セニョーラ・ダ・ペネダ
ペネダ・ジェレス国立公園の聖地、セニョーラ・ダ・ペネダの朝は清々しく気持ちいい。
気温は23°Cとこれまでよりずいぶん高く、今日は暑くなりそうです。
これから進む谷
今日はいよいよ国立公園の山を下ります。チェックアウトの時、私たちがまずソアージョに行くというと、ホテルの方が、『それは大変、ここからしばらくはきつい上りですよ。』といいます。
え〜、ここからずっと下りじゃあないの。
谷沿いを下る
行く手にはずっと谷が続いており、道はまず下りで、ここはきれいな松林。
谷をぐるりと廻る
この松林の中を2kmほど下ると、先の視界が開け集落が見え始めます。あれはどうやらロウサスという村のようです。
その向こうにはきれいな山並みが続きます。ペネダ山脈です。
谷を廻ってロウサスに向かう
道はこの谷をぐるりと廻るようにして進んで行きます。
ロウサス
ロウサスの周囲には石積みの塀で囲まれた段々畑なのか牧草地なのか、そんなものが築かれています。
谷の奥からロウサスを見る
谷の奥からロウサス方面にUターンすると、道はいよいよ上りになりました。
いよいよ上り
ロウサスまでは穏やかだった道も、村を出ると10%超えとなり、これは厳しい。
上るサリーナ
えっちらおっちら、えっちらおっちらと上って、ロウサスがずいぶん下に見えるようになりました。
下にリマ川
この坂を上り切ると素晴らしい景色です。下にはリマ川が流れ、周囲をぐるりと山々が取り囲んでいます。
今日はあのリマ川に沿って下るのです。
下り
道はすぐに下りとなります。そしてその先でソアージョ方面とパラデーラ方面との道が分岐します。
私たちはパラデーラからリンドーソに向かう予定です。
アドラン
ソアージョ方面は下りなのに、こっちの道は上り。。
谷の向こうにアドランの集落が見え出します。この村はかなりの急斜面に家々が建ち並んでいます。
再びリマ川
道がフラットになると再びあのリマ川が見えます。
見えているのは、リマ川がパラデーラとリンドーソの間にあるダムで塞き止められた、ダム湖です。
続く山並みに向かう
先の山並みもだいぶ大きくなってきました。
リマ川にダイブする
うしろの山は昨日まで散々見てきたゴロゴロ岩が積み重なったようなものですが、ここは下の方が緑できれいです。
さて、ここからリマ川に一気にダイブします。この下りは草原の中を抜けて、壮快。
パラデーラに入る
パラデーラに下りました。この村のすぐ南にリマ川のダムがあり、その上を渡るとお城とエスピゲイロがあるリンドーソに出ることができます。
しかし、予定していたダムに抜ける道はほとんど廃道といった感じで、進むのを断念。
パラデーラ
パラデーラは本当に田舎の村といった趣で、民家の間を行く道は狭く、そこに羊やニワトリ、イヌやネコといった動物が溢れています。
パラデーラからソアージョに向かう
パラデーラから下るとソアージョに向かう道に出ます。この道を反対側に進むと当初予定していたリンドーソに行けるのですが、一旦諦めてしまったので気分が乗らず、リンドーソは止めにしてソアージョに向かうことにしました。
とおせんぼをする牛さん
道の真ん中には赤牛さんががんばっています。このあたりにはあちこちに牛さんがいるのですが、その角はみんな大きく立派です。性格は穏やかなようで、決して襲ってなんかきませんが、やっぱり角があるとちょっと怖い。
それにしてもこのあたりでは家畜を繋ぐということはしないのでしょうか。
彼方にソアージョ
下り坂の向こうにソアージョが見え出しました。それはここよりずっと高いところにあるように見えます。
案の定、道は小さな川まで下ったあと、上りになりました。
ソアージョ
そこからぶどう畑の中を100mちょっとえっこらすると、ソアージョに到着。
この村はほとんど何もない、ごく普通の集落に見えます。
ソアージョの入り口に建つエスピゲイロ
しかし村の入り口にこんなものがあるのです。エスピゲイロ。
集まったエスピゲイロ
エスピゲイロはこのあたりの伝統的な高床式穀物倉庫で、多くのものは花崗岩でできています。
かつてこの地にトウモロコシがもたらされたころ、それが貴重なものだったことから、このエスピゲイロに収蔵され、乾燥させられたのだそうです。
エスピゲイロの前のサイダーとサリーナ
これまでいくつもエスピゲイロを見ましたが、ここのはとても立派です。
しかしここではどうしてこの一カ所に集められたのでしょうか。これは謎です。
エスピゲイロの前のサリーナ
エスピゲイロの柱頭には日本の高床式倉庫と同じようにネズミ返しが付いています。これは世界中のこうした方式の倉庫には必ずといっていいほどあります。人間の考えることは世界中どこでも大抵同じということですね。
エスピゲイロの前を行く
エスピゲイロ郡を眺めたあとは、ソアージョの村の中でランチです。
ソアージョ村のランチ
ポークの煮込みを試してみました。これは丁寧に煮込んであり非常に柔らかく、味付けも素晴らしいものでした。
塩こしょうにオリーブオイルとビネガーがテーブルにあるのも○。インテリアも上品で、素晴らしいレストランです。
ソアージョを出る
ランチのあと、村の中を覗いてみました。しかしここはあのエスピゲイロの他は、さしたるものはなさそうです。
ソアージョからポンテ・ダ・バルカに向かう
ソアージョからはポンテ・ダ・バルカに向かいます。
このあたりから周辺にぶどう畑が多くなります。そうそう、ここミーニョ地方はヴィーニョ・ヴェルデという、若摘みのぶどうから作られる微発泡のワインで有名ですね。
リマ川に下る
そのぶどう畑を横目に、リマ川に下ります。
リマ川沿いを行く
ずっと上から見ていたリマ川がぐっと近くなりました。
エルメロ
しかしエルメロを過ぎると、道は上りに。
道端の水場
山から下って標高が低くなったせいもありますが、今日はとても暑い。この時の気温はなんと39°C。これ、温度計狂っている?
上りの上にこの気温、とてもやっていられません。道端に水場が現れたので、ここで体を冷やします。このあたりには所々に水場があるのでとても助かります。
リマ川と続く山並
私たちが走っているのはリマ川の北側の道ですが、この道の舗装はきめの細かいアスファルトではなく、粒の大きな砂利を固めたようなもので、ものすごく抵抗が大きい。
暑くて上りの上にこの舗装。もうやっていられません。。
リマ川沿いを行くサリーナ
うしろに橋が見えますが、あれは川の南側を通っている道に架かっているものです。この南側の道はいうなれば国道で、私たちが走っているのは県道。
こちらはまったく車が通らず、安心して走れてそれはそれで快適なのですが、国道の方がアップダウンが少なく路面もいいはずなので、少し交通量が多くともあっちの方が走りやすかったかもしれません。
アッチッチの道を行くサイダー
しかし向こうに渡る橋はしばらくありません。
あっちっちでゴロゴロのアップダウンに耐えながら先に進みます。
カントリーロードを行く
道が下りになり、このままポンテ・ダ・バルカまで快調に進みそうな雰囲気になってきました。そこに川向こうに渡る橋への分岐が現れます。下り基調ならこのまま進んだ方がいいと判断し、橋に向かうことなく直進します。
ところがこのすぐ先で県道はあらぬ方角へ行ってしまい、町道のようなものに入ります。国道より県道、県道より町道の方がアップダウンが多いのはいずこも同じ。というわけで、またもやアップダウンに苦しめられるはめに。
ポンテ・ダ・バルカ
しかしさすがに町道だけあり、この道は静かで快適でした。
その町道が少し広いにぶつかるとほどなく、ポンテ・ダ・バルカに到着です。
ポンテ・ダ・バルカの橋を渡る
先に教会の尖塔が見え、その手前のリマ川を渡ります。この橋の上はなんと石畳。
ローマ時代の橋
石畳に驚いてはいけません。なんとこの橋はローマ時代のものだそうです。シャベスにもローマ時代の橋がありましたが、こちらの方が高さがあります。最近洗浄されたのか見た目は大変きれいで、とてもローマ時代のものには見えませんでした。
村の名のバルカ(Barca)は船のことだそうで、この橋がなかったころは、ここに渡しがあったのでそう呼ばれるようになったとか。村の紋章は蜜蜂で、ここは蜂蜜の産地のようです。昨夜前菜で食べたヤギのチーズに付けた蜂蜜はここのものだったかもしれません。
ポンテ・ダ・バルカの古い教会
ポンテ・ダ・バルカからはリマ川の南側の国道を行きます。
村を出たあたりにこんな古い教会がありました。このあたりにはロマネスクの教会がかなり残っているようです。
ポンテ・ダ・バルカからポンテ・デ・リマに向かう
ポンテ・ダ・バルカからポンテ・デ・リマに向かう道は国道で、なおかつポンテ・デ・リマがそれなりの都市ですから、ここはちょっと交通量があります。
道はほぼフラット。周囲にはぱらぱらと民家があり、ぶどうやトウモロコシの畑が続きます。
ポンテ・デ・リマの古い壁と水場
国道から石畳の細い道に入って少し行くと、古い石積みの壁が現れます。そこには水場もあります。
これがなんなのかは良く分かりませんでしたが、どうやらポンテ・デ・リマに入ったようです。
ポンテ・デ・リマのローマ橋
この壁が途切れ小さな広場に出ると、その先に橋が現れます。この橋はシャベスやポンテ・ダ・バルカのものより遥かに大きいのですが、これもローマ時代のものだそうです。ポンテ・デ・リマは大変古くからある美しい街で、ローマ時代の建造物がたくさん残っています。
明日はここからジェレス山脈に向かい、ボウロの12世紀の修道院を改修したポウサーダに泊まります。