1914-01

リマ/ミラフローレス

ペルー 1

開催日 2019年07月31日(水)曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 18km

マレコンから太平洋を望む
マレコンから太平洋を望む

コース紹介

ペルーの首都リマのミラフローレス地区をサイクリング。海を見下ろすマレコンの丘から、ケネディー公園、自転車道のあるアレキパ通り、プレ・インカ遺跡ワカ・プクヤーナ、オリーブ公園、天野博物館といった見どころを巡ります。

動画(06'45" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  備考
宿 (START) 発09:55 泊:Villa Molina/朝付
Malecón
Parque Alfredo Salazar
(3.5km)
START
着11:10
発11:40
海辺/高級ショッピングセンターLarcomar
貸し自転車:mirabici/S70/日
10km続く遊歩道
Parque Kennedy 3km 着12:05
発12:10
たくさんの猫
日曜日は大道芸人
Huaca Pucllana 5km 着12:35
発13:55
S15/09:00-17:00/5Cごろのリマ文明の遺跡
アドベ煉瓦による巨大ピラミッド
Parque El Olivar de San Isidro 8km 着14:10
発14:20
Casa Museo Marina Núñez del Prado
/無料 /ボリビア人の女性彫刻家
Parque Ernesto Alayza Grundy 11km 着14:30
発14:35

La Mar 12km 着14:45
発16:45
cebichería/12:00-17:00
昼食/S427
天野プレコロンビアン織物博物館
AMANO Museo Textil Precolombino
13km 着16:50
発17:45
S30/10:00-17:00
Chancayの織物、 Chimú とNazcaの陶器
Malecón
Parque Grau Miraflores
14km 着17:55
発17:55

Malecón
Parque Alfredo Salazar
18km 着18:20
発18:35
自転車返却
宿
着19:20  泊:Villa Molina/$54/朝付
時差:UTC-5, JST-14 /日の出06:16、日の入17:58/為替レート:S1=33円=US$0.3
Lima 8月:19°〜15°C、0mm/

ミラフローレスの宿ミラフローレスの宿

予定より一時間多い22時間のフライトで日本からペルーの首都リマ(Lima)にやってきた私たちは、ミラフローレス(Miraflores)の宿に明け方の三時に辿り着きました。一眠りして目覚めると、意外と長旅の疲れは残っておらず、すっきり。

リマは人口1,000万人の大都市で、ペルーの人口の1/3が住むといわれています。そのリマの中心部は大きく分けると旧市街である歴史地区のセントロ(Centro)と、それより海岸側の新市街から成ります。ミラフローレスはこの新市街にあり、サン・イシドロ(San Isidro)と並んで富裕層が住む地域だそうです。

アレキパ通りアレキパ通り

南緯12度と低緯度のリマは冬のこの季節でも暑いのかと思いましたが、沿岸を北流する寒流のペルー海流が流れているため気温は思ったよりかなり低く、過ごしやすいです。しかしこの季節は、ガルーアと呼ばれる霧が空を覆い、どんよりとした曇天の日が続くそうです。

その例外に当たらず、この日はどんよりとした空。

アレキパ通りの自転車レーンアレキパ通りの自転車レーン

さて、この日私たちはミラフローレスを軽くサイクリングすることにしました。

宿で自転車が借りられるところを聞くと、ミラフローレス中央公園(Parque Central de Miraflores)のあたりにたくさんあるとのことだったので、アレキパ通りをぶらぶら歩いて公園方面へ。

アレキパ通りを行くキックスケーターアレキパ通りを行くキックスケーター

アレキパ通りはこのあたりの目抜き通りで、中央分離帯がある広い道です。その中央分離帯の中には歩行者と自転車のためのレーンが設けられています。この自転車レーンは緑に囲まれており、とても気分よく走れそうです。

この自転車レーンをしばしばキックスケーターが通って行きます。キックスケーターはペルーで人気なんだな〜と思っていると、なんとその辺にキックスケーターがごろごろ転がっている・・・

パブリック・キックスケーターパブリック・キックスケーター

いえ正しくは、きちんと並んで駐輪してある。これ、誰でも乗っていいやつ。最近は日本でもよく見かけるようになったパブリック・バイク・シェアリング・サーヴィスですが、それのキックスケーター版です。

自転車と違うのは収容ラックがなく、どこで乗り捨ててもいいこと。蹴動と電動とがあります。GPSで管理されているようで、自分の近くにあるキックスケーターを検索することも可能なようです。

ミラフローレス・ラウンダバウトミラフローレス・ラウンダバウト

中央分離帯を行き交う自転車やキックスケーターなどを眺めつつ歩いていくと、ラウンダバウト(roundabout=環状交差点)に出ました。リマの交差点の基本形はクロス型で信号機管理ですが、なぜかここだけラウンダバウトです。

このラウンダバウトの中心にはきれいな噴水があります。

ミラフローレス中央公園のパブリック・シェアリング・バイクミラフローレス中央公園のパブリック・シェアリング・バイク

ラウンダバウトのすぐ先がミラフローレス中央公園で、その入口には自転車ラックが並び、シェアリング・バイクが置かれています。

写真中央に見えるキャラクターはリマ2019パンアメリカン競技大会のもの。この時はこの競技会の開催期間中で、街中のありとあらゆるところが『Lima2019』という文字とこのキャラクターで埋め尽くされていました。あとでこのキャラクターと関係するものに出会うことになるのでお楽しみに。

ミラフローレス中央公園ミラフローレス中央公園

ミラフローレス中央公園を横目に、貸し自転車屋さんを探して進みます。前方に見えるのはミラフローレス市庁舎と教会の塔。

宿で、中央公園のあたりには貸し自転車屋さんがたくさんあると聞いたように思うのですが、まったくそれらしきところは現れません。貸し自転車というか、シェアリング・サーヴィスの自転車はたくさんあるのですが。

CityBikeLimaCityBikeLima

もしかして宿のスタッフが言っていたのは自転車店ではなく、シェアリング・バイクがたくさんあるよ、ということだったのかもしれません。

このCityBikeLimaは事前登録制で、一日なら4ソーレス(132円)ベースで、30分以内は無料、それ以上は4〜7ソーレス/hほどのようです。しかし私たちの環境では現場での登録はできないので、これは断念。引き続き自転車店を探します。

マレコンのサラザール公園マレコンのサラザール公園

表通りはどうやらダメそうなので一本の脇道に入ってみるも、その通りにもなし。仕方なしにそこにあったホテルの人に聞いてみると、親切にもweb検索してくれました。海辺に出たところにmirabiciという貸し自転車屋があるといいます。そこは日本で私たちが検索してヒットしたところの一つでした。

ということで、さらにアレキパ通りを進んでマレコン(Malecón)のサラザール公園(Parque Alfredo Salazar)に向かいます。

mirabicimirabici

マレコンは緑の海岸という意味のコスタ・ベルデ(Costa Verde)の崖の上に沿って延びる細長い空間で、背の高いヤシの木が並ぶ明るく開放的な公園が続いています。

その中にある小さなキオスクのような小屋が、自転車を貸し出しているmirabiciでした。さっそく自転車をチェックし、問題がないかどうか確かめます。

マレコンの海とサリーナマレコンの海とサリーナ

ちょっぴりギアチェンジのレバーが重いけれど、なんとか機能するようなのでこれで良しとして、いざ出発。おっと、ちょっとその前に太平洋を覗いてみましょう。

ここから太平洋を眺めると、この海岸線が崖になっているのが一目でわかります。今日は残念ながら曇り空なので、海の色もそれを映して灰色です。その表面を静かに移動する白い波。これらの波は私たち同様、15,000km離れた日本から遥々流れてきたのかもしれません。

マレコンの遊歩道を行くマレコンの遊歩道を行く

さて、日本の反対側の太平洋を眺めたところで、本日のポタリングの開始です。

ラルコマールラルコマール

マレコンの遊歩道を南に走り出すとすぐ、ショッピングモールのラルコマール(Larcomar)が見えます。

ここは地元の人はもちろん観光客にも人気のスポットだそうで、レストランやカフェはもちろん、ブテック、映画館、両替所、旅行代理店となんでも揃っています。

パラグライダーパラグライダー

そのラルコマールの上空に突然、鮮やかなオレンジ色が射しました。

パラグライダーです。このすぐ北の公園から飛び立つようです。

Parque DomodossolaParque Domodossola

ラルコマールの末端まで来るとサラザール公園が終わり、ほんのちょっとだけ一般道を行くと、また別の公園に入ります。

マレコンから下るマレコンから下る

その公園もすぐにおしまいになり、今度は車道の端にある自転車レーンを下って行きます。

一方通行の道一方通行の道

マレコンを出ると一般道を行きます。

リマの多くの道は一方通行なので、逆走しないように注意して進んでいきます。

ケネディー公園ケネディー公園

今日のコースはミラフローレスの名所巡りとでも呼べそうなもので、mirabiciのwebペイジに出ていたものを少しだけアレンジしたものです。

マレコンの次はケネディー公園(Parque Kennedy)です。この公園はミラフローレス中央公園のすぐ横にあり、現地ではこれら二つを合わせてケネディー公園と呼ぶことが多いようです。この公園はリマ2019パンアメリカン競技大会のマラソンのスタート地点かなにかだったようで、公園の外周に『Lima2019』という文字のフェンスがぐるりと巡らされていました。

ケネディー公園のネコケネディー公園のネコ

ケネディー公園は猫が多いことで知られています。

何でもこれは、かつてこのあたりにはとても鼠が多かったので、人々は猫を放ちそれを退治したことかららしいです。今日ここで生活している猫ちゃんたちは、ボランティアの人々によって保護されているそうです。

アレキパ通りを走るアレキパ通りを走る

ケネディー公園からはアレキパ通りに入ります。

朝歩いてきた中央分離帯の中の自転車レーンを行きます。この道は自転車にとってはとても快適なのでどこまでも走って行きたいところですが、次の見どころのワカ・プクヤーナ(Huaca Pucllana)まではすぐなのでした。

道路の突き当たりにあるワカ・プクヤーナ道路の突き当たりにあるワカ・プクヤーナ

アレキパ通りから脇道に入りちょっと行くと、道の突き当たりに妙な物が見えてきます。

工事中か何かで土が積まれたものか?

ワカ・プクヤーナワカ・プクヤーナ

何とその土の山こそが、次の目的地のワカ・プクヤーナなのでした。

市街地のまっただ中にあるワカ・プクヤーナ市街地のまっただ中にあるワカ・プクヤーナ

この写真を見てください。ここがどんなところなのか一目瞭然です。

ここはリマのミラフローレス地区のまっただ中。周囲はぐるりとビルで囲まれています。

ワカ・プクヤーナ西面ワカ・プクヤーナ西面

その中に巨大な泥の固まりがあるのです。これは一体何なんだ〜っ

ペルーといえばインカ文明が有名ですが、このワカ・プクヤーナはそれより前の古代アンデス文明の遺跡で、5世紀ごろのリマ文明のものとされています。これはあのマチュ・ピチュより約1,000年前のものということです。

竪積みのアドベ煉瓦竪積みのアドベ煉瓦

ワカ・プクヤーナの『ワカ』はインカ時代以前からアンデス社会で信仰されていた神聖なものを指す言葉で、ワカ・プクヤーナは『試合のための聖なる場所』という意味だそうです。ここは儀式として何らかの競技が行われたところと考えられており、ワリ人に征服されるまでの約300年の間続きました。かつてはここには44の寺院があったそうですが、発掘されたのはほんの一部で、7つのピラミッドと、いくつかの建物の基礎部分が見られます。

建物はアドベと呼ばれる日干し煉瓦でできています。煉瓦は一般的には横積みが多いと思いますが、ここでは竪積みがメインでしかも微妙に傾いて積まれており、煉瓦同士の間に若干隙間があります。何となくやっつけ仕事のように見えますが、これは耐震性を持たせるための工夫なのだそうです。事実、これらの建物が1,500年も存在し続けていることが、それを証明しています。

アドベ煉瓦による巨大ピラミッドアドベ煉瓦による巨大ピラミッド

しかし泥をこねて干しただけのアドベ煉瓦が数千年も持つものでしょうか。私たちのガイドさんによると、ここリマの年間降水量はたった25mmしかなく、雪も降らず日も降らない(太陽も出ない)気候が幸いしたとのこと。

そしてもう一つは、この遺跡が発見されたのがごく最近で、それまでは土中に埋もれていたということでしょう。いつここが土中に埋もれてしまったのかは定かではありませんが、雨にも当たらず風にも触れずにとにかく長い長い眠りに付いて、最近ようやく日の目を見ることになったのです。

ワリ文化の墓ワリ文化の墓

ここには紀元500-900年ごろのワリ文化の遺跡もあります。

これはお墓だそうで、1,000年以上の時を経た三体のミイラが発見されています。

祭礼祭礼

1,500年ほど前の祭礼とはどんなものだったのでしょうか。

彼らはここで何を祈ったのか。

日干し煉瓦と泥日干し煉瓦と泥

アドベの日干し煉瓦はそこにある泥から造られます。

そしていつの日か元の泥に戻る。

当時の職人の手形当時の職人の手形

このアドベ煉瓦には手形が付いています。1,500年前の職人の手の痕!

トマトトマト

この遺跡の敷地内には当時このあたりで栽培されていた植物や飼育されていた動物が展示されています。

私たちの食卓に載る食べ物でアンデス地方原産の作物はとても多く、良く知られたところではトマトやジャガイモがあります。

かぼちゃかぼちゃ

かぼちゃもそうですし、ペルー料理には欠かすことの出来ない唐辛子は何種類も植えられています。

リャマリャマ

これはリャマでしょうか。未だにリャマとアルパカの見分けがはっきりできないので自信はありませんが。

リャマは主に荷物の運搬用として用いられる家畜で、アルパカは毛を刈るために飼われます。

クイクイ

これはおそらくクイ(cuy)だと思います。クイはかなり古くから食用として家畜化されたテンジクネズミの一種で、かつてはアンデス高地の先住民によって祝事の際だけに供される特別なものでした。

現在ではペルーの名物料理になっているので、機会があれば是非食してみたいと思います。

オリーブ公園オリーブ公園

ワカ・プクヤーナで古代へのタイムトリップを楽しんだら、ミラフローレスからサン・イシドロに入り、サン・イシドロ・オリーブ公園(Parque El Olivar de San Isidro)を行きます。

オリーブ公園の池オリーブ公園の池

この公園は植民地時代に造られ1500本以上のオリーブの木が植えられており、小さな池もあります。

オリーブの木の多くは当時のもののようで古木が多く、かなり迫力があります。

オリーブ公園周辺の建物オリーブ公園周辺の建物

当然ながら公園の周囲には植民地時代の建物が残っており、新市街の中にあっては独特の雰囲気のある場所になっています。

Casa Museo Marina Núñez del PradoCasa Museo Marina Núñez del Prado

この一角にボリビア人の女性彫刻家の美術館(Casa Museo Marina Núñez del Prado)が立っており、ちょっと興味があったのですが、自転車を借りるのにかなり時間を費やしてしまったので、これは外からちらっと眺めるだけに。

サン・イシドロサン・イシドロ

オリーブ公園の北まで進んだら折り返してその西を下り、サン・イシドロの繁華街を抜けて進みます。

このあたりはリマの中でも比較的日本人が多く住む場所だそうで、高級日系レストランやスーパー日系など日本と関わりのある店がいくつかあります。

Parque Ernesto Alayza GrundyParque Ernesto Alayza Grundy

そんなサン・イシドロは緑が多い地区でもあり、至る所に公園があります。そんな中の公園を一つ二つ抜けて、再びミラフローレス地区に入りました。

時は15時の少し手前。朝食が遅かった私たちはここまで昼食をとっていなかったのですが、とらないと喰いっぱぐれてしまいそうです。

巨大セビチェ巨大セビチェ

近くに評判の良いセビチェ屋さんがあったので覗いてみました。このレストラン、この時刻でもほぼ満席といったところでしたが、運良く入ることが出来ました。

セビチェはラテンアメリカで食べられる魚介類のマリネで、ここペルーでは国民食とさえいわれているものです。ということでここはまずはセビチェ・ミクストを。なんとこのセビチェにはパクチーが入っていてびっくり。パクチーを入れるなんざぁ、しゃれてるじゃあねーかよ〜 うまいっす。。

プランチャ・アンティクチューラプランチャ・アンティクチューラ

私たちは大抵前菜一品とメイン一品というオーダーをすることが多いのですが、ウェイターがもう一品追加した方がいいだろうというので、プランチャ・アンティクチューラ(タコとイカのグリル)を。

イカ産の白ワインに良く合います。また、三種類のソースが小皿に入れられてテーブルに置かれたのですが、これはピリ辛とんがらしからソフトなクリーム系まであり、どれをとっても絶妙なバランスで美味。

チュペ・デ・ペスカード・アラ・リマレーゼチュペ・デ・ペスカード・アラ・リマレーゼ

スープから選んだのはチュペ・デ・ペスカード・アラ・リマレーゼ(リマ風魚介のスープ)。白身魚とごはんの入ったこのスープはとてもやさしい味で、黄色い色は黄色唐辛子アヒ・アマリージョの色。アヒ・アマリージョは唐辛子ですがこれは優しい味で辛くありません。

結局最初の想像の通り、二品でも多いくらいで全部は食べきれませんでしたが、どれも素晴らしい味です。噂には聞いていましたが、ペルー料理、とても素晴らしいです。 あっ、つまみに出てきたジャガイモとサツマイモのチップス、トウモロコシの素揚げのカンチータもとてもおいしかったです。

初日からまったりディナーとなってしまったランチですが、なんとか切り上げて次の目的地に向かいます。

天野プレコロンビアン織物博物館天野プレコロンビアン織物博物館

リマには見るべき美術館博物館がいくつかありますが、この天野プレコロンビアン織物博物館もその一つと言っていいでしょう。大きな美術館博物館の場合は一回りするのに半日を要するものもありますが、ここは密度が高い割にこじんまりしていて、一時間ほどで回れる手軽さがうれしいです。

この博物館は大正から昭和時代にかけてペルーで活躍した実業家天野芳太郎さんが自ら集めたコレクションを展示するために作ったもので、プレインカの織物や陶器などを見ることができます。

パラカスの織物その1パラカスの織物その1

建物は近年改修され、名称も天野博物館から天野プレコロンビアン織物博物館となりました。名称に織物と付くように、ここは以前から織物のコレクションが特に有名でした。

その織物はまずパラカス文化(Paracas)のものから。パラカスは、リマの南方200kmほどのところにあるパラカス半島を中心に、BC700年からAD400年ごろに栄えた文化で、複雑な連続模様や豪華で鮮やかな色彩が特徴のようです。地上絵で有名な後のナスカ文化にその多様な模様やデザインは引き継がれているといわれています。モチーフは動物が多いようで、これは猫でしょうか。1,000年以上も前の織物とは思えない繊細さと色の鮮やかさがあります。

チムー文化の羽根のマントチムー文化の羽根のマント

チムー(Chimú)は900年ごろからインカに征服される1,470年ごろまでペルー北西岸に栄えたプレ・インカ最大の王国で、1,000kmの海岸線とアンデスの人口の2/3を持っていたそうです。現存する最大の遺跡はチャン・チャン(Chan Chan)。

羽飾りというのは大抵魅力的なようで、多くのインディヘナが装飾に用いますが、これはなんとマント!

チムー文化のコットンのチュニックチムー文化のコットンのチュニック

これもチムーのものですが、ほとんどレースのような繊細さです。

図柄は人の首をくわえた鳥で、人間を超えた存在である半人半鳥の支配者、『海鳥の末裔』である王の権威を象徴的に示しているそうです。

インカのキープインカのキープ

さて、お次はいよいよインカです。インカ文明は15世紀から16世紀にかけてペルー南部のクスコ(Cusco,Qusqu)を中心に繁栄しました。

アメリカ大陸最大の帝国としてもっとも有名な文明ですが、インカは文字を持ちませんでした。その代わりに様々な情報の記録に使われたのはキープ(結節縄:Quipu,khipu)というものでした。写真の下に映っているのが、1〜10を示すキープで、上はそれをより複雑にしたものです。

エクアドルからチリにまで及ぶ大帝国だったインカでは、より早く全土に情報を伝えるために、チャスキと呼ばれる飛脚たちによってこうしたキープが運ばれたそうです。 

チャンカイの人型陶器チャンカイの人型陶器

ここは陶器も充実しています。

チャンカイ(Cyancay)は1,000年ごろからインカに征服される1,470年ごろまで、リマの北方70kmほどのところにあるチャンカイ川流域で栄えた文化です。

この像は人を模していますが、性器がはっきりと示され男性か女性かがわかるようになっています。そうそう、あの2019Limaのマスコットはこのチャンカイの陶器をモチーフにしているそうです。

チャンカイの動物陶器チャンカイの動物陶器

ネコ? 土産物屋の鉛筆立てではありません。

チャンカイの人型陶器その2チャンカイの人型陶器その2

これは先ほどのとは違うタイプらしい。

チャンカイの陶器チャンカイの陶器

全員集合!

六本指のある織物六本指のある織物

これはインカのものだったと思いますが、人の手が34描かれただけのちょっと不思議な織物です。よく見ると図柄のほぼ中央に一つだけ六本指の手があります。インカではイレギュラーなものを神の使いとして崇拝し、それを守ってきたのだそうです。

手の向きに注目。右上の三つは下を、それ以外は上を向いています。これは与える人(3)と、もらう人(31)を表しているのではないかと。

そして脱色されたような白っぽい手が二つ・・・

マレコンマレコン

天野博物館を楽しんでいたらすでに18時近くとすっかり遅くなってしまいました。

急いで海岸沿いのマレコンに向かい、グラウ・ミラフローレス公園(Parque Grau Miraflores)に入りました。

マレコンから北の太平洋を望むマレコンから北の太平洋を望む

マレコンには10kmに渡り遊歩道が続くそうですが、この少し北でその遊歩道が一段落するところがあるのでそこまで行ってみることにしました。

崖の下にはどこまでも続く太平洋が見えます。

マレコンのサイダーマレコンのサイダー

振り返れば、今日の出発点のサラザール公園のあたりの明かりが見えます。さて、そろそろ時間切れです。ここから引き返すとしましょう。この遊歩道の北の端からサラザール公園までの間には『愛の公園(Parque del Amor)』など、魅力的な公園が連なるのですが、この天候と時刻を考えるとあまりゆっくり楽しめないので、主に自転車レーンを使って帰りました。

今日は自転車を借りるのに手間取って少し出発が遅くなってしまいましたが、なんとかほぼ予定をこなすことができました。さて、明日は早くもここリマを離れ、天野博物館で見たパラカス文化の栄えたパラカスに移動します。

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