昨日、奥志賀スーパー林道の紅葉を楽しみ、野沢温泉に下ってきた私たちは、熊の手洗湯の横の宿に宿泊しました。
今日は、13ある野沢温泉の外湯をいくつか巡り、千曲川沿いを遡り、最後に長野の善光寺にお参りします。
野沢温泉の外湯は共同浴場で、村民によって守られてきました。
村人が浸かることを基本としたものなので、どこも大して広くはなく、せいぜい数人が浸かれる程度のものが多いです。
川原湯は昔は渓流の河原にあったのでこの名が付いたようです。
温度が高めなので朝湯にちょうどいい。
野沢温泉の大湯通りでは、日祭日の朝に朝市が行われます。
この時は、6時半から7時までという開催時間を知らずに食事を終えたあとに行ったので、すでに終わっていました。残念。
大湯通りの突き当たりにある大湯は、野沢温泉のシンボル的な外湯で、唐破風の入口を持つ立派な建物です。
野沢温泉には伝統行事の道祖神祭りがあります。これは小正月に正月飾りや締め飾りなどを焼く『どんど焼き』の類いの火祭りで、その歴史はとても古く、平安時代の宮廷行事としての記録が残っているそうです。
ここでは火の元となる木の枝を集め、一ヶ所に集める作業がされていました。
ゆっくり外湯巡りをしたら、野沢温泉を出発。
まず滝沢川沿いを下り、
県道から田んぼの中を進みます。
ここには、黄金色で刈り取りを待つばかりの田んぼと、すでに刈り取られて三角帽子が作られている田んぼがあります。
r38飯山野沢温泉線に出ると、たった今間を通ってきた田んぼが一面に広がって見えます。
飯山野沢温泉線は大した交通量ではありませんが、それに並行して通る鄙びたカントリーロードを見つけたので、これを行きます。
カントリーロードを出ると飯山市の瑞穂の集落を抜けて進みます。この集落の周囲にはちょっとした畑が広がっています。
その畑の向こうには、千曲川の対岸の山並みが見えます、
千曲川の引力圏に入ったことを感じながら、カントリーロードを進んで行きます。
しかし、橋は見えど川は見えず。
ようやく千曲川が見え出しました。
その向こうには北信五岳の一つである斑尾山が見えます。
南を見れば、初日に宿泊した湯田中温泉の北にあった高社山が見えています。
小さな樽川の橋を渡り、千曲川の土手に入ります。
この土手上には、自転車道とおぼしき快適な道が通っています。
千曲川の土手をぐるっと廻るようにして進んで行くと、高社山が徐々にその姿を変えていきます。
高社山から視線を左に移していくと、昨日走った奥志賀スーパー林道が通る、奥志賀の山々が見えます。
道はずっと千曲川の土手を進んでおり、R403の中央橋をくぐります。
この橋の向こう側には飯山の街が広がっています。
千曲川の土手上の道が終わると、再びr38飯山野沢温泉線に入ります。
すると綱切橋の東詰めに、赤地蔵尊なるものが祀られていました。名前の通り、とにかく前身真っ赤なお地蔵さんです。
赤地蔵の先で北陸新幹線の高架橋をくぐり、旧道らしき道に入れば小さな集落を抜けていきます。
ここは中野市の岩井というところのようです。
岩井にはかつては茅葺きだった大きな屋根の民家が数軒建っており、日里御宰建神社には相撲の土俵も。
そして田上の集落を抜け、細道を上って行くと、周囲はりんご畑に。
このりんご畑の中でちょっと一休み。
次は柳沢です。このあたりは小さいながらも集落がポツポツと繋がってあります。
この集落にもかつて茅葺きだった民家が残っています。
高社山の真西で夜間瀬川を渡ると、周囲は田んぼになります。この夜間瀬川を遡っていくと、初日に宿泊した湯田中温泉に至ります。
高社山から離れて行くと、その南西面が良く見えるようになってきます。
ここの田んぼはすっかり刈り取られ、稲藁の三角帽子が立っています。
ここは両側とも黄金色。
南北に横たわる小高い丘を越えると、千曲川の対岸の上今井の街が見えてきます。
r505三水中野線の上今井橋を渡り、
千曲川左岸の土手の上に出ます。
ここは快適ですが、1kmほどでこの道はなくなり、一般道を行くようになります。
時刻は正午を過ぎ、そろそろ昼飯処を探さなければなりません。
このあたりで飲食店は豊野にしかなさそうなので、鳥居川に突き当たったら飯山線沿いを行き、豊野に向かいます。
豊野の駅周辺をうろつくも、レストランは休みや貸し切りで見つけることが出来ず、浅川を渡ってR117に行けば確実に何件かあるものの、これは先を考えると面倒なので、初日に予定していたイタリアンレストランに向かうことにしました。
r368村山豊野停車場線を上って行くと、ぶどう畑の向こうに、このあたりではなかなか見掛けないしゃれた建物が現れます。
このイタリアンレストランは連絡をとったときは満席だったのですが、ちょうど一つテーブル空いたところで、すんなり入ることができました。ここは外観もおしゃれならインテリアもなかなかで、料理も満足いくものでした。
さて、おいしいパスタやピザをいただいたら午後の部開始です。ここまでは野沢温泉からの下りとごく僅かなアップダウンがあるだけでしたが、ここからは上りで、三登山(みとやま)を目指します。
吉で隈取川に出てからあとは、りんご畑の中の激坂上り!
長野の郊外にある三登山は、登山やトレッキングで人気のところのようです。
その三登山が見えてきました。
私たちはここで三登山山麓林道を目指します。
この隈取川沿いのアプローチ道は、なかなか感じがいいです。
このコースは初日に予定されていた逆コースで、本来はもっと長野側で林道を下りることにしていたのですが、その下りは超激坂なので上っていくことはできません。
そこでより勾配が緩い隈取川沿いを上ることにしたのですが、それでもこの道は結構きついです。
関が出てきて隈取川の流れが見えなくなったあと、さらに少し上ると林道に突き当たりました。
三登山山麓林道はほぼ全面に渡り、砂利道です。
入口に『災害発生中』の立て札。発生中って何だ? ということで、ここは様子見に。
するとこの立て札のすぐ先で土砂崩れがあったようです。しかしこれは自転車の通行には特に問題なし。
三登山山麓林道の序盤部分は、最近はほとんど通りがないようで草が目立ち、敷き込まれた砂利が浮いていて、さらに上りとあって、ほとんど乗車できません。
勾配が和らぎ路面が土になると、なんとか乗って進みます。
しかし一昨日の雨でぬかるんでいて、思うようになりません。結局、このあともほとんど押しに。
本来走るつもりでなかった三登山山麓林道の序盤が終わり、広い空間に出ました。
ここからは道幅が広がり、路面の砂利も締まった細かいものになります。
『これならなんとか走れそ〜』 と、シンチェンゾーが行きます。
ところがこの道、細かいながらもアップダウンの連続で、すぐにへとへとに。
路面は剥げた簡易舗装や土のところもありますが、基本的には細かく締まった砂利です。
そろそろ限界と思う頃、左手に長野の市街地が見える所に出ました。
この林道はまったくと言っていいほど見晴らしがないのですが、ここは特別です。
この見晴らしまで来れば、後半のピークまではあと少しです。
しかし、その後も続くアップダウンに、最後は腹を立てながら進むシンチェンゾーでした。とにかくこの道のアップダウンはしつこい!
へばっていたシロスキーもなんとか気を取り直し、カーブを抜けてきます。
下から車の音が聞こえるようになると、林道の出口が近付きます。
最後に視界が開け、向こう側の山並みが見えます。
三登山山麓林道は突然、r37長野信濃線のヘアピンカーブのところに出ます。まったく人気のない林道と、かなり交通量がある長野信濃線の対比は落差が大きく、ちょっと驚きます。
ここからは善光寺を目指します。
長野信濃線は結構な交通量なので、途中から裏道に入ります。
この道、住宅と住宅の間をすり抜けるほとんど獣道といった感じの細道で、なかなか面白いです。
下り基調なのでどんどこ進んで、善光寺の参道に到着です。
善光寺は、江戸時代には、『一生に一度は善光寺参りを』と言われるようになったほど有名な寺で、巨大な本堂は国宝です。
長野盆地は善光寺平とも呼ばれ、現在の長野市はこの善光寺の門前町を起源として発展た街なのです。
その参道には賑やかに商店が建ち並んでいます。
善光寺にお参りしたあとは、権堂駅近くの呑み屋街に向かいます。
このあたりは、かつては遊郭もあったというところで、現在も呑み屋やちょっといかがわしい店がたくさん軒を連ねています。
私たちは健全に、きのこ鍋を。
しかしこのあと、シロスキーはこのまちの暗い闇に飲み込まれていくのでありました。(笑)