海の日の三連休の最終日。鹿沢高原の朝は涼しく、快適です。
今日は今回の参加メンバーそれぞれが、それぞれの方法で帰途に着きます。
自前テントでキャンプしたプリンとベネデッタはテントを畳んで車に積み、なんちゃってキャンプのマージコとタキスキーは用具を返却し、空身で車に乗り込みます。
自転車組は、サリーナ、シンチェンゾー、サイダーの三人です。
自転車組が車組に見送られながら標高1,400mの鹿沢高原をあとにします。
この日の自転車組の予定は、まず地蔵峠(1,732m)まで上り、次いで湯の丸高峰林道に入り、昨日ハイキングした池の平( 2,060m)を通って車坂峠( 1,970m)に抜け、さらにチェリーパークラインを下って標高1,000m林道で軽井沢に抜け、横川に下るというものです。
ということで、鹿沢高原からは地蔵峠を目指してr94東御嬬恋線を上り出します。
出発時点の気温は24°Cで、まだ爽やかです。
ところが案の定、この気温はあっという間に上昇を始めます。
しかし、道横には涼しげな沢が流れ、気分を癒してくれます。
前方に池の平湿原の外輪山が見えてきました。これからあの山の頂上近くを通って進んで行くのです。
ここで私たちを、まずマージコの車が、次いでタキスキーの車が追い越して行きました。
鹿沢高原からのr94東御嬬恋線は、7〜8%の勾配で上って行きます。
『朝一でいきなりこの勾配はきついぜ〜』 と、ハヒハヒのサイダー。
『おいらはまだ行けるゼー』 と、やる気のシンチェンゾー。
ヘアピンカーブを一つ、二つと廻ると、前方の視界が開け、ぽっこりとした篭ノ登山(かごのとやま)が姿を現しました。
本日の最高地点はあの山のすぐ南に位置する池の平で、標高2,060mです。
二つ目のヘアピンカーブの先で勾配が弛み、道が広がっていて駐車スペースが作られていました。
ここまで来れば地蔵峠まではあとひと息です
駐車スペースのある直線を過ぎると再び勾配が上昇し、カーブが続きます。
このカーブをえっちらおっちら上っていくと、
右手には牛が放たれており、その先に二人用のリフトが見えるようになります。
ここは湯の丸高原です。
このリフトのすぐ先が群馬県と長野県の県境となる地蔵峠です。鹿沢高原から300mちょっと上りました。地蔵峠には四体のお地蔵様と十一面観音様がいらっしゃいます。
さて、予定ではこの先は湯の丸高峰林道で池の平へ向かうことになっていますが、すでに気温は27°Cまで上がっており、かなり暑さを感じるようになってきています。池の平から車坂峠に抜けたあと、チェリーパークラインでそのまま小諸に下るというBプランを検討しますが、これは地蔵峠から池の平までの上りがきつく、その先は車坂峠まで砂利道となります。
きつい上りイヤ、砂利道イヤ、というものありで、これは早々と却下。
そこで今回は無理をせず、ここから滋野に下り、しなの鉄道で軽井沢まで輪行して、さーっと横川まで下るCプランに変更です。
そうと決まればさっさと滋野に下りましょう。
サイダーが行き、シンチェンゾー、サリーナと続きます。
車坂峠から小諸に下るチェリーパークラインは眺望が素晴らしいのですが、こちら側のr94東御嬬恋線にはほとんど眺望がありません。
しかしこの道には、東御市新張(とうみしみはり)から嬬恋村の鹿沢温泉間の12kmの間、1町(109m)ごとに観音像が並んでおり、その総数は百体に及びます。これは百体観音石造町石と言うそうです。先ほど通った地蔵峠に置かれている十一面観音像はこの80番目のものです。
観音像を拝みながらヘアピンカーブを廻ってどんどん下って行きます。
ところが、とあるカーブでシンチェンゾーがパンクし転倒。幸いあまりスピードは出ていなかったので大事には至りませんでしたが、擦過傷を負ってしまいました。下りのパンク、怖いですからみなさんも注意してくださいね。
その後は慎重が上にも慎重を重ね、ゆっくり下って行きます。徐々に山が開けてきて周囲に田んぼが現れるようになると、正面にうっすらと山の裾野が見えてきます。あれは千曲川の向こう側の山の裾でしょう。
新張近くまで下って振り返れば、池の平湿原の縁にある三方ケ峰あたりが見えます。(TOP写真) このあたりになるとねっとりとした空気がまとわりつくようになり、気温も上がってきたようです。
新張の集落まで下ってきました。
この信号機がある交差点に、百体観音石造町石の第一番『如意輪観音』はあります。
まちに出たのでここでシンチェンゾーの手当てをすべく、薬局を探します。
別府の交差点にローソンがあったので、ここで消毒薬などがないか探してみることに。商品棚にはなさそうだったので店員さんに伺うと、どうしたのか聞かれ、事情を説明すると、店長らしき方が店の奥から薬箱を持ってきて手当てをしてくれたのでした。商品じゃないのでお代はタダ。ありがとうです。ローソン東部別府店さま。
まだ11時前だというのに、暑い! なんだかここから電車輪行してまた自転車を組み立てて、という気分になれなかったので、今日はこのあたりで上がってしまおうという話に。
で、小諸にはマンズワインの小諸ワイナリーがあるので、その見学を。
r79小諸上田線を東に向かえば、左手に三方ケ峰から高峰山あたりが見えます。
この山塊の一番右には浅間山があるはずなのですが、それは雲の中。
気温はあっという間に28°、29°、30°、31°Cと上っていきます。
r79小諸上田線を離れ小諸IC方面へ向かうと、下に小諸のまちが見えてきました。
この道の隣にはきれいな棚田が。
小諸ICの入口を横目に、さらに下って小諸ワイナリーに向かいます。
この時の気温はすでに34°C ! 今日はいったい何度まで上がるんだ〜
周囲がぶどう畑に変わると、その先にマンズワインの標識が掲げられた塔が見えてきました。
マンズワインは醤油で有名なキッコーマンのワインブランド名です。
なんとかマンズワインの小諸ワイナリーに到着です。北側のアプローチ道路を入ると道の両側がケヤキ並木になっていて、木陰を提供してくれています。
が、、、 あ、あつう〜〜 自転車を降りたとたんに汗がドバーッと吹き出します。
小諸ワイナリーでは無料で30分ほどの工場見学ができます。
まずはプロモーションビデオを見ます。これによるとマンズワインはここ以外に山梨県の勝沼にもワイナリーがあり、そちらは普及品を大量生産し、ここ小諸は高級品を少量生産しているそうです。
小諸でもソラリス・シリーズは特別で、国内産のぶどうのみを使い、その実を三分の一ほどにして濃縮させたものを手摘みしているそうです。
屋外には巨大タンクが並んでいます。この内部はガラスで覆われていて、衛生的な造りになっているとか。
このワイナリーが高級品のみを少量生産するようになってからは、このタンクはワイン用ではなく別の用途に転用されているそうです。
屋内には醸造や貯酒に使うタンクや樽が並んでいます。
樽には新樽と一空き樽という一度ワインを入れて空けた樽があり、ほとんどのワインはこれらを組合せて造られるそうです。
さらっと工場を見学したらエントランス奥のショップに入ります。この一角に試飲コーナーがあります。
ソラリス・シリーズは有料ですが、その他のものは無料で試飲できます。お酒を飲まない方などのために、酢やぶどうジュースも用意されています。
外にはぶどう畑があります。
日本でよく目にするそれは棚仕立ての食用ぶどう用のものですが、ワイン用はヨーロッパでは垣根方式で栽培されることがほとんどです。ここでは垣根を高くして、その上に雨除けを取り付けたレインカット栽培法という独自の栽培法が用いられています。
工場見学を終えたらワイナリーの二階にある眺めの良いレストランで昼食を。
少しまったりしたら、意を決して小諸駅に向かいます。外に出たとたんに汗がドバーッと吹き出します。気温はついに35°C! あっつぅ〜
下ってR141に入りました。こうして見るとここの地形が浅間山側から千曲川に向かって落っこちていくのが良く分かります。
この斜面がワインに適したぶどうを育てるのでしょう。
ろくに走っていないのに、汗だくでなんとか小諸駅前に到着です。
今日走るなんて無理、無謀というものです。あ〜、軽井沢に向かわなくてよかった〜
小諸駅の南には小諸城址懐古園がありますが、とてもこれ以上外にいる気になれず、これはパス。さっさと電車で帰ることにします。
さて、この帰りが問題です。新幹線の指定席は夜まで満席で、自由席も混雑が予想されます。そこでしなの鉄道で軽井沢に出て、新幹線に座れたらそのまま東京へ、混雑していたら高崎で普通列車に乗り換えることにしました。
実は小諸駅にはJRも乗り入れているので、佐久平に出た方が新幹線に座れる確率は高かったのですが、頭にはしなの鉄道→軽井沢の路線しか浮かばず、完全にJRの小海線を失念していました。
自転車を折り畳んで駅に入れば、ちょうどうまい具合に軽井沢行きの列車が出るところでした。これはラッキー。
ところが軽井沢では5秒の差で新幹線を逃し、30分待ちに。しかもすでに次の新幹線を待つ乗客がプラットフォームに並んでいます。バラけて並んだ方が座れる確率が高いだろうと、サイダーとサリーナは2号車、シンチェンゾーは3号車に並びました。サイダーとサリーナはなんとかぎりぎりで席をゲット。しかし通路には乗客がびっしりでシンチェンゾーの様子を伺うことはできません。あとで聞いたらシンチェンゾーは上野まで座れなかったそうな。今日はツキなしのシンチェンゾーでした。
今日はというか、この三連休はとても自転車で走れる気温ではありませんでした。しかしとにかく猛暑の都心を脱出し、高原で涼むという第一の目的は達成できました。真夏でも快適に自転車に乗れるところ、東京の近くに、ほしい〜〜