車窓の富士山
そろそろ伊豆は河津桜の季節です。伊豆定番メンバーからの強いプッシュもあり、2月後半のこの土日に企画発動となりました。サイサリは金曜から前乗りして、下田近くをちょろっと走って他のメンバーを待つことに。
さて金曜日。東京発の新幹線こだま号に乗れば、ちょっとだけ雲がかかっていますが富士山がお出迎え。
伊豆急の車内
熱海で伊豆急に乗り換え。天井には扇風機、ローカルな車内の雰囲気に旅気分が盛り上がります。
写真を見たジオポタメンバーからは、向かい合ったボックス席と1列の座席のミックスが珍しい、との声も上がります。
大島と利島
しばらくすると、相模湾のきらめく海辺を走る車窓から島影が見えてきました。大島が台形の姿を見せています。そしてその右の小さな三角は利島。
稲梓駅ホーム
熱海から1時間20分ほどで稲梓駅に到着。サイサリの他は誰も下りてこないこぢんまりした駅です。
私たちの乗ってきた列車は写真右。単線なので、対向する熱海行きの列車(左)を待ってからの発車となります。
稲梓駅
上り下りの列車を見送った後、駅で自転車を組み立てます。
誰もいない小さな小さな駅舎ですが、トイレは使えてよかった~
駅から階段を下る
そして、この駅は道路よりかなり高いところにあるので、急な階段を下りなければなりません。いきなり自転車の担ぎかよ~
桜の出迎えでスタート
出だしからどうなるかと思われましたが、道端では早咲きの桜が咲いて出迎えてくれています。今日は日差しも暖かく、のんびりいい雰囲気で初日のポタ、スタート。
伊豆急の鉄橋
道路を進んで右折したら、太いコンクリートの柱の鉄橋を潜ります。
これは伊豆急の線路。こんなに高いところから階段を下りてきたわけですね。
稲生沢川の土手を走る
ここから最初の目的地、上原美術館へ向かいます。
国道を避け、小さな歩行者用の橋を稲生沢川(いのうざわがわ)の対岸へ渡ります。そこは土手道のダートですが、特に問題なく走れます。
杉林を行く
土手の左手に杉林が現れました。このあたりには、室町時代に深根城という城館があったそう。
川と小山の城跡に挟まれた静かな道を進んでいきます。
上原美術館に到着
2kmほど走って右折し再び川を渡ったら、緩い上り。
上原美術館に着くと、敷地の入口からは何と激坂。ヨロヨロしながら上原美術館に到着し、自転車を停めます。
上原美術館
上原美術館は、大正製薬名誉会長の上原氏(上原正吉・小枝夫妻、上原昭二氏)のコレクションを展示する美術館です。西洋と日本の近代絵画、そして平安・鎌倉および近現代の仏像を見ることができます。
まずは奥の『近代館』へ。こちらが受付です。
近代館ではモネ、マティス、ピカソ、そして梅原龍三郎、横山大観など、近代の西洋・日本の綺羅星のような画家たちの作品が展示されています。
仏像ギャラリー
続いて『仏教館』へ。入ってまず驚くのは大空間に並ぶ約130体の仏像です。ここは仏像ギャラリー。
近現代の仏師によるもので、様々な姿の仏像を紹介してくれる学びの場にもなっています。如来、菩薩、天部、明王など、様々な仏さまがグループごとにわかりやすく展示されていました。
仏像ギャラリーの展示
例えばこちらは菩薩のエリア。手前が十一面観世音菩薩、後列奥は正観世音菩薩。
奥の部屋にはお目当ての仏像が展示されています。平安時代の十一面観世音菩薩立像、鎌倉時代の大日如来坐像、松崎町の吉田寺(きちでんじ)から寄託されている慶派の阿弥陀如来三尊像と毘沙門天立像など、見応え十分。上原美術館では、伊豆の仏教文化の継続的な調査や企画展も行われているそうで、地域の貴重な仏像の保全や教育普及への貢献は素晴らしいことですね。
上原美術館を出発
特に仏像に盛り上がった仏女サリーナ。満足感いっぱいで上原美術館を後にします。
土手を走るサイダー
『良かったね~』と、こちらも結構仏像好きなサイダー。
来たときと同じく稲生沢川の土手をのんびり戻ります。
キンメ電車と水仙
いったんR414に入った後、稲生沢川を渡って対岸の一般道へ。
その道は伊豆急の線路と並行しており、線路脇の水仙に見とれていたら真っ赤な電車が走ってきました。これは、キンメダイをイメージした『キンメ電車』なんだそう。これ以外にも黒い車体の『黒船電車』があるそうな。
線路脇の小道を出発
キンメ電車を見送ったら、水仙に囲まれた線路脇の小道をスタート。稲生沢川とともにどんどん南下します。
蓮台寺駅前
蓮台寺駅前を右折。
蓮台寺温泉では、毎年3月下旬~4月初旬にかけて『しだれ桃の里まつり』が開かれ、天神神社の118段階段にひな飾りがお目見えするそうですが、それはまだ1ヶ月ほど先のこと。
蕎麦屋『薮』
稲生沢川に沿って進むうちに下田中心部にやってきました。そろそろお昼時、下田駅の近くのお蕎麦屋さん『薮』で昼食を。
かもせいろ
ちょうどお昼の時間帯で少し待ちましたが、頼んだ『かもせいろ』は2段のせいろに鴨のつけ汁、美味でした。
メニューには『わさび丼』というのもあり、興味津々でしたが『わさび』だけだと寂しいかも、と頼まず。どんなどんぶりだったのかな。
海辺へ向かう
お腹を満たしたら、下田駅前を通過し稲生沢川に沿って下田の海辺へ。
みなと橋を渡
みなと橋を渡ります。ここで稲生沢川と別れ、東の須崎半島へと向かいます。
濃いめのピンクの桜が満開
その途中、ホテルの白い建物の前で濃いめのピンクの桜が満開の花を咲かせていました。
『おお~これは豪華!』と歓声をあげるサリーナとサイダー。
須崎乙女桜
青空に春爛漫の桜。実は、河津桜はまだあまり咲いていないと聞いており、これはもう少し早咲きの桜のようです。
あとで調べてみたら、これは『須崎乙女桜』とのこと。須崎半島の地元の桜です。
桜の下を走るサリーナ
須崎乙女桜の下をゆっくりと走るサリーナ。一足早い下田の春を満喫です。
下田市魚市場
汐見台公園を右折し海辺に着くと、そこは下田市魚市場。この手前には市場の食堂『金目亭』があって、もう14時ですがまだまだ賑わっていました。
まどが浜海遊公園
魚市場の先には、まどが浜海遊公園があります。
下田港に面したこの公園には芝生広場が広がり、海を見ながら散策にするのに良さそう。そして、公園の所々に下田の歴史を窺わせるモニュメントも。日露和親条約締結150周年の記念碑とか、坂本龍馬の銅像もあります。そうそう、足湯もありますよ。
遊覧船の『サスケハナ』
その時、下田港を出港した黒船『サスケハナ』の姿を見つけました。
黒船の姿を模した遊覧船は下田港内を約20分で一周します
海沿いの遊歩道を進む
私たちは須崎半島の付け根に到着。海沿いの遊歩道を進みます。
玉泉寺の山門前
その遊歩道を500mほど進み、少し内陸に入ったところに玉泉寺があります。
ここは、1854年に米国黒船乗員の休息所・埋葬所に指定され、さらに1856年には日本最初の米国総領事館とされたところです。
玉泉寺の本堂
正面は本堂。そして、右に入るとハリス記念館があります。
タウンゼント・ハリスは日米和親条約の後、通商規程を定めた『日米修好通商条約』を締結した米国初代の外交官です。この記念館にはハリス愛用の品や古文書その他、多くの幕末開国の資料が展示されているそうですが、ちょっと時間が押しているので入場はせず先を急ぎます。
『ハリスの小径』入口から見た海岸線
玉泉寺から少し南下すると、下田港を回り込む海岸沿いに石畳の遊歩道があります。
これは、『ハリスの小径』。ハリスが通訳官のヒュースケンと共に散策したであろうこの場所に、1992年に遊歩道が整備されたとのこと。
ハリスの小径からの風景
港を囲む海岸線に続く小径からは、海を隔てた対岸の下田中心部やその東の寝姿山の風景が美しく広がります。
激坂に押しのサイダー
ハリスの小径を進み続けると、左折するあたりからは通る人もほとんどいないのか藪漕ぎ状態になりますが、何とか抜け出して県道須崎柿崎線に戻りました。
ここから上りが始まり、県道を右折して一般道に入るとさらに超激坂に。『勘弁してよ~』と押しに入るサイダー。
見晴須崎台からの風景
見晴台を目指していたので上り坂は仕方ありません。見晴台は普通高いところにありますからね。。
ヨロヨロしつつ、見晴須崎台に到着。そこからの風景は、山の間に海とその先の岬が見えますが、そんなに絶景というほどではありません。
恵比須島が見えた
さらに南へ進みます。少し尾根道を行き、あとは下り。
ダーっと一気に下っていくと、正面に小さな橋で繋がれた島が見えました。これは須崎半島の最南端にある恵比須島です。
ここは須崎半島最南端
では早速恵比須島に渡ってみましょう。
しかし、この須崎半島最南端では強風が吹き荒れていました。風はゴーゴーと音を立て、海辺の岩礁では波しぶきが白く舞い上がっています。橋の手前に自転車を置くも、やや表情の硬いサリーナ。
恵比須島へ渡る
恵比須島は一周300mほどの小さな島で、周回できる歩道が設けられています。
橋を渡る途中で強風MAX、本当に吹き飛ばされそう!
海沿いの歩道を進む
島に入り海沿いの歩道を反時計回りに進むと、左手は縞々の崖、右手の海辺は千畳敷のような平らな石が並ぶ磯。『なんだか面白い地形だね~』とサイダー。
この辺りの崖は黒っぽい石の混じった地層ですが、これは海底を流れた土石流が隆起したものだそうです。
縞々の崖
さらに進むと崖は白っぽい砂状になり、芸術的な縞模様はまるでバロック教会のよう。
この地層は、伊豆全体がまだ海底にあった頃の火山の噴火によって降り積もった火山灰でできた凝灰質砂岩とのこと。
千畳敷の磯
そして、周りを取り囲むのは千畳敷の磯。
これは、波が削ったかつての浅瀬が隆起してできた地形。須崎半島全体が、浅瀬や海岸平野が隆起してできた『海岸段丘』なんだそうです。
海の向こうに島影
千畳敷の先の海の向こうにうっすらと浮かぶのは、左の三角が利島、そして右に新島、神津島と続いています。
須崎恵比須島指向灯
島の南端からは、海沿いではなく島を南北に縦断するルートで戻ってみることにしました。
少し上ると小さな恵比寿神社があり、その横に須崎恵比須島指向灯がありました。指向灯とは、通航困難な水道、狭い港口等の航路を示すために3色の光を発出するもので、船から見て真ん中の安全なコースが白、コースから右側にそれると赤、左側にそれると緑の光が見えるようになっているそうです。光が回る普通の灯台とはちょっと違うんですね。
林の中を進む
恵比須島を出て須崎港を通り過ぎたら、上りが始まります。上りは県道須崎柿崎線に入ったあたりでピークに達しました。
すぐに県道から離れ、林の中の細い道を進みます。最初は舗装路で快調だったのですが、、
ダートの激坂下り
すぐに右折して須崎半島の東海岸方面へ。この道はゴロ石ダートの激坂下り。
恐る恐る慎重に走るサリーナ。
外浦に到着
下り終えたところに船溜まりが見えてきました。須崎半島の東の付け根、外浦に到着です。
港の桟橋に出た
港の桟橋に出てみると、海の中に岩礁がポツポツと浮かんでいます。面白い景色ですが、湾を出るまで船を操るのは大変そう。
外浦海水浴場に到着
そして、港のすぐ北側には美しい砂浜が広がっています。ここは外浦海水浴場。
外浦海水浴場でジャンプ
ここはやっぱり、これでしょう。ジャンプ!(笑)
国道へ上る
砂浜の景色を楽しんだら、あとは今宵の宿を目指して伊豆白浜へまっしぐら。
と思ったら、伊豆白浜へ北上する道は国道しかなく、国道まで上らなければいけません。上る道を探したら、こんな小さな道を発見。怪しそうでしたが、ちゃんと『国道へ→』の看板がありました。
外浦の海岸と須崎半島
国道に上って振り返れば、外浦の砂浜の海岸と須崎半島のこんもりした緑の美しい景色が眺められました。
ラライズ
我らの宿は、伊豆白浜の少し手前の高台にあります。そんなわけで、しばらく走ったら国道を離れて山側へ。これが超激坂! 伊豆は甘くないのでした。
こちらが宿です。高台の上に張り出して建っており、自転車を抱えて入口まで上ります。
宿の部屋からの眺め
部屋の窓からは海が見えます。やっぱり高台はいいわあ~(笑)
ディナーはイタリアン
宿のディナーはイタリアン。それでは、と白ワインでカンパ~イ。新鮮なお刺身あり、キンメのソテーありと、大変美味しくいただきました。
さて、明日からいよいよ本格的な南伊豆の旅が始まります。河津桜、少しは咲いているといいのですがどうかな。期待しましょう!
