リヨンのバスターミナルに到着
今日はリヨンからバスでアヌシーへ移動。いよいよアルプスの麓に入り、アルプスステージ開始です。
宿の部屋で朝食とお昼のサンドイッチ作りを済ませたら、朝8時過ぎに宿を出発。
BlaBla Car
今回使ったバス会社はBlaBla Car:ブラブラ・カー。何だか我々のぶらぶら旅にピッタリの名前ですね。
リヨン到着時にチケットは購入済。自転車も折り畳めば無料でバスの荷物スペースに積むことができて、9時ちょうどにいざ出発。
車窓は山の景色
バスはほぼ満席です。大都市のリヨンを離れると、しばらく郊外の工場地帯の中を走ります。
リヨンから1時間ほど走ったあたりから、窓辺の景色が緑に包まれてきました。そして山が近づきトンネルを抜けて、いよいよアルプスという期待が高まります。
アヌシーのバス降車場
10時50分にアヌシーのバスターミナルに到着。鉄道駅の隣の広場が降車場です。
駅前からの景色は緑の多いきれいな都市のイメージ。中層規模の建物が建ち並び、背景には山並みが続いています。フランスで3番目に大きいというアヌシー湖はまだ姿を現していません。
旧市街の散策開始
ここアヌシーは10世紀頃から町を形成し、中世の街並みを残す旧市街は12~17世紀につくられたといいます。13世紀にジュネーブ伯爵によりアヌシー城が建設され、15世紀初頭にサヴォワ領となった後、16世紀にはサヴォワ公国の首都となりました。
そんな旧市街の散策は、まずエヴェシェ庭園というところから。サリーナの背後に見えるのはノートルダム教会の塔。
最初の運河
北へ進むと小さな橋のかかった運河がありました。運河沿いにはカテドラル通りという名前の小道が続いています。
運河はこの旧市街の景観の重要ポイント。アヌシーは『フランスのベニス』『アルプスのベニス』などと呼ばれているのです。
荷物運び自転車
ところでふと見ると、路地の奥の建物脇の小さな中庭に自転車置き場があり、手前に停まっているのは荷物運び自転車です。日本では後ろ側に荷物を積むタイプをよく見ますが、こちらは大体前に荷物を積みますね。
運河を飾る花々
運河に沿ってカテドラル通りを進みます。
運河の鉄柵にはカラフルなフラワーポットが飾られ、華やかでステキな雰囲気です。
運河とサイダー
橋の反対側にはウッドデッキの小さな道。
彷徨いたくなる魅力的な路地が続き、『いいねえ~』と上機嫌のサイダー。
ジャン=ジャック・ルソー通り
カテドラルの横を抜けて入ったのは、その名もジャン=ジャック・ルソー通り。ジャン=ジャック・ルソーはジュネーブ生まれでアヌシーの運河近くに住んでいたのだとか。
そんな哲学者の名前を冠した通りはレストランやブティックが並び、観光客で大賑わい。自転車を引いて歩くのにも一苦労です。
建物を潜って南の通りへ
そそくさとレストランのテラス席の横、建物の下をくぐり抜けます。
すると、南側の川沿いの通りに出てきました。
ティウ川にかかるモラン橋
この川はティウ川。アヌシー湖から旧市街を通って3.5kmほどでフィエル川に合流します。
川にかかるモラン橋からの眺めはというと、
ティウ川とパレ・ド・リル
東側には川沿いのレストランと遊歩道、そして川の中洲にはパレ・ド・リル(Palais de L'Isle)という石造の建物が見えます。
パレ・ド・リルは邸宅として建てられ、その後牢獄や裁判所、城の事務部門などとして使われて、現在は歴史博物館になっています。
モラン橋から西の眺め
一方、西側はまっすぐで広めのティウ川。パステルカラーの少し大きめの建物に囲まれています。
ヌガーを売る店
橋を渡ると再び建物の下を潜り抜けます。その先はサント=クレール通り。
角のお店で売っていたのはヌガー。アヌシーの名物なのかな?
サント=クレール通り
このサント=クレール通りもレストランや店舗が並び、観光客で賑わっています。
少しずつカーブを描く通りに沿って、少しずつ斜めに建つカラフルな建物が楽しい。
サント=クレール広場と門
通りを西へ進んでいくと、サント=クレール広場があり、その先に時計のついたサント=クレール門があります。この門は、かつてアヌシーの街を囲む城壁の入り口だったそう。
ここからは人混みを避けて脇道を入っていきましょう。
脇道の坂道を行く
目指すはアヌシー城なのですが、お城は高台にある。というわけで、坂道を押したり引いたり進みます。
しかし、ついに担ぎの階段に遭遇。荷物をくくりつけた重い自転車を担ぐのは無理~とへたり込むサリーナ。『もっと楽なルートはないの~』
路地の途中のビューポイント
サイダーの助けで何とか階段を上ると、そこにはちょっとしたビューポイントが。
『おお、この道でよかったじゃろ~』と笑顔のサイダー。
旧市街の赤屋根の風景
目の前には旧市街の赤屋根の景色が広がります。右手には、旧市街散策出発地点のノートルダム教会とカテドラルの塔が見えました。
アヌシー城前の広場
そこからもうひと登りしたら、アヌシー城前の広場に到着。
アヌシー城は1219年にジュネーブ伯爵によって建てられ、16世紀までは歴代の領主の館とされていたそうです。現在は郷土博物館として一般公開されており、また庭園からの旧市街の眺めも素晴らしいとのこと。
アヌシー城入口のサイダー
お城に入るかどうするか… ちょっと悩みましたが、すでに12時を過ぎ、坂道を上ったのと暑くなってきてやや疲れたので、アヌシー湖に出てピクニックランチすることにしました。
旧市街地の眺めはさっきのビューポイントで見たからいいよね、とサイダー。腹ペコサリーナにも異論はなく、入口で記念写真を撮って出発。
パレ・ド・リルへ渡る
お城から坂を下って着いたのは、パレ・ド・リルに渡る小さな橋でした。
中洲のパレ・ド・リルに向かって自転車を引くサリーナ。
パレ・ド・リルの南側
パレ・ド・リルは12世紀に建てられ、その後何度も改修されたとか。刑務所としても使われ、昔の法廷や囚人の部屋、地下牢などを見ることができます。
中洲の南側の川幅は狭く、対岸の通路はすぐそば。
パレ・ド・リルの塔
中洲に渡ってみると、島の真ん中の小広場に面して入口と塔があります。
礼拝堂もあるというから、この塔がそうなのかな。私たちは外観だけ見学して先へと進みます。
川とモラン橋の風景
中洲を北へ抜けて下流方向を眺めると、先ほど通ったモラン橋が見えます。
川と花が飾られた石橋、カラフルな歴史ある建物。絵になる風景です。
ペリエール橋からの眺め
そしてティウ川の上流に少し進めば、正面にはパレ・ド・リルの東側の顔。
アヌシーの街を代表するペリエール橋(Pont Perrière)からの景色をしばらく楽しみました。
アヌシー湖へと走る
これにて旧市街の観光は終了。アヌシー湖サイクリングへと走り出します。
アヌシー湖が見えた
すぐにティウ川の源、アヌシー湖が見えてきました。
あたりの雰囲気はガラリと変わり、遊覧船やヨットが行き交う華やかな湖リゾート感が漂っています。
アヌシー湖のほとりに到着
ヨーロッパ庭園を横切って、アヌシー湖のほとりに到着。
そしてサイダーの正面の緑はもう一つの公園、パキエ公園です。次の目的地は2つの公園を繋ぐ橋。
愛の橋
これがその橋で、大勢の観光客が押しかけています。なぜならこの橋は『愛の橋』(Pont des Amours)!
恋人たちがこの橋の上でキスすると、その愛は永遠に続く…とかなんとか。。
アヌシー湖とサリーナ
それはともかく、橋の上からは湖とその背景の山並みの景色を楽しめます。
エメラルドグリーンの湖水に浮かぶボート、アルプスの入口を思わせる山並み。いいじゃないですか!(TOP写真も)
湖沿いのサイクリングロード
さあ、どこでピクニックランチしましょうか。しかしここで『飲み物がない』と騒ぎ出すサイダー。
これから巡る湖岸のサイクリングロード沿いには、しばらくコンビニはなさそう。慌てて街中に買い出しに戻り、何軒か訪ねてようやく冷えた飲み物をゲット。
サイクリングロードを走るサリーナ
湖沿いに戻り、『もうハンガーノック寸前だよ~』と言いつつサイクリングロードを走るサリーナ。
湖岸に面した気持ちのいい木陰を見つけたのは午後1時過ぎ。ようやくお弁当のサンドイッチを広げます。
アヌシー湖の水辺
街の中心部から少し離れた湖は、浅い水辺で遊ぶ家族連れがちらほら。のんびりとした時が流れています。
湖のカモ
岸辺に来たサリーナに気がついて、慌てて泳ぎ出すカモ一羽。何というカモでしょう? カモ好きサリーナですが、オスとメスとは見た目が違ったり、季節で姿を変えるものもいて、見分けるのは難しいですね。
それにしても水のきれいなこと。アヌシー湖はヨーロッパでも屈指の透明度を誇る湖だそうです。
昼食を終え出発
昼食を終えたら出発。今日は湖全体の1/3ほど走ったら、東の山側の町へ上る予定です。
湖のバカンスを楽しむ人々
湖のほとりでのんびり楽しむ人々を眺めながら、快適なサイクリングロードを走ります。
少し高台を行く
湖の東岸に入ると、サイクリングロードは水際から少し離れた高台を通るようになってきました。
左手には山が迫っており、水辺は住宅地(別荘地?)に占められているようです。でもサイクリングロードがちゃんと続いているのは嬉しい。
アヌシー湖を眺めながら走る
幹線を離れてもう少し湖に近い道に入ってみると、右手側は時々視界が開け、広く青いアヌシー湖が姿を見せます。
荒々しい岩肌の山並み
一方、左手側は山。緑の斜面の上に、荒々しい岩肌が突き出す山並みが続きます。
険しい山と中腹のお城
そんな険しい山の中腹にはお城。モントン城といって、ここには約1000年もの間同じファミリーが住み続けているそうな。
『さすがヨーロッパ』な風景ですが、時刻は午後2時を過ぎかなり暑い。そろそろ私たちも水浴びしましょうよ~
モントン=サン=ベルナールのビーチ
というわけで、モントン城の足元にあたるモントン=サン=ベルナールの町で水際へと下りていきます。
そこは、湖岸に木陰が続くビーチ。景色もよく喧騒もなく、水遊びする人や芝生に寝転ぶ人、思い思いに楽しんでいるいい雰囲気です。
水辺のプロムナードを走る
我々はどこに陣取ろうかな~、とプロムナードをしばらく走ります。
そして、空いている木陰を見つけて水浴び準備。
水浴びサイコーのサイダー
ボッチャンと水に入れば、ほてった体が冷やされて気持ちいい~
静かで水はきれい、そして景色よし、言うことなしです。しばらく水浴びを楽しむ2人。ところで、お魚は見なかったですね~
ビーチを出発
ずっとくつろぎたいところですが、今日はこの先の湖沿いの町タロワールまで行き、その後内陸へ多少の山上りをしなくては宿に着けません。
重い腰を上げて、モントン=サン=ベルナールのビーチを出発。
田舎道に入る
タロワールまでの間には湖に山が突き出しており、道路は少し内陸側を通っています。ここで、よくある究極の選択。アップダウンの少ない幹線道路の自転車路を行くか、もう少し内陸側の(ということはアップダウンのありそうな)田舎道を行くか。
『やっぱりジオポタとしてはこっちだよね』とローカルな道を行くことに。
激坂で押し
そして案の定、田舎道はこんなことに。
アップアップで最大14%は押すしかない。『やっぱり』と言いつつヘロヘロ押しながら進む。
岩山の景色
そんな難所も長くは続かず、ほどなく幹線道路の自転車道に合流しました。ホッ。岩山の景色が少し近づいています。
たくさんのパラグライダー
そして山の上部をよく見れば、パラパラと撒き散らした紙吹雪のように、たくさんのパラグライダーが舞っています。
タロワールのビーチ
ここから標高差100mほど下ったら、タロワールのビーチに到着。タロワールは、19世紀にセザンヌが保養に訪れて風景画を描いたことでも有名です。
確かに、こぢんまりしたビーチの湖を介した正面にはゴツゴツとした山並みが連なり、絵になる風景ですね。そのセザンヌ、この村は『美しいけれど絵画的過ぎて退屈』と言ったとか。
対岸の風景
セザンヌが描いたのは、ちょっと見にくいですが写真中央あたりにあるデュアン城と湖、背後の山並みです。
小さなビーチはかなり混み合っており、予定時間も少し遅れていたので、私たちはタロワールはこれで終わりにすることにして、宿のあるトーヌへ向かいました。
タロワールからの上り
さて、ここから残りの距離は15kmほどですが、まずは標高差220mの上りがあります。
時刻は16時を過ぎ、暑い盛り。ローカル道を黙々と上っていきます。
山と牧草地の景色
周囲の景色は素晴らしく、牧草地に緑の山々、そしてゴツゴツした岩山と、アルプス初日の雰囲気を高めてくれます。
幹線道路を飛ばす
上りが終わり、緩やかな下りに入りました。景色を楽しむ余裕も出てきます。
山並みを見渡しながら、途中で合流した幹線道路を飛ばします。
岩山とサリーナ
ラウンドアバウトに出て、その脇でちょっと一息入れましょう。トーヌまでは6kmという案内標識がありました。
『お、あと6kmなら余裕だねえ』と岩山をバックに笑顔のサリーナ。でも、この後すぐにお約束の試練が。。
ゴロ石ダートを行く
予定したルートはラ・バルム=ド=テュイのレジスタンス博物館から幹線を離れ、フィエル川沿いのダート。これが2km近く続きます。
走れるダートならいいけれど、ここの路面はゴロゴロ石。こんな道イヤ~と叫びたいサリーナですが、自分で作ったルート(笑)
放牧された馬
サリーナはほとんど押し歩き。この道は通る人もほとんどなく、道の両側は草木に覆われ川もほとんど見えず、放牧されたお馬さんたちが珍しそうに私たちを見ていました。
周囲は雄大な景色
やっと林を抜け建物が見えて、走れるダートになりました。
写真の景色は雄大ですね。こんな景色には全く気づかずヨロヨロダートを走るサリーナ。
コースを確認するサイダー
やっと舗装路に到着です。疲れたので木陰で一休み。
『ここからはもうすぐ、多分1kmくらいだよ』とサイダー。道を間違えるとサリーナの怒りが爆発しそうなので、慎重にコースを確認します。
ローカルな道を進む
そして、橋を渡ってローカルな道を進んでいくと、
本日の宿に到着
ついに本日の宿に到着、時刻は18時。ジット・レ・メサンジュ(Gîte Les Mésanges)という宿で、泊まる建物は伝統的な大きな農家のイメージです(写真右奥)。
自転車を押して庭に入っていくと、数人が庭のテーブルを囲んで歓談中。私たちに気づいた若いカップルが笑顔でこちらにやってきます。彼らがオーナーで、まずは自転車はこちらと案内してくれました。
窓からラ・トゥルネットが見える
今日のお客は2組らしい。私たちの部屋は3階で窓からの眺めもよく、ご主人が『あの奥に見えるのはこの辺りで最も高いラ・トゥルネット(La Tournette)ですよ』と教えてくれました。
建物の下階には共同の食堂、サロン、キッチン、シャワー・洗濯スペースがあり、かなりの人数が泊まれそう。全体を丁寧に説明してくれたご主人、『私たちは別棟にいるので、わからないことは何でも聞いてくださいね』と、とても感じがいい。やっぱりオーナーの顔が見えるのは安心感がありますね。
共同キッチン
この宿は牧場や山に囲まれたステキな環境ですが、買い物の利便性もとてもよく、徒歩200~300mに2つのスーパーマーケットがあります。早速カルフールで食材を調達。
そして地下の共同キッチンですが、プロ仕様の大型キッチンでびっくり。1階の食堂も、様々な食器を備えた食器棚が壁面を覆い、中央に晩餐会ができそうな大きなテーブルと椅子。
本日の夕食
プロ仕様のキッチンありとはいえ、もう20時過ぎなので簡単にできるものを。オリーブ入りサラダ、買ってきたパテとチーズ、そしていんげんと玉ねぎ炒めの夕食となりました。
サロンで夕食のサリーナ
今日は距離が短く楽勝かと思ったら、タロワールからの暑い中での上り、そして最後のダートで結構やられました。でもステキな宿でワイン片手に夕食をいただけば、『ああ、来てよかった~』
アルプスステージ初日の今日は、歴史あるアヌシー旧市街、そして美しいアヌシー湖のサイクリング、アルプスのイントロ的な山々の景色と、いろいろ楽しめました。宿もとても気持ちよく、1泊だけではもったいない感じです。
ところで夕食をとっているこの場所、立派な食堂は我々には場違いな感じがして、隣の小さめのサロンです(笑)
