湯野上温泉郷前の吊橋
いいお天気! 今日は大川(阿賀川)にある景勝地、『塔のへつり』とひっそりとした観音沼をメインに廻ります。
朝の露天風呂に浸かり、すっきり目を覚まして、湯野上温泉を出発します。まずは温泉郷の前にある吊橋を渡って大川の東岸を南下します。
湯野上温泉郷対岸を行く
西岸の国道は結構交通量がありますが、この東岸はほとんど車が通らず快適です。
後ろには大きな小野岳が。
白岩付近
白岩にはこれから行く『塔のへつり』の本尊を守る地蔵堂や郷社の白鳥神社など15の社があるといいます。その白鳥神社を横目にどんどこ。
『今日はお天気で、紅葉も絶好調じゃぁ~』 と、ペタッチがうきうきと飛ばします。
鉄橋と中山
阿久戸から『塔のへつり→』の案内に沿って下に下り、大川に架かる『塔のへつり橋』にやってくると、右手に会津鉄道の鉄橋と風穴があるという中山が良く見えます。
照葉樹のトンネル
この橋を渡ると『塔のへつり』はもうすぐですが、そこに到る道がまた楽し。
木の名前はわかりませんが、色付いた照葉樹がトンネルのようになっている中をくぐり抜けて行きます。
照葉樹の林
このトンネルを抜けると今度はきれいな別の種類の照葉樹の林に突き当たります。
地面に敷き詰められた落ち葉に、逆光に透かされた薄黄からわずかに赤みを帯びた葉を眺めていると、心がすうーと解けて行くような気分に。
塔のへつり
この照葉樹林から少し下ると『塔のへつり』に到着。
ここは解説によれば、浸食と風化により百万年の歳月をかけて作られたという柱状の奇岩が連なる断崖です。まあ百万年は?でしょうが、とにかく長い年月をかけて作られたことは間違いないでしょう。
塔のへつりその2
ちなみに『へつり』とはこの地方の方言で、川に迫った険しい断崖のことだそうです。
流れがないようなひっそりとした大川に奇岩、そして紅葉の取り合わせが素敵。
塔のへつりその3
亀の首のような岩があり、その向こうの岩は帯状に抉られたようになっています。この帯状のところは柔らかい層だったために、浸食が進んだのでしょうか。
和貢付近
『塔のへつり』を眺めたあとは会津鉄道の線路を越え、国道に沿った道を進みます。
どこもかしこも、のどかでいい雰囲気です。
幾世橋から大川を臨む
次に大川に架かるのは幾世橋。橋の下には二本の小さな滝が落ち、続く断崖。
ここからの眺めもなかなか素晴らしいです。
中ノ沢観音堂
幾世橋で渓流と紅葉を眺めたあとは、大川の南岸をちょっと行って、中ノ沢観音にやってきました。
道路からちょっと奥まったところにあるこの観音様は国の重要文化財に指定されていて、かなりの歴史があるようです。方三間寄棟造、和様の阿弥陀堂建築。
中ノ沢観音堂付近から北を臨む
南会津は山に囲まれています。廻りを見渡せばどこにでも山があります。その山々がいい具合に色付いてきています。
張平付近の田んぼ道
塩生から一段高いところに上ると、そこは田んぼの中を行く道で、これぞ南会津という風景が広がります。
ここはのんびり、景色を楽しみながら進みます。
観音川に下る旧道
張平の先で国道に出ますが、その下を行く旧道があるはず、と進んでみます。
国土地理院の地形図には道も観音川を渡る橋も記載されていますが、道はご覧の通りで、その先に架かっているはずの橋はありませんでした。ん~、残念。
R269で観音川を渡る
止むなく国道で観音川を渡り、しばらく進むと、どうやら旧道に下るらしい道が見つかったので、これを行ってみます。
宮内の集落
この道は予定していた旧道に繋がっていました。
その旧道は鄙びた小さな集落をいくつか通り抜けて行きます。やっぱり国道よりこちらの旧道の方が味わいがあります。
観音山と旭岳
その旧道もいつしか終わりとなり、国道に合流します。
先には観音山と旭岳とおぼしき山が見えています。
南倉沢からの上り
国道が再び観音川を渡る手前で下に下り、南倉沢の集落を抜けて大鹿沼山へ向かいます。
この集落を抜けたところに、ちょっと山道風のきつい上りが現れました。
南倉沢の集落
その坂道をよっこらよっこらと上って行くと、下に今通ってきた南倉沢の集落が見えます。
さらにどんどこ上ると、ループを描いて上って来た国道の脇に出ました。
山間を行く
道は上り終えると下るのが当たり前。ということでここから一旦観音川の谷に向かって下ります。
大鹿沼山へ上る
下ったら上るのが当たり前、ということで、観音川からはまた上り。
大鹿沼山へうねうねとした道をよっこらよっこら。
観音沼付近から南東を臨む
ようやく勾配が穏やかになったと思ったら、そこが加藤谷川に沿って走る、観音沼に続く道との合流点でした。
その道を少し行くと、ようやく観音沼森林公園に到着。湯野上温泉からここまでちょっとした下りはあるものの、基本的にはずっと上りだったのでした。あ~疲れた。
観音沼
観音沼森林公園はこのあたりでは紅葉の名所なのか、結構な人出です。
しかし、沼とその周囲は静かで落ち着いた雰囲気。
観音沼の奥にある嶽観音堂
沼の廻りには周回路が設えられており、それに沿って奥へ進むと嶽観音があります。
その後ろはいい具合に色付いた紅葉で、お堂が映えます。
嶽観音堂付近の紅葉
観音様から奥へも周回路は続き、そこには見事な紅葉が。
観音沼と紅葉
逆光で赤い色が浮き立って見えます。
紅葉の中を行く
『お~、ここは素敵だね~』 と語り合いながら紅葉の中を進むサリーナとマーコン。
雪化粧の山をうしろに
観音沼でたっぷり紅葉狩りを楽しんだあとは、お腹がすいたね、と昼飯処へ。
来る時は気付きませんでしたが、後ろの山の頂きには白いものが。
カラマツ林の中を行く
観音沼まではずっと上りだったので、ここからはずっと下りです。
どんどこ下って来ると、まずは黄色くなったカラマツの林を抜け、
白樺林の中を行く
次は白樺林と、ここはいい感じです。
音金十文字まで下り、そこにあったビビンバ屋さんでお昼。
加藤谷川の橋から
お昼のあとは加藤谷川を渡ります。
その橋からはあの雪山がいい眺め。
雪山アップ
この山、なんていう名かな?
南小学校付近から南の山を見る
加藤谷川を渡ると、南小学校の前を通ります。
その先には山ひだがきれいな景色が。
音金付近
この山ひだを眺めながら進み、道が90°折れると、今度は直線の道に。
『この道ちょっと下っているんですか~、スピード出過ぎぃ~』 とどんどこ行くマーコン。
音金付近その2
その道の先にも山並みがあります。
本当にこのあたりは360°山に囲まれています。
養鱒公園
真っすぐな道の先にあるのは養鱒公園。ここでは鱒が養殖されており、池で鱒釣りができます。
ここから加藤谷川を渡る道があると南会津情報Webにはあったので探してみましたが、現在はなくなったのか見つかりませんでした。
養鱒公園駅からのr347
養鱒公園駅まで下り、そこから輪行と考えていましたが、全員湯野上温泉まで走るというので、会津鉄道に沿うr347を北上します。
道脇にもいい色の木々がたくさん。
塔のへつりの上の小さな峠
湯野上温泉まで上りはないと思っていたら思わぬ落とし穴が。
来るときは『塔のへつり』に寄ったので、その対岸のこちら側の道は通っていませんでした。帰りはその『塔のへつり』の上を行くので、ちょっとした峠があるのでした。わお~、最後にショック!
湯野上温泉近く
しかしなんとかその峠を乗り越え、見知ったところまでやってきました。やはり旅先とは言え、我が家に帰って来たような気分です。
いや~、良く走りました。素晴らしい紅葉でした。
夕日に染まる山
湯野上温泉郷の前の吊り橋を渡る頃には、宿の正面に見えた山が夕日に染まっていました。
宿の露天風呂で軽く汗を流し、楽しかった二日間を振り返ります。人出は多かったけれどやはり味わいがある大内宿、その上の市野峠からの紅葉に包まれた長~いダウンヒルは最高、百万年風化の『塔のへつり』もこの紅葉の時期が一番、真っ赤な紅葉が映えた静かな観音沼、360°山に囲まれた田んぼ道、、、なんにもないけれどたくさんある南会津でした。
加藤谷川の橋にて
余計なおまけ