街全体がイチバ! 魅惑のハノイ旧市街
昨夜サイダーとサリーナはハロン湾から、ナオボーとチューボーは日本からハノイにやってきて、無事合流しました。今日は4人でハノイ散策です。
世の中はインターネットの普及でずいぶん便利になり、日本では手に入り難い情報も簡単に手に入るようになりました。今回の旅の宿はインターネットで見つけたのですが、Webペイジと現実の差はだいぶ大きかったです。まあ、こんなこともありますね。(笑)
さて、朝食においしいライスヌードルのフォーをいただいたら、さっそく街歩きに出かけましょう。
ハノイのほとんどの建物は間口が極端に狭いです。4〜5mしかないものもざらにあります。これは建物の間口に応じて税金が決まるからだそうで、庶民は少しでもそれを安くするために間口を限界まで狭くしていったのでしょう。
昔は建物を高層化するのは難しかったですから、せいぜい2階あるいは3階建だったろうと思いますが、最近のものは5階建まであるようです。
そのためスカイラインは凸凹。ここはフランスの影響を受けなかったと見えます。
面白いことに、街中の建物は庇や張り出しテントで簡単なアーケードを作っているものが多いです。
これはその下で店を開いたり、作業をしたりするためのもののようです。
これはそんなところの下で開いている魚屋さん。
笊に入れられた小魚を真剣に選んでいる客がいました。
こちらはサトウキビ売りでしょうか。ただいま店開きの準備中のようです。
私たちの宿はハノイ観光の中心と言ってもよいホアンキエム湖の南数百mのところにあるので、まずホアンキエム湖へ向かうことにしました。
ホアンキエム湖の北側が旧市街なのに対しこのあたりは比較的新しい街のようで、広い道に大きな街路樹が並んでいます。フランス統治時代に開発されたのかもしれません。
ベトナムは社会主義国ですね。
通りを横切る赤いバナーには何が書いてあるのかはわかりませんが、この色使いには社会主義を思わせるものがあります。政治スローガンでしょうか。
ここに来て立派な建物が出てきました。
私たちの宿のあたりの建物は庶民的な間口が狭いものがほとんどでしたが、これらはフランス統治時代のものでしょうか。
目抜き通りのチャンテシエン通りを渡ると、目的のホアンキエム湖です。
ホアンキエム湖は、黎朝の初代皇帝が湖に棲む亀から授かった剣によって明軍との戦いに勝利したという伝説の場所だそうです。
ここは首都の中の観光の中心の湖なので、とてもきれいに整備されています。
その中にこんなコブの木がありました。いったいなんという木でしょうか。
ホアンキエム湖に浮かぶ中之島には王山祠があります。
このお寺の創建は13世紀で、元を撃退した英雄などが祀られています。また20世紀にこの湖で捕えられた体長2mの亀の剥製もあります。これが先ほどの伝説の亀?
ホアンキエム湖の畔では水上人形劇を見なければならないようです。このチケットはかなりの人気で、運良くキャンセルが出たのでゲットできました。この公演は夕方なのでまたあとで。
この木なんの木気になる木、ガジュマルとかそんなものでしょうか。
ホアンキエム湖の次はその北に広がる旧市街に足を踏み入れます。
ここはハノイの核心部と言っていいところでしょう。屋外、半屋内(テントや庇下)、屋内と、あらゆるところであらゆるものが売られています。街全体が市場です。
まずは八百屋。日本で見るのと全く同じものもあれば、見なれないものもたくさんあります。
とにかく香草などハーブ類が豊富なのに驚きます。
四角いのは固めの豆腐でしょうか。豆腐は大豆から作られるので八百屋に置いてあるのかな?
その右のパイナップルは皮付きのものとそれをきれいに剥いたものとがあります。この皮剥きはとても器用ですね。
肉屋の中には半分獣の姿のものがぶら下がっているところもありますが、この店はここで解体するわけではないようで、きれいに処理されたものが並べられています。
肉は肉でもこれは犬でしょう。頭とお尻が見えます。
ベトナムやラオスでは犬の肉を食べる文化があり、この近くの西湖の北のホン川(紅河)沿いには犬肉食堂が並んでいて、かなりの人気だそうです。
この魚屋は種類が少ないですね。手前の赤い器に入っているのは西湖で捕れるタニシでしょう。
西湖では雷魚も捕れるというので、大きいのはそれかな。
この街区は仮設の屋根だけの吹きさらしの店が並んでいます。
ベトナムは南国ですがハノイの冬は結構寒いので、風が吹くとちょっと辛いかも。でも旧市街はどこも熱気で溢れています。
穀物屋でしょうか。
手前は米ですが、奥の袋に入ったものは何だったかな。
手前は漬け物屋、その先は食器屋。
こんなところを自転車が通るのは当たり前。時々モーターバイクがガーッっとやって来ることがあるので要注意です。
ほとんど同じものを並べた八百屋が二軒。
おばさんもほぼ同じ。でもこれは売り物ではありません。(笑)
このあたりの旧市街は11世紀に都が置かれて以来栄えてきた場所だそうです。
この建物はだいぶ草臥れてはいますがフランス統治時代のものでしょう。ベトナムは20世紀半ばまでフランスの植民地だったので、その時代の建物が少し残っています。それらのほとんどは公共や大型のものですが、僅かながら住宅規模のものもあるようです。
その横にこんなふうに市場がずっと奥まで続いています。
市場の上の建物も面白いです。バラックだ、いやいやバロックですかね。
鶏屋。肉ではなく生きたまま売っています。
買い物に疲れたらライスヌードルのフォーをどうぞ。ここでは鶏肉のフォー・ガー(phở gà)だけのようですが、牛肉のフォー・ボー(phở bò)もあります。ちなみにフォーはラーメンのようにすすったり、器に口を付けて食べるのはマナー違反とされ、レンゲに具や麺を載せて食べるものだそうです。
この店の看板にあるブン(Bún)は本来はビーフンに当たるものを指す言葉ですが、ここではハノイ発祥とされるつけ麺のブン・チャー(Bún chả)ことでしょう。これは酸味の効いたヌクマムのたれに麺を浸して食べます。ご当地ではフォーよりこのブンを食べる方が多いようです。
ストーブのようなものの前にしゃがみ込んでなにかしているこのおじさん、一体何をしているのかなと思って近づいて行くと、なんだかいい匂いがしてきます。なんとここで焼き鳥を作っているのでした。
このストーブは可搬形なのです。オッドロキー!
ハノイの旧市街はどこでも人でいっぱい。
モーターバイクと自転車と人でぐちゃぐちゃ。
ベトナムは歴史的に中国の影響を受けているのでハンコの文化があるようです。
ベトナムの人々はノンラー(Nón tơi)という笠を被った人を良く見掛けます。ノン(Nón)は笠で、ラー(tơi)は葉っぱ、つまり『葉っぱの笠』です。これはラタニアという木の葉で作られていて、中部のフエ産のものが品質が良いそうです。
この日は曇りで日差しはなく、雨も降らなそうですが、かなり多くの方が被っています。保温のためでしょうか。
後ろ姿ですが、自転車タクシーのシクロ(Xich Lo)が行きます。
自転車タクシーは特に東南アジアに多く、座席が前にあるタイプと後ろにあるタイプがありますが、ベトナムは前です。この方が景色がよく見え気分は良いのですが、慣れないとちょっと怖いかも。
道端や公園で良く見掛けるものに将棋があります。
ここではコー・トゥオン(cờ tướng)と呼ばれますが、これは日本のそれとは異なり中国のシャンチー(象棋)と同じもののようです。
こちらはお金を取って将棋をする場所を提供するところ。碁会所とは言うけれど将棋会所とも言う? 雀荘だから将棋荘か。
手前のおじさんが店番のようで、ただボーっとしているのも何なんで、店先でお菓子を売っています。
ハノイは市場も面白いですが、道行く人々を見るのも面白いです。特に交差点は四方から人々がやってくるので、ごちゃごちゃぐちゃぐちゃです。
モーターバイクに自転車、荷物をいっぱい持った人、天秤棒を担ぐ農民。
これは花売り、というより蘭屋さんでしょうか。前にも後ろにもたくさん蘭を積んでいます。
自転車も年期が入っていてかっこいい!
街中はとにかく自転車とバイクだらけ。
スープでしょうか、とにかくこれは暖かいもので、湯気が立っています。
見ての通りの苺売り。けっこう大きくて立派です。
天秤棒は竹を割ったものです。ボヨンボヨンしそうですが、肩への当たりは柔らかいでしょうね。
花輪が出ていたので新装開店かと思いきや、これはお葬式でした。
よく見れば花輪もテントもそして人々の衣装もなんとなく地味です。
ここでは路上で煮炊きするのは当たり前。麺のブン屋さん。先の店はフォーも売っていましたがここはブンだけのようです。
湯気と煙が混じっていい感じ。
天ぷらも路上で揚げます。ここではカボチャとバナナを揚げて売っていました。バナナは日本では揚げませんね。でもこれ、ほんのり甘くておいしい!
横のスツールは食べるところです。軽量で持ち運びしやすく、市場のような狭いところでも使いやすい、こんな低いスツールが便利なのでしょう。
ハノイには屋内の市場ももちろんあります。これはハノイ最大の市場であるドンスアン市場。なんでも揃っていて、観光客が喜びそうな土産物になりそうなものもたくさんあります。
まあしかし、土産物に用がなければ、この周囲に広がる半屋外の市場の方が見て廻るにはずっと面白いです。
ついでにここでハンザ市場も紹介しておきます。
こちらはドンスアン市場よりローカル色が強く、一階は食料品と雑貨、二階は衣料品なのですが、この衣料品はどうみても古着というものが多いのに驚き。
リサイクルは良いことですね。
ここは中華のおめでたいもの街。にぎやかな飾りものがぎっしりのお店が延々と続きます。写真の中央部に見えるハングル文字みたいなものは漢字の『喜』だそうです。
そうそう、ベトナムでは新暦の正月より『テト』と呼ばれる旧正月の方が賑やかで、この時期はここにお客はいませんでした。一ヶ月後には賑わっていることでしょう。
さて、旧市街のお昼はここ『チャーカーラボン』。地元の人も観光客もたくさんいて、とにかく満員。雷魚の店です。
座れば黙っていても料理が出て来ます。なんとメニューは1種類だけなのです。特殊なタレに雷魚の切り身が入った鍋が出てきます。そこにいろいろな野菜(草?)を加えて煮ます。
驚いたことに、ビールのつまみに出て来たピーナッツも入れろと店員が言います。どうやらピーナッツはビールのつまみじゃなかったみたい! ビーフンのような麺といっしょにいただきます。あっさりした雷魚、こってりしたタレ、風味豊かな草が絶妙のコンビネーションです。
昼食後も散策は続きます。陶器なども売っている店の軒先に変わったものがぶら下げられていました。
お面のようですが、よく見るとこれは笊です。日本では笠に絵を描いたものを見ることはありますが、笊は見たことないですね。お祭りの時にでも農民がこれを持ってダンスするのかな?
ダンスには楽器が付きもの。民族楽器店を発見。
ここはなかなか面白いです。日本の琵琶や琴にそっくりなものもあれば、竹でできたマリンバのようなものも。
どれどれちょっと試してみようか、と胡弓を手にするサイダー。
丁寧に奏き方を教えてくれるお姉さんなのですが、キーキーとかシューシューとしか音が出ません。見た目よりむずかしいね〜、とはサイダーの弁。あたりまえだ!
今度は金物街。
昔懐かしいブリキ細工のお店が連なります。箱ものからバケツ、台所の換気扇のフードまでなんでもあり。
ここでは店の前の道が実演工房です。というか、ここでただ作業をしているだけですが。
大きな板から簡単なケガキだけでジョキジョキと鋏で自在に形を切り出す職人。写真は台所のレンジフードのダクトを繋ぐ部分を作っています。なんと丸い穴まで手作りなんだよ! 丸を切り出し終えた瞬間、思わず拍手する4人でした。
作業で小腹が空いたら、こちらでおいしいものでも召し上がれ。
といってもこれ、何を作っているのかよくわかりません。手前の鍋にはスープが入っていて、まな板の上では肉を削いでいるのですが。
デザートにはぜひ果物を。
おばさんの横の大きなトゲトゲのものは匂いがすごいことで有名なドリアン。これをホテルに持ち込むと怒られますよ。
ハノイには小鳥を鑑賞する文化があります。
メジロが圧倒的に多くカナリアもいますが、茶色のちょうど雀くらいの大きさのものも。これは何という鳥かな。
ひょえ〜〜