コース紹介
ツール・ド・ピレネーの最終ステージです。 ついに地中海に到達! ジローナから快適な自転車ルートの『緑の道』でリャゴステーラまで下り、そこから地中海のリゾート地トサ・デ・マールを目指します。 トサ・デ・マールでは真っ青な地中海を堪能!
第16ステージ:ジローナ(80m) ~ トサ・デ・マール(0m) 42km
ツール・ド・ピレネー最終ステージの朝は雲一つなく快晴です。 今日は40kmしか走らないので午前中はジローナをのんびり散策。 カテドラルのある旧市街では、細い路地と階段が迷路のように入り組んだ街並みが形成されています。 カテドラルは幾度もの改修を経て現在の姿になっていますが、内部はゴシックの格調高い造りでいい感じでした。
その一部に旧ユダヤ人居住区があります。 路地は他の箇所より一層狭く、両側に石造の建物が迫っています。 かつてのシナゴガ(ユダヤ教会)を改修した博物館では、当時のこの居住区の様子がわかるコンピューター・グラフィックスなどがあり、結構楽しめました。 近くにある回教徒の浴場は部屋の真ん中に八角形の水浴槽があり、その天井からは日の光が燦々で気分良し。
かつてのジローナの周囲には城壁が巡らされていて、現在はカテドラル周辺にその一部が残っています。 城壁の上を歩くことが出来、そこからはジローナの街が一望に見渡せました。
のんびりとしたまち歩きを終え、正午にジローナを出発、いよいよ地中海へと向かいます。
まずは自転車ルートの『緑の道』です。 この道は昨日同様ダート。 トウモロコシ畑や何の為のものかよく分からないこんな植物の間を進んで行きます。
『緑の道』はかつては鉄道が通っていたところで、この路線はナローゲージの鉄道でした。 これは駅の跡なのか、たまにこんなオブジェが設えられていて、休憩中の親子連れが手を振ってくれました。 他にも、かつては駅舎だったらしい古い建物がレストランになっていたりと、地域の記憶を継承し今あるものを活かしながら、かなり力を入れて整備されています。
空は青く気分は最高ですが、もう正午を過ぎていてかなり暑い。 リンゴや洋梨などの畑を通り、
時にはそれが広い牧草地になったり森になったりと、廻りはどんどん変化して行きます。
1時間半ほど走ると行く道の先に小高い丘が現れました。 どうやらリャゴステーラに着いたようです。
正午から走り出したのですでに14時近くになっていてお腹が空いてきました。 リャゴステーラの丘の上には古い街が残っているので上ってみますが、そこにはレストランはないようなので、丘の下の方にある新しい街の中心に向かいました。 街角にバル・レストランを見つけ、前菜にツナサラダ、メインにパエリャを頼みました。
私たちの自転車を見てレストランのおじさんが、『旅はどこから走ってきたの?』 と尋ねてきました。 フランスのビアリッツからピレネーを越えてきた、と説明すると、『じゃあどこまで?』 『トサ・デ・マール』と答えると、『わあ、もうすぐそこだね!』と自分のことのように喜んでくれました。
自転車ルートの『緑の道』はリャゴステーラから東に進路を採り地中海のサント・フェリウ・デ・ギソルスに通じているのですが、私たちはここで『緑の道』を離れ、南にあるトサ・デ・マールに向かいます。 海岸に出るのだからずっと下りかと思ったら、ちょっと山越えの雰囲気になってきました。 やっぱり最後まで1日1峠?
海岸までの間には小さな山脈のようなものがあり、このあたりの海岸はほとんどがリアス式のように切り立つ崖の下にあるのです。 道は松林に覆われた山の中に続いています。
うねうね道をよっこらよっこらと上って行きます。 周辺は木々に覆われているので視界はあまりありません。 上り切ったかな~と思うも、その後もアップダウンが続きます。 これが最後の上りかと一漕ぎすると、森のずっと先の雲の下にうっすらと青いものが。
『あれあれ、ひょっとして海? 地中海? やったー!』
『お~、やった~、地中海だ!』
そこからはグワッ、グワッと下りのワインディングを繰り返し、山を駆け下りビーチにまっしぐら!
16時過ぎ、トサ・デ・マールの街に入るとものすごい人、人、人! 皆涼し気な衣装で中には水着姿の人々も。 お~、ここはトサ・デ・マール、地中海!
ビーチの先端の高台には要塞が建っています。 その高台に自転車を押し上げ地中海到達、ツール・ド・ピレネー完走の記念写真を撮りました。(TOP写真) お~、やったぜ!!
ビーチ近くで見つけたホテルの名はなんとマリア・ローザ。 この旅の終着点のホテルの名にふさわしいと、ここに荷を解き、地中海にザブ~ン!
『ヤッター!!』 とバンザイのサリーナ。
真っ青に広がる地中海を眺め、満足感に浸る私たちです。
800km以上に及ぶ長い道のりでした。 出発地ビアリッツの大西洋は朝日を浴びていました。 峠をいくつも越えました。 マリーブランク峠はきつかった! オービスク峠ではあまりの美しさにため息が出ました。 そしてツールマレー峠は遠かった!
すばらしい想い出を作ってきたツール・ド・ピレネー、完走です。 ついにやりました。 やったんです。