自転車と環境6 駐輪施設編
日本の都市部では、よく『駅前の不法駐輪』が問題にされています。確かに駅前の歩道にあふれた自転車は見苦しく、駐輪施設整備やマナーの向上が必要です。でも駅前だけでなく、自転車の機動性を活かせるよう、まちなかにも気軽に駐輪できるスペースをぜひ整備してほしいものです。美しいデザインの駐輪スペースは、街並みの雰囲気づくりにもなるはず。
◆ 東京都千代田区の駐輪事情
『休日の都心サイクリングを楽しむために』2006.3東京を自転車で走る会 参照(写真は同レポートより)
千代田区では、JRを中心とした駅前駐輪場の整備は順次進められています。でも、気軽な移動のための駐輪という視点はほとんどみられません。
駅周辺の駐輪施設の多くは通勤通学利用を想定し、一定期間の継続的な利用を原則として事前申し込み・登録が必要です。写真はJR御茶ノ水駅前の歩道に整備された駐輪スペースですが、休日はほとんど使われず、他の場所に乱雑な駐輪が見受けられます。
JR市ヶ谷駅前の駐輪スペースも同じく事前の利用登録が必要。一部にラック式駐輪施設が設けられていますが、このラック、マウンテンバイクのような太いタイヤは入らないサイズでちょっと使い勝手が悪い。
丸の内仲通りは最近整備されたショッピングストリートですが、自転車での買い物客のことは全く想定していないようです。気軽に駐輪できるスペースはなく、丸ビル角には乱雑な駐輪が。
◆ 街角の小さな駐輪スペース
交通体系の中で自転車がきちんと位置づけられ、まちなかに自転車走行スペースが整備されているウィーンでは、あちこちに気軽に駐輪できるスペースが設けられています。駐輪スペースがすぐに見つかるので、観光、カフェで休憩、ショッピングと、自転車での移動を気軽に楽しむことができます。(2006.08)
駐輪スペースは上の写真のように柵を設けただけの簡単なものが多いのですが、これは新作。タイヤ止めと、フレームを固定する可動器具(黄色いところ)が備えられています。