シャンベリーの宿を出発
今日はバスを乗り継いで、アルプスの山間の町ル・ブール=ドアザンへ移動します。
ル・ブール=ドアザンは、ツール・ド・フランスで有名な山岳コース『ラルプ・デュエズ』の麓にある町。『いよいよ、本格アルプスステージだね!』と盛り上がるサリーナ。
バスターミナルあたり
FLIXBUSのグルノーブル行き乗り場はヴェルネイ公園の郵便局の前あたりで、宿からは2km弱。行ってみると、旅行者らしき人の姿がありました。
自転車を折り畳み、電光掲示板でバスの番線を確認してそこに停まったバスの荷物室に自転車を入れていると、運転手が『自転車代が必要ですよ』。1台€5也。人間のバス代は昨夜サイダーがネットで予約し支払ったのですが、自転車のシステムはバス会社や路線によってまちまちなので難しい。ちなみに人間は1人€6、自転車よりちょっと高い程度。
ル・ブール=ドアザン行き地域バス
バスは09:35にシャンベリーを出発。山間の谷を進み、荒々しい山肌の景色を見ているうちに1時間弱でグルノーブルに到着。
定刻より10分早い10:25に到着したので、バスの乗り換えがうまくできそうです。ル・ブール=ドアザン行きは大手バス会社ではなく地域バスが運行。運転手からチケットを購入(€7.3/人)し自転車を荷物室に入れて(無料)、10:45にグルノーブルを出発。
ヴィジーユ城の横を通過
バスは、しばらくグルノーブルの路面電車の線路沿いに南へ進んだ後、東へ方向を変えます。
周囲の景色は次第に山深くなっていきますが、そんなところに次の町が現れました。この町はヴィジーユ(Vizille)で、お城があります。ここは3日後の帰りにゆっくり訪れる予定。
山へ入っていく
ここからは、さらに山の中に入っていきます。家並みの背景が緑の山々だと思っていたら、
道路沿いの荒々しい山肌
道路のすぐ手前まで荒々しい山肌がせり出してきました。アルプスの懐に入ってきたな~
山に囲まれた谷を行く
そして右折。山に囲まれた谷を真っ直ぐ南下していきます。
ル・ブール=ドアザンに到着
グルノーブルを出てから約1時間半、ついに目的地のル・ブール=ドアザンに到着。バスを降りてみれば、快晴で日差しは強いのに、今までと違って気温はとても爽やかです。『これは快適~』と思わず笑顔。
簡素なバス降車場の前には、迫る山を背景にしたオシャレなホテル。ワクワク感が高まります。
バス降車場を出発
自転車を組み立てたら、ル・ブール=ドアザンの中心部へ向かって走り出します。といっても中心部まではほんの500mくらい。
両側にそそり立つ山を眺めながら進んでいくと、
ル・ブール=ドアザン中心部
あっという間に店舗が並ぶ中心部に到着。2~3階建ての建物が並ぶ感じの良い街並みです。
郵便局前の広場
その先にあったのは、中心の広場と郵便局前の木造屋根に覆われたスペース。この木造屋根、何となく金沢駅を連想しましたが。
観光案内所へ向かう
広場を左折した少し先に観光案内所があります。サリーナが訪ねて、自転車用の地図をもらいました。
街並みのすぐ後ろに山と崖
観光案内所前から西を眺めれば、街並みのすぐ後ろに緑の山と崖地が迫っています。
ル・ブール=ドアザンは、両側をこんな山々に迫られた谷間に立地する、小さくも賑わいのある町です。
中心部の街並み
さて、観光案内所のあとは昼食です。持参のサンドイッチ弁当があるので、飲み物を買いにミニスーパーのカルフールへ。
私たちの宿はこの可愛い中心部の街並みを少し入ったところにありますが、チェックインの時間にはまだ早い。お弁当ランチはどこか公園のようなところを探して食べるつもりです。
充電スタンド
ところで、ミニスーパーの横でこんなものを発見。電動自転車用の充電スタンドです。
ここフランスでは一般自転車ばかりでなく電動もよく見かけます。男性は普通の自転車、女性は電動というカップルがバスに乗ってきたこともありました。
リヴ川
さて、お弁当と飲み物を抱えてピクニックできる場所を探します。しかし、公園的なところは近くになくてちょっとウロウロ。
そして、ぐるっと回ってインフォの近くを流れるリヴ川のほとりにベンチを見つけました。木陰で雰囲気も良く、時折カヌーがゆっくりと川を通過していきます。
川沿いのベンチでランチ
この川沿いはお弁当スポットになっているようで、川の両側のベンチの大部分が埋まっていましたが、何とかベンチを確保。
ランチを済ませたら14時少し前。そろそろチェックイン可能時間なので、宿へ向かいます。
部屋の様子
私たちの宿は、中心部の表通りから20mほど路地を入ったところの1階にあります。セルフチェックインで鍵を開け中に入ると、キッチンや洗濯機など設備の充実した綺麗な部屋でした。
荷物を置いて、前庭で自転車整備していたらオーナーの男性がやってきました。フランス語で会話は難しく挨拶だけだったけど、とてもフレンドリー。やっぱり顔が見えるのはいいですね。
宿の前で
少し休憩した後、まだ日は高いので、観光案内所でもらった自転車ルートの中で軽そうなコースを走ってみることにしました。
それは、初級で35kmほどの『ヴェルネイ湖往復』。ほぼ平地のルートで、町の北にある湖を訪ねます。
町の中心部から北東へ
では出発。宿を出たのは15時過ぎですが、フランスの夏の15時はまだ昼間。町の中心部から北東へ向かいます。
ロマンシュ川と山々の景色
そして、ロマンシュ川に差し掛かりました。
ロマンシュ川は、ちょうど今日私たちがバスで通ってきたルートの谷を流れる78kmの川で、グルノーブルの南まで続いています。ロマンシュ川の向こうには険しい山々の景色が広がっています。
橋を渡るサイダー
ロマンシュ川を渡ると、その先にはラルプ・デュエズへの上り口があります。
ところでこの道路、車は1車線のみで両側に自転車レーンが設けてあり快適に走れます。ラルプ・デュエズへ上る自転車優先ということですね。
林の中の小道
私たちはラルプ・デュエズへの上り口のところで左折し、林の中の小道に入っていきます。
とても快適な小道を進めば、
前方に荒々しい山並み
前方や右手には荒々しい山が聳えていました。
走りながら、『すごい景色~』と盛り上がります。
牧草地と山の景色
涼しげな林の中を走れば、時に牧草地が広がり山々が現れます。
これは贅沢なサイクリング!
サレンヌ川
小さな集落を抜けると、小川に出ました。
これはサレンヌ川。ラルプ・デュエズの近くから流れ出て、ロマンシュ川に注いでいます。
小川と崖とサリーナ
静かな小川と後ろの山のうねるような地層。これはいいねえ~、と写真を1枚。
サレンヌ川と共に北上
しばらくサレンヌ川と共に北上。右手にも、正面にも山、山。
右手の崖地
視界が開けた右手の崖地は地層が荒々しく波打っています。
地図を見ると、この崖の上あたりをラルプ・デュエズに至る『ラ・コンフェッション』という道(Route de la Confession)が通っているらしい。一体この崖のどこを通っているのか。。
ロマンシュ川に出た
私たちのルートはロマンシュ川に出てきました。今度は川と青空と山々に囲まれたサイクリング。
ロマンシュ川とサイダー
すぐに橋が現れ、ロマンシュ川を渡り対岸へ。
その前に橋の上で記念撮影。川と青空と山々、やっぱりこの景色は絵になりますね~(TOP写真も)
トロン・ド・ラ・リナール
橋を渡ったら、トロン・ド・ラ・リナールという小さな川に沿って少しだけ南へ走ります。
この川は、反対側の西側の山から流れ出てロマンシュ川に注いでいます。
幹線を北へ
すぐに幹線にぶつかりました。これは今日グルノーブルからのバスで通った道路で、ここからはこの幹線道路をまっすぐ北へ5kmほど走ります。
自転車レーンはありますが、真っ直ぐの車仕様の道はちょっと面白みに欠けますね。
ローカル道に入る
ロシュタイエ(Rochetaillée)で右折。そしてロマンシュ川を再度渡った後、すぐに右折してローカルな道に入ります。
あたりは、刈り取ったぐるぐるロールの牧草が点々と置かれた牧草地。
サイダーが飛ばす
『やっぱり田舎道がいいね~』とサイダーがルンルン飛ばす。
上るサイダー
その道は山の麓に来ると左にカーブを描きつつ、上りになりました。
6~7%勾配の上りが続きます。『あれ、このコース上りがあるの?』と呟きつつ上るサイダー。
ラ・ヴートの手前
ラ・ヴート(La Voûte)という集落の前で左手の視界が広がったので、ちょっと停車。谷を隔てて向かい側にも険しい山並みが続いています。
集落では一旦平らな道になるも、また上りが始まり、『初級コースじゃなかったの?』と呟きつつ上るサリーナ。
湖へ下る
ラ・ヴートを通過し川を越えて、勾配は少し緩くなったもののずっと上りが続きます。今日は軽く走るつもりだったし、雲が出てちょっと空模様が怪しくなってきました。
インフォでもらった自転車コースはこのまま湖を左回りに走るのですが、どうしようかと相談した結果、とりあえず湖に行くことにして途中で湖へと下ります。
ヴェルネイ湖
湖に到着。このヴェルネイ湖はオー・ドル川を堰きとめたダム湖で、75haの広さがあります。
対岸にはアルモン(Allemond)という村があるので渡ってみましょう。
堤を渡る
堤の上の道路をアルモンへ向かうサイダー(写真中央)。両側は険しい山で、深い谷になっているのがわかります。
湖と山並み
堤の上から北を見ると、広い湖の向こうに急峻な山々。
先ほどから雲が出てきたので、湖の色が薄暗くてちょっと残念です。
湖沿いはキャンプ場
対岸に渡り、湖のすぐそばを通る道に入って進みます。しかし、ここはキャンプ場の入口でした。
湖沿いの道は途中からダートの遊歩道になるようなので、引き返して集落のある上の道を行くことにします。
集落まで上る
集落までは2曲がりほどの上り。えっさえっさと上っていけば、
サン・ニジエ教会
サン・ニジエ教会(Église Saint Nizier)に着きました。建物は1887年に建設されたネオ・ロマネスク。周囲を花で飾られた可愛らしい教会です。
先ほどはちょっと小雨がぱらついたのですが、お天気は何とか持ちそう。このまま右回りで湖一周を続けることにしました。
花で飾られた橋
小さな川を渡る橋。この橋も花いっぱいで可愛い~
集落を抜ける
そして家々の間を通り抜けます。小さな集落ですが、ここを通るハイキングコースもあり、宿泊施設もいくつかあるようです。
ここからは、山の中腹のほぼ平坦な道をまっすぐ進みます。
右手にヴェルネイ湖
林の中を通り、時々右手に湖が見えます。
しばらくは別荘らしき家もポツポツと見受けられますが、
一本道を進む
その後は林の中の一本道。ほぼ平坦で静かな道をどんどん進みます。
林の中を走る
時々緩いカーブを描きつつ、木々の間を北へ向かって走っていきます。
ル・ヴェルネイの発電所が見えた
すると、右手の視界が少し開けました。
下に見えるのはル・ヴェルネイ(Le Verney)の発電所。ヴェルネイ湖の北端まで来たようです。
グラン・メゾン水力発電所から湖の眺め
この小道はもう少し北まで延びて、D526に合流。そこでUターンして南へ進路を取って進むと、程なく先ほど上から見た水力発電所に着きました。
ここはグラン・メゾン水力発電所といって、1987年に稼働開始。年間83万人の平均消費電力に相当する電力を供給しているパワフルな発電所だそうです。
湖の東側を南下
ここから湖の東側は山が迫り出し、湖岸の幹線道路を通るしかありません。幹線道路をビューンと飛ばすサリーナ。
途中からこの道路は陸地ではなく湖の上を長い橋梁で渡っています。なんかすごい。
ダムの堤の横を下る
そして、ヴェルネイ湖の南端に到着しました。先ほど最初に湖に着いたところに戻ってきたのです。
ここからは、来た道を戻るとまたアップアップするので平坦なルートのD526を選択。まずダムの堤の横をダーッと下っていきます。
吊り橋を渡るサイダー
D526をしばらく西へ進んだら、ロマンシュ川の手前で左の脇道へ。
ロマンシュ川は小さな吊り橋で渡ります。『お、いい道になった~』と嬉しそうなサイダー。
幹線道路の赤い橋
橋の上から右手を見ると、幹線道路がロマンシュ川を渡る赤い橋が見えます。
ロマンシュ川沿いを走る
ここからはロマンシュ川沿いの快適な自転車道をどんどこ進みます。
観光案内所でもらった自転車コースは、行きも帰りもロマンシュ川沿いではなく幹線道路を通る設定になっていました。『どうしてこっちを通らないのかな?』と呟きつつルンルン走るサリーナ。
川沿いの道を独占
『このロマンシュ川沿いのポタはワシも検討した』とサイダーが、まっすぐ続く道をどんどん引きます。
もう18時近い時間のせいか、通る人・自転車はほとんどいません。
もうすぐル・ブール=ドアザン
しばらくロマンシュ川と一緒に走ったら、『もうすぐ幹線道路に合流するから、ル・ブール=ドアザン中心部まではすぐだよね』と、ほぼ終わった気で笑顔のサリーナもぐいぐい進む。
脇道の林を抜ける
しかし幹線道路に出ると、『確かこっちに林の中の道が通っているはず』とサイダーが脇道に入っていく。『ああ、いつものパターン。。』とサリーナがつぶやく。
林の中を抜けてダートを進んでいくと、
枯れた川を渡る
『え、道ないじゃん!』とサリーナ。サイダーコースはこのゴロゴロ石ダートを横切るらしい。
ここは、どう見ても川でしょう。いや、サイダー道と呼ぶべきか。。
押すサイダー
『ははは、通れるぜい』と押すサイダー。
轍の跡があるので車も通ってはいるようですが、この川、水が流れることはないのでしょうか。ともかく無事川を渡ります。
ヴィエンノワ通り
川を渡ってまっすぐ進むと、ル・ブール=ドアザンのメイン通りの1本裏手にある道につながりました。
最後は何だか疲れましたが、お店で賑わうヴィエンノワ通り(Rue de Viennois)を回って宿に着きました。めでたし、めでたし。
ル・ブール=ドアザンのメイン通り
しかし、宿に着いたらもう18時半を過ぎています。お店が閉まる前に食料の買い出しをしなくてはいけません。自転車を置き、あたふたと再び出かけます。
メイン通りにあるミニスーパー・カルフールに行くと、飲み物やつまみはありますが、時間が遅いせいか、はたまたミニスーパーだからか、肉や野菜がほとんどありません。
地域スーパーからの帰り道
そこで、足を伸ばしてGoogleマップで見つけた『地域スーパー』(les casiers de l'Oisans)に行ってみました。24時間営業と書いてあるけど、どういうお店?
そこは、自販機を使った販売所なのでした。建物の中にガラス窓のあるロッカーがずらりと並び、個々のロッカーには肉、野菜、果物、チーズなど様々な地域産品が入っています。自販機の使い方に苦戦しながらも、レタス、トマト、きゅうり、ハンバーグ用の肉をゲット。
まずサラダとビール
そんな成果を持ち帰り、本日のディナーです。
まずは鶏ハムとトマト、レタス、オリーブのサラダ。ビールはベルギーのレフ・ブロンド(Leffe Blonde)。サラダは美味しくできて、レフも相変わらず美味しゅうございます。
メインはハンバーグ
メインはハンバーグのパスタ添え。そして赤ワイン。ロッカーの地域スーパーの野菜は新鮮、お肉もとてもおいしかった。使い方もわかったし、愛用しようかな。
今日は、ル・ブール=ドアザンへのバス移動に加えて足ならしサイクリングもできて、充実した1日でした。爽やかな気候と素晴らしい景色に、明日以降への期待も膨らみます。
そしていよいよ明日は、ル・ブール=ドアザンでのメインイベント、『ラルプ・デュエズ攻略』に挑みます。
