スペイン巡礼の道サイクリングの第一部の到達地は、ガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラ。サンティアゴ・デ・コンポステーラは大聖堂の町。スペインに留まらず、ヨーロッパ中からこの大聖堂を目指して巡礼者がやってくる。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの名は、十二使徒の一人聖ヤコブ(サンティアゴ)の墓がこの地で見つかったという伝説による。星に導かれた羊飼いがこの地で聖ヤコブの墓を発見し、そこに聖堂が建てられた。stellae(星の野)、Compositum(墓場)にちなむという。
辿り着いた巡礼者が聖堂に入ると『栄光の門』が待っている。ここを訪れたものが必ずやるのは、門の上に座すサンティアゴ像を支える大理石の柱に五本の指を押しあて、頭を着けてお祈りすること。
『栄光の門』をくぐると薄暗く高い天井の聖堂が現れ、その正面に黄金色に輝く祭壇。7月25日のサンティアゴの祭日にはこの大聖堂は人々で埋め尽くされ、ボタフメイロという行事が行われる。天井から吊り下げられた大きな香炉に香が焚かれ、翼廊いっぱいにグワ~ッ、グワ~ッと降られるというものだ。香煙が信徒の上に降り注ぎ、堂内が煙に包まれる。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂をゆっくり楽しんだあと、いよいよここからはサイクリングの第二部、スペイン北西部のガリシア地方の海岸、リアス・バハスを巡る旅の開始だ。
自転車で出発するも、いきなりサリーナが行方不明。(サリーナいわくサイダーが行方不明!) サンティアゴ・デ・コンポステーラの宿を9 時に出発し、町中ではぐれたのだ。探すこと3時間、優に20kmは走ったぞ!
宿にもどって待機していると、ようやくサリーナから電話が! なんともう次の街についているというではないか。『やっぱりこうゆうやつだよな!』 とぼやきつつ、パドロンへと急ぐ。
サンティアゴ・デ・コンポステーラからパドロンへの道は民家や畑、山並みなどが楽しめる快適なコースだった。かっとんでパドロンのバルでサリーナと無事合流。
パドロンはあのサンティアゴのなきがらが流れ着いたといわれている街で、とても小さい。サンティアゴ教会の主祭壇には、聖ヤコブのなきがらを載せた船の曳き綱を結わえたという岩がある。
リオ川の橋を渡った先の小高い丘の上にはイリア・フラビア教会、その手前にカルメンの泉。
パドロンはポルトガルからサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路、ポルトガルの道の巡礼地でもあるようだ。
パドロンで昼食後、カンバドスへ向けて出発。最初は美しい山並と村々が楽しめる。
しばらくすると、いよいよリアス・バハスが現れる。リアスは日本名のリアス式海岸の名称の源になった名で、このあたりにリア(深い湾)が多いことから付けられたもののようだ。バハスは『下』の意。したがってリアス・バハスは『下リアス地方』という意味のようだ。ここより北にはリアス・アトラスがある。
このあたりは日本でいうと瀬戸内海に似た風景で、なんとなくほっとする。スペイン北部の旅とはいえ、やはり赤茶けた大地の広がる光景が多いから、海は新鮮。
カンバドスはちょっとした観光地らしく、街が近づくとホテルやオスタルが海岸に建ち並ぶ。海は入り江で引き潮だったせいかどんよりした感じで、このあたりまでは砂浜のビーチはほとんどない。
この街は日本ではまったくといっていいほど知られていないが、それなりの歴史がある街のようだ。
古い立派な宮殿や教会が残っている。
ガリシア地方といえば海の幸とリベイロ。『亀の手』は本当に亀の手みたいな形状なのですが、本物の亀の手ではないから御安心を。どうやらフジツボと同じようなものらしいく、とてもおいしい。白ワインのリベイロとのマッチングがとても良かった。
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