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ツール・ド・ピレネー 14

大西洋から地中海へ

第14ステージ La Molina ~ Ripoll
開催日 2008.08.15(金)曇り一時雷雨のち晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度
走行距離 46km

ヒョウの山
ヒョウの山

コース紹介

スキーリゾート地のラ・モリーナから8kmで420mほど上り、その後は山の中の裏道の壮快なダウンヒルを楽しみ、中世にはキリスト教とイスラム教の接点だったリポイまで。


第14ステージ:ラ・モリーナ(1,425m) ~ リポイ(690m) 46km

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あやしい雲あやしい雲

ユースホステルの朝はとても静か。 200人の子供たちは朝寝坊のようでまだ起きだしていません。 昨夜、ユースホステルのフロントに翌朝早い出発を告げると、『朝食はピクニック用にしてあげる』とボカディージョ(サンドイッチ)、バナナ、りんご、水、チョコレートを包んで渡してくれていたので、その一部で朝食を済ませました。

7時にいつものように出発です。 外に出ると曇り空で寒い。 うねうねした道を上り出すと、ほどなくその空が真っ黒に。 ゴロゴロゴロ、バタバタバタ、ジャジャッーときました。 痛い!と思ったらなんとヒョウが降ってきた。 こりゃあかなわん、と民家の軒先で雨宿りさせてもらい、黒雲が去るのを待ちます。

雨上がりの上り雨上がりの上り

1時間ほどで黒雲は去りました。 日が照ってきて気分は上向きですが、雨に濡れ寒くてガチガチになった体で走るのは辛い。 しかも上り、まだ高度で400mほど上らなければなりません。

上ってきた!上ってきた!

動かない体にムチ打ってわっせわっせとなんとか上ります。 リゾートホテルをいくつも通り越し、建物が無くなってくると突然視界が開けました。 いろいろな緑の山並みが幾重にも続き、すばらしい景色です。

ヒョウを冠る山々ヒョウを冠る山々

左手を見るとずっと遠くの山の頂は真っ白。 このあたりの山は2,000m級なので万年雪はちょっと考えにくいので、たぶんさきほどのヒョウが積もっているのでしょう。 道路は舗装状態がやや悪いところもありましたが(工事中?)、上りが終わってほぼ平坦な道がしばらく続き、景色を楽しみながら走ります。

激坂ダウンヒル激坂ダウンヒル

標高1,845mまで上ったあとはダウンヒル開始です。(TOP写真) 最初に10%の急な下りが4km続き、山の合間を縫うようにしてどんどん下ります。

急な下りが終わったところがトセス村で、ここからは線路と渓流にはさまれ、緩やかなカーブを描きながら下っていく快適ルートがしばらく続きます。 車は少なく、時折、山の斜面にへばりつくようにして、小さな集落が現れます。

景色のよいダウンヒル景色のよいダウンヒル

この道は、プラノレス村から少し上ったところで車のメインルートN-152と合流します。 こちらの道はさらに景色がよく爽快なダウンヒルです。 

サイダーが行くサイダーが行く

『おお~~、スバラシ~!』 とノリノリのサイダー。 澄んだ青空と緑、山並みを背景にどんどん下ります。 本当にここは素晴らしい!

リベス・デ・フレセルリベス・デ・フレセル

10時半、リベス・デ・フレセルに到着。 古そうな外観の教会の中に入ると、内部はかなり改装されていて、モダンなアーチ構造のようなインテリアでした。 この教会の背後にある岩山の頂部には十字架が付けられています。

大人形大人形

バルで休憩していると、街角にラッパや太鼓を持った人々が集まってきて、そのうちに町の中を練り歩きだしました。 どうやら今日はお祭りのようです。 街中の案内板によればこの町は大人形で有名だとのこと。 大通りをリポイに向かって走り出すと、ちょうどそこにその大人形がありました。

リポイへ向かうリポイへ向かう

リベス・デ・フレセルからリポイまではちょっと交通量が多い道ですが、路肩は十分で走りやすい。 そして下り基調でラクチンです。 練習中のロードレーサーたちもいました。

リポイのサンタ・マリア修道院リポイのサンタ・マリア修道院

正午ちょうどにリポイに到着しました。 しかし街に入ってから観光案内所までの道案内が解りにくく、ちょっとうろうろ。 直進の矢印が別の方向を向いているように見える箇所が何カ所もありました。 なんとか街の中心に辿り着くとそこにサンタ・マリア修道院がありました。 ここはカタルーニャ、修道院のてっぺんにはスペイン国旗ではなく、カタルーニャの州旗が掲げられています。

サンタ・マリア修道院の正面玄関サンタ・マリア修道院の正面玄関

ここは中世にはキリスト教とイスラム教の接点で、学問の中心地だったそうです。 12世紀に造られた正面玄関の聖書の物語のいろいろな場面を描いた彫刻群はロマネスクの傑作と言われていますが、傷みが激しいのでこの玄関を覆う屋根が造られています。

サンタ・マリア修道院の回廊サンタ・マリア修道院の回廊

スペインといえばパティオ、そしてそのパティオを取り巻く回廊。 光と影のコントラストが強烈なスペインのパティオと回廊はとても印象的です。 こちらの柱頭の彫刻もロマネスクのすばらしいものでした。

タンデムのカップルタンデムのカップル

街をぶらぶらしているとこんなカップルに出会いました。 ごついマウンテンバイク系のタンデム自転車にバッグをたくさん付けています。 これで山を登るんだとちょっと大変そう!

スペインのバルスペインのバル

ここリポイも今日は聖マリアの祝日で、お店の類いはほとんど休業、そんな訳でかバルも開いていないところが多い。 修道院見学を終わって、うろうろとバルを探し歩いていると、裏道の上のほうが騒がしい。 路地をぐるっと廻って行くと、そこに簡素で小さなバルの入り口がありました。 その入り口を入り二階に上がると、そこにはスペインの伝統的なバルがありました。 店内は地元の人々でいっぱい。 テーブルではあの変わった絵柄のカードに熱中しているおじさん達が群れ、カウンターの上には鰯の酢付などのタパスがたくさん並んでいます。 そして床にはオリーブの種やティッシュが捨てられている。 最近はあまり見かけなくなった、なつかしいバルの風景がここにはありました。

プルポとリベイロプルポとリベイロ

こちらは夜のバル。 表の看板に『プルポ(たこ)あります!』とあったので入ってみました。 プルポはこのあたりではなかなか手に入らないようで、バルならどこにでもあるというものではありません。 ここはガリシア地方出身者がやっているバルらしく、壁にはガリシア地方の写真が貼られ、メニューもそれらしいものがいくつかあります。 プルポの調理方法は何種類かありますが、こちらのものはガリシア風。 そしてワインもガリシアのリベイロ。 これがきりっと冷えて魚介類にぴったり。 でっかいおちょこみたいな陶器の器で飲みます。

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