朝起きると、雨は上がっていたもののあたりは霧に包まれています。今日は漢拏山に登りハイキングの予定でしたが、これでは何も見えなさそう。予報も雨模様なので、山登りは中止としました。
とりあえず、宿の近くの食堂に朝ご飯を食べに行きます。『アワビ粥がおいしそう〜』と、みんなでアワビ粥を注文することにしましたが、ここでサイダーが『1人1人前は多いから、5人で3人前にしよう』と提案。でも、あとでみんな空腹を抱えることに。。
なお今回はOKしてもらいましたが、韓国の食事では、メインを頼むといろいろなおかず『パンチャン』がついてくるので、メインは1人1皿頼むのがルールとのことです。
漢拏山に代わり、今日は徒歩で中文リゾート散策です。宿に戻り傘を借りて、今日の観光に出発!
昨夜着いたときはずぶ濡れで見る余裕もありませんでしたが、泊まっているホテルは左右対称のかわいい形をしています。
ホテルから500mくらい歩いたところで橋にさしかかると、その下には何と緑豊かな渓谷が広がっていました。
ここは天帝淵(チョンジェヨン)といって、『神の池』という意味を持ち、3段の滝が見られるところです。そして、橋の下はちょうど第1の滝が流れ落ちるところだったのです。
公園入口から天帝淵瀑布(滝)の展望所までどんどん下っていきます。雨のあと、周辺の緑はみずみずしく美しいのですが、石段は滑りやすいので気をつけて。
第1瀑布に到着。高さ22mから流れ落ちる滝は水しぶきをあげ、天然シャワーを浴びて歓声を上げるジオポタです。
ここには昔、帝に仕える7人の天女らが夜、紫色の雲に乗って舞い降り、澄んだ水でこっそり沐浴をして天に昇ったという伝説が残っています。
橋の下から流れ落ちる第1瀑布と展望スペースはこんな感じ。観光客が結構来ていました。
第1の滝は水量が少ないと見えないこともあるようですが、今日は豪快に水しぶきを上げて落ちています。
さらに遊歩道に沿って川を下り、第2瀑布を目指します。遊歩道の途中では、第2瀑布の流れ落ちるところが見えました。
第2瀑布到着です。こちらは豪快な第1瀑布に比べると少し幅広で優雅な感じです。
さらに下っていきます。渓谷はどんどん深くなっていくようです。『これ、下ったらまた上るんだよね。。』 緑も深まっていくようです。
渓谷は霧と新緑に包まれて深く、幻想的な風景を見せています。この周辺の林には、松葉蘭などの珍しい植物が自生しているとか。
白い花に覆われた遊歩道は、涼やかでロマンチック。まるで韓国ドラマに出てきそうな風景ですね〜、と盛り上がるのはキルピコンナ、クッキー、サイダー。
第3瀑布に到着です。ここも豪快な水しぶきでマイナスイオンが溢れています。
『第3瀑布まで来ました〜』と「3」のポーズは右からキルピコンナ、クッキー、ジーク、サリーナ。
第3瀑布展望所からは、再び渓谷の上までとエッチラオッチラ上ります。そして少し戻って第3瀑布と第2瀑布の間にあるのが、7人の天女像を彫刻した『仙臨橋』。太鼓橋のように中央が高くなっています。
橋の真ん中、一番高いところから北を望むと、深い森の向こうに半分霧に隠れて第1瀑布が見えました。
南には、晴れていたら海が見えるはずですが、本日は霧の中です。
橋を渡った対岸には、楼閣『天帝楼』があります。上ってみましたが、特に滝がよく見えるとか展望がいいというわけではありません。中には天女の絵などが描かれています。
さて、天帝楼の先には2,000種類以上の植物を集めた『加美地植物園』がありますが、我々は海に向かって散策を続けることにしました。いったん公園を出て、オルレ道を南へ下っていきます。
ここはオルレ8番コースで、標識もありました。
オルレのリボンに導かれ、遊歩道を進みます。途中からちょっと雨が降り出しました。
そして最後にど〜っと階段を下ると、ようやく海に出てきました。
中文の海辺には豪華なリゾートホテルが建ち並んでいます。8番オルレは、そのリゾートホテルの1つ、『シーエスホテル&リゾート』のまっただ中を通っているのです。
このホテルは済州島の伝統的な民家を模したコテージが並んでいます。集落でよく見かける特徴的な枝振りの樹木なども備え、とても感じのよいつくりですね。
海辺はと見ると、黒いゴロゴロ石の岩浜でした。
シーエスホテルを抜けると巨大な建物群が現れます。ホテルでしょうか?
奥の丸い建物はICC JEJU(済州インターナショナル・コンベンションセンター)です。
そんな建物の前を通り、オルレ道はまだまだ続きます。トルハルバン発見!
そして、いつの間にかこんな絶壁にたどり着いていました。黒や茶色のゴツゴツした岩肌は荒々しい彫刻のようです。
ここは30〜40mの高さの柱状節理が2kmにもわたって続いています。これは14〜25万年前に、中文エリアにある丘、鹿下旨岳から噴火する溶岩によってできたものだそうで、岩柱の大きさや形成範囲は韓国最大規模だとか。
岩は5角形や6角形の柱が集まった形をしています。この『柱状節理』は、熱いマグマが700〜1,000度で固まって岩石になり、その後冷えていく過程で体積が収縮して規則性のある割れ目をつくり柱状になってできるそうです。
波しぶきを受けて、柱状の形がくっきり見えます。
大浦柱状節理帯では、崖の淵に遊歩道が設けられており、この迫力ある景色を間近に楽しむことができます。
柱状節理帯の遊歩道出口では、アワビやナマコの屋台も出ていました。おばさんがさっとさばいて提供してくれます。
おいしそうですが、今日は小雨も降っているのでどこか屋内のレストランで昼食を、ということになりました。
すでに昼の1時を過ぎています。朝はアワビ粥1人0.6人前、『お腹がすいた〜』の大合唱が始まりました。しかし、ここは中文リゾートのまっただ中。大きなリゾートホテルがあるだけで、街角の食堂などは見当たりません。ホテルのレストランは高そうだし。。
ふと見ると、こんな建物も。『あれ?マリ共和国のジェンネのモスクがある!』と叫ぶサイダーとサリーナ。これは2004年にできた『アフリカ博物館』だそうです。
アフリカ博物館の脇の建物に食堂らしい看板が見えたので、入ってみると海鮮鍋(ヘムルタン)がある食堂でした。ああ、よかった。
海鮮鍋を注文し、『メクチュ、メクチュ(ビール)』と頼むと、おばさんが『○○??』と聞いてきます。発音が悪いのかと、さらに『メクチュ!』と叫び続けますが、おばさんが『違う』のポーズ。え、ビールがないの?と固まるジオポタメンバーでしたが、実はおばさんは、海鮮鍋に辛いたれを入れるか入れないかと聞いていたのでした。なーんだ。無事メクチュも来て、ホッ。
パンチャン(小皿のおかず)を食べていると、ついに真打ち、アワビ、エビ、カニなどの魚介類と豆腐、きのこ、野菜がたっぷり入った豪華な鍋がやってきました。
みんなでアワビを殻からはがすのに悪戦苦闘していると、おばさんがスプーンでぺろっと剥がしてくれました。それからエビの身は箸で押し出します。さすが!
夢中で海鮮鍋を食べ尽くしたあとは、魚介のうまみが凝縮されたスープに乾麺を入れます。インスタントラーメン風の麺ですが、これがまたスープを吸って美味〜
というわけで満腹、満足で再び散策を続けます。
この大きな丸い建物はICC JEJU(済州インターナショナル・コンベンションセンター)。約4,000人を収容できる国際会議場のほか、大中小の会議室、展示室、カフェやレストランなどが備わっています。韓国ドラマ『オールイン』のロケにも使われました。
ICCの前の大通りを北東に向かい、途中で左折する小道に入ります。両側にはみかん畑が広がっています。
少し進むとそこはダート。構わずずんずん行くサイダーに、『徒歩でもサイダー道か。。』とつぶやくクッキー。
みかんの枝の先には、小さくて白い金平糖のようなつぼみがたくさんついていました。
畑を抜けると、やや古いイギリスのアパートのような雰囲気の集合住宅群が現れました。
ところで、韓国では住民各自でバルコニーをサンルームに改装するケースが多いと聞いたことがありますが、ここでもサンルームになっているバルコニーを発見。
しばらく行くと、お店の並ぶ町に出ました。ここが中文の中心市街地です。街路樹は桜並木。
すぐにキルピコンナがおいしそうなパンや蒸し物を売っているお店を発見し、揚げパンなどを購入。食欲全開のジオポタ女子たちに驚くジークでした。
この市街地の通りをまっすぐ行くと、ほどなく今朝通った天帝淵上の橋に着きました。朝は霧でよく見えなかった天女の『仙臨橋』がよく見えます。
ずいぶん歩いたので『ここらでお茶しよう』と通り沿いのカフェに入ります。若い男性1人でやっているお店で、フラッペだのはちみつカフェだの、ややこしい注文を1人で黙々とこなしています。大盛りのフラッペに笑顔のサイダー。『最高にウマい!』
スーパーで各自朝食用の買い物などを終えて、ホテルに戻ります。このあとは各自、部屋でくつろいだり雨と泥で汚れた自転車を洗ったりしながら過ごします。
そして、今日の夕食は定食屋さん。いつものようにパンチャン(小皿のおかず)がずらりと並び、わかめスープとごはんがついています。
メインはこれ、赤甘鯛焼き(オクトム・クイ)。干した赤甘鯛を焼いたシンプルな料理はなつかしく優しい味です。『これ、おいしい〜!』とほとんど骨も残らず食べてしまったジークでした。
漢拏山に登れなかったのは残念ですが、天帝淵瀑布や柱状節理帯など見どころの多い散策を満喫し、のんびり過ごした楽しい4日目でした。明日は晴れるといいな。
◆ひとこと by サリーナ
韓国ドラマで何となくイメージしていたリゾートの島『済州島』。
さて実際に行ってみてどうだったか、というと。。
・火山のつくった地形の不思議さ、面白さ、美しさ
・昔ながらの集落や海女さんたちの漁、海藻干し
・新鮮な山盛りの魚介類、野菜やキムチがずらりと並んだパンチャン
・真っ白な砂浜とエメラルドの海 -- ほんとに北九州と同じ緯度?
などなど、いろいろなことが想像の何倍もすばらしく、あっという間の8日間でした。
4日目は 漢拏山ハイキングの予定があいにくの雨で、済州島旅行中、唯一の計画のない気ままな散策です。
市街地のすぐ近くに現れた渓谷と滝にビックリし、海辺の豪華リゾートホテルを突っ切るオルレ道をたどると大迫力の柱状節理帯。いやあ、面白かった!
昼食は適当に(それしかなくて)入ったお店の海鮮鍋がゴージャスで、その後も買い食いしたりお茶したりとまち歩きも楽しめて、とてもリラックスしたいい一日でした。
サイダーの計画は相変わらず隙がなくバッチリでしたが、計画のない日も仲間と一緒だといろいろ楽しめますね。