昼過ぎまで晴れの予報が外れ、空は朝からどんよりした雲に覆われています。この天気では今日は残念ながら富士山の姿は見られなさそうです。
天気の進行が予想より少し早くなっているようなので、私たちの時計も少し早める必要がありそうです。
朝食は伊勢エビのみそ汁付きでリッチ。ごはんをお替わりして完全完食、満腹なり!
今日は土肥温泉(といおんせん)から海岸道のr17沼津土肥線で西海岸を北上し、北海岸に出たらこれを東進、長浜から山道で修善寺に向かいます。
土肥漁港のすぐ前にある宿を予定より20分早い8時10分に出発。
標高ほぼ0mからの出発なので、最初は当然上り。というか、今日は一日アップダウンの繰り返しなのです。
土肥を出るとすぐ旅人岬があるのですが、ここには昨日立ち寄っているので今日は横目に見るだけにして先へ進みます。
小土肥大川(おどい おおかわ)が流れ込む小土肥には狭いながらも平地ができており、田んぼが築かれています。
山がちな伊豆の海岸には平地がほとんどなく、あってもどこもこれくらいの広さです。
小土肥から本格的な上りが始まります。
西伊豆の海岸道の標高は最高でも250mほどですが、最低は海の0mで、これが順繰りに繰り返されますから、なかなかきついです。
高度を上げると小土肥と土肥の入江、そしてそのうしろに迫る山並みが見え出します。
どうですこの山並み。海岸道はいつでも海際を通れるわけではないですから、あの山の腹を上ったり下ったりするのです。
『最初からきついわね〜』と、うめくサリーナ。
『おいらはまだまだ行けるよ〜っ!』と、余裕のシュンシュン。
この海岸道の特徴の一つはヘアピンカーブが多いということです。それだけ勾配がきついということで、いきなりアヘアヘ状態。
えっこらよっこら上ってようやく最初のピークをクリア。この標高は170mでした。
上ったら下るもの。舟山までちょっと下ってまた上り。
ヘアピンカーブを一つ、二つ廻ると先に東屋が見えてきました。どうやらあそこに展望所があるようです。
ここは標高235mの『碧の丘(みどりのおか)』。
天気がよければ土肥や堂ヶ島が見えるそうですが、この日はちょっと残念。しかし入り組んだ海岸線はなかなか美しいです。(TOP写真)
碧の丘から本日の最高地点である標高250mまで上り、そのあとは御浜(みはま)までグワーッと下ります。
下に砂嘴(さし)の御浜岬が見えてきました。美しい穏やかなカーブを描いた砂浜が見えます。
御浜岬の先端に向かいます。サイダーは土手上を、他の3人は土手下の道を選択。
御浜岬の内側に廻り込むとそこは小舟ヶ浜で諸口神社の朱色の鳥居が立っています。
ここはひっそりとした良いところです。
小舟ヶ浜の対岸は戸田(へだ)で、湾は戸田港。
港と山と浜の関係がいい感じでとっても気分良し。
小舟ヶ浜から続くビーチの内側は松林で、この中に素敵な小径が通っているので帰りはこれを使いました。
アスリートなシンチェンゾーもこんなところはのんびり楽しそう。
海岸道に出て戸田港をぐるりと廻り、反対側から御浜岬を眺めてみました。
こちらからの眺めでも御浜岬はどこか優雅です。
標高0mに落っこちた私たちは戸田からは当然上り。またもやえっちらおっちらを始めます。
この上りの途中に御浜岬を見下ろす眺望ポイントが何ヶ所かあります。
最初は歯医者さんの横のカーブ、次は東屋がある『夕映えの丘』。
そしてこの写真の突き当たりにある『出逢い岬』です。
出逢い岬からは戸田のまちもよく見えます。
天気が良ければ御前崎や富士山の眺望もあるのですが、この日の富士山は富士山雲の中。
出逢い岬からちょっと上ったら井田への下りが始まります。
この下りの途中にあるのが『煌めきの丘』。
相変わらず駿河湾の向こう側には富士山雲があります。そして写真には写りませんでしたが、西には三保の松原がうっすらと見えていました。
ここからは下に井田の集落が見えます。
そしてその先には切り立った崖! このあとすぐに、あそこを上らなければなりません。
ともかく井田にグワ〜ンと下ります。もちろんそこからはまた、えっこらよっこらです。
井田トンネルまで上ってこれを抜けたら、今度は大瀬崎(おせざき)に下ります。
大瀬崎は御浜岬に似た駿河湾に突き出した岬で、ビャクシン樹林に囲まれた淡水の神池があります。
下って大瀬崎の先端まで行くつもりにしていたのですが、天気予報によると14時から雨がパラつきそうなので、ここは寄らずに先を急ぐことにします。
ほどなく鷲頭山(わしずやま)を始めとする沼津アルプスが見えてきます。
この山並みはなんとも不思議な形をしていますね。
大瀬崎から先は伊豆半島の北海岸に入ります。西海岸と違ってこの北海岸にはほとんどアップダウンがありません。
駿河湾の向こうにはずっと愛鷹山(あしたかやま)が見えています。
あの愛鷹山は富士山の前山で、左にうっすら富士山の裾野が見えます。
沼津アルプスが大きくなってきました。今日のお山は愛鷹山かこの沼津アルプスですね。
時は正午。この先の平沢港に食堂があるので、そこで昼食と決定。
二軒並んだ食堂のうち鯛丼のやま弥は行列だったので、その隣の貝殻亭にしました。頭が鯛になっていたのでここは鯛の西京焼を。
うしろは鯛の魚拓でなんとその大きさは92cm! びっくり〜
平沢港のすぐ東には『らららサンビーチ』があります。ここは海水浴と磯遊びが同時にできる人工の施設です。浜は伊豆には珍しい綺麗な白い砂浜です。
ここで空からパラッときました。まだ13時なのに。改訂された天気予報よりさらに早まっています。こりゃあ、ちーとばかし急がなあかん。
『さあ、脚を回して回して!』と、ハッパをかけるシンチェンゾー。
しかし、笛吹けど踊らないのがジオポタでした。
内浦湾の西に飛び出た長井崎を廻って、
重須(おもす)のヨットハーバーを眺めたら、ここから修善寺へ向かいます。
修善寺までは、ノーマルには沼津から伊豆長岡方面へ抜けて狩野川沿いを行くと思いますが、これは距離が少し長いのと、あまり面白そうに感じなかったので、ここからは山に向かいます。
重須に流れ込む陰野川には支流が三本あり、それぞれに道が付いています。この三本の道は最終的には合流し、熊坂に抜けます。この三本のうちの一つを使いますが、今回は緊急企画で充分に地図を読んでいなかったので、どれが適当か良くわかりません。空からの粒も気になり、ここで精査している暇はないので、エイヤーっと一番東の線を行くことに。
念のため道の入口付近の民家で修善寺方面に通り抜けられるかどうか聞いたところ、勾配はかなりきついが通り抜けられるとのことでした。
さて、この道は吉と出るか凶と出るか。ともかく走り出すと、聞いた通りに序盤からかなりの勾配で、即アヘアヘです。
なんとかえっちらおっちらするも、後半は押しに。ここが本日最強の坂でした。伊豆長岡を廻った方が早かったかな・・・
しかし頂上付近は勾配が穏やかになり、なんとか乗車してピークをパス。ところが雨が少し強くなってきました。おいおい!
ともかくきつーい上りをなんとかこなしました。これより下りです。
ちょっと下るとT字路にぶつかりました。この道が例の重須から来る道です。あとで地図をよく見れば、他の二本の方が楽だったようです。失敗だった〜(笑)
針葉樹林を抜けると楓がいい色になっています。どうやら修善寺の紅葉は期待できそうです。
お天気もなんとか持ちそうですし。
熊坂に下って山田川を渡ります。
この山田川の向こうには小高い山があり、その腹を一筋の白い線が斜めに延びているのが見えます。
修善寺はあの山の向こう側で、白い線はその修善寺に続く道でした。
山の中からいきなり二車線の道に出ると、なんだか感覚がおかしくなります。一気に現実界に引き戻されたような感じというのか。
この道の勾配は先ほどの山道よりはずっと穏やかなのですが、気分的には車が通るせいかあまり楽ではありません。
標高130mです。だいぶ上ってきました。下に熊坂が見えます。あそこが30mですから100m上りました。
しかしこの最後の上りのピークは標高230mですから、まだ半分残っています。
わっせわっせと上っていくと、なんだか勾配が落ち着いてきました。先は下っています。やった、ピークだ! と思ったら、その先に上りが。ショック!
そしてなんとここで雨が本降りに。Wショック!!
最後の力を振り絞ってヨロヨロと上って行きます。緩い大きなカーブを廻って行くと再び勾配が穏やかになりました。今度こそピークか、と思われしも、ほぼフラットになった先はまたまた上り。いったいこの上り、いつまで続くんだ〜、と心の叫び!
雨が強くなってきました。本気でヨロヨロし出した頃、ようやく真のピークに到着したようです。
さ、とにかく先を急ごう、と下りに入ります。次のT字路を修善寺自然公園方面へ向かうサイダーに後ろから声が掛かりました。他の面々はもみじ林の紅葉狩りは止めにして下りたいといいます。3対1でサイダーの負け。
さらに修善寺の街中も止めて駅に直行したいと。しかしこれはサイダーが粘って、軽く一回りすることにしました。
桂川の畔にある修善寺のシンボル『独鈷の湯』は現在は入浴禁止になっているようでした。
この独鈷の湯から桂川の上流に遊歩道が設えられており、その周囲は楓がいい感じです。
しかしここまででヘロヘロな面々の顔は紅葉とは無関係に、引きつったままなのでした。
修善寺といえばの竹林!
にっこりともせぬ面々。。
楓橋の一本下流に架かる桂橋からの眺め。
まだ青い木もありますが、ちょうど良い頃合いでしょう。
そこに人力車に乗った若いカップルがやってきました。雨の中の人力車、なかなか乙です。
絶好調!
修善寺の街と駅とはちょっと離れており、これを繋ぐ道は狭くていつでも混雑しています。特にこの日は紅葉シーズンに加えて雨なので、なおさらなのでしょう。注意して慎重に駅まで移動しました。
昨日見た狩野川の流れが見えるとほっとします。
ずぶぬれで修善寺駅に到着。早く着替えろ〜、風邪引くぞ〜〜
そそくさと身支度を整えたら身体の中を温めに行きます。温泉もいいですが、これから帰らなくちゃならないからそれを飛ばして〆です。
今日はお天気がいま一つで富士山が眺められなかったのは残念ですが、ジェットコースター並みのアップダウンと山中細道が楽しめたし、修善寺の紅葉もまずまずでしたから良しとしましょう。
伊豆箱根鉄道駿豆線に乗る前にコンビニに入ったら、夕べ民宿で出していただいたお酒があったのでお土産にしました。それが東京まであったかどうかは・・・