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丹後半島 三日目

丹後町~経ヶ岬~伊根~天橋立

開催日 2003年04月28日(月)晴
参加者 ナオボー/チューボー/ケンボーズ
ジーク/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度
走行距離 52km
地域 近畿

袖志の棚田にて
袖志の棚田にて

コース紹介

美しい棚田、経ヶ岬を廻り、浦嶋太郎の浦嶋神社を経て今日の最大の見所『伊根の舟屋』へ。午後は伊根湾クルーズから、一路『天橋立』へ。伊根までは少々アップダウンがあるものの美しい風景が楽しめます。万福寺付近の棚田はまだ水が張っていなくて残念でしたが、1~2週間後なら絶好のタイミングでしょう。伊根の舟屋はめずらしい造りの民家が並んでいて必見! お薦めはやっぱり伊根湾クルーズです。午後の部はほぼ平坦ですが、車が少し多くなります。

地図ベース:国土地理院20万分の1ベース 山旅倶楽部提供 (描画:カシミール3D 他)
地図ベース:国土地理院20万分の1ベース 山旅倶楽部提供 (描画:カシミール3D 他)

地図:Googleマップgpxファイル/GARMIN Connect/Ride With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
丹後町
 よし野の里
START 発08:15 R178 丹後町久僧
袖志の棚田 3km 着08:30
R178 400枚の棚田
経ヶ岬 8km 着09:10
発10:30
R178 灯台まで散歩
浦嶋神社 18km 着11:40
発12:00
R178
地方道
浦島太郎の伝説
浦嶋明神縁起絵巻(国重文)/玉手箱
伊根港 30km 着13:20
発15:40
R178 『舟屋の里公園』でお昼
舟屋めぐりとベイクルーズ
岩滝町 52km 着17:30
泊:はしだてベイホテル

よし野の里よし野の里

丹後町の宇川温泉『よし野の里』は第三セクターが運営するもので、宿泊施設、露天風呂、イタリアンレストラン、ショップからなる気持ちのいい施設。小高いところにあるので眺めも最高! 朝の澄み切った空気がとっても気持ちいい。

部屋にはキッチンが付いているので、朝食はみんなでわいわいがやがや、ショップで買ったものを調理しました。

田んぼの中を行く田んぼの中を行く

宿からは田んぼの中の小径を通ってみると、春の草花がたくさん。

宿の方が『穴文殊の先に棚田がありますよ。』と教えてくれたので、さっそくそこへ行ってみることにしました。

宿近くの棚田宿近くの棚田

実はこのあたりはどこもかしこも斜面地なので、田んぼといえば棚田になります。

『よし野の里』の周囲にも小さいながら棚田が作られていて、私たちはまずこれを下って国道に出ます。

国道を行くサリーナ国道を行くサリーナ

丹後半島を廻る国道は3桁国道で、半島内に人口が多い町がないため車はとても少なく、快適に進んで行きます。

袖志の棚田上り口袖志の棚田上り口

その国道を2kmほど行くと『袖志 日本の棚田百選』の小さな看板が出ています。

袖志は『そでし』と読みます。ちょっとむずかしいかな。いや他に読みようはないか。。

袖志の棚田その1袖志の棚田その1

見上げると、山の梺にのどかに棚田が広がっていました。なんとこの田んぼは400枚もあるそうです。

棚田と日本海棚田と日本海

その棚田の中をちょっと上ると、北に日本海が見えるようになります。

袖志の棚田その2袖志の棚田その2

『まだ全部の田んぼには水張ってないから、あんまりきれいじゃないけどな〜』 とは、この上りの小径で出会ったおじいさん。

『あと一週間もしたらええけどな〜』

確かに水は張りはじめられたばかりで、ほとんどの田んぼには水がない状態でしたが、それでもここの段々の田んぼは滅多に出会えない見事な風景を作り出しています。

袖志の棚田の中を行くチューボー袖志の棚田の中を行くチューボー

袖志の棚田の中を行く道はほぼ等高線に沿って通っており、快適に進んで行きます。

棚田の上から袖志の集落を見下ろす棚田の上から袖志の集落を見下ろす

こんなところはのんびりポタリングでしょう。

眼下にはエメラルド色の日本海と、こじんまりした袖志の集落。

棚田を下る棚田を下る

棚田の東の端まで進むと、そこから道は下りに。

棚田を下るケンボーズ棚田を下るケンボーズ

現在はこうした田んぼの中の道もきれいに舗装されているので、土の道だったころがなんだかなつかしく感じます。

もっとも農家の方からすれば、やっぱり舗装されていたほうがいいに決まっていますね。

経ヶ岬のハイキング・コース入口経ヶ岬のハイキング・コース入口

国道に戻って東へ進めば、ほどなく経ヶ岬です。

『ここは下の道を行った方がええです〜』とケンボーズ。しかし・・・

緩やかな下りが激坂下りとなり、標高0mになってしまうのでした。そしてその先には20%越えの激坂上り!

『どうしてくれんの、ケンボーズ!』

経ヶ岬から西を望む経ヶ岬から西を望む

『ありゃま、どうしましょ… でも、道はあるはずなんですよ、灯台までね。。』どこかで聞いたようなセリフですね・・・

実はこのコースはハイキング・コースでした。ということでここからは自転車を置いてハイキングです。

定置網定置網

登り出すとすぐ、海の中に妙なものが見え出しました。あれは定置網でしょうか。

登るジーク、サリーナ、ナオボー登るジーク、サリーナ、ナオボー

まだ登り出してから5分しか経っていないのに、『へぇへぇ、まだかいなぁ〜』と宣うのは上りに弱いジーク。

まあそれはともかくここは、えっこらよっこら、ゆっくり登っていきます。

経ヶ岬灯台経ヶ岬灯台

20分ほど登ると灯台に到着しました。

この灯台の下部はりっぱな石造り。

灯台の足元にて灯台の足元にて

『こんな石、どうやって運んできたのかな〜。』と全員感心しました。

経ヶ岬灯台から南東を望む経ヶ岬灯台から南東を望む

そこから登って来た側と反対の南東を眺めると、これまたもの凄く急な斜面の山の連続。

ここは丹後半島の突先! ぐるりと廻った南東側の風景は見事な凸凹の海岸線。

『これからあそこ、ゆくんやろうか〜。』 と、ちょっと不安ぎみのナオボーでした。

ウラシマソウウラシマソウ

足元にはウラシマソウという奇妙な植物が見えます。

この名は浦島太郎が釣り糸を垂れている姿に見立てて名付けられたとされますが、なんだかもうちょっとグロテスクな感じですね。

経ヶ岬から下るジーク経ヶ岬から下るジーク

さて、経ヶ岬灯台からはやってきた道を下って自転車をピックアップしなければなりません。

経ヶ岬から南東の海岸線を望む経ヶ岬から南東の海岸線を望む

充分にハイキングを楽しんで出発点に戻ると、みんなへいへいしています。とにかく0mから130mほど上ったのですからね。

そしてこれから私たちが向かう海岸線はこんなです。ん〜〜〜ん、かなりきつそう〜

海岸線を下る海岸線を下る

岬から先はアップダウンが心配でしたが、実は上りは最初だけで、あとは下りでした。(笑)

真っ青な海を見下ろしながら複雑に入り組んだ海岸線を豪快に下ります。

カマヤ海岸カマヤ海岸

このあたりはカマヤ海岸といい、リヤス海岸で断崖絶壁の連続です。

海岸線を行くナオボーとチューボー海岸線を行くナオボーとチューボー

ここまで下ると、そのあとは海沿いのほぼ平坦な道になります。

蒲入ロードパークより蒲入ロードパークより

先に見えていたボテッとした島が近づくと、道の脇に『蒲入ロードパーク』という小さな公園が現れました。

そこから下を眺めると、ごつごつした岩場ときれいなエメラルドブルーの海。

蒲入の先で道は海岸を離れ内陸へ。ここはちょっと上り。

浦嶋神社浦嶋神社

そして伊根町の本庄宇治に下ると、そこに浦嶋神社があります。

このあたりは浦嶋子(浦島太郎)の物語の舞台となったところで、この神社は当時の丹後の豪族であった浦嶋一族の業績をたたえて825年に建立されたと伝わります。日本最古とされる浦嶋太郎の物語が細かく描かれた浦嶋明神縁起絵巻や、なんと玉手箱があるそうです。もっともこの玉手箱は室町時代に作られたもののようなので、だいぶ時代が違いますが。

浦嶋神社から伊根の舟屋へ向かう浦嶋神社から伊根の舟屋へ向かう

浦嶋神社からは伊根の舟屋へ向かいます。

ここからもしばらく内陸を行きます。この先に峠という集落があり、六万部との間にちょっときつい上りがありました。そんなところは休み休みゆっくりとね。六万部からは泊へ出て海岸線を行く手もあるのですが、内陸路の方がアップダウンが少なそうなので、伊根までずっと内陸を行きます。

伊根湾その1伊根湾その1

海、山、里を楽しんだあと、再び海岸線に戻るとゆったりとした下りになります。

先に伊根湾が見えてきました。

伊根湾その2伊根湾その2

私たちはまず丘の上の『舟屋の里公園』へ向かいました。この公園からは舟屋が取り巻く伊根湾が一望にできるのです。

伊根湾は波が少なくとても穏やかですが、それは湾の出口に青島という島があるからです。この写真の左端にちょこっと写っているのがその青島です。

伊根湾その3伊根湾その3

湾の周囲をぐるりと、めずらしい造りの家々が取り囲んでいます。あれが『伊根の舟屋』です。

伊根湾の養殖用生け簀伊根湾の養殖用生け簀

湾の中に見えるのは養殖用の生け簀でしょう。

ブリやカンパチ、マダイ、そして夏には岩牡蠣も育てられるようです。

伊根湾を取り巻く舟屋伊根湾を取り巻く舟屋

『伊根の舟屋』は2階建で、1階は船のガレージ、2階は住居。

現在はすべて切妻屋根で、妻面が湾を向いています。もっともこのようになったのは明治時代以降だそうで、それ以前は屋根も瓦葺きではなく草葺きだったそうです。

伊根の集落その1伊根の集落その1

『舟屋の里公園』で眺望を楽しんだら、湾へ下ってみます。

伊根の集落その2伊根の集落その2

この湾の水は驚くほど透明できれい。

伊根の舟屋その1伊根の舟屋その1

舟屋の1階は水面ではなく土間になっていて、舟を引き上げて格納するようになっています。

伊根の集落その2伊根の集落その2

右側の舟屋のガレージに舟が2艘格納されているのが見えます。

舟屋内部その1舟屋内部その1

通りから舟のガレージをちょっと覗かせてもらいました。

このお宅にはしっかりと昔ながらの舟が納められていましたが、これはもう舟としては使われていないようです。

舟屋内部その2舟屋内部その2

ここはおそらくまだ本来の使われ方がされているのでしょう。舟のスペースが空けられています。左側にはスロープが設けられ、舟を押し出せる構造になっています。

しかし、本来の目的とは異なる倉庫や物干し場などの用途として使っている家がかなり多く見受けられました。これはおそらく、現在は舟が大型化したためだろうと思われます。

伊根の漁船伊根の漁船

現在の船はこのようなものが主ですからね。ガレージに入れたくても入りませんね。

伊根の蔵伊根の蔵

この集落の主な産業は漁業ですが、家の隣に立派な土蔵がある家がかなり多くあります。少なくともある一時はかなり繁盛した集落と見えます。

土蔵の上の方には鏝絵(こてえ)が見られます。

伊根の通りを行く伊根の通りを行く

舟屋の通りを進みます。この通りはひっそりとしていて、人影がほとんどありません。ちょっと驚くほどに静かです。

道を挟んで湾と反対側にも建物が立っていますが、大抵の場合、本来の住居はこちらで、湾側の2階は二次的な住居だそうです。いうなれば湾側は仕事場で、山側が住居なのです。つまりこの通りを挟んで、行ったり来たりするんですね。

クルーズ船クルーズ船

伊根湾はクルーズできます。

湾の西の外れの日出という所から、こんなクルーズ船が出ています。

クルーズ船から見る舟屋その1クルーズ船から見る舟屋その1

伊根湾は何ヶ所かで対岸を撮影できるので、舟屋の写真を撮るだけならクルーズまでする必要はないかもしれませんが、やはり海から眺める集落は何ともいえない味わいがあります。

クルーズ船から見る舟屋その2クルーズ船から見る舟屋その2

こうしてみると、集落のうしろすぐのところまで山が迫っているのがわかります。

クルーズ船から見る舟屋その3クルーズ船から見る舟屋その3

かつてここでは湾に入ってきた鯨を捕獲していたそうです。

紀伊や肥前の捕鯨は専門の組織で行われましたが、伊根のそれは鯨が入ってきた時にその周りを二重三重の舟で取り囲んで追い込む独特のもので、庄屋の指揮の元、村人総がかりで行われるものだったようです。

ちょっと見てみたいですね。

伊根湾から天橋立へ向かうジーク伊根湾から天橋立へ向かうジーク

たっぷり伊根湾一周クルーズを楽しんだら、今宵の宿がある天橋立へ向かいます。

伊根湾から先は道が広くなり、交通量も増えてきます。平坦な道を快走して天橋立に到着。その天橋立は明日の楽しみに。

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uploaded:2003-05