1710-20

ベルゲン〜トロルハウゲン

ノルウェイ 20

開催日 2017年08月21日(月)曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 29km
累積高度 380m

グリーグ博物館
グリーグ博物館

コース紹介

ハンザ博物館を訪れ、ブリッゲンの18〜19世紀の生活に思いを馳せたあとは、ベルゲン中心部から南下し、グリーグの暮らしたトロルハウゲンに立ち寄ってコンサートを楽しむ。そこからは自転車道と一般道をつないで一路ベルゲン空港へ。

動画(06'54" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectGPSies

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
宿 START 発08:35 Citybox:チェックアウト12:00
ランチボックスを作る
ハンザ博物館
Hanseatiske Museum
1km 着08:45
発10:10
09:00 - 18:00、1704年築の木造
夏期はハンザの館(Schøtstuene)、フィッシェリーズミュージアム(Norges Fiskerimuseum)との3館共通チケットのみ、160NOK。15:45 -割引あり。
ガムレハウゲン
Gamlehaugen
9km 着11:10
発11:15
お城に見える家
内観不可
トロルハウゲン
Troldhaugen
13km 着11:30
発13:50
グリーグ博物館:09:00 -18:00/100NOK/ツアー客来場11:30
コンサート:13:00-13:30/160or110NOK、昼食:海岸で弁当
ベルゲン空港 28km 着15:00
発16:00
SAS:SK274,Bergen16:00→16:50 Oslo/10,310円
Oslo空港 - 着16:50
発17:50
急行列車Flytoget:20分、本/10分、180NOK
ローカル列車lokaltog:23分、93NOK
Oslo中央駅 28km 着18:25
発18:30
Oslo 29km 着18:40 夕食:Little Saigon 1
泊:Xpress Youngstorget/879NOK/
為替レート:1NOK=14円/ベルゲン→オスロ列車:913NOK,7h,南側が景観良/空港バスFlybussen:0.5h,15分間隔,100NOK

ブリッゲンブリッゲン

今日は夕方の飛行機でベルゲンを離れ、オスロに向かう日です。

朝、昨日は時間がなくて行けなかったハンザ博物館に行ってみようとブリッゲンを訪れました。

ブリッゲンの路地ブリッゲンの路地

ハンザ博物館の開館は9時なので、それまでの間にブリッゲンの路地を歩きます。

昨日は大勢の観光客で混雑していましたが、今朝は時間が早いせいかほとんど人がいません。

路地のサイダー路地のサイダー

床の細い路地に向かい合って、色とりどりの板張りの塀が並びます。静かな路地でポーズするサイダー。

1・2階の通路1・2階の通路

素朴で力強いつくりの通路や壁が、中世の街の姿をイメージさせてくれます。

トロールトロール

お店はまだ開店前ですが、ショーケースの中には大勢のトロールが潜んで、こちらを伺っていました。

ハンザ博物館ハンザ博物館

さて、そろそろ9時。ハンザ博物館の開館時間です。

博物館は1704年の古い三角屋根の木造の建物の南側に、新しい建物を増築してつくられています。増築部分にはチケットオフィスとお土産売り場、そしてカフェや映像コーナーがあります。

1階の展示1階の展示

ではいよいよ、当時の生活の様子が展示されている1704年の木造の建物へ。

まず1階にはハンザ同盟やブリッゲンに関する解説と展示があります。ぶらさがっているのは本物の干しタラで、魚の干物の匂いが漂っています。

ロフォーテン諸島からベルゲンへロフォーテン諸島からベルゲンへ

ハンザ同盟は北ドイツのリューベック、ハンブルグ、ブレーメンなどの都市同盟で、ベルゲンには13世紀末からハンザ商人たちの商館が置かれ、商人たちの集まる倉庫兼住居としてブリッゲンが形成されました。

ここで商人たちが扱うのはノルウェイの海産物で、主に北部のロフォーテン諸島でとれる干しタラがベルゲンに集まります。

タラを干すタラを干す

水揚げされたタラは、棚に干されて干しタラとして運ばれます。

干しタラは貯蔵がきき、当時の冬の大切な動物蛋白源として、ハンザ商人を通じてヨーロッパ各地へ輸出されていったそうです。

19世紀のブリッゲン19世紀のブリッゲン

写真は1800年代の後半頃でしょうか。干しタラの集積地であったベルゲンの港には船が溢れ、現在「ブリッゲン」として見られる三角屋根の倉庫兼住居がずらりと並んでいました。

1880年からの変遷1880年からの変遷

この地図に描かれているブリッゲンの建物は1880年当時のものですが、黒は1899-1913年の間に壊され、赤は1955年、オレンジは1958年に焼失し、当時の建物が現在まで残っているのは白の部分のみとのこと。

建物の断面建物の断面

さて、その木造の倉庫兼住宅がどうなっているかを示したのがこの図です。

商談を行う店、干しタラをつり上げて保管しておく倉庫、商人の事務所や住居があります。

サンプルルームサンプルルーム

基礎知識を仕入れたあと、実際の部屋で生活の様子を見学していきます。2階に上ると、まず階段すぐの中央には商品のサンプルルーム。

布地などが置かれています。

キッチンとベッドルームキッチンとベッドルーム

そして、簡単なキッチンと商人の冬のベッドルーム。建物の中ほどにあるのは、冬の寒さを防ぐためだそう。

ベッドはとても大人が寝られるとは思えない小ささで、しかも戸棚のように扉が閉められるものです。これも寒さを防ぐためとのことですが、閉所恐怖症になりそう。

商人の事務所商人の事務所

表通りに面したところには、商人が商談を行う事務所があります。

執務室執務室

そして事務所の一角には、ガラスで区切って設けられた執務室があります。

帳簿をつけながら、ときどき窓の外を見て息抜きしていたのでしょうか。

ダイニングルームダイニングルーム

ここはダイニングです。客人や使用人たちが食事をした場所とのこと。火事の危険を回避するため、火を使った調理は行われず食事は冷たいもののみだったそうです。

天秤ばかり天秤ばかり

天井近くに設置されているこれは、干しタラの重さを計る天秤ばかり。

使用人のベッド使用人のベッド

そして、3階に上ると使用人の部屋があります。

ベッドはやはり押し入れのようなスペースの中。2段になっていますが、この小さなベッド1つに2人が就寝していたとのことでオドロキ!

壁の草花模様壁の草花模様

当時の建物の外壁面や一部の室内の壁には、草花の模様が描かれていたそうで、この廊下の壁にも模様が残っています。

ハンザの館ハンザの館

ハンザ商人の日常生活を体感したら、次は「ハンザの館」(Schøtstuene)に移動。シャトルバスもありますが、徒歩でも5分くらい。

ここは、ハンザ商人たちの冬の集会所として使ったところだそうです。

集会所の食堂集会所の食堂

こちらは10時オープン。

広いサロンの食堂には暖炉が設けられています。火事の危険のため、温かい食事もままならなかったブリッゲンで唯一、暖炉が許された場所だとか。

もう一つの集会所もう一つの集会所

もう一つの食堂です。寒い時期にはここに集まってほっとしたことでしょう。こちらは窓が多くて明るい部屋ですね。

さて、購入したチケットはハンザ博物館、ハンザの館と共に、もう1カ所フィッシャリーミュージアムに行ける共通チケットだったのですが、ちょっと遠くて時間もないので博物館はここまでとしました。

聖マリア教会聖マリア教会

ハンザの館のちょうど横に建つのは、聖マリア教会。

1140年に建てられ、ベルゲンでも最も古い建物の一つと言われています。

自転車道を行く自転車道を行く

10時過ぎ、ベルゲン中心部をあとに、空港に向かって南下を開始しました。

しばらくは自転車道を進みます。

路面電車路面電車

路面電車が街を走ります。自転車道と路面電車で、環境にやさしい街ですね。

サリーナが走るサリーナが走る

そんな自転車道を自転車で進みます。

橋を渡る橋を渡る

橋を渡ってベルゲンの中心部から離れていきます。

上の住宅地上の住宅地

自転車道は幹線のE39に合流してそのまま南下していきますが、幹線は通らない主義のサイダーのこと、坂を上って山側の一般道に入っていきます。

自転車道があるから幹線でもいいんじゃないの、とつぶやきつつ、仕方なく坂道を上るサリーナ。上の住宅地からときどき見晴らしが開けます。

ダートの下りダートの下り

そして、下りる道が見当たらず、ダートの下りに遭遇するのでした。

素直に自転車道を行けばよかったのにね、とつぶやくサリーナ。

水辺が見えた水辺が見えた

自転車道に戻り、水辺が見えてきました。

入り組んだ湖(海)の一つにたどり着いたようです。

ガムレハウゲンガムレハウゲン

しばらく進むと、ガムレハウゲン(Gamlehaugen)のお城が見えてきました。

お城のようですが住宅で、夏の間は定時のツアーとしてミュージアムを訪れることができるそうです。やや時間が押しているため、次の目的地へ向かいます。

切り通しを行く切り通しを行く

森を抜けるいい感じの自転車道が続いています。ここは岩場の切り通し。

小さな湖小さな湖

ときどき右に左にと、湖も姿を現します。

快適な自転車道快適な自転車道

そして、森や湖をつないで快適な自転車道は続く。

自転車道のサイン自転車道のサイン

自転車道のサインは、ここが3つの自転車ルートになっており、ベルゲン空港まで11kmだと示しています。

トロルハウゲンに到着トロルハウゲンに到着

すいすい走っていたら行き過ぎちゃった。ここで自転車道からちょっと離れて寄り道を。

湖に向かってしばらく走ると、グリーグ博物館のトロルハウゲンに到着です。

コンサートホールとトロルハウゲンコンサートホールとトロルハウゲン

トロルハウゲンはエドヴァルド・グリーグが妻のニーナと夏の間過ごした家で、1928年よりグリーグ博物館となっています。

敷地内には、水辺にある作曲のための小屋、そして自然の中に埋もれるように建てられた新しいコンサートホールがあります。

湖への小道湖への小道

まず私たちは、グリーグ夫妻も散策したであろう森の中の小道を湖へ向かいました。

湖の中の小道湖の中の小道

視界が開けると湖が広がり、岩場が細くつながっていました。

岩場の中程でポーズするサリーナ。

水辺でランチ水辺でランチ

このいい雰囲気の水辺で、まずは腹ごしらえ。持ってきたサンドイッチをいただきます。

トロルハウゲントロルハウゲン

ランチを終えたら、森の小道を戻ってグリーグ博物館となっているトロルハウゲンへ。

この夏の別荘は1885年の建築で、グリーグ夫妻が22回の夏を過ごしたところです。

室内室内

室内は、グリーグ夫妻が使用した家具や装飾品などが置かれ、彼の持ち物や楽譜なども展示されています。

グリーグのピアノグリーグのピアノ

そして、グリーグが1892年より愛用したスタインウェイのピアノもあります。

グリーグと胸像グリーグと胸像

壁やテーブルの上を飾るのは、さまざまな写真。胸像と双子のように並ぶグリーグには、思わず笑みがこぼれます。

家族や自身の写真だけでなく、バッハやモーツァルト、そして同時代のワグナーなど、たくさんの作曲家の写真も、ブロマイドのように飾られていました。

作曲小屋作曲小屋

別荘から湖へと下りていくと、赤い壁の小さな小屋がありました。

作曲に集中するための静寂を求めたグリーグが1891年に建てたものです。

小屋の中小屋の中

中を覗いてみると、ピアノと書き物机、そしてロッキングチェアに簡易ベッド。

作曲家が狭い空間の中で没頭している姿が目に浮かびます。

TroldsalenTroldsalen

13時になりました。ランチコンサートの始まりです。200人収容のコンサートホール、Troldsalenは外からは自然に埋もれるようにつくられ、中からはステージの先に緑に囲まれた湖が望めます。

そんな美しいホールで、グリーグ作曲の小品を選んだピアノコンサートを楽しみました。

トロルハウゲンを出発トロルハウゲンを出発

さて、コンサートも終わり、トロルハウゲンをあとに一路空港へとスタート。

森の中の自転車道森の中の自転車道

しばらくは、森の中の自転車道を進んでいきます。

路面電車の横を通る路面電車の横を通る

そして、路面電車の脇を通る道に入り、

幹線道路の上の道幹線道路の上の道

幹線道路の上の道を走っていきます。

林の中を通る林の中を通る

そして自転車道は、幹線道路と並行して住宅地や林の中をと続きます。

SkagevegenSkagevegen

ぶつかった幹線道路のR546を渡り、一般道のGrimseidvegenに入りました。

最初はスタジアムの横を通り、学校帰りの子どもたちも多くみられましたが、Skagevegenという道に入るとのどかでローカルな感じになってきます。

乗馬の女性乗馬の女性

車はほとんど通りませんが、乗馬の女性に出会いました。かっこいいですね!

最後のカーブ最後のカーブ

うねうねとローカルな一般道を走ること7kmほどで、ようやく最後のカーブに差し掛かりました。

林を抜けると、空港の建物が見えた〜

空港ターミナルに到着空港ターミナルに到着

道路の反対側の空港ターミナルには北側のロータリーを回って引き返すルートになり、ターミナルビルの前をいったん通過します。

ところでベルゲン空港では、数日前にこの新しいターミナルビルがオープンしたばかり。

新しいターミナルビル新しいターミナルビル

真新しいターミナルビルの床、壁、天井には木が使われ、柔らかな雰囲気です。

とはいえオープン後間もなくスタッフもまだ慣れていないようで、「自転車は折り畳んだら普通の手荷物預かりでいいですよ」と言われて行ってみたらダメだったりと、やや混乱気味でした。

オスロ・セントラル駅オスロ・セントラル駅

ベルゲンからオスロへの飛行時間は50分。すぐにオスロ空港に到着しました。

オスロ空港からは電車に乗って約30分。地元の自転車好きな乗客とおしゃべりしながらオスロ・セントラル駅へと向かいます。

フィヨルド地区を走ってきた話をしたり、オスロ郊外のお勧め自転車ルートを聞いたりしているうちに、あっという間にセントラル駅に到着です。

宿へ向かうサリーナ宿へ向かうサリーナ

18日ぶりのオスロです。「帰ってきた〜」という感覚が湧いてきていいですね。

勝手知ったる道を宿に向かって走っていきます。

揚げ春巻き揚げ春巻き

そしてオスロの夜は、またしてもアジア料理。3日連続ですが、今日はベトナム料理です。オーナーさんはベトナム人で、40年近く前にノルウェイに来たそうです。

たくさんの香草が添えられた揚げ春巻きにご満悦のサリーナです。超美しい景色あり、大変な道のりありのフィヨルド旅行を無事に終えて、満足感いっぱいのカンパ〜イ!

さて、明日はノルウェイ最後の1日。ゆったりとオスロ市内観光で過ごします。

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