松江城の堀川めぐり乗り場
今回の参加者は、前夜それぞれのルートで松江の宿に集合した6人です。関西から高速バスでナオボーとチューボー、くるまでトシくんとミエちゃん、そして東京から飛行機でサイダーとサリーナ。
秋晴れの中、まずは松江城のお堀をめぐる『ぐるっと松江 堀川めぐり』へ。約45分で内堀、外堀を巡ります。1人1200円也。石垣の広いお堀から、野鳥の群れる森のようなところをくぐったり、人びとの生活が息づく狭い水路を抜けたりと、水辺の変化に富む表情がとても楽しい。
堀川めぐりの船内
小舟は定員13名です。もうちょっと寒くなると、豆炭の入ったこたつ舟になるそうです。この舟の屋根は可動式で、低い橋の下をくぐるときはぐぐぐ~っと下がります。乗客も頭を下げて寝っ転がらないと通れない! 舟幅ぎりぎりの水路もあって、探検隊気分も味わえたりします。
船頭さんの松江言葉での語りも楽しい。エコーのきく広い橋の下では、得意の喉で松江の民謡をご披露。『だんだん!』(松江の言葉で「ありがとう」です)
堀から松江城を見る
堀川めぐりでは、北堀橋の手前あたりでちらりと姿を見せる松江城。鳥が羽を広げたように見えるので、別名『千鳥城』と呼ばれているそうです。1616年に築かれた黒塗りのお城は、小柄ながら風格があり美しい。
松江の古い家を巡る
そして観光の中心は、塩見縄手と呼ばれるお堀沿いの一角です。江戸時代の下級武士のお屋敷の家並みが残り、雰囲気のいい通りです。
小泉八雲が愛した家、『小泉八雲旧居』は、こぢんまりした住宅の三方に小さな庭があり、畳に座って庭を眺めていると時間の経つのを忘れてしまいそうです。写真は『武家屋敷』として公開されているお屋敷。
お堀端の散策
江戸時代の面影が残る通りとお堀沿いを散策。チューボーが手にするのは、『小泉八雲旧居』の庭でとれた柿。八雲も食しただろう柿を『お持ち下さい』とふるまう粋な計らいでした。
松江を自転車で出発
そろそろお昼、お腹もすいてきた。前夜の宴で地元の人たちに教えてもらった出雲そばの店『ふなつ』に直行です。
そばの実の甘皮もひくそば粉100%の『ふなつ』のそばは、しっかりしたいいお味。そして、食後のそばを使ったデザートもおいしーい!
宍道湖湖畔美術館脇
さて、午後は宍道湖南岸を約20km走ります。宍道湖大橋を渡り、白潟公園から県立美術館へ。湖岸を走れて気持ちのいいところです。あまりの天気のよさに『暑くなってきちゃったよ~』
夕日の絶景で有名なスポット『嫁ヶ島』(TOP写真)で休憩、みんな上着を脱いで軽装になりました。
宍道湖湖畔を行く
しばらくは、宍道湖の湖岸に続く歩道を走ります。『わ~、鳥がいっぱい~』と元気印のミエちゃんがゆく。あれは鵜かな、アオサギかな。
しばらく走ると、歩道は湖岸ではなくなり、また途中で途切れて車道の反対側に渡らなければならなくなったりします。一部、歩道のないところも。大型車の交通量も多く、車道を渡るにも一苦労。『宍道湖はステキやけど、一周サイクリングロードがあったら楽しいのにな~』とナオボー。
宍道駅
大型車と排気ガスに閉口して、『よし、迂回しよう』とは、御存じ野性の勘のサイダー。とたんに山道となり、かなり不安そうなメンバー。誰もいない山道を通って、ダートになって…(笑) そして抜け出たところは宍道駅! 予定通りの午後3時に到着です。ヤッター、これであがり! ところが…
『今3時ならワシは自走して宿まで行く』とサイダーが宣言。『じゃあボクも行こうかな』とはマラソンで鍛えたガッツあるチューボー。その他メンバーは反応なくあがりモード、黙々と自転車を畳みに入っています。
行くぞ!と自走を決めた2人(写真)
電車内の3人
さて3時51分宍道駅発のJR木次線は、1両のみのワンマン鉄道です。輪行グループのトシくん、ミエちゃん、ナオボーとサリーナはくつろぎ体制。リュックからみかん、干し納豆と出てくれば、おお、トシくんの手にはすでに『ワンカップ』が!(写真) ちなみにまだ発車前ですが(笑)。
奥出雲へ激走のチューボー
そのころ自走の2人は…。宍道駅を出発したとたんに第一の山! 田んぼやすすきの間を抜ける道路を独占状態で走ります。『いや~ええ雰囲気やね!』とチューボー。そして、第二の長いなが~い山。そして日暮れが迫り、薄暗くなったところで襲いかかる第三の山! 暗がりに街灯はなく、自分のライト以外はたまに通過する車のヘッドライトが頼りの道のりです。『今日中に着けるのかな…』 よろよろと上るサイダーとチューボーに不安がよぎる。
大ジョッキのサイダーとチューボー
輪行組は、木次駅での車両乗り換えなど、意外に時間をとられるも、無事に出雲三成駅に到着。今日の宿『サイクリングターミナル』は、駅から建物が見える便利な立地です。黄昏れ時にチェックインして部屋でくつろいでいた6時過ぎ、『お待たせ~!』とサイダーとチューボーが到着!
このサイクリングターミナル、建物はきれいで値段はリーズナブル、スタッフも親切でいい宿でした。自走で宿まで本日57kmを走り切ったサイダーとチューボーは、充実感あふれる『カンパ~イ!』
感想 by チューボー
今回で一番印象に残ったのは何と言っても宍道駅から出雲三成までの35キロ走。
予定は宍道駅まで走ってそこから出雲三成まで電車だった。
宍道駅に着いた時、今日はこれで終わりかちと物足りんなと思ったのが悪かった。
サイダーが電車に乗らず、一人で出雲三成まで行くと言うので、つい僕もと言ってしまった。
電車に乗らず、サイダーの言葉に乗ってしまった。
最初の山越えはきつかったが、まだ周囲は明るく、山間部ののんびりした雰囲気を楽しむ余裕はあった。それに路で出会った小学生の男の子が二人も、こんにちはと声をかけてくれた。心が温まる、るんるん気分。
しかし、三つ目の山越えの時は薄暗くなり、全身汗だくで渾身の力でペダルを踏むもトロトロしか進まず、時速4キロを切る。サイダーはすごい。どんどん前を行く。超人だ。
こりゃー自転車より走る方が早いし楽だ・・なんて考えながら次の下りを待つ。
下りはこれまたすごい勢いですっ飛ばす。登りとの落差は天と地の違い。
暗い中を対向車線の車のライトに一瞬目がくらみ恐怖を感じる。これで転んだら一巻の終わりだなという思いが頭をよぎる。すごい緊張感だった。
宿に着いて風呂に入って夕食でビール飲んでやっと現実に戻る。よーやったと自分をほめる。