拝者も台北ほどはなく、ひっそりとした廟が多い。

そんな中でも大関帝廟とも呼ばれる祀典武廟は、台湾の関帝廟の総本山とでも言うべきお寺だ。関帝とは『三国志』で名高い関羽のことで、ここはその関羽を祀った廟だ。

祀典武廟にお参りする人祀典武廟にお参りする人

この祀典武廟は台湾ではかなり有名な寺なのだが、その間口は写真からも分かるように意外に狭く8mほどしかなく、両側には壁が立っている。しかし1665年に建設されているので、これは台北の龍山寺より古いことになる。

『大丈夫』の扁額が掛かる入口を入ると花崗岩が敷かれた中庭で、その向こうに正殿が見える。正殿の前には花やたくさんの捧げものが置かれている。

正殿内より正殿内より

その奥には何本もの蝋燭が立てられており、この蝋燭の明かりとともに、中庭から入る柔らかな光と線香の煙りとが一体となってお堂の中に流れ込む。

台南のお坊さん台南のお坊さん

この日は特別な何かなのか、それともこれが日常なのかはわからないが、お坊さんが何人もここにお参りしていた。

赤嵌楼赤嵌楼

台南はオランダが台湾を植民地にしていた時代の中心地でもあった。

赤嵌楼は1653年にオランダ人によって建てられたプロデンシャ城(紅毛楼)と呼ばれた城で、植民地行政の中心になっていたところだ。周囲約141m、城壁の高さ10.5mという城砦だった。現在、オランダ時代のもので残っているのは煉瓦でできた城門と基段部分のみで、あとは再建されたものだという。

9基の亀趺9基の亀趺

ここでもっとも目に付くものはこの石碑の台となっている亀、亀趺(きふ)だろう。実はこの亀に見えるものは龍が生んだ九匹の子のうちの一つ『贔屓(ひき)』だそうだ。贔屓の姿は亀に似ており、重きを負うことを好むといわれ、そのため古来、石柱や石碑の土台の装飾に用いられることが多かったという。

面白いことにこの贔屓、元々は10匹だったらしいが、中国大陸から運ばれる際に一匹迷子になり逸れてしまったという。台南の保安宮に祀られている亀が、その逸れた一匹だという。

天壇前の紙銭や天壇前の紙銭や

ここは天壇の参道だ。お寺の周辺にはこのような店がたくさん出ている。店先に積み重ねられている黄色いものは紙銭。

これは金銭を模した物で、死んだ人があの世でお金に困らないよう死者と共に埋葬や火葬などされるものである。墓参りに行く際は紙銭を燃やし、お寺参りでは祭壇に捧げることが多いようだ。

天壇天壇

天壇とは、天子が天に対して祭祀を行なう宗教的な施設のことで、この台南のそれは一般には『天后廟』と呼ばれ、玉皇大帝に捧げられた道教の神殿だ。玉皇大帝は天の統治者であり、なおかつ、地上、地底に住むあらゆるものの支配者、中国道教の最高神という位置付けにある。天壇は簡単に言えば天からのお告げを聞くためのところだ。

ここには玉皇大帝以外にももの凄くたくさんの神様が祀られているが、はっきり言って誰が誰だかまったくわからない。

旧台南地方法院旧台南地方法院

南国の木々に囲まれたこの建物は、日本が台湾を占領していた時代のもので、ここに日本は大きな傷を残している。

孔子廟の前で沈さんと孔子廟の前で沈さんと

祀天武廟を出ると一人の青年が声を掛けてきた。『日本人ですか? どこへいかれますか? いっしょに行ってもいいですか?』

見るからに穏健で人の良さそうな青年だったので、一緒に行くことにする。彼はあまり日本語は出来ないので、ほとんどが筆談。漢字はすごいね。ちゃんと意味が通じるからね。

孔子廟孔子廟

台南の孔子廟は台湾のそれの中で最古のもので、明代末1665年創設の台湾最高学府『台湾府儒学』でもあった。

きらびやかで少々どぎつい装飾が多い台湾の寺院の中で、ここは比較的おとなしく静かな佇まいだ。

敔

ここで面白いものを発見した。この写真の虎は、敔(ぎょ)という楽器だ。

左に見える竹のささらで頭を3度軽く叩いてから背中の鉏鋙(そご)という27の鋸状の出っ張りを3回なで下ろすことで、音楽の終了の合図として用いられたという。

ここまでたっぷり半日、沈(しん)さんに案内して戴いたお陰で、台南を満喫できた。

福記肉圓福記肉圓

小腹が空いたら孔子廟の南で肉圓を。

肉圓は肉だんごのようなもので、ぷるんぷるんの皮に包まれている。

肉圓肉圓

やや甘めの茶色いタレをかけて食べる。

2個32元(128円)スープ付き。

小龍包と水餃子小龍包と水餃子

ここは上海Macというどこかのファスト・フード店のような名の店だったと思うが、小龍包と水餃子を。こうしたものはどこで食べても安くて、問題なくおいしい!

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