ミニあんず
今日はいよいよラルプ・デュエズに上ります。ラルプ・デュエズといえば、ツール・ド・フランスの著名な山岳コース、自転車乗りの聖地。
朝6時に起きて、朝食・昼の弁当作りと準備万端。朝のフルーツは、この宿のオーナーさんにボウル一杯いただいたミニあんず。とても美味しいです。
宿を出発
宿を出たのは8時過ぎ。宿の前の路地にはまだ日が差しておらずちょっと肌寒い。
ラルプ・デュエズ行きのバス
自転車で到着したのは、昨日グルノーブルからのバスで降り立ったバス停です。実は、ラルプ・デュエズにはバスで上ります(笑)
自転車を折り畳み輪行体制を整えるも、出発時刻の8:45になってもバスが来ません。おかしいな~と思っていたら、15分遅れて運転手到着。『あはは、昨日飲み過ぎちゃって』と言っていたかどうか。。
私たちは自転車を荷物室に入れましたが、バスの後ろには3台の自転車をそのまま運べる装備がありました。
ラルプ・デュエズの上り口
9時ちょうどにバスは出発。程なくラルプ・デュエズの上り口のバス停で停車します。
ここは Sarennes-La Bergerie というバス停で、家族連れが賑やかに乗ってきました。
バス内部
バスはそれほど混んでいませんでした。やっぱりみんな自力で上るのかな。
さあ、ここからバスはラルプ・デュエズへの有名な21曲がりへと入っていきます。ワクワク~
上るサイクリスト
車道は2車線。そして、サイクリストたちがその脇の白い点線内を黙々と上っていきます。
眼下にル・ブール=ドアザン
バスは慎重にヘアピンカーブを曲がりながら、次第に高度を上げていきます。
すぐに、眼下にル・ブール=ドアザンの町が見えてきました。
ヘアピンカーブを上るサイクリスト
ラルプ・デュエズは高原リゾート地で冬にはスキー場として賑わいますが、やはり私たちにとってはツール・ド・フランスの山岳ステージ頂上ゴール。14kmで標高差1130m、平均7.9%。
ツール・ド・フランスのコースに初めて採用されたのは1952年で、近年は2~3年ごとにコースに組み込まれています。これまでの最速記録はマルコ・パンターニの37分35秒(1997年)。仮に私らが頑張って上ったとしても4時間はかかるだろうなあ~(笑)
山肌のカーブの連続
バスはどんどん高度を上げていきます。
ル・ブール=ドアザンはもうはるか下。山肌をうねるように続くいくつものヘアプンカーブが見えます。随分上ってきました。
サン・フェレオル教会
ラルプ・デュエズの21のカーブは番号が付けられており、一番下が21、どんどん数字が減って最も上は1番。
サン・フェレオル教会(Église Saint-Ferréol)のあるこのカーブは7番目。ここはオランダ・コーナーと呼ばれ、オランダ人の観客が集結するカーブだそうです。
遠くの山々を見渡す
ユエ(Huez)の町を過ぎました。車窓からは、随分遠くの山まで見渡せるようになっています。
もうそろそろラルプ・デュエズ到着です。
ラルプ・デュエズに入る
ラルプ・デュエズに入ると、バスはいくつかのバス停を巡ります。
私たちは、『一番標高が高いところで下りたいです』と運転手さんにお願いしました。
コニェ広場で下車
ラルプ・デュエズに入って4つ目くらいのバス停で、『ここが最も高いところだよ』と運転手さん。
ここはコニェ広場というところです。運転手さんにお礼を言って下車し、自転車を組み立てます。
コニェ広場の北側
コニェ広場の北側1ブロックは店舗や宿泊施設が並んでいますが、その先はスキー場になっており丘陵地が広がっています。
山岳コース『ラルプ・デュエズ』のゴールはこの下ですが、『北に上っていくと湖があるみたいだよ。どうする?』とサイダー。
自転車発進
『じゃあ、上ってみようか』とサリーナ。ここまでバスで来たので、全く疲れていないのね(笑)
あたりにはハイキングの人たちはいるものの、サイクリストはほとんどいません。みんなラルプ・デュエズのゴールで満足して帰るんでしょうね。
ラック道路を上る
この道はその名もラック道路(Rte des Lacs)。湖への道路ということですね。
7~9%勾配が続く道を上っていきます。
丘陵地と背後の山々
道路の周りはスキー場になる丘陵地ですが、高度を上げていくと背後の山々の景色がよく見えるようになってきました。
景色を眺めるために小休止。
白い雪を頂く山々
すると、左手の奥に白い雪を頂く山々が見えました。エクラン山塊(Massif des Écrins)の山々でしょう。
この山塊には4102mの Barre des Écrins を筆頭に、4000m近い高さの山々が続いています。
マウンテンバイカーたち
再び上り始めた私たちの横の草原で、突然ぐわっと飛び跳ねる黒い塊が現れてビックリ。
実はこの辺りには長いマウンテンバイクのコースがあって、夏はマウンテンバイカーで賑わうのだとか。そして、1995年からは壮大(過激?)なダウンヒルレース『メガバランシュ』(Megavalanche)も開かれているそうです。
草原をさらに上る
スキー場の草原の中をさらに上り続けます。
湖が見えるまで上ろうと思っていたのですが、なかなか湖は姿を現しません。
草原のサイダー
標高差で200mくらい上ってきたところでちょっと休憩。湖は見えないけど周囲の景色もいいし、この辺で戻ろうか~、ということになりました。
ここは標高2000mを超えています。南西の方には、ル・ブール=ドアザンの背後に連なる山並み。
ラック道路から北の眺め
北を向けば、谷を挟んでまた険しい山々。
ハイキング中の家族に写真撮影をお願いしたら、彼らは日本を旅したことがあるそうで、楽しいおしゃべりになりました。
来た道を下る
では、ここでUターン。ラルプ・デュエズの町までまっしぐら。
豪快に下るサイダー
草原の中の道を豪快に下っていけば、
ラルプ・デュエズの町が見えた
程なくラルプ・デュエズの町が見えてきました。
ゆっくりゆっくり上った道のりも、下りはあっという間です。
町に入った
バスを降りたところまで下ってきました。
さて、これから山岳コース『ラルプ・デュエズ』のヘアピンカーブを下っていくわけですが、その前に立ち寄るところがあります。
ツール・ド・フランスのゴールゲート
それは、ツール・ド・フランスのゴールゲート。銅製のゲートには ARIVÉE/FINISH と記されています。バスで上ったけどちゃっかり記念撮影。ああ、盛り上がる~
すると、私たちの撮影が終わるのを待っていたサイクリストが『写真を撮ってもらえますか』と声をかけてきました。彼は韓国人で、もちろん自力で上ってきました。撮り終えると、日本語で『ありがとうございます』と言って、風のように下っていきました。
1番カーブへ向かう
私たちも下りましょう。ゴール地点からまっすぐ下ってラウンドアバウトに着いたら右折。
実は、バスは4番カーブより上はツール・ド・フランスとは別のルートを通ります。私たちの自転車下りは、1番から下っていきましょう。
1番カーブのパネル
そして最初のヘアピンカーブ。『あった~』
カーブには番号を記したパネルがあり、そこにはラルプ・デュエズを制した勝者の名前も掲げられています。
絶景の中を下る
絶景の中、ヘアピンカーブをどんどん下ります。
ユエの村
そして、6番カーブを過ぎたらユエに到着。
ところで、ユエからラルプ・デュエズまでの道路が通じたのは1926年ですが、当時は4m道路。その後、1935年には7m幅員に拡張され、ラルプ・デュエズはスキーリゾートして発展していったそう。
7番カーブのサン・フェレオル教会
さらに、ある人がスロヴェニアのヴルシッチ峠でカーブに番号パネルが設置してあるのを見て、グルノーブル冬季オリンピック(1968年)を契機にラルプ・デュエズでも設置することにしたそうです。ヴルシッチ峠は私たちも2018年のスロヴェニア旅行で番号を見ながら上りました。そういえば『日光いろは坂』も数字パネルみたいなものですね。
というわけで、7番カーブのオランダ・コーナーに到着。後ろはサン・フェレオル教会です。
自転車オブジェ
ここには、こんな鮮やかな自転車オブジェもありました。オランダ人コーナーだから、オレンジ色なのか?
カーブを下る
さらにどんどん下っていきましょう。
右へ左へと旋回しながら谷の中へと下りていきます。
緑の谷を眺めつつ下る
右手にはル・ブール=ドアザンのある谷が広がっています。
緑の谷を眺めながらさらに下っていくと、
教会と水場
小さな教会に着きました。
ここには水場もあり、上ってきたサイクリストが休憩しています。私たちも小休止。
16番カーブのパネル
ここは La Garde en Oisans というところで、16番カーブ。
パネルには標高980mと書いてあるので、1番カーブからは標高差で700m以上も下ってきたことになります。
脇道に入る
さて、私たちはここからラルプ・デュエズ山岳コースを離れ、南東に延びる山の中腹を進みます。
最初は少し下りスタート。
サレンヌ川を渡る
そして、サレンヌ川を渡ります。
『静かな道だね~』とサイダー。
上りが始まる
そう、先ほどまでのラルプ・デュエズ山岳コースは車もサイクリストも大勢が上り下りしていましたが、こちらは誰もいません。
川を渡り終えたら、上りが始まりました。
林の中を上る
静かな林の中を上っていきます。勾配は7~8%くらいが続く。
上りで汗が吹き出していますが、気温は25度くらいだし木陰があって爽やかです。
小屋の前でストップ
途中で小屋のようなところを通過しようとしてストップ。ここは何かな、と覗いてみると、
水場
綺麗な水場でした。花も飾られていていい感じです。
ここは洗濯場か何かでしょうか? ともかく、ありがたく水を被らせてもらいました。
右手の視界が開けた
それからさらに上り続け、次の集落のアルマンティエ・ル・オー(Armentier le Haut)を通り過ぎたあたりから、谷側の右手の視界が開けてきました。
おお、これは! すぐ下に谷が広がり、その向こうの崖のような山並みが見晴らせるではないですか。思わず笑顔のサイダー。
谷を眺めるサリーナ
えー、これはすごいね~とサリーナも停まって景色を眺めます。
右手の前方まで続く谷の間にはロマンシュ川の流れが見えています。
絶景を行くサイダー
私たちは今、標高1200~1300mのところを進んでいます。下の谷との標高差は500mくらい。
いつの間にか、右手は低いコンクリートのガードがあるだけになり、眼下に谷が見渡せるのです。すごい~
急斜面を削った道を行く
前方を見ると、この山の傾斜は50度くらいあるんじゃないかな。
そんな急斜面の山を削ってつくられた道を、私たちは進んでいるのです。
谷をまっすぐ流れるロマンシュ川
『もう、すごい景色だね~』と上りを忘れて盛り上がるサリーナ。普段は高所恐怖症気味なのですが、それも忘れているよう。
谷の北側から道路と並行してロマンシュ川がまっすぐ流れています。
ロマンシュ川と青い湖
南側の前方はこんな絶景。
ロマンシュ川は、右前方に折れた道路と別れて左に蛇行し、険しい山の間を抜けて南へと流れています。そして、奥には真っ青な湖。
防護トンネル
前方に防護トンネル、そしてその先にまたトンネル。
このルートで最も険しいところにたどり着いたようです。
絶景を進む
素晴らしい谷と山の景色を堪能しつつ進むサイダー。
青空と絶景の中、防護トンネルを通り過ぎたら、
トンネルに到着
荒々しく削られたトンネルに到着。
わー真っ暗。でもまあ、長さは92mだから大丈夫でしょう。
トンネルを抜けた
トンネルを抜けても絶景は続く。
とはいえ、そろそろピークに達したようです。標高は1300mくらい。
ブクレット湖とサイダー
ちょうど正面、ロマンシュ川の流れの右手に、真っ青なブクレット湖(Lac de Buclet)が大きく見えていました。
森に囲まれた美しいブクレット湖は、静かに自然に浸れるハイキング、そして湖面に映し出される山々の景観でも人気のスポットだそうです。
絶景を眺めながらお昼
その少し先、道が左へ折れ曲がる見晴らしのいい角に、ちょうどテーブルとベンチがありました。ここにテーブル置いた人、えらい!
時刻は13時過ぎ、ここで絶景を満喫しながらお昼のサンドイッチにかぶりつきます。ああ、最高~
東へ向かう
昼食を終えたら東に曲がり、ル・ブール=ドアザンから続く広い谷の絶景とはお別れ。もう少し狭い谷に沿って走ります。
実はロマンシュ川はこの谷を流れてきており、水源はその先の南東の山塊の中。
山、谷とシャンボン湖
ここからの基本は下り。途中から道路幅員が広くなり二車線道路になっています。
そして、下り勾配が増してつづら折れになったあたりで白い山、急峻な谷と湖が見えました。湖はロマンシュ川の貯水湖、シャンボン湖(Lac du Chambon)です。
ロマンシュ川を渡る
下りはビュンビュン進みます。そして、谷底に着いて川を渡ります。
小さな小川に見えますが、これはロマンシュ川。私たちはシャンボン湖には行かず、ここから方向を変えてロマンシュ川の流れに沿って谷の反対側を走ります。
幹線道路を走る
こちら側は幹線道路。交通量はそれなりにあり、トンネルも2箇所あります。
他に帰り道の選択肢はないので、気をつけながら走りましょう。
ロマンシュ川のダム
2番目のトンネルを抜けると、ロマンシュ川にダムが設けられ発電所がありました。
発電所を過ぎるとル・ブール=ドアザンに続く広い谷に入ります。右折して北へ向かう幹線道路はまっすぐな直線道路となりました。
幹線道路を飛ばす
交通量はありますが、自転車レーンがあるのでひたすら飛ばします。
そういえば、さっきまでゆっくり走っていた道は、右手の崖の上なんだよな~
ル・ブール=ドアザンの中心に到着
ダムから5kmほど走ったら左折。そして1kmほどでル・ブール=ドアザンの中心。15時過ぎに到着です。
今日は自転車乗りの聖地ラルプ・デュエズを詣で、静かな上りで絶景を楽しみ、充実したサイクリングでした。
インターマルシェで買い物
宿に帰ってゆっくり休憩した後、17時に買い出しに出かけます。今日は町外れにある巨大スーパー・インターマルシェに行ってみました。
さすが巨大スーパー、とりあえず何でもあります。“冷えたビール”はないんだけどね。。
フランスは大体どこのスーパーもそうですが、野菜などは自分で選んでビニール袋に入れ、重さを測って値段シールを打ち出して会計へ。
巨大な買い物をする人々
巨大スーパーには、巨大な買い物をする人々がやってきます。写真の手前の家族が大きなカート2つに積み込んだ商品は、レジのスペースから溢れています。そんな光景は結構普通のこと。
こうしたまとめ買いは日本ではあまり見ませんね。何日分の買い物なんでしょうか。。
ツール・ド・フランスの公式ショップ
買い物を終えて通りをぶらぶら歩いていたら、ツール・ド・フランスの公式ショップ発見。
幟には、ツール・ド・フランスだけでなくヴエルタとかパリ・ルーベとか色々書いてあります。
著名な峠のプレート
ここは、かの『ラルプ・デュエズ』の麓の町なのですから、町の至る所に自転車関係グッズが溢れています。
こちらのお土産屋さんの前には、ラルプ・デュエズをはじめとした著名な峠のプレートがずらり。ガリビエ峠とか、お、モン・バントゥーもある。
牛肉の赤ワイントマト煮
宿に帰ったら夕食の準備です。今日は時間もあるので、メインはサイダー作の牛肉の赤ワイントマト煮。
今日は爽やかな快晴で、楽しいサイクリングでした。バスではありますがラルプ・デュエズに上り、下りで有名なヘアピンカーブを体験。さらに、山の中腹の静かな道を走りながら、素晴らしい絶景を楽しみました。ラルプ・デュエズは訪れるべきところですが、車も自転車も多いので、バスを使った今日の選択は私たちにとっては大正解でした。
さて、明日は今日と反対側の山の中を行く山岳コース。この旅行一番の難コースです。
