1914-03

バジェスタス諸島と砂漠の街ワカチナ

ペルー 3

開催日 2019年08月02日(金)曇りのち晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度

パラカスのペリカン
パラカスのペリカン

コース紹介

『貧乏人のガラパゴス』バジェスタス諸島でペンギンや海鳥、アシカと遊んだら、美しいパラカス自然保護区の砂漠と海岸を眺めます。ワカチナに移動し砂漠の中のオアシスで涼んで、砂の山に登り、砂丘の向こう側に落ちる夕陽を眺めます。

動画(07'33" 音声:あり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  移動手段 備考
Paracasの宿
発07:55 徒歩 Hotel Residencial Los Frayles/S100/朝付
El Chaco桟橋
着08:05
発10:10
ボート
徒歩
Ballestas諸島ツアー/$15/08:00-10:00
Candelabra/岩山に描かれた巨大な燭台(200BC)
Paracasの宿
着10:45
発11:10
バス 間食:カップ麺
Reserva Nacional
de Paracas

  ↓ バス 国立保護区ツアー
Paracasの宿
(START)
着13:00
発13:10
バス
Huacachina (75km)
START
着14:40
発15:15
徒歩 南アメリカ最大の砂丘と小さなオアシス
昼食:Nuna/S96
Huacachinaの宿 2km 着18:00
泊:Hospedaje Claudia/$34/朝付
時差:UTC-5, JST-14 /日の出06:25、日の入17:55/為替レート:S1=33円=US$0.3
Huacachina 8月:25°〜9°C、1mm/雨はほとんど降らない/ATMなし

エル・チャコ港エル・チャコ港

今日は忙しいです。『貧乏人のガラパゴス』ことバジェスタス諸島(Islas Ballestas)、パラカス国立保護区の砂漠と海岸、そして砂漠の街ワカチナ(Huacachina)へ移動してのサンドボートと、イベントが三つもあるのです。

まず朝の部はバジェスタス諸島です。バジェスタス諸島行きのツアーは朝8時発と10時発の二回ありますが、時間が遅くなると風が出てきて欠航率が高まるそうなので、私たちは8時発です。

バジェスタス諸島行きのボートバジェスタス諸島行きのボート

外に出ると、空は昨日と打って変わってどんよりとした曇り空。雨が降り出しそうなほどです。この時期のパラカスは朝方はいつもこんな天気で、午後になると晴れるのだそうです。

エル・チャコ(El Chaco)桟橋に8時少し過ぎに到着すると、長蛇の列が。ここパラカスにやってくる観光客のほとんどがバジェスタス諸島に行くのです。しかしツアーボートもたくさんあり、次から次へと人々を乗せて出航しています。

船首を上げて進むボート船首を上げて進むボート

すぐにわたしたちも乗船となりました。ボートはオープンエアで40〜50人ほど乗れるものです。

8時15分、出航。ボートは船首を上げてぐんぐんスピードを増していきます。壮快! バジェスタス諸島まではこのボートで僅か30分ほどです。

パラカス半島の砂丘パラカス半島の砂丘

左手に見えるのは私たちが昨日自転車で行こうとしたパラカス半島で、砂丘がどこまでも続いています。

岩山に描かれた巨大燭台岩山に描かれた巨大燭台

ボートが半島を廻って北海岸に出ると、ガイドが前方の山を指差してなにやら説明を始めました。

よく見れば薄茶色の山の斜面にうっすらと白っぽい線が見えます。これは有名な地上絵で、一般的にはカンデラブラ(Candelabra:燭台)と呼ばれています。今から約2,500年前のものと推定されており、燭台とも木とも三つの十字架とも言われていますが、本当のところはわかっていません。ナスカの地上絵と何らかの関係があるのではないかとも考えられているようです。

絵は長さ180メートルで、クリーム色の岩に刻まれており、ほとんどが砂で覆われています。 しかし風が常に余分な砂を除去するので、この絵が完全に砂で被い尽くされてしまうことはないそうです。

ペリカンペリカン

この大燭台の下に目をやると、崖の縁が真白になっています。これは鳥の糞です。

その中に大型の鳥がいます。どうやらこれはペリカンのようです。ペリカンの上には真っ黒で顔だけ赤いヒメコンドル(Gallinazo de cabeza roja)の姿も。

燭台の上を舞う大型の鳥燭台の上を舞う大型の鳥

空には大型の鳥がたくさん飛んでいて、ちょっと圧巻。

先にバジェスタス諸島先にバジェスタス諸島

大燭台を見たら、ボートは速度を増してぐんぐん行きます。

先に島が見えてきました。あれがバジェスタス諸島でしょう。

トンネル島トンネル島

島にボートが近づくと、岸壁の腹や上にびっしり鳥がいるのが見えます。

もの凄い数です。

フンボルトペンギンフンボルトペンギン

そんな中に、よたよたと歩く生物が。よく見るとそれはフンボルトペンギンでした。

動物園以外でペンギンを見るのはこれが始めてです。

アシカの群れアシカの群れ

そして海面近くの岩の上にはアシカの群れが。

鳥の桟橋鳥の桟橋

ごつごつした岩場から桟橋のようなものが突き出していて、その上や岩場にたくさんの種類の鳥がいます。ペルーカモメ(Gaviota Peruana)、グアナイウ(Guanay)、アオアシカツオドリ(Piquero camanay)、サカツラウ(Chuita)、ペルーカツオドリ(Piquero Peruano)、インカアジサシ(Zarcillo)。

ペルーカツオドリペルーカツオドリ

ペルーカツオドリはこの時子育て中で、岩場には餌を待つ雛鳥がぎっしり。

空を舞うカツオドリ空を舞うカツオドリ

空を舞うのは餌を運ぶ親鳥でしょうか。

奇岩と鳥の岩奇岩と鳥の岩

どこもかしこも鳥だらけです。

サカツラウサカツラウ

ちょっとすました美人さんはサカツラウ( Chuita)。

船上のサイダー船上のサイダー

『これは凄いね〜』 っと鳥の数に圧倒されるサイダー。  

アシカその1アシカその1

あたし、アシカよ〜

アシカその2アシカその2

や〜ん、そんなに見ないでよ〜

アシカその3アシカその3

ごら〜、そんなに見るんじゃねえってばよ=

アシカその4アシカその4

がお〜

アシカその5アシカその5

フゥワァ〜〜、飽きたよ〜〜〜

鳥の大群鳥の大群

ヒッチコックの鳥のよう

ヒメコンドルヒメコンドル

ここにもいました、ヒメコンドル。

バジェスタス諸島の島々バジェスタス諸島の島々

と、こんなふうにバジェスタス諸島の島々の間を30分ほど遊覧し、鳥とペンギンとアシカを堪能しました。

ボートの上のペリカンボートの上のペリカン

いや〜、バジェスタス諸島、これでUS$15はお得だね〜、と言っている間にエル・チャコに戻ってきました。

するとここでもペリカンが、まるで自分のものと言わんばかりの態度であちこちを占拠しています。

羽根を広げたペリカン羽根を広げたペリカン

そのペリカンが飛ぶとすごい迫力。でかいです。

滑空するペリカン滑空するペリカン

こちらはペリカンの滑空。身体が重そうですが、じょうずに飛んで行きます。

水際のペリカン水際のペリカン

ボートは10時ちょうどに桟橋に戻ってきました。

桟橋の近くをぶらぶらしていると、ペリカンの大群がいました。どうやら観光用に餌付けされているようで、どんどん近づいてきます。ペリカンとキスしそう〜

砂漠に向かうバギーカー砂漠に向かうバギーカー

さて、バジェスタス諸島の次はバスでパラカス半島の国立保護区へ向かいます。これは私たちのPeru Hopのおまけツアーで参加は自由なのですが、ほとんどの方が参加していました。

パラカス半島は砂漠なので、バギーカーでその中を疾走するのも人気です。

砂漠を行くバイカー砂漠を行くバイカー

そしてマウンテンバイクも。

あ〜、私たちも昨日こんなところを走れたら良かったな〜

スパイ海岸スパイ海岸

砂漠を突っ切ってスパイ海岸(Playa Supay)に出ました。

カテドラルカテドラル

この海岸には断崖が続き、その中にカテドラルと呼ばれる岩があります。

これは、かつてはアーチ状をしていて大聖堂のように見えたからだそうですが、現在は崩落してしまい、アーチそのものはなくなってしまったとのこと。

断崖を飛ぶヒメコンドル断崖を飛ぶヒメコンドル

この断崖を舞う真っ黒な猛禽類。

何人かはこの鳥をミニコンドルと呼んでいましたが、これはバジェスタス諸島でも見たヒメコンドルですね。

スパイ海岸の断崖スパイ海岸の断崖

どこまでも続くスパイ海岸の断崖。

きなこのように細かい砂きなこのように細かい砂

砂漠の色は場所によって微妙に異なるのですが、ここは黄色っぽいです。

この砂、きなこのようにとても細かいです。

砂漠の中の道砂漠の中の道

カテドラルを眺めたら再びバスに乗車し、次のポイントへ。

パラカス半島の中のメインロードはアスファルト舗装ですが、ここはダート。

ユマケ海岸ユマケ海岸

ユマケ海岸(Playa Yumaque)に着きました。

このすぐ傍に展望台があるのでそこに寄るのかと思いましたが、我らがガイドのウォルターは、今日はそこは混雑しているので別のところに案内すると言います。

展望台展望台

もう一つのイストゥモ展望台(Mirador Istmo)もかすめ、私たちのバスはさらに高いところへ。

停車したのは周囲に何もないこんなところで、ウォルターは、あまり海に近づくと落っこちちゃうから気をつけてね、と言って私たちを送り出しました。

展望台頂部付近展望台頂部付近

進んで行くと徐々に海が見え出しますが、この海側は急激に落ち込んでいて、うっかりすると本当に海に落っこちてしまいそうです。

Playa RojaPlaya Roja

こんもりした丘の上に到達すると、下に赤い海岸という意味のプラヤ・ロハ(Playa Roja)が見えます。

ここも断崖絶壁。

続く砂丘続く砂丘

そして内陸側を見れば、どこまでも続く砂丘。

続く砂丘その2続く砂丘その2

とても幻想的な景色です。

LagunillasLagunillas

プラヤ・ロハのさらに先きにはラグニージャス(Lagunillas)というところが見えます。

あそこにあるのはシーフード・レストランで、とてもおいしいそうです。砂漠の中をサイクリングして、あそこでシーフードを食べたいな。

砂漠の中のサイクリスト砂漠の中のサイクリスト

砂漠の中に小さな点が二つ。よく見るとこの点は二台の自転車でした。いいね。

赤い海岸赤い海岸

プラヤ・ロハにやってきました。ここの砂は文字通り赤い。この赤い色は、近くにある固まったマグマを含むピンク色の花崗閃緑岩の塊に起因するそうです。

黄土色の崖と赤い砂浜黄土色の崖と赤い砂浜

砂浜の赤と崖の黄土色との美しいコントラスト。

パラカス近郊パラカス近郊

パラカス国立保護区の観光を終えたらパラカスをあとにし、ワカチナに移動です。バスは幹線道路をどんどこ行きます。パラカスを出てもバスの車窓から見えるのはご覧の通りの砂漠です。

ここで我らがアシスタントガイドのチャーリーは、ワカチナでのツアーの説明を始めました。ワカチナは砂漠で、サンドバギーとサンドボードが最高だと言います。価格は両方セットでUS$15と高くはありません。これらの注意点もしっかり説明していました。サンドバギーは危なくはないけれどそこそこスピードを出すので怖いと感じる人もいること。サンドボードでは他の人と接触し骨折した人がいることなど。

でもこのお天気じゃあ冴えないよね、と言うとチャーリーは、ワカチナは絶対に晴れだ、俺が保証する、と言います。さて、どうしましょう。まあこれは現地に着いてから考えるとしましょう。

イカのぶどう畑イカのぶどう畑

しばらくすると窓の外の風景が変わり、ぶどう畑が現れるようになりました。イカ(Ica)に入ったのでしょう。イカはペルーのワインの7割を生産するワインの生産地で、蒸留酒ピスコの産地でもあるのです。

おっと、空が青いよ。チャーリーの宣言通り、ワカチナは晴れだ。

道端の商店道端の商店

このあたりはコスタと呼ばれる海岸砂漠地帯で、年間を通して殆ど雨が降りません。南から流れる寒流のフンボルト海流の影響で、低緯度の割に気温は低く過ごしやすいのですが、直射日光はかなりきつく、肌を露出していると火傷を負ってしまうくらいです。

そんなんで道端の商店にガラスはなく、ほとんどがオープンエアで、日よけを備えています。

ワカチナの砂の山ワカチナの砂の山

イカの街を通り抜けると、先に妙なものが見えてきました。

始めはチラ、チラッとしか見えず大きさがイメージできずに、リマで見たような泥でできた古代の遺跡かと思いましたが、近づくにつれ、それは砂の山であることがわかりました。

宿の前の砂の山宿の前の砂の山

ワカチナに着いたのです。イカの街から3kmほどのところにあるワカチナは、砂漠の中のオアシスの廻りに作られた小さな村です。

私たちの宿は砂の山の目の前で、窓を明けるとド〜ンと砂漠が迫っているのでした。

ワカチナのオアシスワカチナのオアシス

宿に荷を解き、さっそくオアシスの廻りの散策に出かけます。

ここは砂漠なだけに非常に乾燥していて、陽の光はシャツを通り抜けて肌に届きそう。子供たちはオアシスで泳ぎ回っています。

オアシスの畔でくつろぐ人々オアシスの畔でくつろぐ人々

そのオアシスは一周600〜700mの小さなもので、はっきり言うとこれはただの小さな池という感じです。

しかし廻りに砂しかないところに、どうしてこんなものが突如現れるのか、やっぱり不思議です。

高台からオアシスを見下ろす高台からオアシスを見下ろす

オアシスはこんなふうに、360°砂の山に囲まれているのです。

サンドバギー車サンドバギー車

ワカチナは近年、人気急上昇の観光地になりました。砂漠を売りにしたサンドバギーとサンドボードがヒットしたのです。

ということで、我らがチャーリーが宣伝していたツアーに参加するかどうか、そろそろ決めなければなりません。

遅い昼食遅い昼食

サリーナは怖い話などが頭に残っているようで躊躇しています。結局時間的にも結構慌ただしくなるので、私たちはこれはパスし、のんびり遅めの昼食をとることにしました。

ペルーにはハッピーアワーといって飲み物が安くなる時間帯があります。この時がちょうどそうだったので、ダイキリをやってみました。そして本日のランチは、パルタ・レジェーナ(Palta Rellena)とアヒ・デ・ポリョ(Aji de Pollo)。

パルタはアボカドのことでレジェーナは詰め物。詰め物されたアボカド、つまりアボカド・サラダです。これ、アボカドが丸々一つ入っています。

もう一品のアヒは唐辛子、ポリョは鶏肉で、鶏肉の黄色唐辛子煮込み。ペルーの代表的な料理の一つで、ごはんと一緒に食べます。黄色唐辛子はふわっとした印象で辛くなく、優しい味付けです。

砂丘からオアシス方面を見る砂丘からオアシス方面を見る

昼食休憩でしばしまったりしたあと、砂丘に登ってみました。

しかしこれ登るの、かなり大変です。

続く砂の山続く砂の山

西にどこまでも延びる砂の山。

南の景色南の景色

南に広がる砂丘。

サンドバギーカーサンドバギーカー

近くに一台のサンドバギーカーがやってきました。実際に走っているのを見た感じでは、それほど恐ろしいというものでもなさそうですが、これは単なる移動中だからでしょうか。

そのうち車は高所まで上って行って停車し、どうやらサンドボードの準備を始めたようです。

サンドボードの少年サンドボードの少年

彼らのサンドボードの様子は見られませんでしたが、私たちのすぐ近くを少年が二人滑って行きました。

一人はボードに腹這いになり、もう一人はおすわりしていました。ここは勾配が緩いですが、きついところだとかなりのスピードが出そうです。あとで実際にサンドボードをやったマークの感想を聞いてみると、ちょっと異次元の体験で楽しかったそうです。しかし身体はどこもかしこも砂まみれだって。

砂漠のサイダーとサリーナ砂漠のサイダーとサリーナ

だいぶ陽が西に傾いてきました。

あ、ペルーでは太陽は南ではなく北の空にあります。ここは南半球ですからね。といっても緯度が低いため太陽高度が高く、いつも真上にあるような気がしますが。

砂丘を登る人々砂丘を登る人々

日没が近づいてきました。砂山があるので計算値より実際の日没はかなり早いです。

向かいの山の斜面に人々がずらりと並んでいます。彼らも日没を鑑賞するためにあそこにいるのでしょうか。

砂漠のサリーナ砂漠のサリーナ

太陽は強い光のまま彼方の砂丘の向こう側に消えました。快晴で雲一つないので、夕焼けも何もありません。あっけないほどの早さで、ただ太陽がなくなったという感じ。

今日はたいへん忙しい日でしたが、とても素晴らしい日になりました。バジェスタス諸島は最高に楽しいです。『貧乏人のガラパゴス』万歳です。そしてパラカス国立保護区の砂漠と海岸は美しく、ワカチナの砂漠は思った以上に魅力的でした。ロケーションが変わるたびに第一級の景色が現れる。ペルー、凄ご過ぎます!

さて、明日も凄いです。前半の山場です。ナスカの地上絵をセスナから見るのだ!!

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