今日は朝から曇り空ですが、まだ雨は降っていません。
おいしい朝食をいただいた後、おかみさんに見送ってもらい、とても快適に過ごした宿を出発です。
まずは湖岸に出てみました。
昨日は時間が遅くて薄暗かったのでわかりませんでしたが、湖沿いは芝生の先が浜になっています。
十和田湖の西湖を介して対岸の外輪山を眺めます。
今日はあのあたりをえっさえっさと走り、十和田湖一周を目指す予定でした。しかし、午前11時から雨という天気予報のため、十和田湖一周はあきらめて昨日来た道を戻ることにしました。せめて対岸の景色を目に焼き付けましょう。
そうなると走行距離は30km程度。昨日はちょっと薄暗かったということで、時間もあるのでもう一度『乙女の像』を見に行くことにしました。桟橋の前を通り過ぎます。
湖岸のすぐ近くに浮かぶのは『恵比須大黒島』です。この島は、十和田火山の活動の際の中央火口丘溶岩が露出したものだそうです。
小さな赤い社が2つ見えますね。
そして再び『乙女の像』の前に到着です。
ここは御前ヶ浜の最も奥まったところ。こちらの湖岸近くにも小さな島があり、美しい十和田湖の眺めのアクセントになっています。(TOP写真)
乙女の像から脇道に入ると十和田神社に抜けることができます。そして杉並木を通って次の行程へと出発です。
休屋のR103沿いには民宿やホステルなどが並んでいます。
昨日は途中から湖側に入る瞰湖台経由の旧道を通ったのですが、今日はR103をそのまままっすぐ走ります。
というわけで上りは昨日よりは少ない。悠然と上っていくシロスキー。
しばらく上ると宇樽部トンネルに着きました。
延長1,145mのこのトンネルは2004年に竣工しました。結構長いトンネルですが、歩道が広いので安心です。
昨日リブボートで遊んだ宇樽部を通過し、R103は湖岸の雑木林を走っていきます。
その途中、湖側に鳥居があったので、立ち寄ってみることにしました。ここは松倉神社といいます。
鳥居の奥には狛犬に守られた小さな祠がありました。伝説では、八郎太郎という若者が龍となって十和田山頂に十和田湖をつくって住んでいたのですが、そこに諸国で修行を積んだ南祖坊が現れて八郎太郎に戦いを挑み、勝者となって十和田神社に祀られることになったとか。
それで、この松倉神社なのですが、『南祖坊をしたっていた松子という女性が、修行に出た南祖坊を追って松倉まで来て、茅茸の小屋を建て何年も南粗坊を待ったが、南祖坊が湖に入り主となったといううわさを聞き、自分も湖に身を投じた。後にそこに、女体のような形をした岩が出現したので、人々は松子を哀れみ、そこに祠を作って祀ったという伝説も残されています』(十和田湖国立公園協会HPより)とのこと。
松倉神社をあとに、湖岸をさらに北へ向かって走るシロスキーとサリーナ。
そして子ノ口に到着。
港では十和田湖遊覧船が観光客の乗船を待っていました。
子ノ口から見た十和田湖は、青空の昨日とは随分雰囲気が違います。
静かな湖面と残雪の外輪山は、北欧のフィヨルドを思わせる景観でした。
そしてここから子ノ口橋を渡って奥入瀬渓流へと入っていきます。
木々に囲まれた奥入瀬川は、今日は深緑色をしています。
「さあ出発するぞ〜」とシロスキー、サイダー。
橋から200mほど進んだところに『子ノ口の水門』があります。
奥入瀬渓流に流れ落ちる水は、実は「観光放流」という目的でこの水門でコントロールされているものだそうです。「そうだったんだ〜」と言いつつ水門の横を通り過ぎるサリーナ。
静かな遊歩道をゆっくり下りていくサイダーとサリーナ。
雑木林に囲まれた奥入瀬渓流は、勾配の緩いところでは穏やかに流れ、
そして段差のあるところでは、岩にぶつかり白い飛沫を上げながら勢いよく流れていきます。
「ヤッホ〜」はサイダーとサリーナ。R102に戻ったシロスキーが、遊歩道を進むサイダーとサリーナを激写。
その先には、奥入瀬川本流唯一の滝『銚子大滝』がありました。高さ7mの滝がゴウゴウと水音をあげて流れ落ちていきます。
そして、遊歩道は小さな木の橋で対岸へ渡ります。橋でちょっと小休止。
奥入瀬川は広がったり狭まったり、蛇行したりしながら流れていきます。
対岸をしばらく進むと『九段の滝』がありました。
黒光りしている段々の岩肌を伝って流れ落ちる落差10mほどの滝です。
川は岩の間を激しく流れ、
蛇行して渦を巻いています。
奥入瀬川に流れ落ちる滝が多いエリアに入ってきました。
これは『不老の滝』。落差80mで、細く長く落ち通年枯れることがないことから名付けられたとか。「ワシも不老だよ」とシロスキー。
人のいない遊歩道をちょっとだけ走るサイダー。
そして、『阿修羅の流れ』にやってきました。今日は天気予報のせいか観光客は少ないですが、ここだけは多くの人が集まる人気スポットです。
阿修羅の流れとジオポタの3人がそろい踏み。
点在する岩の間をゴウゴウと流れていく激流は、確かに迫力です。
さらに下っていくと、石ヶ戸休憩所に到着しました。ビジターセンターがあり、トイレをお借りしました。
このあたりの流れは比較的穏やかです。
『石ヶ戸』(いしけど)とは、石でできた小屋という意味だとか。その語源となったのがこれ。平たい大岩が桂の木に支えられ、岩小屋のように見えることから来ているそうです。
さてそろそろ11時に近く、ポツポツと雨が落ちてきました。天気予報の通りですね。渓谷を下りて焼山に向かいましょう。
焼山の奥入瀬渓流館に到着。11時過ぎとちょっと早めですが、ここで軽いお昼にしました。
ペペロンチーノを食べている間も、雨は降ったり止んだりです。天気予報を見るとこの後も止みそうにない。そんなわけで、奥入瀬渓流館で情報を得て、少し周辺を散策した後に温泉でまったりすることにしました。
奥入瀬渓流館の脇を川に向かって200mほど走ります。
この道路は、その奥にある東北電力の十和田発電所のためのものらしい。
奥入瀬川を渡る楓橋に到着。
周囲の木々は黄緑に芽吹いており、上流よりちょっと早く春が来ていることを感じます。
楓橋から奥入瀬川の上流方向を眺めます。
橋の名前の通りあたりにはカエデの木が多く、秋は見事は眺めでしょうね。
楓橋を渡ると、木道の遊歩道に出ます。
林の中をのんびり走るシロスキー。
ここは、奥入瀬川に北から蔦川が流れ込んで合流するところです。
蔦川に出ると、その先にうっすらと橋が見えてきました。
蔦川にかかる橋は、その名も『出合い橋』。蔦川と奥入瀬川との出合いだからってことでしょうね。
木造の吊り橋を渡るサリーナとシロスキー。
出合い橋から蔦川の下流方向を眺めると、奥入瀬川との合流地点が見えています。
蔦川の水はこの先、奥入瀬川となって左方向へ流れていきます。
出合い橋を渡り終えると、すぐに国道に出ます。
このR103は、北へ進むと八甲田山の横を通って青森に抜けており、明日の走る予定のルートに途中からつながっています。交通量もそれなりに多く、雨の中を車に注意しながら奥入瀬川に沿って800mほど走ると分岐点に出てきました。
分岐でR103を離れ、左手の市道を少し上ります。車道の横に『県道青森十和田湖自転車道線』という自転車道がありましたが、あまり使われていないようです。なお、翌日も八甲田山に上る途中この自転車道を見かけましたが、あとで調べてみたらこの先は階段が多かったり荒れているので、市道を走った方が良さそうです。
さて、市道を上っていくと十和田湖温泉郷に入り、奥入瀬渓流館で教えてもらった温泉施設『十和田市 市民の家』がありました。
温泉の料金は大人300円。時間はたっぷりあるのでゆっくり温泉に浸かりました。お風呂からあがって休憩室で待っていたサリーナとサイダーですが、なかなかシロスキーが来ません。おかしいな〜と探したら、2階の別の休憩室でお休みでした。そんな、休憩室がいくつかある施設です。
ゆっくりくつろいでいるうちに15時近くになったので、下って奥入瀬川の対岸にある本日の宿に向かいました。
宿の部屋でしばらくウダウダしたあと、お風呂へ。これが白濁のとてもいい温泉でした。先ほどの市民の家は単純泉だったのですが、泉質もいろいろあるようですね。
温泉のあとは夕食です。ニジマスの刺身(盛りがよい)と、裏山で採った山菜(うるい)、長芋、煮物などの前菜、これに山菜の天ぷらとせんべい汁がついてきます。前菜はお酒と一緒につまむのにピッタリ。思わず笑みがこぼれる3人。
せんべい汁は、せんべいを2~3に割って鍋に投入して3分ほどでいただきます。出汁は鶏肉と醤油ベース、きのこやゴボウ、ニンジンなどが入っていてとても美味しい。
この宿『南部屋』、とてもリーズナブルで何と2食付き5,800円(ただし暖房を使うと+200円)。同席した方々とも旅の話で盛り上がり、とても楽しい夕食となりました。
さて、明日の天気予報は曇りか雨か微妙です。八甲田山アタックできるでしょうか。
温泉民宿『南部屋』(切り絵制作:シロスキー)
◆ひとこと by サリーナ
ジオポタでの青森は6年前の津軽半島に続いて二度目、今年は東側を走るとのこと。東北の景色や食べ物を楽しみに、前半の5日間に参加することにしました。
気温4度で雨模様、地元の方に聞いても珍しいという極寒の初日にはビックリでしたが、2日目と3日目は快晴で、小川原湖や奥入瀬、十和田湖と八甲田山の素晴らしい景色が楽しめました。4・5日目は途中で雨もありましたが、八甲田山の脇を抜ける美しいブナ林と雪の回廊もよかった。
そして、何といっても美味しい海の幸、山の幸と温泉です。特に3日目と4日目の温泉民宿2軒は、経営は大丈夫かと心配になるようなリーズナブルな宿で、心づくしの美味しい料理と温泉を満喫させていただきました。
また温泉と言えば、もちろん八甲田ルートを上りきったところにある酸ヶ湯。有名な混浴の千人風呂はパスしましたが、女性用の『玉の湯』でゆるりと白濁の硫黄泉に浸かり、とろけそうに良かったです。やっぱり温泉は硫黄泉ですねえ。