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アムステルダム+フィンランド レポート

BDと一緒にアムステルダムとフィンランドを巡る旅

97年に一目惚れで折り畳み自転車BD-2.1を購入し、98年夏、愛車を連れて初めて海外へ。アムステルダム、ストックホルムとフィンランド湖水地方を巡る旅だ。急遽BD-1を購入したサイダーとともに、サイクルショップでもらった段ボールに自転車をつめ、7月24日、成田を出発!

アムステルダムで愛車連れは考えもの!

アムステルダム中央駅アムステルダム中央駅

空港から中央駅に着き、プラットフォームで自転車を押している人々を見ると、気分は否応なく盛り上がる。『さすが自転車先進国!』 運河と色とりどりの古い街並みを、背の高い足長オランダ人が大勢ペダルを踏んでいる。ちゃんと自転車専用路があり、キュートな自転車マークの専用信号までも。

しかしホテルの主人のアドバイス。『アムステルダムの自転車の盗難は1日700台! ちょっとした錠ではすぐに盗まれるよ。』 仕方なく鎖のようにずっしり重い極太ロックを購入。

アムステルダムは細い道のつくりや街の規模など、自転車にぴったりの街で、のんびりポタリングするにが最高。自転車用マップを片手に2日間、市内の走りを堪能。それにしても自転車先進国にあった盗難という盲点、この旅行中最も高い買い物が自転車の極太ロックになろうとは…。

雨と涙のユヴァスキュラ

ハアパマキ駅ハアパマキ駅

ストックホルムに移動し、豪華客船でヘルシンキへ。いよいよフィンランド中南部の旅。建築家アルヴァ・アアルトの作品を訪ねながら、森と湖を自転車で走る計画だ。いよいよポタリングからサイクリングへと。

7月30日、列車でまずセイナヨキへ。フィンランドの列車には自転車用車両があり、駅には必ずエレベーターやスロープがあって快適。セイナヨキでアアルトの教会や図書館を訪ね、翌朝早く列車でハアパマキという街へ。そこから、約80kmのユヴァスキュラを目指す。

ペタヤベシの教会ペタヤベシの教会

途中、2つの古い木造教会があり、特にペタヤベシの教会はとても愛らしい。

雨の中ユヴァスキュラへ雨の中ユヴァスキュラへ

ところが昼過ぎに空模様が急変。ユヴァスキュラまであと37km、雨用ポンチョを着て走り出したが、膝から下はぐしょぬれの水浸し、次第に心も体も重くなってきた。しかも交通がかなり激しい。大型トレーラーが高速で横を通り過ぎる恐怖! ようやくユヴァスキュラに着いた時には坂を上る気力もなく、自転車を押しながら何とか宿に到着。

木漏れ日と湖の中の一本道

湖の前のサリーナ湖の前のサリーナ

翌8月1日は近郊のセイナツァロまで行ったが、前日の疲れで足が重く帰りは自転車を折り畳んでバス乗車(折り畳み自転車の威力!)。夕方の列車でクオピオへ。翌日、クルーズ船で12時間近く島と湖の景色を楽しみ、黄昏時の午後9時頃サヴォンリンナに到着。このあたりで自転車にお勧めの場所は、と尋ねると『もちろんプンカハリュ!』

翌朝、少し遠回りだが景色のよさそうなカントリーロードを選んで出発。

真っ青な空の下、松林や草花に囲まれた道を爽快に飛ばす。昼過ぎに到着したプンカハリュは、車の少ない旧道を自転車で走るのが最高。緩やかなアップダウンを繰り返しながら、森と湖の間の一本道が約8km続く。松林と陽を反射する湖は、息をのむほど美しい。この道を往復で楽しみ、再び田園を抜けてサヴォンリンナに帰り着いたのは午後8時過ぎ。この日、私としては過去最高の走行距離92kmを記録。

湖のほとりで感激のサウナ体験

ロヒラハティのフッカネンロヒラハティのフッカネン

翌日、スルカヴァから約40kmのロヒラハティへ。ここもしばらく湖と松林が美しい。5時過ぎに到着し宿を訪ねると『もう営業期間は終わった』 フィンランドでは、7月のみ営業のサマーホテルが多い。近くには、他に『フッカネン』という農家の宿1軒のみ。電話すると泊まれるとのことで、約8km逆戻り。

麦畑の一軒家の前で自転車を停めると、ふさふさした毛の犬と若い女の子が裸足で出てきて『電話をくれた人だよね』とにっこり、何だか疲れが溶けていく。フッカネン家は両親と息子夫婦、娘2人、4歳と1歳半の孫2人。他にお客は10歳のテモ君。食事を終え、みんなで1km先の湖にあるサウナ小屋へ。

夜の湖で体を冷やすサイダーとテモくん夜の湖で体を冷やすサイダーとテモくん

森の中の湖は静かで波一つなく、時が凍りついたような風景だ。まず女性と子供たちがサウナへ。熱いサウナ室で頭から水をかぶり、焼けた石に水をかけて蒸気をおこす。温まったら裸で湖へ。まずお母さんが勢いよく湖に飛び込む。私も恐る恐る浸かるが湖水はかなり冷たい。数分後再びサウナに入って温まり、また湖へ。不思議なことに、今度はそんなに冷たくなくていい気持ち。

その後男性と交替してサウナ小屋へ。サウナ後のけだるくいい気分の中で、ドーナツをつまみながらかたことでおしゃべり。外ではサイダーとテモ君が、暗くなるまで湖で泳いでいた。

その後特にトラブルもなく、ヘルシンキから飛行機で無事成田に到着。BD-1とBD-2.1は旅の間中、大人気。自転車でなければ、最高の思い出となったフッカネンの宿に泊まることもなかっただろう。それにしても、日本がもっとフィンランドのように自転車の旅にやさしい国になってくれればいいのに!

(サリーナ)

番外編:アルヴァ・アールトの建築巡り へ

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