ベトナム最大の都市ホーチミンにやってきました。
首都ハノイに比べ、より南にあるためか、明るく開放的な雰囲気があります。ここにもあのモーターバイク軍団がわんさかいますが、通りのせいか、ハノイのそれより少し洒落て見えます。
前の写真の通りの建物は日本でもよく見る程度の間口を持ったビルディングですが、この通りのそれはひどく狭いです。
ハノイでもそうでしたが、ホーチミンでも間口によって税金が課せられていたのでしょう。
ここはカフェのようですが、店先のショウケースの中にはいろんな種類のパンがいっぱい。
フランスの文化が入っているベトナムは、パンがとてもおいしいです。
ここはホーチミンの中心部なので、裏通りも両側、びっしり建物で埋まっています。
そんなホーチミンも少し行くと、ここはどこ?と思うようなところもまだたくさんあります。
笠を被ったおばさんはこれから瓜や梨を売りにで出かけるところでしょうか。
さきほどのおばさんが向かうのは露天市でしょうか。ここでは簡単な日傘の下で店が開かれています。
そのすぐ後ろではビルの建設中。なんだか危なっかしいですね。
ホーチミンで一番面白いところはどこか。これは好みによりますが、アジア的な喧噪が好きなら、チャイナタウンのチョロンでしょう。街の中心から5kmほど西にあるチョロンは、ベトナムの華僑の半分が住むといわれるところです。
その中心はビンタイ市場で、チョロンといえばこの市場のことを指すと思っても良いほどだそうです。そもそもチョロンのチョ(Chợ)は『市場』、ロン(Lớn)は『大きい』という意味だそうです。
ビンタイ市場は巨大な2階建の建物で、生鮮から雑貨まで何でも揃います。
ビンタイ市場の周囲には露店や半屋外の店がたくさん出ていて、室内のビンタイ市場よりこちらを巡る方が面白いです。
これはジャックフルーツ。パイナップルとマンゴーとバナナをミックッスしたような味で、料理に使われることもあります。
豆を扱っている店です。
大豆や黒豆など、もの凄い種類の豆が並んでいます。
穀物だけを扱っている店もありましたが、米が何十種類と並ぶ姿は、これも壮観です。
ベトナムの路上でもっとも良くやられているボードゲームは将棋ですが、これはドミノのようです。
ドミノの基本は数字合わせで、簡単なゲームですがローカルルールがあるようで、そのへんがどうなっているかな。牌は曲げて置いてもいいのですが、もうすぐぶつかっちゃうよ!
市場には動物も。
どうやらここは鶏を売っているところのようです。
元気良さそう〜
手前に吊るされたように見えるニワトリはたった今買われたもので、足を縛られて逆さまにされ、持って帰られるところ。
ここはニワトリとアヒル。
3階建の建物の1階部分に店が入り、その前にテントが張られてさらに店が出ています。
この建物の上階には洗濯物が見えるので、一般の住宅でしょうか。
フーフン通りに入るとそこには赤提灯がぶら下がり、彼方に超高層マンションが立っているのが見えます。
古いものと新しいものがごっちゃまぜなのがベトナムですね。
ここは肉屋というより豚の丸焼き屋かな。
ビンタイ市場と並んでチョロンを代表するとろこがこの天后廟(ティエンハウ廟)。
ここはベトナム最古の華僑寺の一つとされ、広東省出身の人々により1760年に建てられています。
上からぶら下がるぐるぐる渦巻き線香が独特の雰囲気です。
香炉で焚かれた線香の煙がそこらじゅうに充満しています。
これも中国のお寺ならでは。
ここに祀られている天后聖母は航海の守り神です。面白いことにこの近くにはいくつかお寺があるのですが、その多くがここ同様に天后聖母を祀っています。これはここに移り住んだ華僑に広東省や福建省出身者が多く、おそらく漁民が多かったからでしょう。あるいは同胞が海を渡って移り住む際の安全を祈願したのかもしれません。
こちらではこんなふうにとても長い線香が焚かれます。
一般の方がお参りした時に焚くのは、手前に挿された短いものです。
ディスクホイール仕様のスーパーシクロ! 時速50kmでカッ飛ばします。(笑)
偶然、天后廟のすぐ近くでモスクを発見しました。
ベトナムではイスラム教徒の割合はとても少ないですが、ここにはこんな立派なモスクがあるのです。
このモスク近くの横丁に入れば、そこはまた路上市場でガチャガチャ。
お昼は中華レストランで。
チャオ・トム(エビちくわ)、魚のさつま揚げ、ポークとエビのサラダ、茹でた大タニシを。食べたことがない方も多いと思いますが、タニシはかつては日本でもよく食べられていました。最近は環境の変化でいなくなってしまいましたから、これを食べる機会はほとんどなくなりましたね。
エビのグリルはシンプルでおいしい。
ベトナムではエビの養殖が盛んで、日本にもたくさん輸出されています。ここで焼かれていたものは天然か養殖かについてはわかりませんが。
さて、以上でチョロン地区をの散策はおしまい。中心部に戻ってきました。ここでフランス統治時代の19世紀末に建てられた建築を二つ見ておきましょう。
その一つ目はサイゴン大教会です。ベトナムではカトリックは仏教に次い多い宗教で、この建物は赤煉瓦に包まれた端正なプロポーションのネオ・ゴシック・スタイル。スタイリッシュでモダンな印象を受けます。
二つ目はサイゴン大教会の横にある中央郵便局。この建物は予備知識がないと駅舎に見えます。
それもそのはず、この建物はパリのオルセー駅(現オルセー美術館)をモデルにしたといわれています。
設計にはエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルが関わっているようで、内部のボールト天井を構成するアーチとそれに続く柱は鉄製で、いかにもエッフェルを思わせるものがあります。
この建物を一言でいえば、おしゃれすぎる郵便局!
ちょっと疲れたのでデザート休憩を。
中央郵便局の近くにあるキムタインは農場が経営する牛乳屋さんらしく、表の看板にはプリンとヨーグルトの文字が見えます。どちらもなめらかな味わいで、とてもおいしいです。
このあと夕食を済ませたら、いよいよベトナムとお別れです。
ホーチミンの空港では自転車は折り畳んだ状態で裸のまま預けましたが、その上にビニール袋を被せてくれました。この状態で無事に日本に到着しました。
無事にチェックインが完了したら、完走を祝して、カンパイ〜!
ベトナムはただいま大変貌中で、ここ数年で大きく変わることになると思います。古き良き時代のベトナムを感じられるのも、あと僅かな時間となるでしょう。しかし、おいしい料理だけはこれからもずっと残ってほしいです。ここで素晴らしいベトナム料理の一部を紹介しておきます。
フォー・ガー(鶏のうどん)は朝ごはんの定番。ライムを絞り、好みで唐辛子を。豪華な蒸しエビはヌクマムを少しつけて。パリパリの食感がたまらない揚げワンタン。カニをいったんグリルした炒めものは、みんな無口になってしまう激ウマ!