煎り酒(いりざけ)
煎り酒は醤油が普及する以前からある伝統的な調味料。かつお節の旨みと梅干しの酸味、そして控えめな塩味が料理をより味わい深いものにしてくれます。
煎り酒
材料
- 酒 1カップ
- 梅干し 1粒
- 塩 少々
- 鰹節 ひとつまみ(3g)
- 昆布 5cm角(2g)
作り方
- 鍋にすべての材料を入れ火に掛け、沸騰したら弱火で3分煮る
- 粗熱を取り冷蔵庫で一晩置く
- ペーパーで漉す
備考
- 煎り酒は日本古来の調味料で、江戸時代の初め頃までは広く使われていたようだが、より保存性が高い醤油に取って代わられた。最近は醤油より減塩であることや、その風味から再び脚光を浴びてきている
- 梅干しは塩と赤紫蘇だけで漬けた伝統的な製法による塩分18%以上のしょっぱいものが適。これが手に入らない場合は梅干しの数や塩の量で調整を
- ほぼ醤油の代わりに使えると思って良い
- 清潔な保存容器に密封し冷蔵すれば一週間程度保存可
- 『煎り酒』は日本最古(1643年発行)の料理書といわれている『料理物語』に記載がある(参照:料理物語『第八 なまだれだしの部』の五番目(P16/55)/国立公文書館デジタルアーカイブ)
■意訳 --煎り酒は、鰹の削節1.8L、梅15〜20個、古酒3.6L、水少々、たまり少しを1.8Lに煎じ漉し、冷ます。また酒3.6L、水1.8Lを入れ、3.6Lに煎じて使う人もいる。--
また、より古い寛永十三年(1636年)の日付のある同名の写本(PDF:寛永十三年「料理物語」について P23/44)には、『塩も入れてよし』とある
- 煎り酒を使った料理 →ヒラメの昆布締め/しらすの煎り酒蒸し
参考資料
GEO POTTERING
uploaded:2024-01-28