1614-13

スカイ島2

スコットランド 13

開催日 2016年08月17日(水)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★☆
難易度 ▲▲
走行距離 77km
累積高度 1,000m

エイノート湖北岸を行く
エイノート湖北岸を行く

コース紹介

スカイ島の二日目は、ブロードフォードから険しい山々が並ぶスリガチャンを経て、タリスカー蒸留所でスコッチの作り方を見学。ロッホと川を眺め、原野が広がる丘を越えつつピートの採掘を見たら、観光拠点の港町ポートリーへ。

動画(06'05" 音声:BGMのみ)

Googleマップでルートを表示ルートデータ(gpxファイル)
総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など)

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Broadford START 発08:45 A87 泊:Hebridean Hotel £85(朝付)
Ainort湖先端 15km 着09:45
発09:50
Moll Rd
Sconser 26km 着10:50
発10:55
A87 フェリー乗場
Sligachan 32km 着11:20
発11:45
A863 ホテル
ハイキングルート多数

80m
33km 着12:00
発12:00
B8009
Talisker蒸留所 44km 着12:40
発15:10
B8009
A863
スカイ島唯一の蒸留所、1830年設立、 Tour45',14:00,£8
昼食:The Old Inn/鹿肉バーガー、ひよこ豆+ポテト+ほうれん草のカレー
peak
155m
53km 着16:05
発16:05
A863
Coillore 61km 着16:40
発16:40
B885
peak
155m
66km 着17:20
発17:20
B885
Portree 77km 着18:05 夕食:MacNab's/スープ、サラダ、スカンピのコロッケ
泊:Meadowbank House £84(朝付)
日の出05:20ごろ、日の入21:15ごろ /為替レート:1£=157円/

ブロードフォードの宿ブロードフォードの宿

スカイ島の二日目はブロードフォード(Broadford)から、島の中心となる街ポートリー(Portree)まで。

途中、島で唯一のウィスキー蒸留所であるタリスカー蒸留所(Talisker Distillery)に立ち寄る。

ブロードフォード中心部ブロードフォード中心部

ポートリーがスカイ島の中心の街なら、ここブロードフォードは島の入口の街と言ってよいだろう。英国本島からアクセスすると、最初に着く大きな街がここだ。

その中心部はA87の旧道と思われる通りで、かわいらしい住宅やカフェが建ち並んでいる。

ブロードフォード川ブロードフォード川

旧道が終わりA87に出るとほどなく、ブロードフォード川を渡る。

泥炭層から滲み出した有機物が川を黒い色にしている。

正面にスカルパイー島正面にスカルパイー島

今日はしばらくA87を走らなければならない。この道はスカイ島の幹線道路なので車の往来が激しく、自転車向きではないが、朝のこの時間帯はそれほどでもない。

正面にスカルパイー島(Scalpay)が見えてきた。その手前に見える水面は、英国本島とスカイ島を隔てるインナー・サウンド(Inner Sound)という海峡だ。

Loch na CairidhLoch na Cairidh

スカルパイー島とスカイ島はかなり近く、その間をごく狭いLoch na Cairidh という水道が流れている。

双耳峰双耳峰

先に山が見えてきた。

その中でも右端のものは、特徴ある双耳峰だ。

エイノート湖エイノート湖

スカルパイー島との間の水道から奥へ延びるエイノート湖(Loch Ainort)に入った。

先ほどから見えていた山はこのエイノート湖の対岸にあるものだった。

クロフターの家クロフターの家

道端に特徴ある家が建っている。これはクロフター(crofter)と呼ばれるスコットランドの小作農家の典型的な住宅だ。

クロフターを語るにおいては、クラン(Clan)と呼ばれる氏族制度とハイランド・クリアランス(Highland Clearance)について述べなければならないのだが、それらを割愛して簡単に言うと、18世紀半ばにイングランドに併合されたスコットランドでは、貴族やクラン・チーフはそれまでの特権を失い、小作人からの上がりだけでは生活が苦しくなる。そこでこれらの権力者たちは小作人を強制的に追い出して大規模な土地を確保し、そこで羊毛産業を展開するようになる。

小作人たちは海外に移住せざるをえなかったり、海辺や低地に追いやられたわけだ。

エイノート湖西の景色エイノート湖西の景色

湖(Loch)と山と荒野、これがハイランドの景色だ。

ルイブルイブ

ここはルイブという村らしい。

道はエイノート湖の奥へ向かっている。正面には二瘤山。

エイノート湖の奥へエイノート湖の奥へ

ルイブを過ぎると周囲にはまったく何もなくなる。

正面は山、右手はエイノート湖、そして左手には荒野が続くばかりだ。

エイノート湖のどん詰まりエイノート湖のどん詰まり

エイノート湖のどん詰まりまでやってきた。

ここからはA87を離脱してカントリーロードに入る。

エイノート湖の出口を見るエイノート湖の出口を見る

その道はエイノート湖の北岸に続き、山裾を穏やかに上って行くのが見える。

カントリーロード突入カントリーロード突入

ここのカントリーロードは舗装状況があまりよくない。穴ぼこは開いていないが、表面がザラザラでちょっと走りにくい。

そのザラザラ道はいきなり上りだ。

北岸の山が近付く北岸の山が近付く

朝から見えていた山がぐっと近付いてきた。

その頂部にはゴツゴツとした岩肌が現れ、中腹より下はヘザーだかヒースだかで覆い尽くされている。高木は一本たりとも生えていない。この高木がないということが、荒涼とした風景を創り出す一因かもしれない。

山裾へ下る山裾へ下る

上っていた道がいつの間にか下りになった。

平面的にも大きくUターンして、エイノート湖に流れ込む小川を渡る。

北岸を上るサリーナ北岸を上るサリーナ

この小川からは再び上りだ。勾配はあまりきつくないが、あのザラザラ道が続いていてここも上りにくい。

しかし、横にはエイノート湖、その周囲には幾多の山並みと、素晴らしい景色だ。(TOP写真)

横にスカルパイー島横にスカルパイー島

エイノート湖を出て再び Loch na Cairidh に入る。

横に浮かんでいるのは朝から見えていたあのスカルパイー島で、その左はラッセイ島(Raasay)。この両島の間、彼方にうっすらと見えるのが英国本島。

養殖プールと英国本島養殖プールと英国本島

水道の中にはまん丸の養殖用プールが浮かんでいる。

スコットランドでは鮭の養殖が盛んだと聞いたことがあるが、いったいどんなものを養殖しているのだろう。

別の山が見え出す別の山が見え出す

A87から東に飛び出した半島の北側にやってきた。

先にはこれまでとは異なる山が見えている。とんがった頂が三つ。

A87ととんがり帽子A87とギザギザ山

半島周遊が終わりA87に合流すると、右手は入り江のスリガチャン湖(Loch Sligachan)になる。

スリガチャン湖に入るとすぐ、ラッセイ島からのフェリーが着くスコンサー(Sconser)があるが、フェリー乗場周辺にはカフェなどは見当たらず、トイレ休憩だけで先へ進む。

スリガチャン湖がどん詰まりになるころ、先にギザギザ山が見えてくる。

スリガチャン川スリガチャン川

ブロードフォードとポートリーのちょうど中間にあるスリガチャンに入ると、スリガチャン川を渡る。

先ほどから見えていたギザギザ山はどうやらスガー・ナン・ギリアン(Sgurr nan Gillean)で、その左にあるのはマースコ(Marsco)という山のようだ。このあたりにはたくさんハイキングルートがあり、ハイカーが大勢やってくるらしい。

スリガチャン・ホテルのバースリガチャン・ホテルのバー

スリガチャンのアウトドアの拠点となるのがスリガチャン・ホテルで、私たちはここのバーで一休み。時は11時半。宿泊客の中には、ここで遅い朝食をとっている人もいる。

日本でバーというともっぱら酒を売るところだが、こちらのそれは酒類はもちろん、コーヒー、紅茶に始まりミルクやジュースなどの飲物もあり、大人はもちろん子供も出入り自由なところだ。一般的なバーではランチやディナーを出すことも多い。酒の販売は法律で正午からと決まっているようで、午前中は売らない。これはスーパーマーケットも同じだ。

アイアン・ブルーアイアン・ブルー

英国といえば紅茶が有名だが、ここがスコットランドだからなのか、はたまた英国ではそれが一般的なのか、紅茶はティーバックでサービスされる。当然大してうまいものではない。最近はコーヒーも飲まれるようだが、これはイタリアンレストラン以外のものは飲めたものではない。アメリカンをさらにお湯で割ったようなしろものだ。

ということでここでは、スコットランドではコーラを凌ぐ人気だという国民的炭酸飲料のアイアン・ブルー(Irn Bru)を試してみた。オレンジとブルーの派手なパッケージの中身をグラスに注いで驚いた。中身もオレンジをさらにどぎつくしたような色だ。その味は、甘みが非常に強い。はっきり言ってそれ以上のことはわからなかった。。。

A863A863

スリガチャンからはA87を離れ、A863でタリスカー蒸留所へ向かう。

周囲はスガー・ナン・ギリアンやマースコを始めとする山々に囲まれている。

スガー・ナン・ギリアンの麓を行くスガー・ナン・ギリアンの麓を行く

ちょっとした坂を上って行くとマースコがうしろに去り、スガー・ナン・ギリアンもほどなく後方へ。

この道は山間の谷を通っているようだ。

ハーポート湖へ下るハーポート湖へ下る

ピークを過ぎるとハーポート湖(Loch Horport)への下りが始まる。

ちょっと下って平坦になり、ちょっと下って、

ハーポート湖の谷ハーポート湖の谷

今度は上り。ハイランドは一筋縄ではいかない。そこら中にアップダウンがある。

周囲は高い山がなくなり、ハーポート湖に落ちる丘が連なる。

ハーポート湖ハーポート湖

エイノート湖や Loch na Cairidh はスカイ島の東海岸だが、ハーポート湖は西海岸だ。スカイ島を東から西へ横断したわけだ。

ハーポート湖は海の深い入り江なので、潮の満ち引きがあるのだろう。この時、このあたりは水が引いていて湿地状になっている。あるいはここが川と海の境なのかもしれない。

カーボストに入るカーボストに入る

さらに結構な坂を上るとハーポート湖は水に満たされ、民家がポツポツと建っているのが見える。タリスカー蒸留所のあるカーボスト(Carbost)に着いたらしい。

ここは両岸共になだらかな丘が続く。

カーボストとハーポート湖カーボストとハーポート湖

ここからタリスカー蒸留所までは下りだ。

ぐわ〜んと一気に下って、

タリスカー蒸留所タリスカー蒸留所

タリスカー蒸留所に到着。ここはスカイ島唯一のウィスキー蒸留所で、その歴史は古く、1830年に設立されている。

ここには45分ほどの見学ツアーがあるので、それに参加することにした。ツアーは参加人数が制限されているためインターネットでの予約を試みたが、これはうまくいかなかった。しかし運良くこの回には空きがあった。

ピートと大麦ピートと大麦

蒸留所を見学するのは初めてなので他との比較はできないが、規模は想像よりこじんまりしており、近年NHKのドラマで放映された『マッサン』に出てくるものとあまり変わらない感じだ。

まず、原料の説明があった。主原料は大麦と水で、ピート(泥炭)は麦芽を乾燥させる際に燃焼させ、スモーキーフレーバーと呼ばれる独特の香り付けに使われる。スコッチウィスキーといえばこのスモーキーフレバーだが、中にはピートをまったく使わない蒸留所もある。

ワインは完全にぶどうだけから作られるが、ウィスキーは穀物に加え水が必要だから、水がかなり重要な要素だとのこと。

1919年の樽1919年の樽

製麦(モルティング)[浸麦、発芽、乾燥] は別の場所でやられているようで、見学できる工程は醸造 [仕込みおよび発酵] からだが、ここからは撮影禁止ゾーンとなるため簡単に説明を。

仕込みはマッシュタンという平べったいお椀を被せたような容器で行われ、麦芽から麦汁が作られる。

発酵は麦汁に酵母を加えもろみを作り出す工程で、ウォッシュバック(発酵槽)には酒や醤油のそれと同じような大きな木の桶が使われる。

次はいよいよ蒸留だ。マッサンにも出てきた銅製で瓢箪を潰したような形のポット・スチル(単式蒸留器)で、水とエタノールとの沸点の違いを利用し、蒸留がおこなわれる。ここで得られる液体は無色透明だ。

ウィスキーを配る案内してくれた係員ウィスキーを配る案内してくれた係員

最後の工程は熟成だ。取り出された蒸留液はオーク樽に詰められ、3年以上熟成させることが法律で定められている。このオーク樽は木の香りが適当にあり、またそれが強すぎないものが要求され、シェリーの空き樽が最高らしい。上の写真にあるように、ここの最古の樽は1919年のものである。

蒸留所の見学を終えラウンジに戻ると、ウィスキーのテイスティングだ。ここで飲み方のアドバイスを受けた。ストレートのウィスキーに水を一滴か二滴垂らすと、赤ワインが空気に触れて花開くように、ウィスキーもまた水と反応し、香りが立ちまろやかな味になる。

ハーポート湖とサリーナハーポート湖とサリーナ

タリスカー蒸留所のあとはスカイ島最大の街ポートリーに向かう。

ここからはハーポート湖の奥まで引き返し、対岸を行くことになる。

斜面を覆うヘザー斜面を覆うヘザー

ハーポート湖の対岸が近付いてきた。

その斜面は赤い。一面をヘザーが覆っているのだ。

ハーポート湖北岸の上りハーポート湖北岸の上り

ドライノック川(River Drynock)を渡るとすぐにA863に入り、上りが始まる。

うしろにはあのスガー・ナン・ギリアン周辺の山が見えているが、角度が変わってまったく異なる山に見える。

上るサリーナ上るサリーナ

この上りは斜度がきつくなく、ハーポート湖の対岸が眺められて気持ちいい。

赤紫色のヘザー赤紫色のヘザー

この丘もヘザーだらけだ。

ハーポート湖出口ハーポート湖出口

ハーポート湖の出口が見えたところでA863を離れ、内陸のシングルトラックに入る。

A863はハーポート湖からその出口にあるベアグ湖(Loch Beag)を廻って進むが、この道はそれを少しショートカットするし、何といっても細道だから気分がいい。

先にブラカデール湖先にブラカデール湖

しかしちょっとアップダウンがある。

ひと上りすると、先にブラカデール湖(Loch Bracadale)が見えてくる。その先はスカイ島の西端のデュイリニッシュ半島(Duirinish)だ。

ベアグ湖に流れ込むアマー川ベアグ湖に流れ込むアマー川

この頂部からベアグ湖の奥へ落っこちると、先ほど分れたA863に合流する。

ベアグ湖ベアグ湖

A863はベアグ湖とそこに流れ込むアマー川の間を渡り、対岸へと延びて行く。

これがベアグ湖で、

アマー川アマー川

こっちがアマー川だ。

アマー川の方は両岸とも際まで丘が迫り、その間隔も狭いが、ここでぐっと広がりベアグ湖となるのだ。

ベアグ湖からの上りベアグ湖からの上り

ベアグ湖は西海岸にある。一方、本日の終着地のポートリーは東海岸にあるので、ここからスカイ島を横断することになる。

ということで、また上りだ。

下にベアグ湖下にベアグ湖

えっこらよっこらと上るサリーナ。

谷沿いを上るサイダー谷沿いを上るサイダー

へ〜こらサイダー。

サイクリストサイクリスト

こちらではサイクリングは結構盛んなようで、時々サイクリストに出会う。

多くはツーリングバイクだが、この時は珍しくMTBに乗る方とすれ違った。

どこまでも上る道どこまでも上る道

道はどんどん上って行く。

周囲はなだらかな丘が続くだけで、まったく何もなし。

丘を下る丘を下る

標高150mまで上ると道は下りに転じた。

どうやら最高点を過ぎたらしい。

ボグが広がる荒野ボグが広がる荒野

このあたりは日本ではほとんど見られない風景が続く。

ボグ(泥炭地)が広がる原野が丘を覆っている。そこには木一本立っていない。

アップダウンアップダウン

下りになったけれど、そんな中にもアップダウンはある。

丘の上にも川は流れており、そこまで下って上るのだ。

山が見えてくる山が見えてくる

原野の中をどんどん行くと、先に低い山が見えてくる。

あれはポートリーの北にあるトロッターニッシュ半島の山塊だ。あの山の南(右手)の端に向かうポートリーはある。

ピートの採掘ピートの採掘

道脇に見慣れないものが出てきた。これがピート(泥炭)だ。

ピートは燃料にしたり、ウィスキーの麦芽を乾燥させるのに使われることが多い。それを採掘しているのだ。

ポートリーのB&BポートリーのB&B

道はその後も下り続ける。ポートリーの湾が一瞬見えたが、それは上り坂で隠れ、その後も起伏に隠れて一向に姿を見せない。

そのうちにポートリーの街に入って、湾に面したB&Bに到着。

ポートリー湖ポートリー湖

ポートリーには美しい湾がある。それは Loch Portree というからポートリー湖となろうが、これは海だ。

そしてその湾があるポートリーはスカイ島最大の街で、スカイ島観光の拠点となるところだ。スカイ島はスコットランドでもかなり人気の観光地で、この時期はわんさかとポートリーに観光客が押し寄せる。ところがポートリー自体は人口二千人ほどの街なので、B&Bもレストランも満杯になる。そんなわけでこの夜は、訪ねるレストランはことごとく満席で、あやうく夕食をとりはぐれるところだった。

さて、明日はスカイ島の北部のトロッターニッシュ半島を巡る。そこは風光明媚なところとして知られ、クワラング(Quiraing)やオールドマン・オブ・ストー(Old Man of Storr)といったトレッキングに最高なところがあるという。楽しみだ。

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