ボーヌ駅のプラットフォーム
今日はリヨンへ列車で移動し、リヨン観光です。リヨンは1泊のみなので、早く着くよう07:03ボーヌ発の列車を選択。というわけで、まだ真っ暗な4時半に起床し朝食・弁当づくり、荷造りと忙しい。
ようやく夜明けのボーヌ駅に着いて駅のプラットフォームへ上がると、自転車の方も2人いました。『自転車を乗せられる車両はどこでしょう?』と聞くと、『列車の先頭か最後尾ですよ』と教えてくれました。
自転車を乗せられる車両
自転車を乗せられる車両は自転車マークがバッチリ付いています。
フランスでは、自転車の旅をしやすい配慮がいろいろな所に垣間見られて嬉しいですね。
自転車を置く
ここが自転車を置けるスペース。私たちの自転車は後輪を折り畳んで、合計4台が入りました。これで安心、あとはリヨンまでの2時間弱をのんびり過ごしましょう。
しかし、しばらくすると車掌さんが現れました。チケットを差し出すと、『あの自転車は君たちの?ネット予約した?』と聞かれます。もちろんフランス語なので、自転車乗りの男性が英語に通訳して助けてくれます。『予約していません』と言うと、『ネット予約が必要なんですよ。今から予約して』とスマホを指差します。
車掌さんが自転車予約を手助け
ボーヌ駅でチケット購入時に示されたチラシには、自転車は予約が必要だと書かれていたようです。無料だけど、スペースが限られるので事前予約が必要なんですね。サイダーがスマホで車掌さんに言われた通りに操作を始めたものの、慣れない入力でなかなか進まない。
仕方なく車掌さんが代わりに入力をしてくれます。何だかんだと10分くらいかかってやっと予約完了。通訳してくれた男性が『Welcome to France!』と笑ってくれました。
リヨンのパール・デュー駅到着
後から車両の外を見ると、自転車マークの下に3と数字があります。最大3台ということのようですが、数量オーバーとなる私たちの自転車1台は見逃してくれました。他に空きがあったからか、チビ自転車だったからか?
ともあれ、08:44にリヨンのパール・デュー駅到着。
野菜や果物の屋台
まず駅から西へと進みます。
途中で通った公園から続く歩行者専用道では、屋台が並び、野菜や果物、そして衣類や雑貨などを売っています。今日は日曜だから、日曜市が開かれているのでしょうか。
マルセイユ通り
左折して南へ向きを変え、マルセイユ通りに入ります。ここは路面電車が通っているようで、線路と並行した一方通行の車道を進んでいきます。
しばらく進んで左に少し入ったところが、私たちの宿。まだ朝早いので部屋には入れませんが、主要な荷物を預かってもらい身軽になって、ここからリヨン観光スタートです。
ローヌ川沿いを走る
あ、観光の前に行くところが。明日のアヌシーへのバスチケットの購入です。バス駅はリヨン・ペラーシュ駅というもう一つの鉄道駅にあります。
ペラーシュ駅に向かって、ローヌ川沿いの自転車道を走ります。自転車道はきっちり整備されていて、リヨンも素晴らしい。
ローヌ川
ローヌ川に架かるガリニエ橋を渡ります。水辺にはクルーズ船や水上レストランなどが連なっています。
そして、今日も雲一つない快晴。
バスのチケット売り場
リヨン・ペラーシュ駅に到着。バスのチケット売り場を探してちょっとウロウロしましたが、無事チケットを購入できました。自転車は折り畳めば無料とのこと。
チケット売り場の下階のバス乗り場も確認して、今度こそ観光スタート。
ヴィクトル・ユゴー通り
駅からまっすぐヴィクトル・ユゴー通りを北上します。ここはショッピング街で歩行者専用道なので、自転車を降りて押しましょう。
まだ午前10時だからか、お店はほとんど開いておらず人通りもありません。あるいは、日曜はお店は休みなんでしょうか。
ベルクール広場
ヴィクトル・ユゴー通りの終点に大きな長方形のベルクール広場があります。ここは、ルイ14世の時代に広場として整備され一般開放されたそうで、フランスでも3番目に大きな広場なんだとか。
広場の南側に観光案内所があり、そこで旧市街の一般立ち入り可能な『中庭とトラブール』の地図をゲット。トラブールとは何か? それはこのあとで。
ルイ14世の騎馬像
広場の中央にあるのは、ルイ14世の騎馬像。フランス革命で壊された後、ナポレオンが復活させたそうです。
そして、この広場にはもう一つ見逃せないものが。
サン・テグジュペリと星の王子さま
それは、このサン・テグジュペリと星の王子さまの像。広場の南西の並木の間にありました。
サン・テグジュペリはこの広場のすぐ近くで生まれたんだそうです。
ソーヌ川とサン・ジャン大聖堂、フルヴィエールの丘
ベルクール広場を出て、ボナパルト橋を通ってソーヌ川を渡ります。
橋の上から対岸を見渡せば、すぐ手前のサン・ジャン地区のサン・ジャン大聖堂があり、その背後のフルヴィエールの丘の頂上にはフルヴィエール大聖堂が聳えています。(TOP写真も)
ソーヌ川とクロワ・ルースの丘
視線をソーヌ川に沿って北へ転じれば、川が折れ曲がった先にクロワ・ルースの丘が見えます。
クロワ・ルースの丘では、19世紀には多くの絹織職人たちが住み働き、リヨンを織物産業の中心地へとのし上げていったのだそうです。
サン・ジャン大聖堂西側ファサード
ソーヌ川を渡ると、すぐ右手にはサン・ジャン大聖堂。この建物は、1175年から1480年まで、約300年かけて建てられたもので、ロマネスクおよびゴシック様式です。
西側のファサードは、初期のゴシック様式。3つの入口の門、その上層中央に薔薇窓、そして両側の塔に挟まれた中央に三角形の切り妻が立っています。
大聖堂の内部
大聖堂の内部ではミサが行われていました。静かに見学していきましょう。
高い天井の横の窓からの光と淡い色の石材で、内部は明るく華やかな印象を受けます。
身廊の天井
身廊の天井は六分割ヴォールトで、各ヴォールトの区画は6本の柱で支えられています。
両端の4本は強い支柱で対角リブを支え、間の2本は身廊に垂直な中央リブを支える弱い支柱を用いるもので、これは身廊が建設された13世紀初頭ではかなり古い技法だったそうです。
ステンドグラス
そして、ステンドグラスが薔薇窓や背の高い壁面で輝いています。写真のステンドグラスはサン・ヴァンサン・ド・ポール礼拝堂のもので、19世紀につくられました。
大聖堂内のステンドグラスは、古いものは12世紀に遡るそうです。
フルヴィエールの丘への階段
続いて、大聖堂の北側にある旧市街に足を踏み入れていきます。
ブフ通りに入ると、すぐ左手に丘へ上る急な階段がありました。フルヴィエールの丘に徒歩で上る人たちのための階段です。私たちはあとで、自転車で道路を上りますよ~
ブフ通り
石畳の小道が続くこのあたりは『ヴュー・リヨン』といって、裕福な銀行家や商人が住んでいた15~16世紀のルネサンス時代の建物が並ぶ地区です。
そして、この南北に長い小道を東西方向に繋ぐのが『トラブール』(Traboule)。建物の内部を通って2つの通りをつなぐ秘密の通路なのです。
ブフ通りとサン・ジャン通りを繋ぐトラブール
まずブフ通りからトラブールに入ってみましょう。一見、建物入口に見える扉を開けると、通路が続いています。
薄暗い通路内ですが、照明がいい雰囲気を出しています。ワクワクしますね~
中庭に出た
少し進むと中庭に出ました。
中庭を挟んだ建物同士がアーチ橋で繋がっているのも面白い。
中庭の上の空
見上げれば、5階建ての建物が聳える先に空が少し見えています。
ここから窓やバルコニーに光を取り入れているんですね。
サン・ジャン通りに出る
また通路に入って進むと、1本東のサン・ジャン通りに出てきました。こちらも出てみれば、一見地味な建物入口。
リヨン市内には、この旧市街の他に、クロワ・ルース地区なども含めて500以上のトラブールが残っているそうです。
サン・ジャン通り
ここサン・ジャン通りは石畳の細い道に店舗やレストランのテラス席が並ぶ楽しい界隈です。
お店を眺めたりメニューをチェックしたりしながら、ヌーヴ・サン・ジャン広場を通ってブフ通りへ。
中庭に出る
そして、ブフ通りで次のトラブールに入ります。
交差ヴォールトの細い通路を抜けると中庭に出ました。
赤い壁に囲まれた空
その中庭は赤い壁に囲まれた空間で、小さなお店があり植木の緑もあって、ちょっと異世界に迷い込んだような雰囲気です。
しかも、『おお~』と声を上げるサリーナ。
ピンクの塔
そこに待っていたのは『ピンクの塔』(La Tour Rose)。
狭い中庭の中央に、四角い空目指して聳える丸い塔が私たちを見下ろしていました。黒い手すりのテラスにルネサンス時代の人が飛び出してきそうです。
サン・ジャン通りのトラブール入口
再びサン・ジャン通りに戻ったら、賑わう通りの片隅にある小さな扉を開きます。次のトラブールに入りましょう。
狭い通路
自転車を押して通るのがギリギリの狭い通路。
淡い褐色の通路を進んでいくと、
アーチの間から光
連続するアーチの間から光が見えました。小さな中庭に着いたようです。
小さな中庭
ここが中庭。壁や柱は褐色またはピンクでしょうか。
そんな中庭から空を見上げてみると、
丸と四角の階段室
手前には丸い階段室、向かいには四角い階段室が、空に向かって伸びています。
通路と階段室
角度を変えてもう一枚。
上階の通路と階段室の、淡い褐色の柱やアーチが美しい。
また狭い通路
そして、その先にまた狭い通路が続きます。石の床は、数百年もの間の人々の往来でつるつるに光っています。
その先の扉がトラブールの出口。
トロワ・マリ通り
扉の先は、トロワ・マリ通り。この小道も建物に挟まれて薄暗い中にアーチが並び、雰囲気たっぷりですね。
見学できるトラブールはまだありますが、このあたりでフルヴィエールの丘へと移動しましょう。
フルヴィエールの丘へ上る
丘の頂上までの上りは距離にして1kmほど、勾配は平均9%。日差しがキツくなってきた中、えっちらおっちら上ります。
しかし、この道路を見てください。自転車用の上り道に車の1車線分が確保されています。フランス素晴らしい!
リヨンの市街地を一望
暑くて結構疲れましたが、何とか頂上に到着。ノートルダム大聖堂の北側に広場と展望台があり、木陰にピクニックテーブルもあったので、そこでお弁当タイムです。周囲には木陰の休憩場所を求める観光客が大勢集まっていました。
ここからはリヨンの市街地を一望できます。茶色い屋根が広がる先に超高層ビルが数本。超高層ビルはパール・デュー駅付近です。
ノートルダム大聖堂北面
休憩してお腹を満たしたら、ノートルダム大聖堂へ入ってみましょう。
ここフルヴィエールの丘は、紀元前43年、古代ローマ人により最初の町がつくられたところです。その丘に建つノートルダム大聖堂は、1872年から1896年の間に建設されました。
地下聖堂
そもそも12世紀、フールヴィエールの丘の上に建てられた聖母マリアに捧げられた最初の礼拝堂が建設され、16世紀に破壊されたものの16世紀末には再建されたそうです。
その後、19世紀後半にロマネスクとビザンチンの2つの建築様式を持つバシリカの建設が行われました。写真は地下聖堂。ここには世界中の聖域にある聖母マリアの像が11体収蔵されているとか。
大聖堂の内部
そして上階。ここは煌びやかなビザンチン様式の空間です。
3つのドームが連なり、窓のステンドグラスに照らされて、金色に緑や青や黄色の豪華で荘厳な装飾が輝きます。
大聖堂のファサード
これがノートルダム大聖堂のファサード。大聖堂は、主要な塔4基、鐘楼1基を備え、鐘楼の最上部には金色の聖母マリア像を頂いています。
ライオンの口の水場
さて、大聖堂の見学を終えて出発ですが、今日もかなり暑い。そんなところに水場を発見。
道路脇のライオンの口から冷たい水が迸ります。観光客のグループが使っていて、私たちも使おうとしたら『後ろに水を出すスイッチがありますよ』と教えてくれました。冷たくて生き返る~
古代ローマ遺跡
この丘は、古代ローマ治下のガリアの首都ルグドゥノムだったところです。つまり、リヨンの発祥の地。丘の上には、そんな古代ローマの遺跡もあります。
立ち寄ったのはここ。古代ローマの円形劇場で、紀元前15年頃のものだといいます。
古代劇場に入る
遺跡の中に入っていきます。ここには2つの古代劇場があります。1つは手前の大きな劇場で、ガロ・ローマで最も古く、また直径108mと最大級のもの。収容人数は1万人ということでびっくり。
もう一つはその向こうの少し小さな劇場で『オデオン』、つまり音楽などが催される劇場です。最大収容人数は3千人とのこと。
代劇場に立つサイダー
古代劇場に下り立ってみました。半すり鉢状のサイトの真ん中に立ち、演劇の役者の気分(笑)
今は、コンサートやフェスティバルなど、ここでさまざまなイベントが行われているそうです。
サン・ポール教会
フルヴィエールの丘の観光を終えて丘を下り、先ほどトラブール巡りした旧市街を北上したら、教会の尖塔が見えてきました。
サン・ポール教会に到着。
サン・ポール教会西面
サン・ポール教会はリヨン市内でも最も古い教会の一つだそうで、当初は6世紀に建てられたと伝わっています。12世紀後半にロマネスク様式で再建され、さまざまな改築を経て今に至っています。前の写真の鐘楼は15世紀に建て替えられたものだそう。
この写真の上に少し見える八角形の塔は12世紀に遡るもの。残念ながら内部の見学はできませんでした。
ソーヌ川沿いの建物
古代ローマからのさまざまな時代のリヨンを味わってきましたが、次は現代の面白いスポットへ。
ソーヌ川を渡ってすぐのところにあったのがこれ。特に何の変哲もない建物に見えますかね?
だまし絵『市立図書館』
この建物の北面は、実はだまし絵(トロンプ・ルイユ)。これは『市立図書館』(La bibliothèque de la cité)というタイトルのだまし絵で、1998年製作。
上の階には500近くの本が並ぶ窓が描かれ、1階は図書館の入口。サイダーも紛れ込みそうです。奥には図書館カフェも。
『リヨンの人々』
『市立図書館』からソーヌ川に沿って400mほど北上したら、ここにもだまし絵がありましたよ。
これは『リヨンの人々』(Fresque des Lyonnais)というタイトル。
だまし絵に描かれたポール・ボキューズ氏
ここには、リヨンにゆかりのある30人以上の著名人が描かれています。
1階のレストランの入口に立つのは、リヨン近郊生まれの著名なシェフ、ポール・ボキューズ氏。
サン・テグジュペリと星の王子さま
そして、上の階のバルコニーにはサン・テグジュペリと星の王子さま。
このバルコニー、立体ではなくて全部2次元の絵なので念のため(笑)
三ガリアの円形闘技場
ここからは、クロワ・ルースの丘を目指して北上。その途中、公園の一角に古代ローマの『三ガリアの円形闘技場』(Amphithéâtre des Trois Gaules)がありました。紀元19年につくられ、2世紀には2万人収容の規模に拡張されたそうです。
『三ガリア』というのは、紀元前1世紀のローマ帝国統治下のガリアにおける3つの主要な州、ベルギカ、アクィタニア、ルグドゥネンシスを指す歴史的な名称だとか。
『カニュの壁』
暑い午後日差しの中、途中飲み物休憩も挟みながらさらに丘を上り、着いたのはここ。巨大な壁面いっぱいに描かれただまし絵は大迫力です。
これは『カニュの壁』(Les Murs des Canuts)といって、広さ1200㎡もあるヨーロッパ最大級の壁画です。カニュとは、リヨンで絹織職人を指す言葉だそうです。
だまし絵とサリーナ
お店やアパート、その中央にある大きな階段。通行する人、立ち止まる人、ストリートダンスの人、店で働く人、お客さんなどなどが精巧に描かれています。
自転車の人もいますね。サリーナも絵の一部に紛れ込みます。中央の階段はそのまま上れてしまいそう。
絹織物の店
絵の中ではリヨンの歴史も語られているようで、ここは絹織物の店。
生地を織る人、絹製品をつくる人などが細かく描かれています。
丘からローヌ川と市街地を見下ろす
巨大壁画を見た後は、クロワ・ルースの丘の中心へ。広場の端から緑の公園を介してローヌ川とリヨン市街地の眺めが広がります。
このあたりは19世紀に多くの絹織職人が住み働いていた場所で、当時の生活を感じさせるトラブールがあるということですが、暑くて疲れてきたので宿にまっすぐ帰ることにしました。
モラン橋を渡る
ざーっとかなりの急勾配を下ると、そこはローヌ川。モラン橋を渡って対岸へ。
川岸の自転車道
ローヌ川の川岸には遊歩道と自転車道が設けられ、快適に走ることができます。
正面の橋は吊り橋の歩道橋。
ヴィルソン橋を過ぎる
そこを過ぎると、川岸には船着場やカフェ、バルが並んでいます。ただし、お店は閉店状態で、夜だけの営業なのか、あるいは日曜は休みなのか。
後ろはヴィルソン橋。川辺では白鳥が一羽、優雅に泳いでいました。
ギヨティエール橋の下
次のギヨティエール橋の下には浅い池がつくられ、暑さを避けて足を水に浸して休む人々の姿が見られました。今日も本当に暑いんです!
市民プールの横を通る
その先の川辺には市民プールがありました。円盤の塔は市民プールの照明のようです。
この先のユニヴェルシテ橋を潜ったら、もう宿はすぐそこ。
宿に到着
ここが私たちの今宵の宿。16時少し前に到着しました。
ここはホテルで、キッチン付きの部屋を予約しています。
ホテルのロビー
まずは今朝預けた荷物を受け取り、チェックイン。自転車はガレージへ。
リヨンは今日1日だけで、駆け足の観光でした。部屋でしばらく休憩です。
アジアの食材店
19時に夕食の買い出しに出かけます。地図を見たら『アジアのマーケット』と書いてあり、餃子とか春巻きとかそんなものを期待して行ってみました。
しかし冷凍食品が多く、値段もわかりにくくて買い物できず。その後ミニスーパーなどを数軒訪ねてハムやチーズ、野菜などいつもの食材を何とか確保しました。
さて、明日はバスでアヌシーへ移動。私たちのフランス旅はこれで前半が終わり、いよいよ後半のアルプス・ステージに入ります。
