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チェンマイ

タイ 2

開催日 1989.09.18(月)- 09.19(火)

ワット・プラシンの窓の神仏
ワット・プラシンの窓の神仏

旅の紹介

◆ タイ第二の都市『新しい街』チェンマイ。無数のお寺を巡り、少数山岳民族のモン族の村を巡り、プリックをかじりながらナイトバザールをひやかします。



バンコック中央駅にてバンコック中央駅にて

17日の夜に中央駅から列車でタイ第二の都市チェンマイへ移動です。 チェンマイは『新しい街』という意味だそうで、その昔、ある王様がチェンライからここに都を移したのでこちらを『新しい街』と呼んだのだとか。

夜行列車は夕方18時にバンコックを出て、翌朝8時少し前にチェンマイに到着します。 まずは大きな中央駅のロビーでコカ・コーラを飲みながら、出発が整う列車を待ちます。

多くの国の列車は時間が正確でないことが多いのですが、ここでは時間ぴったりに出発。 ものの数分でバンコックの市街地を飛び出すと、窓の外には畑、それからバナナや見知らぬ木々からなるちょっとしたジャングルのようなものが飛んで去ります。

朝起きると窓の外の景色はまるで違っていました。 一面緑の田んぼのむこうに高い山が連なっています。 チェンマイはミャンマーの国境からわずか100kmほどのところにあり、街そのものは標高300mほどですが、北には2000m級の山々がいくつもあるのです。

のどかなチェンマイのどかなチェンマイ

食堂車の朝食は中華風バイキングで、おかゆやらジュースやらで70バーツ(420円)/人とちと高かった。 ガタゴトと揺られること14時間、降り立ったチェンマイはタイ第二の都市とのこと。 しかし、駅を一歩出るとほんとうにここがタイ第二の都市なのかと思わせるほど、バンコックの喧噪とはほど遠い、のんびりした空気が漂っています。 バンコックではもう見かけなくなりつつあるサムロー(自転車タクシー)もここではまだトゥクトゥク(オート三輪タクシー)を上回るほどの数があります。

街の中心に向かうとピン川に出ます。 この川はやってきたバンコックまではるばる流れて行きチャオプラヤ川となります。 ナワラット橋の近くの政府観光局で地図を手に入れた後、繁華街の端っこに見つけた宿に荷を解き、さっそく街歩きに出かけます。

ワット・チェンマンワット・チェンマン

チェンマイはお寺の街、いたるところにお寺があります。 まずは塀(ちょっとしか残っていないけれど)と堀で囲まれた1.5km四方の旧市街に行くことにしました。 この旧市街を囲む堀には5つの門があり、その中にはワット・チェンマン、ワット・プラシン、ワット・チェディー・ルアンといったチェンマイを代表するお寺があります。 まず城壁北側のチャン・プアック門(白象門 Chang Puak Gate)の近くにあるワット・チェンマンに向かいました。 このお寺は1296年、ランナータイ王国の建国者メンラーイ王がチェンマイに都を造った際に建てたもので、チェンマイ最古のお寺だそうです。

ワット・チェンマンの仏塔とサリーナワット・チェンマンの仏塔とサリーナ

本堂には木彫りのすごく細かい透かし彫りの彫刻が施されていて、タイのお寺としては優雅で品があるように思えます。 右手奥にはチェディ・チャン・ロムと呼ばれる金色の帽子の仏塔がありますが、なんとその足下には、

チェディ・チャン・ロムチェディ・チャン・ロム

15頭の象の頭が。。

ワット・チェンマンの後は城壁のほぼ中央にある、レンガ造の半壊したワット・チェディー・ルアンを巡り、スアン・ドーク門(花園門  Suan Dok Gate)の近くの『獅子の寺』と呼ばれるワット・プラシンに向かいました。

ワット・プラシンワット・プラシン

このお寺がなぜ『獅子の寺』と呼ばれるのかはわからないけれど、境内にはたくさん狛犬のような獅子がおかれています。 ここはチェンマイで最も格式の高いお寺だそうです。 本堂の左後方には小さいけれど美しいライカム礼拝堂があり、中には1500年ほど前に作られスリランカから渡来したと言われる、寺の名前の由来となった黄金色に輝く『プラ・シン像』があります。

ワット・スアンドークのトゥクトゥクワット・スアンドークのトゥクトゥク

スアン・ドーク門を出てまっすぐ西に伸びるステープ通りを500mほど行くと、そこにはまるで体育館かと見まがうほど巨大なワット・スアンドークがあります。

白い仏塔白い仏塔

600年ほど前に作られたこのお寺の境内には、歴代の王族の遺骨が納められている白い仏塔が所狭しと林立しています。 この白い仏塔が花のように見えることからスアン・ドーク(花園)と呼ばれるようになったとのことです。

ワット・スアンドークの腰壁の装飾ワット・スアンドークの腰壁の装飾

日本の仏像は最初は金ピカだったものも多いのでしょうが、時を経て木目が出てきたり、酸化した金属の地色になったりしますが、ここタイのお寺の仏像は大抵金ピカです。 このお寺のものも例外ではなく、こののものは大きな仏像が背中合わせになっていて、一方は座像、もう一方は立像なのがユニーク。

正面の壁には宝石が埋め込まれたナーガ(蛇)や舞うような神仏の象が金色に輝いていました。

ワット・チェット・ヨートワット・ヂェット・ヨート

ワット・スアンドークからはミマンヘミン通りを抜け、さらにその先まで行くとワット・ヂェット・ヨートが現れます。 1455年建立のここは、ブッタガヤ(インド)の大菩提樹寺をモデルにしたと言われ、大きな仏塔を中心に6基の仏塔がその廻りを囲んでいます。 名前の『ヂェット』は、数字の『7』のことで、これは仏塔の数が7つあることを示すそうです。 外側の壁には少し傷んでいるものの、たくさん仏像が刻まれています。

トゥクトゥクとサリーナとドライバートゥクトゥクとサリーナとドライバー

城壁の北側のチャン・プアック門(白象門 Chang Puak Gate)から北に5~600mほどのところにある、お団子を5つ重ねたようなユニークな仏塔のあるワット・クータオに寄って昼の観光はおしまい。

伝統的な絹糸の製造伝統的な絹糸の製造

夜はオールドチェンマイ文化センターで伝統芸能鑑賞です。 センターの入口付近のテラスでは、おばさんが鍋でなにかぐつぐつと煮ています。 うまいものでも作っているのかと思ったら、これは伝統的な手法で繭から絹糸を取っているところなのだそうです。 そうそう、肝心の伝統芸能は長い爪を付けた美女の踊りや少数民族の踊りなど何種類かの踊りをやっていましたが、どうも眠くなってしまったようです。 床に座って食べる、丸い赤いお盆に小鉢が乗ったカントークと呼ばれる伝統的な料理は、ん~ん、屋台の飯のほうがおいしいような…

夜は宿の近くのチャンクラン通りを散策です。 ここでは連日ナイトバザールが開かれているて、道の両側に露店がびっしり。 観光客相手の店も多いようですが、衣類、アクセサリー、漆器、陶器、銀細工、木工品などの工芸品がグワッ~と連なっています。 食べ物の屋台も出ていて、びっくりするのは熱いスープでもなんでもビニールの袋に入れてもらって持って帰る人がいること!

高台からチェンマイの街を見る高台からチェンマイの街を見る

翌19日はちょっと郊外です。 ミャンマー、ラオス、そして中国との国境が近いこの周辺の山岳地帯には様々な少数民族が住んでいます。 私たちはその中でチェンマイからもっとも近いモン族(中国ではミャオ族)が住むドイ・プイ(プイ山)に行ってみることにしました。 ちなみにタイではモン族をメオ族と呼ぶようですが、これは蔑称だそうで、モン族はメオ族と呼ばれることを好まないそうです。

チェンマイ市街から20kmほどのところにある村にはトゥクトゥクで向かいました。 辺りは鬱蒼とした森になり、道はいつしかうねうねとした上りになります。 後半はガタボコの地道となり、進むのがけっこう大変です。 標高2,560mのタイの最高峰インタノン山を見ながら、振り落とされないようにトゥクトゥクにしがみつくようにして、なんとかモン族の村に到着しました。

モン族の村モン族の村

辺りはバラの花が咲く中、草葺き(確かチークの葉)の建物が見えてきました。 モン族は中国から南下してきた山岳民族で、かつては阿片の栽培を盛んに行っていたのですが、現在はその阿片の栽培が禁じられ、国王の指示の元で、花や高原野菜などの栽培に力を入れているとのことです。

モン族の籠を背負うサイダーモン族の籠を背負うサイダー

最近は観光にも力を注ぐようになったとのことで、独特の織物や装身具などが民家で売られていました。 他にそれらしきことと言えば、写真を取るとお金を求められることでしょうか。

モン族の女とサイダーモン族の女とサイダー

では記念に一枚。

ワット・プラタート・ドイ・ステープワット・プラタート・ドイ・ステープ

モン族の村の帰りには標高1,000mほどのところに建つドイ・ステープ寺院に立ち寄りました。 このお寺は1386年建立と歴史は古く、ずっと人里離れた山の中にありましたが、街からこの山頂までの14kmの参道を1935年に一人の僧侶の提唱で地元の人が協力して作り上げたので、ちょっと便利になったのだとか。 しかし現在でもここまで登るのはうねうねとした山道で、そう簡単というわけでもありません。 その山の麓の舗装路から、タイの神話に出てくるという極彩色の大蛇ナーガが両側にいる大階段を上り詰めたところにこのお寺はありました。

このお寺のシンボルは黄金の仏塔で、仏教を広めるためスコタイから持ち帰ったという仏舎利が納められています。

メーサー渓谷のお休み処メーサー渓谷のお休み処

ドイ・ステープ寺院の次は、市街から北に15kmほど行き、さらに山の中に7kmほど入ったところにあるメーサー渓谷です。 近くにある蝶園と蘭園に立ち寄ったあと着いたこの渓谷は、たくさんの滝を巡りつつ自然の中を散策できる楽しいところで、像の背に乗り谷に下りることも出来ます。

水浴び水浴び

渓谷の入り口には茅葺き屋根の間口一間ほどの茶店がずら~り。 そこから奥に行くとザザザザーッ、という音。 木々の間を抜けて行くと、流れの速い川があります。 地元の家族連れでしょうか、老若男女5~6人がジャブジャブと水浴びを楽しんでいます。 日本でイメージする渓流と違い、ここの水は茶色く濁っていました。

渓流のサリーナ渓流のサリーナ

川は浅いものの流れがかなり早いので、幼い子が流されてしまわないかちょっと心配になるくらいでした。 この渓流沿いに散策路が続き、象の水浴び場もありました。

たむろするサムローたむろするサムロー

メーサー渓谷でマイナスイオンを浴び、リフレッシュしてチェンマイの市街に戻ると、そこにはいつもどおりの日常がありました。 街角にはだらだらとたむろするサムローのおじさんたち。

ワロロット市場付近ワロロット市場付近

そのサムローを横目で見やり先に進めば、ひと際混雑している道に出ました。 ワロロット市場(中央市場)です。 道には辺り構わずそこら中に商品が並べられ、そこを地元の人が行ったり来たりしています。 きれいな花を売る娘がいるかと思えば、ごっつい肉の塊を鉈でたたき切っているおやじがいる。 年端も行かない子供が果物を売り、年老いたおばあさんがビニール袋に総菜を入れてもらい持って帰る。 通りから一歩中に入ればそこにも店、店、店。 ここには無限に続くかと思われるほどの店があり、ありとあらゆるものが売られています。 歩き疲れたら、バナナだかチークだかの葉っぱに包んでくれるもち米(カオ・ニーオ)のおこわを一口頬張ります。 おつまみに、プリック(唐辛子)をかじればもうタイ人の気分ですが、青くてちっちゃいプリックは激辛で口の中が火だるまになりました!

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