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ツール・ド・ピレネー 8

大西洋から地中海へ

第8ステージ Sainte-Marie-de-Campan ~ Arreau
開催日 2008.08.08(金)晴れのち曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 30km

アスパン峠へ向かうサリーナと牛
アスパン峠へ向かうサリーナと牛

コース紹介

サン・マリー・ドゥ・カンパンから湖のあるパヨーユを経て、一級のアスパン峠を越え、川のある美しい街アロウまで。


第8ステージ:サン・マリー・ドゥ・カンパン(840m) ~ アロウ(712m) 30km

 峠:アスパン峠(1級 1,489 m)

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サン・マリー・ド・カンパンの朝サン・マリー・ドゥ・カンパンの朝

昨日までに旅の前半の山場、マリー・ブランク峠、オービスク峠、ツールマレー峠といった難所をどうにかこなした私たちの今日は、予定では休養日。 しかし昨日はその宿泊予定地のパヨーユまで辿り着かなかったので、まずはそこまで移動です。 パヨーユまではわずか8kmほどなので朝はのんびりとホテルで朝食をとり、10時少し前に街を出ました。

いきなり8%通行可の標識

街の出口には昨日のツールマレー峠の案内と同じく、アスパン峠通行可、パヨーユまで通行可の標示がありました。 峠の入り口になる町にはこういった標識が必ずあります。 この時は今日越える予定ではなかったのですが、アスパン峠までは13kmで標高差650m、平均斜度5%です。

やはり上りやはり上り

勾配は緩いものの上りです。 アスパン峠もサイクリストには有名な峠なので、レーサーたちが結構走っています。 いつものように、どんどん追い越されていきます。

元気回復?のサリーナ元気回復?のサリーナ

『今日は湖でリゾートね!』 と元気なサリーナ。 昨日までは7~8%だった斜度も今日は4~5%と穏やかなので、かなり楽です。 でも本当はまだ足とおしりがちょっと痛いのでした。

パヨーユ到着パヨーユ到着

小一時間でパヨーユに到着です。 ここには湖や川があり、キャンプ場があり、アウトドアスポーツの拠点になっています。 通りからちょっと入るとキオスクのような店がいくつも並んでいます。 土産物屋だったり釣り具を売っている店だったり。 観光案内所は見当たらないので、蜂蜜を売っているおじさんにこのへんにホテルがないかどうか聞いてみました。 すると、『ないよ。』 とのこと。

湖へ向かう湖へ向かう

ここには一軒ホテルがあるとの情報があったのですが、実はすこし不安があったところです。 ともかく、湖のほうになにかあるかもしれないと思ってそちらに向かいます。 『センターあっち』の標識に従えば、道は湖から離れ山の上の方へと進みます。 あれ~、おかしいな。 と思っていると道は急にUターンしてどんどん下って湖に出ました。 な~んだ、標識は車用の案内だったのね。

湖ではカヌー遊びや釣りを楽しんでいる人たちがたくさんいて、ほとりにはコテージのようなものが並んでいます。 ホテルとは少し違うようだが部屋貸しをしているようなので、管理棟に行って訪ねてみました。 しかし、

『残念だけど満室よ。 どこから来たの? 日本人、そう、じゃあ、あなたたちはパヨーユに来た初めての日本人よ。』 とちょっとびっくりしていました。

パラグライダーのフィールドパラグライダーのフィールド

こうして湖沿いに宿が確保できなかった私たちは、リゾート休養は諦め、アスパン峠を越えてアロウに向かうことにしました。 明日、アスパン峠とペイルスール峠を越える予定でしたが、一日で2つの一級の峠越えはちょっときついかも、と思ったので、今日のうちにその一つを越えることにしたのです。

パヨーユを出るといきなり激坂が始まりました。 アスパン峠まではあと5km、この1kmの平均斜度は9%です。 その道の脇ではパラグライダーの離陸訓練をやっています。

上るサリーナ上るサリーナ

朝ゆっくりしたからか、今朝は快調なサリーナが林の中のつづら折れの道をもくもくと上ります。 この道、そこそこ交通量があるのですが、峠まであと2kmくらいのところで車道のすぐ脇の崖っぷちで昼寝をしている牛が数頭。 車は牛を引かないように、大きくオーバーハングして通って行きます。 しかしサリーナは牛の脇をギリギリに!(TOP写真参照) ピレネーは気候がよく、おそらく自然の牧草がたくさんあるからでしょう、どこにでも牛と羊が放牧されています。 優雅に草を食む牛を眺めながら走ると、こちらの心もゆったりしますね。 でもこれは近すぎでちょっとドキドキ。

見えた!見えた!

『アレアレアレ』 峠から下ってくるサイクリスト達は大抵こう私たちに声を掛けて行きます。 『ゆけゆけ行け!』 ってことですが、まあガンバッテねっていう挨拶みたいなもの。 次々にこんな声援を受けるとうれしいですね。

朝は青空だったのに、いつの間にかその空は雲に覆われていました。 その雲の少し明るいところがアスパン峠です。

アスパン峠到着!アスパン峠到着!

5kmを一度も休むことなく峠に辿り着いたサリーナ。

『ヤッター、アスパン峠登頂成功!』

380mくらいを上るのにちょうど1時間かかっています。 この峠、昨日までの超級の峠とはすいぶん違い、距離も短いのでわりとあっさり上れたという印象です。

休憩中のサイダー休憩中のサイダー

頂上には結構な数の車が停まっていました。 ここはサイクリストと観光客とが同数くらいです。 超級の峠と違ってカフェやレストランはないので、草むらに座り込んで休憩。 ロードレーサーに乗る親子が私たちの自転車を観察して、しきりに話しかけてきます。

『どこから来たんだ、お~日本からか、走ってきたのか?』

『いやいや、飛行機で来たんだ。』

『そうか、ここを上ってきたのか? ちっこいタイヤだからいっぱい漕がなくちゃならなくて大変だろう?』

『そんなことないよ、ギアがあるから大丈夫だよ。』

『お~、そういやでっかいギア付けているな。フムフム。』

とこんな調子の会話が続きました。

アロウ方面を見下ろすアロウ方面を見下ろす

頂上からアロウ方面を見るとこんな感じです。 昨日までと違って、鋭い岩肌を見せる山々はなく、草原か深い緑に覆われています。 そして、谷の道沿いには小さな村々の家並みも見えました。

下り下り

下りの始まり! ツール・ド・フランスのでしょうか、下りの路面には白いペイントがたくさん。 1人ずつ、選手の名前がいくつも繰り返しペイントされています。 イサシ、サストレ、ペレイロ、バルベルデ… あれ? みんなスペイン人ですね。

崖の草花崖の草花

足元には野花が咲き競っています。 勾配は上り同様に4~5%なので、あまり不安なく壮快に下れました。

慎重に下る慎重に下る

とは言っても右側は崖でガードレールはないので、慎重に下ります。 私たちの脇を峠で出会ったあのロードレーサーを駆る親子が、矢のように飛んで追い越して行きました。 豪快な下りが続きますが、曇り空にずっと下りで寒い寒い!

アロウに到着アロウに到着

ヘアピンカーブもいくつか越えて、ほぼ平坦になるとアロウの町に入りました。 ここは少し大きめの街で、ホテルもいくつかあったはずです。 橋をわたってすぐ、1階にテラスレストランのあるホテルを見つけ、そこに泊まることにしました。

川が流れる美しいアロウの街川が流れる美しいアロウの街

真ん中を川が流れるこのアロウは中世からの街のようで、天然スレートの屋根が美しい街です。 教会まで続く道沿いには、古い街並みの中に商店が建ち並び、観光客もいて結構にぎわっています。

買い食い買い食い

1時前に街に着いたので、ゆっくり昼食をとった後、街の散策に出ました。 古い教会などを巡りぶらぶらしていると、店先のお兄さんが陽気に声を掛けてきます。

『やあやあ、このチーズとってもおいしいよ、ひとつどうぞ。』

つまんでみると本当においしい。 さすがフランス、チーズの国。 どうりでそこらじゅうに牛がいるわけだ。

サン・マリー・ド・カンパン夕食

今回の旅でちょっと困ったのは食事ですね。 まあ困ったというほどでもないのですが、まず朝早く出発するので、ホテルで朝食はとれない。 そして山の中なので村が少なく、朝飯にしろ昼飯にしろどこで食べるかがむずかしい。 レストランに入れば入ったで、ボリューム満点過ぎ。 ということで、私たちの日常はこんなことをしました。

朝食は、パン、ハム、チーズ、トマトなどを前日に買い、部屋でサンドイッチにして食べる。

昼食は、基本的には14時くらいまでに全行程を終え、宿泊地に到着してから食べる。 途中に適当な村があれば、そこでとることもありますが。

夕食は、その時のお腹次第のところもありますが、適当な総菜を買ってきて部屋で食べることが多い。 フランスでは肉屋で総菜を売っているんですね。 昼夜ともレストランだと、多少はメニューが違うと言えど飽きてしまいますから。 スペインではバルで簡単に済ませることもあります。

そうそう、レストランで普通に2人前注文するととても食べきれないので、前菜を1~2品とメインを1品という頼み方をする。 高級なレストランでなければこの注文のしかたでも問題なく、2人でシェアするからね、と言えばお皿を2枚出してくれます。

今日の夕食は総菜コース、オリーブ、ハム、チーズ、いわしのマリネ、マッシュルームのトマトソースあえでした。

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