ルーマニア マラムレシュ地方2

続・世界遺産の木造教会巡り

総合評価 ★★★
開催日 2006.07.24(月)- 2006.07.27(木) 難易度 ▲▲
参加者 サリーナ/サイダー

マラムレシュの典型的な丘陵地帯の干し草と野花の風景
マラムレシュの典型的な丘陵地帯の干し草と野花の風景

◆ コース紹介

ルーマニア北西部のマラムレシュ地方の旅の続きです。 木造教会と独特の門扉が並ぶ村を訪ねながら、丘を越え、谷を抜けていきます。 ローカルなスパ・リゾートも楽しめますよ。 しかしいよいよカルパチア山脈へ突入!

マラムレシュ地方の走行ルート地図
地図ベース:CARTOGRAPHIA KFT. Romania

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day 月日 コース 走行距離 備考
11 0724 (月) Cavnic
〜Ocna Sugatag
58km 泊/Hotel Salina 120Lei(朝食込)
12 0725 (火) Ocna Sugatag
〜Rozavlea
66km 泊/Motel Tomsa 50Lei
13 0726 (水) Rozavlea
〜Nasaud
82km 泊/Hotel Salauta 50Lei
14 0727 (木) Nasaud
→Suceava
5km 泊/Hotel Central 150Lei(朝食込)
1EU=150円、1Ft=0.57円、1Lei=42円、1USD=115円、1GB=22円、宿泊料等はすべて2人分
時差:オーストリア=ハンガリー -7h、ルーマニア=ウクライナ -6h

7月24日(月) Cavnic〜Ocna Sugatag

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ネタダ峠へ向かうサリーナネタダ峠へ向かうサリーナ

今日は小さな山脈を超えます。 カヴニックは山の麓にある村なのでいきなり上りです。 ペンシオンを8時に出発すると、標高1,040mのネタダ峠まで上りが続きます。 

しばらくは緩い上りで余裕の表情のサリーナですが、6kmほど走ったところから次第に勾配がきつくなってきました。

カタリン君とサイダーカタリン君とサイダー

10%くらいの勾配になって、へろへろしたころ分かれ道に到着。 そこで出会った牛を連れた少年カタリン君とちょっとおしゃべり休憩です。

ここからまだまだ上りは続く、というよりここからが本格的な上りです。 道の両側に森林が広がり、景色は林道っぽくになってきました。 ときどき、籠にブルーベリーをいっぱい摘んでいる家族に出会います。 しかし… 勾配はきつくふらふらヨロヨロと上る。

ネタダ峠からの下りネタダ峠からの下り

10時頃峠の頂上に到達し、そこからは気持ちのいい下りです。 下りはあっという間に終わり、ブデシュティの村に着きました。

ブデシュティ村の美しい木の門ブデシュティ村の美しい木の門

この村は、彫刻を施した立派な門扉を構える農家が並ぶ美しい村です。 写真(この門はとっても小さいけれど)のように立派な彫刻が施された門が連なり、中には馬車が通れるほどの大きな門を持つ家もたくさんあります。

村民が織った美しい布が飾られたブデシュティの木造教会内壁教会の内部

1643年に建てられたブデシュティの木造教会は、内壁にフレスコ画が描かれ、最後の審判の絵が有名です。 悪いことをするとバチがあたるよってことをストレートに描いています。 それからガラスに描かれた色鮮やかなイコンもあり、18世紀のものだと聞いてびっくり。

この教会は、斜め向かいにある役場に声をかけて扉を開けてもらいます。 私たちの他に珍しく2組の観光客がいました。 ルーマニア人とスペイン人のカップルでした。

バルの帽子のおじさんと道行く馬車バルから

教会の見学を終えた11時、村のバルで小休止。

バルではすでにおじさんたちがいい気分です。 村の女性は民族衣装の黒いスカートにネッカチーフ、男性は帽子。 通りにはときどきのんびりと馬車が行き交います。 時が止まったような村です。

遠くに山並み、近くに野原、その中にわら帽子の道を疾走するサリーナわら帽子の道を疾走するサリーナ

ここからは見渡す限り牧草の干し草が点々と積まれた丘陵地が続きます。 大きな鎌で草を刈るおじさん、刈った草を集めるおばさんが手を振ってくれました。 車が少なく、壮快なルートです。

しかしお昼に近くなってくると、カンカン照りでかなり暑くなってきました。 『ああ、早くオクナ・スガタグに着かないかな〜〜』

泥色の温泉プールに浮かぶサイダー泥色の温泉プールに浮かぶサイダー

そのココロは… 本日の宿泊地オクナ・スガタグには、スパ・リゾートがあるというのです。

町に入ると、通りには水着姿の家族連れが歩き、屋台では浮き輪や水着を売っています。

ワクワクしながら12時半にホテルにチェックインし、早速、隣のプールへ。 入場料を払って入ると2つのプールがあって、どちらも水は泥のように濁っています。 『あれ〜、プカプカ浮いちゃうよ〜』

実は、この町は1950年代まで岩塩鉱だったところだそうで、プールの水は塩分たっぷり。 『こんなこともできちゃうよ〜ん』とサイダー。(写真) 塩のプールで汗を流し、ホテルでゆっくり昼食をとったあとは、部屋で昼寝。

森の中のデセシュティの木造教会森の中のデセシュティの木造教会

起きたら夕方5時です。 夕方といっても、ようやく日が少し傾いてきたかな、という感じ。 自転車で走るにはもってこいです。 これから13kmほど先のデセシュティ村にある教会に向かいます。 小さな村をいくつか抜けると、激坂の細い路地の奥に、木々に囲まれたかわいらしい教会がありました。

このあたりマラムレシュ一帯には大きさはいろいろですが、こういった古い木造の教会があちこちに点在しているのです。 そしてこういった村々を繋ぐ道からの風景はゆったりとした丘陵と刈り取られた干し草、可憐な野花というどこにでもあるシンプルなものなのですが、それがまたすばらしい!

ミティティを焼くおにいさんミティティを焼くおにいさん

ホテルに戻ってシャワーを浴びると、もう夜の9時過ぎ。

ホテルのレストランでは、昼からのパーティがまだ続いています。 パーティの人たちが、私たちを踊りに誘ってくれました。 『右左、右左、そうそう!』なんてステップを教えてくれるけど、むずかしいね〜。 子どもたちが上手に踊っていました。

ああ楽しかった。 でもおなかすいたよね。 ホテルのレストランでは今日は夕食を出せないということで、近所をぶらぶらしてみました。

やっと見つけたお店は『サラダとミティティならできるよ』ってことで、ここで夕食です。 ミティティとはひき肉を焼いたもので、ルーマニアの定番料理です。

7月25日(火) Ocna Sugatag〜Rozavlea

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たくさん積まれたわら帽子と小さな黄色の野花の中のサイダーカリネシュティ付近

今日も快晴です。 9時過ぎにオクナ・スガタグを出発し、ほどなく隣村のカリネシュティに到着。 地図には教会マークがあるので村の中を探してみますが見つかりません。 というか、村に入るとゴロゴロ石ダート。 そう、このあたりでは幹線を少しでも離れると、ダートを覚悟しなければいけません。 『バーディーが壊れる〜』とすぐに退散! 次のバルサナへ向かいました。

午前中はさわやかな大気に牧草や森の緑が鮮やかです。 丘を上ると、きれいに刈り取られた草原に、点々と干し草の山が雄大なパノラマで広がっています。 足をとめて草むらに入っていくと、足元には咲き乱れる白や黄色の草花が。 ああ、これぞルーマニア!

馬車の荷車に乗った農民たち馬車の荷車に乗った農民たち

村に入ると、農作業に出かける家族が馬車に集まっていました。 道ばたで草を食む牛にカメラを向けるサリーナを見て、みんな大笑い。 『牛が珍しいのかね〜!』

バルサナ修道院バルサナ修道院

ここバルサナには、村の中に1720年に建てられた木造教会があり、また村はずれには立派なバルサナ修道院があります。 

このバルサナ修道院は、丘の上の花で飾られた広い敷地内に教会、バンケット、東屋、ミュージアムなどの木造の建物が点在していて、とても魅力的なところです。 ルーマニアの人にとっても人気の巡礼地だそうで、子どもたちがバスで遠足に来ていました。

農機具を担ぐ農民たちとサリーナポイエニレ・イゼイ村の農機具を担ぐ農民たち

修道院を出てイゼイ谷の道をしばらく走ると昼過ぎにロザヴレアの村に到着。 最初に見つけた看板で、小道を入ったところのモーテル・レストランに宿をとりました。 他にお客さんはいませんが、食事もOKということでゆっくりお昼を食べ、その後は定番コースの『部屋で昼寝』です。

夕方4時。 むっくり起き上がり、ポイエニレ・イゼイの村へまたまた木造教会を見に行くことにしました。 

通りでは農作業を終え、鎌や鋤をかついで家路につく人々に出会います。 おばさんたちはマラムレシュの民族衣装の黒いスカートに黒い靴下。 スカートはちょうど膝丈くらいでちょっとキュートです。 

ポイエニレ・イゼイからボティザへの道ポイエニレ・イゼイからボティザへの道

途中の村は独特の立派な門扉が連なりますが、どの家の前にもベンチが置いてあり、家族や友だちが腰掛けておしゃべりしていて、私たちを見つけると手を振ってくれます。

ポイエニレ・イゼイからボティザまでの5kmの道のりは、ゴロ石ダートの激坂丘越えというとんでもないルートでした。 自転車になんか乗ってらんないよ〜

馬車で遊ぶ子供たち馬車で遊ぶ子供たち

ヨロヨロとたどり着いたボティザは、珍しくツーリストインフォメーションがあり、外国人観光客もいました。 フランス人かな? 農家に宿泊するアグロツーリズムに力を入れている村で、ガイドツアーもいろいろあるそうです。 マウンテンバイクのレンタサイクルも。 『やっぱりマウンテンだよね〜』とつぶやくサイダー。

大ごちそうを前ににっこりのサイダーディナー

ここからは幹線のロードに戻り、カッ飛ばすこと30分でモーテルに戻りました。 そして晩ごはんです。 食べてみたいルーマニア料理をあらかじめオーダーしていたので、こんなにゴージャス! 野菜スープ、なすのペーストサラダ、豚の薫製ザワークラウト添え。 そして赤ワインでカンパ〜イ!

7月26日(水) Rozavlea〜Nasaud

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ドラゴミレシュティの博物館ドラゴミレシュティの博物館

マラムレシュの旅も今日が最終日です。 まず両替に立ち寄ったドラゴミレシュティで、小さな博物館を見学。 気のいいおばさんが一生懸命ルーマニア語で説明してくれました。

林の中のサリシュテア・デ・ススの木造教会サリシュテア・デ・ススの木造教会

ほどなくサリシュテア・デ・ススに到着し木造教会へ。 バックパックにストック姿のフランス人のおじさんに出会いましたが、この方なんとフランスから歩いてきたとのこと! 

ここから9kmほどのサセルでお昼を食べていたら、出がけにまたこの方と会ってしまいました。 すごい達人です。 のんびりしてたら抜かれそう〜

カンカン照りの中シェトレフ峠へ上るサイダーシェトレフ峠へ上る

ラクチン旅行が定番の私たち。 鉄道駅のあるここからは列車で移動のつもりでした。 ところが1日2本、次は夕方6時ということで、列車はあきらめ峠越えを選択。

シェトレフ峠は標高825m。 そんなに距離はありませんが、カンカン照りで昼過ぎの最も暑い時間帯です。

勾配がきつくなると、見晴らしはすばらしいのよね〜 なんて言っている余裕なし! のろのろ、ヨレヨレと超低速で峠を上る。 無言の上りがしばらく続きます。

シェトレフ峠の日陰で休むサリーナシェトレフ峠

やっと峠の頂上にたどり着き、とにかく日陰を探してへなへなと座り込むサリーナは、気力のVサイン! ひゃー疲れたあ〜

このシェトレフ峠がマラムレシュ地方の境界で、この先はトランシルヴァニア地方となります。

渓谷に沿って下る渓谷に沿って下る

峠を越えると長く壮快な下りが待っていました。 森の渓谷に沿って、緩い下りがしばらく続きます。 車は少なく、どんどんと下っていきます。

気持ちよい下りを堪能していたのですが、あのカンカン照りの太陽に次第に雲が覆い被さり、怪しげな空模様になってきました。 遠くの空ではゴロゴロという音も。

テルチウのバルの面々テルチウのバルの面々

途中の村テルチウの路面はすでに雨でぬれていました。 でもラッキーなことに雨はすでに通ったあとらしい。 雨雲が去るまで、村のバルで休憩することにしました。

黄金の液体を飲んでいると、半分酩酊のおじさんが声をかけてきた(写真右端)。 『フランス語はできるかい? 私は…(あとはフランス語で意味不明)』 いや〜できないのよね、と言っても構わずおしゃべりしているうちに、どんどん仲間が増えてきて盛り上がりました。 このおじさん、牧師さんなんだって!

みんなと別れたあとは雨にも会わず、無事ナサウドの町に到着しました。 ホテルは町にただ1軒、1970年代風でした。

7月27日(木) Nasaud→Suceava

ナサウド駅前広場のサイダーナサウド駅前広場のサイダー

今日は移動日です。 ナサウドから列車で南ブコヴィナ地方のスチャバに向かいます。 列車の出発時刻は11:13で、早めに駅に着いてみると、大勢の人たちがベンチで列車を待っています。 私たちも早速自転車を折り畳んでスタンバイ。

草刈り用の鎌の刃を吟味する男草刈り用の鎌の刃を吟味する男

駅のすぐ横の通りは市場になっていて、野菜や果物から衣類、自転車、なべ、農機具などなど、ありとあらゆるものが脈絡もなく露天で売られていました。 写真の男性は、草刈りの鎌の刃を、ひとつひとつじっくりと見て選んでいました。

窓を開けた列車の通路にたむろする人々列車内部

定刻通り列車は出発です。 2等のコンパートメント指定席で、コンパートメントは4人掛けの向かい席で8人シートです。 冷房はないので、窓をあけた通路に出ている人もたくさんいます。

私たちのコンパートメントには、若いカップル1組と、高校生くらいの女の子、両親と20代の娘が座っていました。 地図を広げていると、『今ここだよ。これからどこまで行くの?』と親しく声をかけてくれます。

列車はスチャバまで4時間半。 途中の駅で乗客が入れ替わります。 あれ、『両親と娘』と思っていた人たちは、どうも他人だったみたい。

スチャバへ向かう列車と周りの景色スチャバへ向かう列車

同じコンパートメントの人たちは、すぐに打ち解けておしゃべりを始めます。 私たちがワインとパン、トマト、チーズ、ハムで昼ごはんを始めると、周りでも食事が始まります。 持っていない人にお昼を分け合ったりして、みんなフレンドリーです。

列車は定刻にスチャバに到着。 さあ、いよいよ旅は次のステージへ。 ルーマニア北東部、南ブコヴィナ地方の修道院巡りに移ります。

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uploaded:2006-09-17