丹後半島の二日目は久美浜から宇川温泉まで。
昨夜お世話になった久美浜温泉の前に全員集合。
丹後半島は海も山も野花も美しい。透き通るようなエメラルドブルーの海を背景に可憐な野草が咲き競います。白い花はダイコン類ですね〜。あっちはニンジン類ですよ〜。
え〜、ほんと〜? だが、どうやら本当らしい! 食べられるのかな?? これはちょっと食べられないらしいね。
『これは私らのところではスカンポっていいます。』 と道端の別の太い草をもぎ取り、ポリポリと食べてみるのはケンボーズでした。
おだやかな道を進むと砂浜の海岸に出ました。ここは『夕日が浦』。
さきほどまでの風景とは違って、海が目の前に広がります。名前のとおり、ここからの夕日は見事でしょうね。
サーファーが小さな波を頼りに楽しんでいました。
『夕日が浦』で輝く海を眺めたら、浜詰の集落の中を抜けます。
この集落は依然海と密接な結びつきがあり、道端で海藻が干されていました。
浜詰の集落からは上り。えっこらよっこが始まります。
なんとかこの上りをこなすと、塩江に下ります。
塩江の集落は、漁港になっている小さな入り江の奥にあり、肩を寄せ合うようにして数十戸の家が立ち並んでいます。
塩江の集落を抜けると再び上り。
この上りはちょっと長そうですが、、、
やっと上った〜と思ったらそこには海へ下る道があり、『五色浜』の標識が。眼下に素晴らしい景色が広がっています。
『これはいかなくちゃ〜。』 と、どんどん下るサリーナ。しぶしぶ後を追うメンバー3人。せっかくの位置エネルギーを失うのはいやだというのは、ジークとナオボー。
五色浜はボコボコの平らな岩が広がる海岸です。
『紀伊半島の千畳敷の小さなもんですなぁ。』 とケンボーズ。
潮干狩りをする人が何人もいました。イソギンチャクやカニを見つけては歓声をあげます。(お待たせしました、ナオボー、ジーク)
五色浜からはそれはそれはきつい上り返し。そして元の道に戻ってからもさらに上りは続くのでした。
この上りは七龍峠のロードパークまで続きます。
その先はつづら折りの下り。
一つのカーブを曲がるとパッと視界が開け、さらに先のつづら折りがいくつもいくつも見えるのでした。
はるか彼方まで続く今日のコースを一望に、ここで記念撮影。
下を見下ろすと小さな美しい集落があります。ここは網野町の磯というところで、源義経を愛した静御前の生誕の地だそうです。
『のんびりした感じの気持ちいい村やな〜』と、しんがりを務めるチューボー。
こんなところで生活したら人生観も変わるでしょうね。
その素敵な磯の集落へ向かいます。
ここで海を覗くとその青の見事なこと。小さな白い花はダイコン類です。
磯の集落は急な斜面地にあり、その一番上に道が通っています。
海側には瓦屋根が並んでいますが、この屋根の下にもその先の民家が立っています。
磯の集落を過ぎたところで地図を見ると、この先に『子午線最北の塔』があるようです。
へ〜、ここは明石と同じ経度なんやね〜、とちょっと驚きのナオボー。
磯集落方面の見返り。写真ではわかりにくいですが、海の色の微妙な変化が美しいです。
ほどなく道端に小さな『子午線最北の塔』の看板出てきました。
海側へ続く階段を数段登ると、そこにステンレス製の5mほどの高さの塔が立っています。
この塔の先からは東西に素晴らしい景色が広がっていました。
西は磯の先の岬まで。
東はどこまでも続く凹凸の激しい海岸線。
『子午線最北の塔』付近の景色に感動したら、この旅の出発地でもある網野の街へ下ります。
網野では昨日昼食に郷土料理のばら寿司をいただきましたが、今日は普通の寿司をと思い児島神社の向かいの万助楼に入ってみました。
寿司と頼んで出てきたのはまたもや、ばら寿司でした。『このへんでお寿司といったらこれなんですよ。』 とのこと。
ばら寿司は具材をバラバラと散らすことからその名が付いたようです。若狭湾は鯖がよくとれ、古くから大衆魚として親しまれていましたが、冷凍技術がなかった時代に傷みやすい鯖を保存する方法の一つとして焼くことが考え出されました。ばら寿司はその焼いた鯖を甘辛く炒り煮にしておぼろにしたものを主材料として用います。
網野を出るとすぐに鳴き砂で有名な『琴引浜』に到着。
この浜では煙草の『灰』を落とすことさえ禁じられています。
こういった雑物が砂に混じると鳴かなくなるそうです。
靴をくくっ、と砂に埋めてみるが『鳴かないみたいだね〜。。』
お天気のせいかな?
琴引浜からは海沿いを離れ少し内陸を行きます。
『今日は迷走はないですから安心を〜』とは先頭のサイダー。『今日はたっぷり時間があるからのんびりゆこうね〜。』と2番手のナオボー。3番手は今日も余裕のサリーナ。『今日は距離が短いからなんとかなるかな〜』とは4番手のケンボーズ。しんがりはいつもひょうひょうのチューボー。カメラは我らが大王ジーク。
砂浜があるかと思えば、鬱蒼とした植物に覆われた海岸もあります。
走るごとに違った風景が次から次ぎへと繰り広げられます。今回の海はあくまで穏やかで、透き通るような海は場所によりその色を少しづつ変えていきます。
先にこんもりした小さな島が見えてきました。城島(しろしま)です。
その城島へ向かってどんどこ。
ここは珍しく平坦区間でらくちん。
城島に到着。
その手前は小間漁港です。
間人! さてなんと読むでしょう? カンジン、マジン、違いますよ。『たいざ』と読みます。
穴穂部間人(あなほべのはしうど)皇后がここを『はしうど』と名付けたあと斑鳩に帰った。人々は皇后の名を口にすることをはばかり、皇后がこの地を『退座』したことにちなみ、『たいざ』と呼ぶようになったとのことです。このあたりにはむずかしい読みの地名が多いですね。
小さな漁港にはイカ釣り漁船が浮かんでいました。
この湾の水は驚くほど透明。 吸い込まれそう!
城島の海側には棚が広がっていますが、これは五色浜のようなもので、釣りや磯遊びに良さそうです。
城島のすぐ先に道の駅があるのでそこでちょっと休憩し、『丹後古代の里資料館』へ。
『丹後古代の里資料館』には、近くの遺跡から発見された品々が展示されており、その屋外では、復元された弥生時代の竪穴式住居や高床式倉庫などが見学できます。
『丹後古代の里資料館』のすぐ近くの丹後町竹野の集落はなかなか良い姿を見せてくれます。素晴らしい!
その先は丹後町筆石で、ここには海の中に突き出た屏風岩があります。その手前の小さな棚田が風情を添えます。
この屏風岩は筆のように見えなくもないので、筆石の名はおそらくここから来ているのでしょう。
丹後半島の海岸線は入り組んでいて当然アップダウンが多いのですが、中にはこんな直線で平坦な区間も。本当はちょっと上りですが。(笑)
雲一つない真っ青な空と、その青を写すような海を眺めながら、『お〜、ここはすごい〜。』 と全員フル回転で豪快に飛ばします。
地図には丹後松島とあったのですが、気が付かずにうっかりそこは通り過ぎてしまいました。丹後松島の名は日本三景の一つである宮城県の松島に似ていることから来ているといいますが、その規模は比べるべくもなかったようです。
その丹後松島のすぐ先に平海岸があります。
平海岸はそう大きな海岸ではありませんが、ゆったりとした三日月形のビーチでとてもきれいです。
その端に松が生えた小島がありますが、丹後松島はこのような小島がいくつかあるところのようでした。
ともかく後ろに松の島をひかえた砂浜にて、記念撮影。
丹後松島からほんのちょっと山側に入ると今日の宿泊地『よし野の里』に到着。ここは露天風呂からの眺めがすばらしい快適な宿です。夜はしんと静まり返った海の彼方にイカ釣りの漁火がおどろくほど等しい間隔で並んでいるのが見渡せました。