1710-15

フロム鉄道とラーラルヴァエン

ノルウェイ 15

開催日 2017年08月16日(水)晴れのち曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度
走行距離 43km
累積高度 400m

ラーラルヴァエン
ラーラルヴァエン

コース紹介

アウルランフィヨルドの先端フロムから世界屈指の景観ルートと言われるフロム鉄道で標高895mのミュルダールまで。フロムへの戻りは「ラーラルヴァエン」を自転車で下る。走りやすく、渓谷と滝、森など見所いっぱいの魅力的なルートだ。

動画(08'50" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN Connect1GARMIN Connect2GPSies

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Dalen
30m
START 発09:20 50 朝食:部屋、ランチパック
バス:Sogneporten 09:12,15'
Aurland
アウルラン  10m
3km 着09:30
発09:35
E16 シャトルバス(bike不可):08:45,14:15,16:45
Flåm
フロム  0m
10km 着10:10
発11:05
列車 Flåm鉄道(Flåmsbana):07:30/08:35/09:45/11:05/12:20
チケット予約360NOK+バイク110NOK、レンタバイク
Myrdal
ミュルダール  895m
10km 着12:01
発12:15
Rallarvegen 駅しかない、Finseまで36km、Hallingskeidまで15km
Flåm鉄道:12:13/13:27/14:43/15:59/17:15/18:35/19:48
Myrdalsfossen
850m
11km 着12:30
発12:35
Rallarvegen 滝/225m
Kårdalsfossen
540m
13km 着12:50
発12:55
Rallarvegen 滝/200m
Rallarrosa stølysteri(山岳農場)/自家製のゴートチーズ
Berekvam
310m
19km 着13:20
発13:40
Rallarvegen 昼食:ランチパック
Rjoandefossen
100m
23km 着14:00
発14:05
Rallarvegen 滝/310m
Håreina 26km 着14:15
発14:25
Rallarvegen Flåm kirke/1667年
Flåm
0m
30km 着14:45
発14:50
E16 バス:14:15,16:53,18:30,15'
シャトルバス(bike不可):14:00,16:30,20:10
Otternes Bygdetun 34km 着15:30
発15:40
E16 オッテルネス農場(野外博物館)/18Cの村/27戸
Aurland
0m
40km 着16:00
発16:30
E16 Aurlandsfjord
Turlifossen 42km 着16:40
発16:45
50 滝/245m
Dalen
30m
43km 着16:50 夕食:共用キッチンで自炊
泊:Aurland Apple Farm/650NOK/
為替レート:1NOK=14円/

アップルファームの朝アップルファームの朝

ダーレン(Dalen)の静かな朝。周囲はまだ朝靄に包まれています。

この民宿は「アウルラン・アップル・ファーム」という名前なので、この周囲の畑に植えられているのはリンゴの若木なのでしょう。

宿を出発宿を出発

キッチンで朝ご飯とランチパックをつくり、9時過ぎにいざ出発。

今日は、アウルラン(Aurland)から7km先のフィヨルドの先端の町フロム(Flåm)まで走り、そこから鉄道に乗ります。

アウルランへ向かうアウルランへ向かう

まず3km離れたアウルランに向かいます。

朝もやが少しずつ晴れて、青空が広がってきました。

アウルラン川を渡るアウルラン川を渡る

アウルラン川を渡り、フィヨルド沿いに南東へ。

アウルランフィヨルドアウルランフィヨルド

フィヨルドの対岸は1,400m前後の山並みが続き、ところどころで川が滝のようになってフィヨルドに流れ込んでいます。

そんな景色を楽しみながらE16を進んでいくと、

フロムが見えたフロムが見えた

前方にフィヨルドの先端が見えてきました。

「あそこがフロムだね」とサリーナ。

自転車道をゆく自転車道をゆく

フロムの3kmほど手前から、フィヨルドに沿って車道と分離された自転車歩行者道が現れました。

「これは快適〜」とサイダー。

クイーン・エリザベス号クイーン・エリザベス号

フロムはフィヨルドクルーズの出発点、そしてフロム鉄道(Flåmsbana)の出発点として、観光客でにぎわっています。

豪華客船も停泊中。これはクイーン・エリザベス号でした。

フロム駅とミュージアムフロム駅とミュージアム

そして、10時過ぎにフロム鉄道の始発駅に到着。

右手に1両の客車が見えますが、私たちの列車は11:05発でまだ入線していないので、隣にあるミュージアムに行ってみました。

鉄道工事の写真鉄道工事の写真

フロム鉄道は、オスロ〜ベルゲン間を走るベルゲン鉄道とアウルランフィヨルドを結ぶ路線で、ミュルダール(Myrdal)からフロムまでの20kmを約1時間かけて走ります。

1923年に着工し、開通したのは1940年。トンネルのほとんどは手掘りだそうで、こんなつるはしで掘ったんですね。

レトロな車両レトロな車両

これはレトロな車両ですね。

「かわいい〜」と大喜びのサリーナ。

軌道自転車軌道自転車

そして、保線点検用の足漕ぎトロッコ。線路を走る自転車です。

その隣には、エンジンのついたオートバイ型もありました。

列車が入線列車が入線

結構面白くて夢中で見ているうちに、いつの間にか私たちの列車が入線していました。

あわてて自転車を持ってうろうろしていると、係の人が「裏側だよ」と教えてくれました。

自転車を積む車両自転車を積む車両

自転車は、客車の最後尾車両に反対側からスロープで係の人が乗せてくれました。

他にも大きなマウンテンバイクが積まれています。

フロム駅を出発フロム駅を出発

座席指定はなく自由席で、とりあえず座ってほっと一息。車両の内部は木を使った暖かみのあるインテリアです。

列車は11:05、時間通りに静かにフロム駅を出発しました。

フロム渓谷フロム渓谷

フロム鉄道は、フロム川の流れるフロム渓谷に沿って少しずつ高度を上げていきます。

オールド・フロムの村、そしていくつもの滝を通り過ぎます。

対向列車とすれ違い対向列車とすれ違い

フロム駅から20分ほどで、ベレークヴァム(Berekvam)という駅に着きました。

駅員さんが降りたので「どうしたのかな」と思っていると、対向列車がやってきました。フロム鉄道はここだけ複線になっていて、列車はここですれ違うのです。

渓谷を下る対向列車渓谷を下る対向列車

すれ違い終了。すれ違った列車と別れて、こちらはさらに上っていきます。

ミュルダール滝とジグザグ道ミュルダール滝とジグザグ道

コルダール駅(Kårdal)を過ぎ、ショースフォッセン駅(Kjosfossen)の手前で、進行方向右側に滝とジグザグの道が見えました。絵に描いたようなジグザグ。。

実は、滝の上左に見えるのはこの列車の終着のミュルダール駅。あとで、私たちはこのジグザグを下ることになるのです。

ショース滝ショース滝

ほどなくショースフォッセン駅に到着。この駅の前後は岩山のトンネルで、その間のホームが張り出した展望台から大迫力のショース滝が眺められます。

列車はここでしばらく停車。ゴーゴーと絶え間なく流れるショース滝(Kjosfossen)を見ていると、それに負けない大音量で音楽が流れ、滝の中腹あたりでピンクの衣装の女性のダンスが始まりました。妖精が観光客へサービスしてくれたようです。

ヴァトナハルセントンネル通行中ヴァトナハルセントンネル通行中

標高669mのショースフォッセン駅を出ると、フロム鉄道は馬蹄形のカーブを描きながらヴァトナハルセントンネル(Vatnahalsen tunnel)で高度を上げていきます。

馬蹄形の上端のヴァトナハルセン駅は811m。この駅の前にはホテルがあり、降りる人もいました。

ミュルダール駅ミュルダール駅

そして、終点のミュルダール駅に到着です。フロム鉄道は、滝と渓谷など、変化に富む景色を眺められて楽しかった。

ここからは自転車です。駅にはレンタサイクルがあって、自転車で下りを楽しもうという人も結構いました。

自転車で出発自転車で出発

積んでいた自転車は、「ちっちゃいね〜」とニコニコしながら係の人が出してくれました。

フロム鉄道と別れて「いざ出発!」とサリーナ。

駅ホームに並行する木製通路駅ホームに並行する木製通路

ここからフロム方面へのサイクリング&ハイキングルートは、まず駅の前方からホームに並行した木製通路を後方へ進みます。

ここには駅と、数軒の小さな家があるのみ。駅の関係者のお宅かな。

ゴロゴロ砂利のダートゴロゴロ砂利のダート

木製通路はすぐに終わり、下りのダート路になります。

下り勾配はかなりキツく、しかも大きなゴロゴロ砂利のダート。「これじゃあ、自転車に乗れないよ〜」と押して進むサリーナ。

ラーラルヴァエンと合流ラーラルヴァエンと合流

でも、ご安心あれ。そんなゴロゴロダートは短く、1kmほど進むとラーラルヴァエン(Rallarvegen)というルートにぶつかります。vegenは道路の意味で、Rallarはおそらく鉄道のことだと思われます。

このラーラルヴァエンは、ベルゲン鉄道およびフロム鉄道の建設工事のために100年以上前につくられた道で、ベルゲン鉄道に沿ってHaugastølからミュルダールまで、そしてフロム鉄道に沿ってミュルダールからフロムまで続いています。

サイクリストが下るサイクリストが下る

そんなラーラルヴァエンが自転車ルートとして開放されたのは1974年のこと。今では多くのサイクリストがこのルートを楽しんでいます。

Haugastølからフロムまでは全長約90km。私たちはそのうちミュルダールからフロムまでの17kmを下っていきます。

サリーナが下るサリーナが下る

ここは、フロム鉄道から見たあのジグザグ道です。路面は締まったダート。

周囲は涼しげな木々に囲まれ、「これなら乗って下れる〜」と嬉しそうなサリーナ。

ミュルダール滝ミュルダール滝

そして、途中のカーブではミュルダール滝(Myrdalsfossen)が姿を見せました。

この滝もフロム鉄道から見えましたね。

滝とともに下る滝とともに下る

ミュルダール滝とともに、さらにジグザグと下っていきます。

サイダーが下るサイダーが下る

しばらくすると、周囲の木々がなくなり視界が広がります。下から見ると、こんな感じ。

その中をジグザグ下るサイダー。

舗装路に入る舗装路に入る

九十九折れの激坂下り終了。「ああ、楽しかった〜」とサイダー。

ここからは緩やかな下りの舗装路になります。ちなみにラーラルヴァエンの始点ヘイガステル(Haugastøl)からここまではずっとダートで、最高標高1,343mの結構ワイルドな道が続くようです。

フロム川に合流フロム川に合流

フロム川に合流しました。ここからはフロム渓谷を下っていきます。

谷の間の放牧地谷の間の放牧地

谷が少し広がっているところに出てきました。

前方には家畜の群れ、そして右手には農場の建物がいくつか見えます。

ヤギとサイダーヤギとサイダー

群れはヤギさんでした。人なつこくて、私たちが停まっているとすぐに寄ってきます。ヤギの楽園を走るサイダー。

ここはラーラルーサ(Rallarrosa)という農場で、夏に10km下からヤギたちを連れてきて放牧し、フレッシュなヤギのチーズをつくって販売しています。事前に調べていたのに、立ち寄るのを忘れてチーズを買い損ねてしまいました。

Kårdalsfossenの橋Kårdalsfossenの橋

ヤギの向こうに見えた川は、その先でフロム川に合流し、フロム川に架かる橋のあたりでコーダル滝(Kårdalsfossen)になっています。

この橋の上で、私たちに大きく手を振るグループが。何と、同じ民宿に泊まっていた中国人3人と偶然の再会です。「車でベルゲンに行く前にちょっとハイキングしてるんだよ」「そうなの〜、私たちは鉄道で上ってこれから下るのよ」

渓谷を下る渓谷を下る

じゃあね〜、と別れて先へ進みます。

傍らのフロム川は、ときに静かに流れ、

急流となったフロム川急流となったフロム川

ときに激しい急流となります。

久しぶりの上り久しぶりの上り

谷間もときどき狭まり、ここで並行していた鉄道路線はトンネルに入り、私たちの目の前には不意に上り坂が現れました。

「久しぶりの上りで足が回らないよ〜」とサリーナ。

山裾を通る鉄道路線山裾を通る鉄道路線

再び谷が広がってきて、上り終了。

フロム鉄道の路線がトンネルを抜けて、山裾を通っているのが見えます。

細い滝が崖を落ちる細い滝が崖を落ちる

そして目の前に現れた細い滝は崖を落ちて木々の緑の中を流れています。

鉄道も楽しいけれど、変化に富んだ景色をゆっくり見ながら下れる自転車は最高!

ベレークヴァム駅近くベレークヴァム駅近く

自転車ルートは線路と川、そして牧草地と農場が見える場所に出てきました。列車のすれ違いを行ったベレークヴァム駅の近くのようです。

このあたりでちょっと休憩。道端でお昼のサンドイッチを食べていると、次々と自転車が通っていきます。

左上をフロム鉄道が通過左上をフロム鉄道が通過

昼食を終えて走り出し、線路を越えると今度は鉄道が上を走っていきます。ちょうど列車が上を通り過ぎました。

右手にはフロム川がすぐ近くを流れています。そしてこのあと道は線路まで上って踏切を渡り、線路はトンネルに入ります。(TOP写真)

家族連れと一緒に走る家族連れと一緒に走る

自転車で下る人たちと一緒に、渓谷の道をさらに進みます。

このルートは最初の激坂を除けば、家族連れの子どもたちも安心して走れる楽しいコースです。

ルーアンナ滝ルーアンナ滝

正面左に滝が見えたので、脇道に入ってみるとフロム川に橋がかかり、滝のちょうど真下に出てきました。この滝はルーアンナ滝(Rjoandefossen)です。

いいね、いいね〜 というわけで、サイクリストに写真を撮ってもらいました。

フロム川の流れフロム川の流れ

橋から見たフロム川の流れも美しく、光を受けて輝いています。

もう行程の3/4くらいは来たはずです。終わってしまうのがもったいないなあ。

オールド・フロムの村オールド・フロムの村

さらに川沿いをずんずん進んでいくと、谷が広がって牧草地の向こうに家並みが見えてきました。

オールド・フロムの村に到着です。

フロム教会フロム教会

ここには木造のかわいいフロム教会があります。

実は、この同じ場所にスターヴ教会があり、それが1670年に現在の教会に建て替えられたそうです。

川沿いをフロムへ川沿いをフロムへ

オールド・フロムを過ぎれば、ラーラルヴァエン終点のフロムはもう近い。

川沿いを進んでいくと、ほどなくフロム駅に着きました。

フロム駅に到着フロム駅に到着

予定よりずいぶん早く到着。サイクリングにぴったりの楽しいルートでした。

フロム駅では、レンタサイクルの人たちが借りた自転車を返しています。

サイダーと豪華客船サイダーと豪華客船

あとはアウルランまで来た道を帰るだけ。自転車道を走るサイダー。クイーン・エリザベス号はまだフロム港の沖合に停泊しています。

まだ午後3時と時間も早いので、途中のオッテルネス農場(Otternes Bygdetun)に寄ってみることにしました。

アウルランフィヨルドアウルランフィヨルド

オッテルネス農場はフロムとアウルランの中間あたりの高台にあり、ここには18世紀の民家など27棟の展示があるといいます。

というわけで、E16から激坂をエッチラオッチラ上ります。すると眼下にアウルランフィヨルドの絶景が広がってきました。

オッテルネス農場オッテルネス農場

前を見上げれば、高台の上に民家のような建物が連なっています。あれがオッテルネス農場なのでしょう。

古い民家が並ぶ古い民家が並ぶ

上り終えて民家群の中に入っていきますが、なぜか受付のようなものは見当たらず、民家の扉も閉まっています。

あらら、今日は休み? それとも廃業しちゃったのかな?

赤い壁の民家赤い壁の民家

フィヨルドを望む崖側には、赤い壁の建物が並んでいます。手前の建物の土台はネズミ返しのようで、倉庫なのでしょうか。

フィヨルドのアウルラン方面の眺めフィヨルドのアウルラン方面の眺め

民家の内部は見られなかったけれど、農場の先にはベンチのある見晴し台があって、アウルランフィヨルドの眺めが楽しめます。

こちらは、アウルラン方面の眺め。

フロム方面の眺めフロム方面の眺め

そして、反対側はフロム方面の眺め。雲が出てきて小雨も降りちょっと暗いのは残念ですが、晴れていればすばらしい絶景でしょう。

E16をアウルランへE16をアウルランへ

景色を楽しんだあとは再びE16まで下り、そこからは一路アウルランに向かいます。

アウルランのフェリー乗り場アウルランのフェリー乗り場

アウルランに着くころにはまた陽がさしてきました。晴れたり曇ったり雨になったり、天気はめまぐるしく変わります。

アウルランでは、明日の移動に備えてフェリー乗り場をチェックしました。

ダーレンに向かうダーレンに向かう

そして、アウルラン川に沿ってダーレンの民宿に戻ります。

トゥーリー滝トゥーリー滝

民宿の200mほど手前にも滝がありました。トゥーリー滝(Turlifossen)です。

脇道を入って近づいてみようとしましたが、すぐに道がなくなり牧草地になったので道の端から眺めて終了。

宿でビールとつまみ宿でビールとつまみ

夕方5時前に民宿に着き、ビールとつまみでくつろいだあとは、ゆっくり自炊の夕食です。ところでスーパーで安売り缶詰を見つけ、最近はオリーブに加えてこれをつまみの定番にしています。今日はサバのトマト煮。結構いけますよ。

今日はフロム鉄道で景観ルートを上り、帰りは下り基調のラーラルヴァエン。渓谷の中の景色をゆっくり楽しみながら走ることができるこのコース、本当に自転車にピッタリで、「世界のジオポタコース」として認定することにしました!

さて、明日はフェリーでアウルランフィヨルドからナーロイフィヨルド(Nærøyfjord)先端のグドヴァンゲン(Gudvangen)まで行き、そこからヴォス(Voss)まで走ります。この行程、またしても激坂があるらしいがどうなるのか?

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